JST 「数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索」領域 生理学と協働した数理科学による皮膚疾患機構の解明 第13回 JST数学キャラバン in 水戸@水戸第二高等学校 2014年11月29日 漸化式を使っていろいろな現象を 数学にしてみよう! 長山雅晴 北海道大学 電子科学研究所 動的数理モデリング研究分野 科学技術振興機構 CREST 現象を数学にする!? 現象を数学にするとはどういうことですか? 現象を数学にするとは,理解したい現象を数学の式として表現する ことです.数理モデリングと言われています. 具体的な数式を与え,その数式から得られる結果から現象を理解 することが目的です.数式を具体的に解くことが目的ではありません. 実は…ほとんど解けません. この講義では,漸化式を道具として現象の数式化についてお話 したいと思います. 私にとっての 数理モデル構築の基本原理 重要 単位時間当たりの(量,もの)の変化量 = 流入量 ー 流出量 = 入ってくる(もの)ー 出て行く(もの) = 生成されるもの ー 消費されるもの (もの) = 化学物質濃度,密度,温度,力 etc. 時間とともに変化する現象の数理モデルはこの基本原理によって記述 されていると思ってよい. 「流入するもの」と「流出するもの」をいかにして見つけるのかが 重要です. どのような数学を使うのか? どのような数学を使って表現すればよいのか? セル・オートマトン(ルールを与えるだけなら中・高校生) 漸化式(高校生2年生以上) 微分方程式(大学生以上) 漸化式を使って数理モデルを つくる前に 数列と漸化式1 (数学Bの教科書) 正の奇数を小さいものから順に並べると 1, 3, 5, 7, 9, 11, 13 , … ① という数の列が得られる.このように数をー列に並べたものを数列といい, 数列を作っている各数を数列の項という. 数列の項は,最初の項から順番に第1 項,第2項,第3 項,…といい, n 番目の項を第 n 項という. 特に, 第1項を初項ともいう.数列①の初項は1 ,第2 項は3である. 数列を一般的に表すためには x 1 , x2 , x3 , · · · , x n , · · · のように表す.数列を {xn} と略記することがある.①の数列を{xn}とすると x1 = 1, x2 = 3, x3 = 5 ,… であり,一般に,第n項は次のように表される. xn = 2n 1 一般項が与えられると,n に1, 2, 3, …と代入することによって その数列の各項を求めることができる. 数列と漸化式2 数列の一般項 xn = 2n 1, xn+1 = 2(n + 1) 1 に対して,第2式 ー 第1式を求めると xn+1 xn = 2 ! xn+1 = xn + 2 となる漸化式を得る.漸化式は,数列において初項を与えることによって 前項から次の項をただ一通りに定める規則を示す等式である. 初項 x1 = 1とすると漸化式から x1 = 1, x2 = 3, x3 = 5, · · · , xn = 2n と奇数の数列を定めることができる. ちなみに,初項をx1 = 2とすると漸化式から 1, · · · x1 = 2, x2 = 4, x3 = 6, · · · , xn = 2n, · · · と偶数の数列を定めることができる. 数列と漸化式3 数列 xn = 2 n を考えて見よう! x1 = 21 = 2 = 2 ⇥ 1 x2 = 22 = 4 = 2 ⇥ 2 = 2 ⇥ x1 x3 = 23 = 8 = 2 ⇥ 4 = 2 ⇥ x2 .. . n xn = 2 = 2 ⇥ 2n 1 = 2xn 1 xn+1 = 2n+1 = 2 ⇥ 2n = 2xn すなわち漸化式 xn+1 xn = 2n である. = 2xn の答えは数列 , x0 = 1 漸化式は答えとして数列を与える方程式となっている. 一般に 一般に漸化式は ⇢ xn+1 = f (xn ), x1 = p と書くことができます. Belousov-Zhabotinsky (BZ)反応の実験 i) 攪拌した系で 1 cm 漸化式モデルを用いた振動現象の再現 ✓ 8 h a xn < x f yn + xn (1 n+1 = xn + " a + xn : yn+1 = yn + h(xn yn ). 振動性 ◆ xn ) , メトロノームの同期現象 同位相同期現象 逆位相同期現象 同相 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 585 586 587 588 589 590 逆相 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 732 732.5 733 733.5 734 734.5 735 ロウソク振動子 ロウソク振動子の同期現象 同位相同期現象 振動子間の距離:2cm 逆位相同期現象 振動子間の距離:5cm 数理モデルによるの同期現象の再現 輻射相互作用を仮定した場合 距離が近い場合 同位相同期解 距離が離れている場合 逆位相同期解 拡散相互作用の場合は 同位相同期現象しか確認されなかった 私にとっての 数理モデル構築の基本原理 重要 単位時間当たりの(量,もの)の変化量 = 流入量 ー 流出量 = 入ってくる(もの)ー 出て行く(もの) (もの) = 化学物質濃度,密度,温度,力 etc. 数理モデルはこの基本原理によって記述されていると思ってよい. 「流入するもの」と「流出するもの」をいかにして見つけるのかが 重要です. 渋滞現象の数理 セル・オートマトンモデル ルール 「前方のセルが空いていれば進む,空いてなければ進まない」 (排除体積効果) → 入ってくる 進行方向 → 出て行く 渋滞:=ルールによって動かないセルがあったとき 渋滞は起こり続ける → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 渋滞はどうして起こるのか? Case 1:密度 11/20 → 渋滞発生 → 進行方向 入ってくる → → 出て行く Case 2:密度 10/20 → どうなる? → 進行方向 入ってくる → → 出て行く Case 3:密度 10/20 → どうなる? → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く Case2の場合 → 入ってくる 進行方向 → 渋滞は解消されない → 出て行く Case3の時 → 入ってくる 進行方向 → 渋滞は解消される → 出て行く b) らせんパターン(Spiral Pattern) (4倍速) 3 mm BZ反応の簡単な数理モデル (セル・オートマトンを使った数理モデル) 興奮状態(酸化状態) 隣が1つでも 興奮状態(酸化状態) のとき 不応状態 休止状態(還元状態) 隣のどれもが興奮状態(酸化状態) ではないとき 漸化式を作る 単位時間当たりの(密度,濃度,温度,距離,速度)の変化量 (単位:密度/時間,距離/時間,温度/時間) 時刻 n でのあるもの(密度,濃度,距離,温度)の量を と書く.時刻 n から n+1 までの時間を h とすると 単位時間当たりのあるものの変化量は xn+1 xn h と記述される. あとは流入する量と流出する量をみつければよい. xn 数理モデル(漸化式)を作ってみる! 人口モデル(個体群密度変化モデル) 単位時間あたりの人口増減数 = 誕生人数 ー 死亡人数 時刻 n における人口を xn ,h時間後の時刻 n+1 における人口を xn+1 とする. 単位時間あたりの誕生率を a( < 1) ,死亡率を b (<1) とすると, 時刻 n から n + 1 までに変化した人口の増減は xn+1 xn = axn h bxn 漸化式 (高校で習う) と記述することができます. 直感的に,(a ‒ b) > 0 なら人口は増加するとわかるし, (a ‒ b) < 0 なら人口は減少するとわかる. 数理モデルの解析(1/2) 本当に正しいでしょうか? 時刻1における人口を p人 とします.すなわち,x1 = p です. xn+1 ⇢ xn+1 xn = h(a x1 = p b)xn = (1 + h(a b))xn = (1 + h(a b))(1 + h(a = = ··· (1 + h(a b))n x1 = (1 + h(a b))n p b))xn 1 等比数列となっている 数理モデルの解析(2/2) もし h(a ‒ b) > 0 ならば 1 + h(a ‒ b) > 1 なので 数列 n 1 xn = (1 + h(a b)) p はnを大きくすれば増加する. もし -1 < h(a ‒ b) < 0 ならば 0 < 1 + h(a ‒ b) < 1 なので 数列 n 1 xn = (1 + h(a b)) p はnを大きくすれば減少する. 数学の問題:漸化式は等比数列をつくる.公比の大きさによって 増減する. 現象の問題:漸化式は人口増減の数学モデルを記述している. 増加率と減少率の大小関係で増減する. → 漸化式に意味を持たせることで,現象の数理モデルとなり得る. 人口問題の数理モデル h 時間に変化する人口増減の数理モデルは 漸化式 xn+1 xn = h(a b)xn によって記述できる. (a ‒ b) > 0 ならば人口が発散する. そのため十分時間が経ったのちの人口増減については記述できない 改良モデル(ロジスティックモデル) xn+1 xn = (a h bxn )xn 人口密度が高くなると,人口密度に依存して増加率が減少する 一般に 時間とともに変化する現象は漸化式を使って ⇢ xn+1 = xn + hf (xn ), x1 = p と書くことができます. 拡散現象 粒子,熱,運動量などが自発的に散らばり広がる物理現象 分子拡散 →フィックの法則 熱拡散 →フーリエの法則 電子拡散 →オームの法則 例) 青色に着色した水を無色の水に滴下したときに青色の水が 広がっていく現象 化学物質が水溶液中に広がっていく現象 細胞生物学では特定の物質が選択的に細胞膜を透過する現象 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 拡散現象の実験 実験:北畑裕之氏(千葉大学) 拡散現象のモデル化 x (i) x (i) 時刻 n に箱 i に入っている粒子数を n と書く. このとき時間1経った後の 時刻 n+1 箱 i に入っている粒子数を n+1 と書く. ルール 「時間1当たり確率P(0 < P < ½)で隣に粒子が移動する」 n=2 例: 時刻 n=2 に 箱5に粒子数が4個のとき x2 (5) = 4 となる .... 4 5 6 .... 問題設定 時刻n=0のとき図のように各箱に 粒子が入っているとき,時刻が 経つと各箱の中の粒子数は どうなるのでしょうか? P P P P P P P P .... P P P P .... i-1 x 0 (i-1) i x 0 (i) i+1 x 0 (i+1) 例えば P P P P P P P P P P t=n P P .... .... i-1 x n (i-1) P P P P i x n (i) i+1 x n (i+1) P P P P t=n+1 .... P P P P .... i-1 i i+1 x n+1 (i-1) x n+1 (i) x n+1 (i+1) xn (i 1) = 8, xn (i) = 4, xn (i + 1) = 7 xn+1 (i 1) = 6, xn+1 (i) = 5, xn+1 (i + 1) = 6 拡散現象を表す漸化式 時刻 n から時刻 n+1 に 箱 i に入ってくる 粒子数は 箱m-1から確率Pで P xn (i 1) 個入っていくる.同様に箱 i+1 から確率Pで P xn (i + 1) P P P P 個入っていくる.そして箱 i から確率Pで左右に 2P xn (i) i-1 i 個出て行く.従って,時刻 n から 時刻n+1での x n (i-1) x n (i) 箱 i の粒子数の増減は P xn (i i+1 x n (i+1) 1) + 2P xn (i) + P xn (i + 1) となるので,数理モデルの基本原理から箱 i の粒子数変化は (xn+1 (i) xn (i))/h = +P hxn (i 1) 2P hxn (i) + P hxn (i + 1) 拡散現象を記述する漸化式 箱 i での粒子数の時間変化は次のように書ける: xn+1 (i) xn (i) h = 2P xn (i) +P xn (i 隣へ移動していく粒子数 を表している 1) + P xn (i + 1) 隣から移ってくる粒子数 を表している 拡散現象は流入と流出が同時に起こる現象 拡散現象を記述する漸化式 xn+1 (i) = (1 2P h)xn (i) +P hxn (i 1) + +P hxn (i + 1) 拡散現象(拡散方程式)の特徴 不均一な状態を均一な状態にする効果が見て取れる .... x n (i,j) i+1, j x n(i+1,j) .. .. .... xn (i, j) = 4 .... i, j-1 .. .. .. .. n i, j i-1, j x (i-1,j) .... .... i, j+1 .. .. .... .. .. .. .. 2次元の拡散現象を表す漸化式 箱の番号を (i, j)とする.時刻 n に箱(i, j)に入っている粒子数を xn (i, j) とする. 2次元の拡散現象を記述する漸化式 .. .. .. .. .. .. ルール 「単位時間当たり確率P(0 < P < ¼ )で隣に粒子が移動する」 .... .... P .... P x (i-1,j)) P x n(i+1,j) .... .... .. .. i, j-1 .. .. n .. .. .... i, j P (xn+1 (i, j) xn (i, j))/h = P xn (i 1, j) 2P xn (i, j) + P xn (i + 1, j) +P xn (i, j 1) 2P xn (i, j) + P xn (i, j + 1) 2次元の拡散現象を記述する漸化式 .. .. .. .. .. .. ルール 「単位時間当たり確率P(0 < P < ¼ )で隣に粒子が移動する」 .... .... P .... P x (i-1,j)) n xn+1 (i, j) .... .... = (1 .. .. .. .. i, j-1 .. .. .... P x n(i+1,j) i, j P 4P h)xn (i, j) +P hxn (i 1, j) + +P hxn (i + 1, j) +P hxn (i, j 1) + P hxn (i, j + 1) 拡散現象(拡散方程式)の特徴 10x10 不均一な状態を均一な状態にする 拡散現象を表現できている. 20x20 拡散現象の記述する漸化式 1次元の拡散現象を記述する漸化式 xn+1 (i) = (1 2P h)xn (i) +P hxn (i 1) + +P hxn (i + 1) 2次元の拡散現象を記述する漸化式 xn+1 (i, j) = (1 4P h)xn (i, j) +P hxn (i 1, j) + +P hxn (i + 1, j) +P hxn (i, j 1) + P hxn (i, j + 1) 3次元の拡散現象を記述する漸化式も書き出すことができます. 拡散現象の応用問題 動 物 当 て ク イ ズ ! 中田聡(広島大学) この模様を持つ動物は? チューリングモデル(拡散誘導不安定性) 仮説:1つの細胞の中に次の2つの化学反応物質がある: 1つは活性化因子 u,1つは抑制化因子 v 活性化 活性化 x y 抑制化 抑制化 8 x x n+1 n 2 > = (x (1 x yn ), < n n) h > : yn+1 yn = (xn yn a) h チューリングモデル(拡散誘導不安定性) 1 0 < Px < Py < 4 .... .... n i, j i-1, j x n (i,j) (yn+1 (i, j) yn (i, j))/h = Py yn (i .. .. .... .... i, j-1 .. .. .. .. .. .. 1) i+1, j x n(i+1,j) (xn+1 (i, j) xn (i, j))/h = Px xn (i 1, j) 2Px xn (i, j) + Px xn (i + 1, j) +Px xn (i, j .... i, j+1 x (i-1,j) .... .. .. .. .. 仮定:細胞同士は結合しており.細胞間を拡散する活性化因 子の拡散係数は抑制化因子の拡散係数と比較して小さい 2Px xn (i, j) + Px xn (i, j + 1) 1, j) 2Py yn (i, j) + Py yn (i + 1, j) +Py yn (i, j 1) 2Py yn (i, j) + Py yn (i, j + 1) チューリングモデル(拡散誘導不安定性) (xn+1 (i, j) xn (i, j))/h = Px xn (i 1, j) 2Px xn (i, j) + Px xn (i + 1, j) +Px xn (i, j +xn (i, j)(1 1) (yn+1 (i, j) yn (i, j))/h = Py yn (i 2Px xn (i, j) + Px xn (i, j + 1) x2n (i, j)) yn (i, j) 1, j) 2Py yn (i, j) + Py yn (i + 1, j) +Py yn (i, j 1) 2Py yn (i, j) + Py yn (i, j + 1) +xn (i, j) yn (i, j) a チューリングパターン (魚の模様) 近藤滋(大阪大学) 数値計算結果(チューリング パターン) 数理モデルを作る基本原理 重要 単位時間当たりの(量,もの)の変化 = 流入量 ー 流出量 = 入ってくる(もの)ー 出て行く(もの) = 生成されるもの ー 消費されるもの (もの) = 化学物質濃度,密度,温度,力 etc. 漸化式は時間変化する現象を記述することができる道具です. 現象を記述するための漸化式は意味を持っています. 意味を持つ漸化式を作って考察することは, 自然現象や社会現象を数学の立場から理解することであって, 数学は立派に社会の中で役立っています. ご静聴ありがとうございました. 渋滞現象の数理 セル・オートマトンモデル ルール 「前方のセルが空いていれば進む,空いてなければ進まない」 (排除体積効果) → 入ってくる 進行方向 → 出て行く 渋滞:=ルールによって動かないセルがあったとき 渋滞は発生するか? → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 渋滞:=ルールによって動かないセルがあったとき 渋滞は起こり続ける → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 渋滞はどうして起こるのか? Case 1:密度 11/20 → 渋滞発生 → 進行方向 入ってくる → → 出て行く Case 2:密度 10/20 → どうなる? → 進行方向 入ってくる → → 出て行く Case 3:密度 10/20 → どうなる? → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く Case2の場合 → 入ってくる 進行方向 → 渋滞は解消されない → 出て行く Case3の時 → 入ってくる 進行方向 → 渋滞は解消される → 出て行く 渋滞はどうして起こるのか? Case 1:密度 11/20 → 渋滞発生 → 進行方向 入ってくる → → 出て行く Case 2:密度 10/20 → 渋滞の後ろの密度 6/12 → 進行方向 入ってくる → → 出て行く Case 3:密度 10/20 →渋滞の後ろの密度 5/11 → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 渋滞の後ろの密度が低ければ渋滞は解消される可能性がある 実験による検証 渋滞現象を記述する漸化式 各箱に番号をつける 1 2 … i-1 i i-1 … N-1 N 1つの箱は0か1が入る u n (1) u n (2) … u n (i-1) u n (i) u n (i+1) … u n (N-1) u n (N) 渋滞現象を記述する漸化式 un+1 (i) = un (i) + max(un (i 1), 1 min(un (i), 1 u n (1) u n (2) … 1 0 … un (i + 1)) u n (i-1) u n (i) u n (i+1) 0 1 un (i)) 1 … … u n (N-1) u n (N) 1 1 ↓ un+1 (1) u n+1 (2) … 0 or 1 … 0 or 1 un+1(i-1) un+1 (i) un+1(i+1) 0 or 1 0 or 1 0 or 1 … … un+1(N-1) un+1(N) 0 or 1 0 or 1 いくつかのセル・オートマトンモデルは漸化式で表現できる. (超離散:最先端の数学) 漸化式を用いて渋滞現象を解く → 0なら1,1なら0 渋滞の後ろの密度は? 4/10 進行方向 → 出て行く → 問06 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 1 0 1 0 1 i=1 i=2 → 0なら1,1なら0 渋滞の後ろの密度は? 3/10 進行方向 → 出て行く → 問07 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 1 0 1 0 1 0 i=1 i=2 渋滞現象は社会現象? 渋滞現象は生命系だけに起こりうる現象なのか? (渋滞を起こさないように運転することは可能か?) プラスチック板の後部に,界面活性剤である樟脳粒をつける. これを樟脳船と呼ぶ. 樟脳は水の表面張力を下げるので,樟脳船は樟脳濃度が 低い船首方向に進む. 樟脳の高い昇華性により水面の樟脳濃度が飽和することなく 不均一に保たれ,樟脳船は動き続ける. 樟脳船の渋滞現象 樟脳船を円形の水路に浮かべると, 樟脳船の数に依って下の様な運動形態が見られる. (30隻) (40隻) 末松さん(明治大学), Physical Review E (2010) 樟脳船運動の数理モデル 表面張動く方向: 表面張力:小 樟脳粒子の膜 樟脳船 小 表面張力:大 樟脳粒 樟脳船の数理モデル:ニュートンの運動方程式( F= ma )(物理) (漸化式で表現できる) 樟脳粒子の膜の数理モデル:拡散方程式+樟脳粒からの供給 (漸化式で表現できる) 数理モデルの数値計算結果 密度が低い場合 密度が高い場合 渋滞の発生と解消 渋滞の発生 渋滞の解消 渋滞現象 渋滞現象は非生命系でも起こりうることがわっかた. → ある程度以上の密度になると物理現象として渋滞が発生するため 人為的な操作で渋滞を避けることは不可能. ただし,ある程度の範囲の密度では車間距離を空けて 走行することで渋滞を解消することが可能です. 数理モデルを作る基本原理 重要 単位時間当たりの(量,もの)の変化 = 流入量 ー 流出量 = 入ってくる(もの)ー 出て行く(もの) = 生成されるもの ー 消費されるもの (もの) = 化学物質濃度,密度,温度,力 etc. 数理モデルはこの基本原理によって記述されていると思ってよい. 「流入するもの」と「流出するもの」をいかにして見つけるのかが 重要です. ご静聴ありがとうございました. 問04 問03 → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 問10 問08 → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く → 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 1 0 1 0 1 0なら1,1なら0 進行方向 → 出て行く → 進行方向 問07 → → 0なら1,1なら0 出て行く → 問06 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 1 0 1 0 1 0 → → 出て行く 0なら1,1なら0 → → 入ってくる 進行方向 自由課題 進行方向 → 出て行く → 自由課題 1)波の 衝突 2)片側が欠け た波 解03 解04 → 入ってくる 進行方向 → → → 出て行く 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 解10 解08 → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く → 入ってくる 進行方向 → → 出て行く 解07 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 0 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 0 1 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 → 1 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 → 進行方向 出て行く 0なら1, 1なら0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 → → 0なら1,1なら0 0 0 1 1 0 0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 進行方向 0 0 1 0 0 1 0 1 0 0 1 0 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 0 1 0 0 1 1 1 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 → 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 1 0 0 1 出て行く → 解06 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0
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