禁無断転載複写 創造力・表現力向上を目指した活動の調査研究 及びワークショップ・プログラム開発 資料編 平成16年 3 月 財団法人 マルチメディア振興センター 目次 I. CANVAS................................................................................................................ 3 1)CANVAS 基本方針......................................................................................... 5 2)CANVAS フェローとその活動....................................................................... 12 II. 国内調査......................................................................................................... 37 III. 海外調査............................................................................................................. 47 IV. 参加型ワークショップ開発の基礎となるデジタル文化・技術の調査・分析......... 71 1)ポップカルチャー政策研究議事録......................................................... 73 2)URL 集........................................................................................................... 155 V. 参加型ワークショップ・プログラムの拡充........................................................... 161 1)東京大学サマーキャンプ アート&テックプログラム................................... 163 2)DJ ワークショップ........................................................................................ 177 3)インプロ(即興)ワークショップ.................................................................. 259 4)殺陣(たて)ワークショップ......................................................................... 309 5)映像ワークショップ(ミニミニ情報番組制作)............................................. 335 6)ミュージックプレイショップワークショップ................................................ 358 VI. 参加型ワークショップ・プログラムの普及・啓発手法の検討................................ 371 1)全国マルチメディア祭 in みやざき................................................................. 373 2)ウェブ掲載記事等............................................................................................ 383 - 1 - - 2 - Ⅰ . CANVAS - 3 - - 4 - CANVAS 基 本 方 針 世界と時代 1.世 1) 多元性の再認識 地球は小さくなりました。輸送技術や通信技術のおかげです。人もモノも情報も、め まぐるしいスピードで行き来しています。20 世紀は、科学が進化を押し進めた百年でし た。 しかし、21 世紀は、それをあざ笑うかのようなテロで幕を開けました。2001 年9月 11 日、科学が積み上げた高層ビルが、科学の粋である旅客機によって崩されました。その できごとは、世界がまだまだ広いことを改めて認識させるものでした。地上には、いろ んな人がいる。いろんな暮らしがある。いろんな考え方がある。 技術の進歩で、わたしたちは豊かになったといいます。確かに、今の大人たちは、未 来に輝く夢を抱いてきました。発展し、進化していく先が 21 世紀でした。しかし、今の 子どもたちは、未来に明るいイメージを持っているでしょうか。希望を持っているでし ょうか。戦争と競争の 20 世紀が過ぎました。次の価値は、どうすればみつかるのでしょ う 2) デジタルの千年 いま現出しているグローバルな世の中は、これまでの国際社会とは性格が違っています。 デジタルでつながっている、という点です。ネットワークで連結した社会では、いつも 情報が共有され、交換されていて、お互いのことがより深く理解されるようになります。 これまでにない表現や、豊かなコミュニケーションが行き交うことになります。 もちろん、つながって、お互いのことがわかるようになれば、平和が訪れる、という ほど単純なものではありません。わかりあってこそ始まる対立もあるでしょう。しかし、 地上の人々が、新しい見方、新しい感じ方、新しい考え方をしはじめることは間違いあ りません。国や組織の枠を超えて、民族や文化の柵を越えて、一人ひとりが話し、つな がり、ふれあって、新しい世の中を創り出していくことでしょう。 アナログの千年からデジタルの千年への転換期。次のステージに向けて準備すること が大切です。 3) 担い手としてのこども デジタルの社会では、新しい作法やルール、新しい権利や義務が求められるかもしれま せん。デジタルの空間では、映像や造形による新しい表現が生まれてくるでしょう。 そうした多元的で新しい社会を築き、新しい表現を拓くのは、いまの子どもたち以降 の世代です。生まれながらネットを駆使し、生まれながらバーチャルに表現し、生まれ ながらデジタルに暮らす世代が担うことになります。 - 5 - 子どもたちが最大限に活躍できるよう、環境を整える必要があります。子どもたちが フルスイングできる場と技術を与えること。一人ひとりがめいめいの気持ちや考えを表 し、分かち合い、そして創り出していけるように支援すること。 それが大人たちの役割でしょう。 日本の役割と課題 2.日 1)多元性のプラットフォーム 世界が多元であることは、サッカーのワールドカップでも示されました。決勝はブラジ ルとドイツ。南米と欧州です。3位はトルコで4位は韓国。世界最大のイベントに熱中す る人々は、この世はアメリカだけではない、さまざまな国から成り立っていることにも思 いをいたしました。そのホスト役は日本と韓国。アジアが多元的な世界のプラットフォー ムになり得ることも示すものでした。 日本は、このグローバルなデジタル社会で、一翼を担うことが期待されています。深い 文化と厚い経済力を持つ文明国として、新しい世界に貢献していくことが求められていま す。 2)失われた百年からの再生 しかし、日本は悩んでいます。失われた十年を取り戻そうともがいています。 いえ、ともすると、失ったのは十年ではなく、百年かもしれません。半世紀前の敗戦と、 今般の長期不況によって、富国強兵の幕が閉じ、一世紀を貫いた国の軸が揺らいでいると いうことかもしれません。西洋近代の機能主義が問われているということかもしれません。 この百年、日本はキャッチアップを第一としてきました。欧州を模範とし、アメリカに 憧れてきました。いや、遣隋使からこの千年以上、ずっとどこかの後追いをしてきたのか もしれません。しかし、もはや手本はありません。自分で考えなければなりません。 閉塞を突破するのは、何か。経済の再生でしょうか。科学技術のさらなる進歩でしょう か。あるいは、百年前の日本がそうしたように、世界との新たな関係を築くことでしょう か。日本とは何かという自我を見つめることでしょうか。 おそらく、その全てが必要なのではないでしょうか。デジタルの力をまとった若い世代 の手によって。 3)強みの発揮と弱みの克服 日本は、国際的な立ち居振る舞いが下手と言われます。コミュニケーションが不得手と されています。自分を自分の方法で表現し、相手に理解してもらうことが苦手とされてい ます。言葉の壁や作法の違いはあるでしょう。 - 6 - 一方、日本には、豊かな歴史文化があります。ものづくりに対するこだわりがあります。 営々と養ってきた審美眼があります。アニメやゲームなど、日本が世界をリードしている 表現分野もあります。ケータイでのメールのように、日本独特の発達をみせているコミュ ニケーションもあります。ポップで楽しい表現力があります。 きっと本来、豊かな創造力と表現力が社会の底を流れているのでしょう。それを支える のは子どもたちの世代です。その力を世界に発揮していくのも子どもたちです。日本にと って最大の資産は子どもたちです。 子どもたち一人ひとりがコンテンツを創り、地球のすみずみに発信していく。それをで きるだけ活発にするのが日本の課題です。 3.CANVAS の 役 割 1)創造の場 築いていくのは子どもたちです。切り開いていくのは子どもたちです。子どもたちが自 分で考えて、自分で創造していくことが大切です。楽しみながら、苦しみながら。一人で、 みんなで。主体的で自発的な活動が必要です。 与えられた問題を解くには、従来の詰め込み型の教育が効果的だったかもしれません。 しかし、針路の定まらない時代、いったい何が問題なのか、それを探っていくことが課題 です。そして、それを自ら解いていく能力が求められます。もう後追いや模倣だけでは済 みません。 頭の中で想像するだけでは足りません。それをいかに実現するか。実行するか。いかに 創り出していくのか。手で、足で。昔ながらの道具を使ったり、最先端のデジタル技術を 駆使したりして。 CANVAS は、子どもたちが何かを創り出していくための場です。そのための場所、技術、 ノウハウ、道具を提供していきます。 2) 表現の場 自分の考えをきちんと伝えることが必要です。自分の気持ちを形にすることが重要です。 世界にむけて自分の情報を発信していくことが大切です。 それは、会話で行うのがよいかもしれません。論理的な文章かもしれません。赤や青や 白を使った美しい絵かもしれません。一筆書きのマークかもしれません。歌声かもしれま せん。笛やピアノかもしれません。手拍子かもしれません。ジェスチャーかもしれません。 ウィンクや笑顔かもしれません。 手紙に書くのがいいかもしれません。電話かもしれません。映画やテレビかもしれませ ん。パソコンやインターネットかもしれません。ケータイかもしれません。ロボットやね んど細工で示すのがいいかもしれません。 - 7 - この国にとって、わたしたち一人ひとりにとって、その目的や場面によって、ふさわし く心地よい表現やコミュニケーション手段があるでしょう。それを見つけて、それをきち んと表せるようにしたい。 CANVAS は、子どもたちが世界に向けてアイディア、考え、気持ち、作品などを表現す る環境を整えます。 3)共有の場 考え、気持ち、表現は、ぶつかり合って、解け合って、そうしてまた新しいアイディア や新しい論理や新しい表現が生み出されていきます。いろんな土地の、いろんな文化の、 いろんな人と交流することが求められています。異文化を知り、尊重すること。それは同 時に、自分じしんを知ることでもあります。 出会うこと、語ること、刺激し合うこと。これはネットワークの発達により、技術的に はずいぶん簡単にできるようになりました。しかし、人と人との交流を可能とする場や活 動を設定し、維持していくのは、相当のエネルギーを要します。汗をかく仕事です。 CANVAS は、こどもたちが、創造し、表現したものを地球規模で共有・交換する場と活 動を整えます。 業務内容 3.業 1)調査研究 一人で、 新しい技術に立脚した子どもたちの創作・表現活動は、各地ですでに事例が 見られます。しかし、それら活動は未だ面的な展開とはなっていません。その地域だけの 活動にとどまっています。そのような活動を、学校・自治体・企業レベルに普及させるこ と、全国で共有化することが重要です。 そこでまず、子どもたちの創造力・表現力・コミュニケーション力を向上させるワーク ショップなどの活動について、国内・海外の実態を調査・分析します。そして、その情報 を各地のワークショップ拠点、学校、研究者、自治体などに共有してもらうとともに、世 界に公開します。 同時に、学術的・政策的な研究を行います。諸外国との比較のもと、わが国の情報産業・ 文化・社会の特性をとらえ、包括的な研究を行います。 当面、ポップカルチャーの分野に焦点をあて、日本が競争力を持つ分野(マンガ・アニ メ・ゲームなど)、デジタル系の新しい表現分野(ケータイ、ウェブ、ロボットなど)等 に関して、産業構造、文化社会、制度、表現技法を内外の有識者とともに研究します。 2)ワークショップ開発 創造力・表現力を向上させるコンテンツ創造型ワークショップを開発・支援します。特 - 8 - に日本で行われたことのない先駆的な子ども向けワークショップの開発・支援に重点をお きます。 時には、海外から輸入して日本に広めます。また、マンガ、アニメ、ゲーム、モバイル など日本の特性を活かした独自のワークショップの開発も行います。 この推進に当たっては、「アートとテクノロジーの融合」「アナログとデジタルの結合」 「バーチャルとリアルの交差」に力を入れます。 ●アートとテクノロジーの融合 最先端の技術と、創造・表現とのバランスを重視します。技術偏重を避けます。 ●アナログとデジタルの結合 表現したり伝えたりするには最新のデジタル技術を用いることもありますが、 素材は紙でも粘土でも水でも木でもかまいません。 手触りやにおいを大切にします。 ●バーチャルとリアルの交差 リアルな空間でワークショップを実施するとともに、 オンラインでの情報提供・交流を重視します。 各地の拠点をブロードバンドで結んだワークショップ同時開催も企画します。 <開発・支援するワークショップのイメージ> ・ デジカメ国際ウェブ交換 ・ モバイル映像ウェブ発信 ・ ロボット国際ブロードバンド対戦 ・ 音楽創作 ・ 映像チャット ・ 本作り ・ マンガ作り ・ ゲーム作り ・ マンザイ作り ・ 華道/書道 3)普及啓発 ワークショップ会場での研修やネット中継を通じ、関係者でノウハウを共有します。そ の結果を調査研究活動へフィードバックし、ワークショップの改良や普及促進につなげて いきます。 創造力・表現力を向上させる活動が各地で容易に展開できるよう支援します。研修やネ ット中継などのほか、ワークショップのパッケージ化・教材化を進め、学校のプログラム 等に組み込みやすいように図ります。 ワークショップの成果(ノウハウ、作品等)は海外にもインターネットで発信・提供し、 - 9 - その国際的な普及にも努めます。 アメリカ西海岸、メキシコ、ロンドン、イタリア、フランス、シンガポール、インド等 の子ども博物館や研究機関等との連携も推進します。 プレーヤー 4.プ 1)産学官の連携 産学官の連携により活動を展開していきます。 各地でワークショップの活動をしている方々、児童館・科学館・博物館関係者、学校・教 育関係者、大学等の研究者、そしてさまざまな分野のアーティストの方々と密に連携しま す。 IT 系のハード・ソフト関連企業、学習やデザインの分野に関心のある企業、エンターテ イメントや遊びに関連する企業など、産業界からの支援も重要です。 内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省との連携も不可欠です。この分野に積極的な 取り組みをみせる地方自治体との協調も必要です。 多くの団体・人の英知を集結した運動としていきます。 2)下支えとしての CANVAS こうした運動は、あくまで各地域の現場が主体となって進めるものです。ワークショッ プ会場や学校などの創意工夫と熱意が積み重なることによって、日本全体の底上げが図ら れます。 CANVAS は、その下支え役です。広い運動場を整え、遊び道具を持ち込み、仲間を集め、 みんなが楽しく真剣に活躍できるよう、気を配ります。 3)子どもが主役 そして、あくまで主役は子どもたちです。 創り、表現するのは彼ら彼女たちの責務です。 交流し、理解し、抱き合い、笑い、泣き、歌う。あるいは反目し、調整し、そして作り上 げていく。それは彼ら彼女たちの役割です。 CANVAS は、子どもたちのために存在します。 4年構想 5.4 1) eJapan に基づく4年間の特別プログラム CANVAS は、 「我が国が 5 年以内に世界最先端の IT 国家になる」という目標を掲げる 政府 e-Japan 戦略に基づいて、2002 年度からの 4 年間で所要の目標に到達することを目 - 10 - 指す時限活動とします。 e-Japan 戦略は、「国民の持つ知識が相互に刺激し合うことによって様々な創造性を生み 育てるような知識創発型の社会を目指す。ここで実現すべきことの第一は、すべての国民 が情報リテラシー を備え、地理的・身体的・経済的制約等にとらわれず、自由かつ安全 に豊富な知識と情報を交流し得ることである。」としています。そして、情報リテラシー の向上、コンテンツ・クリエイターの育成を重点政策としています。 一人ひとりの情報発信力を高め、コンテンツ生産力を高める CANVAS の活動は、e-Japan 戦略の求める政策を具現するものです。その成果が広がって、各地の拠点や学校の活動を 促進することにより、全国の子どもたちの取り組みが活性化し、国全体の底上げが図られ ます。 一人ひとりの創造力と表現力を高めたい。そして、日本を表現大国にしたい。世界のコミ ュニケーションを活発にしたい。CANVAS の活動は地道な支援ですが、目線はそのような 高さに据えます。 2)重点事項 本年度 2002 年は、CANVAS の PR 活動及び、国内・海外における先駆的なワークショ ップの調査に重点を置きます。 2003 年度は、これに基づき得られた情報を元に評価・検討をし、ワークショップ開発に も力を入れていきます。 2004 年度は、それらワークショップをパッケージ化、教材化することにより、日本全国 に広めると同時に、学校教育プログラムへの組み込み等を検討し、普及啓発を行います。 最終年度 2005 年は、CANVAS 解散後も引き続き、このような活動が自発的に、継続的 に広まるよう、評価・検討する年とします。 - 11 - CANVAS フ ェ ロ ー と そ の 活 動 CANVAS はさまざまな分野の関係者の熱意によって実現したプロジェクトである。各地 域の現場が主体となって、産学官トライアングルの協調によって進められる。 各地でワークショップの活動をしている方々、国内外の児童館・科学館・子ども博物館、 学校・教育関係者、大学等の研究者、そしてさまざまな分野のアーティストの方々と密に 連携する。 IT 系の企業、学習やデザインの分野に関心のある企業、エンターテイメント企業など、 産業界からの参加も重要な要素となる。企業が研究プロジェクトやビジネスのテストベッ ドとして CANVAS のコミュニティを活用することも考えられる。 内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省との連携も不可欠である。この分野に積極的 な取り組みをみせる地方自治体とも仕事をしていくことになる。 また、この分野の世界的なネットワークも作っていく。アメリカ、ヨーロッパ、アジア、 南米などの大学、博物館、企業等とも連携した運動としていきたい。これら多方面の方々 をフェローとして迎え、プロジェクトを企画・実行していくこととしている。 CANVAS のフェロー及びその活動を紹介する。 ①役員及びフェローリスト ②フェローのコラム - 12 - ①役員及びフェローリスト (2004 年 3 月現在) ●理事長 川原正人(NHK 名誉顧問) ●副理事長 中村伊知哉(スタンフォード日本センター研究所長/MIT 客員教授) 山内祐平(東京大学大学院情報学環助教授) ●理事 石戸奈々子(CANVAS事務局長) 笠井文哉(ソニー(株)) 糟谷銑司((社)音楽制作者連盟理事長) 瀬戸隆一(総務省郵政行政局貯金企画課) 田村拓((株)CSK総合企画本部副本部長) 鶴谷武親(フューチャーインスティテュート代表取締役社長) 橋本知子(文化総合研究所 チーフディレクター) 廣瀬禎彦(コロムビアミュージックエンタテインメント 代表執行役兼最高経営責任者) 古井祐司(三菱総合研究所研究員/NPOメディカルブリッジ理事長) 山田信夫(丹青社) ●監事 川原和彦(博報堂) 菊池尚人(FMP総研研究員) ●事務局 石戸奈々子 武内朋香 ●フェロー 青木昌彦(スタンフォード大学教授、経済産業研究所所長) 赤星哲也(ハイパーネットワーク社会研究所) 安藤知華(スタンフォード大学大学院教育デザイン専攻) 飯野賢治(クリエイター) 泉谷昇(NPO 法人アジア・フィルム・ネットワーク 事務局長) 今井賢一(スタンフォード大学シニアフェロー/一橋大学名誉教授) ウォルター・ベンダー(MIT メディアラボ所長) 上田信行(甲南女子大学教授) - 13 - 宇治橋祐之 (NHK エデュケーショナル教育部チーフプロデューサー) 江口響子 (ZOU STUDIO,Inc.代表取締役、CG アーティスト) エリック・シーゲル(ニューヨーク科学博物館) 大江建(早稲田大学教授) 太田歩 (NATIONAL BUILDING MUSEUM 教育部青少年対象プログラム担当) 大原伸一 (大原事務所代表) 奥田義行 ((株)りぼん代表取締役) 小栗宏次 (愛知県立大学教授) 小野打恵 (ヒューマンメディア代表取締役社長) 大日方正 (フューチャーインスティテュート) 鹿毛正之 (アスキー) 笠尾敦司 (東京工芸大学芸術学部デザイン学科) 嘉数彰彦 (岡山県立大学デザイン学部助教授) 上出卓 ((社)音楽制作者連盟顧問) 樺山資正 ((株)レゴジャパン レゴ・エデュケーショナル・ディビジョン) 川井 拓也 (ライフスライス研究所 主任研究員) 河口洋一郎 (東京大学教授) 川村たつる (ダイアログインザダークジャパン理事/法政大学非常勤講師) 菊地哲榮 (音楽制作者連盟理事/ハンズオン・エンタテイメント社長) 岸博幸 (内閣府 IT 担当室企画官) 北川久一郎 (アドビシステムズ/D-Project 事務局長) 北川美宏 (大川センター所長) 木下修 (フューチャーインスティテュート) 久保田裕 ((社)コンピュータソフトウェア著作権協会 ACCS 専務理事・事務局長) 小坂真里栄 (@NET HOME) 小松左京(SF 小説家) 近藤等則 (トランペッター) 近藤由紀彦 (慶応義塾幼稚舎教諭) 境真理子 (日本科学未来館) 佐々木かをり (イー・ウーマン/ユニカル・インターナショナル代表取締役社長) 島田卓也(日本科学未来館) 白井あずさ(デザイナー) 白井政行(デザイナー) ジョッシュ・ムンテン(Capital Children's Museum) 菅谷明子(ジャーナリスト/経済産業研究所研究員) 杉村淳子(MIT 客員研究員) - 14 - 杉山知之(デジタルハリウッド学校長) 鈴木和博(イベントナビ編集室) 鈴木雅実(ATR メディア情報科学研究所第二研究室長) 関根千佳(ユーディット代表取締役) 高井崇志(岡山県企画振興部 IT 戦略推進室情報政策課) 高城剛(メディア・クリエイター) 高田浩二(株式会社海の中道海洋生態科学館 マリンワールド海の中道 副館長) 高安礼士(千葉県総合教育センター科学技術教育部部長) 武邑光裕(東京大学助教授) 竹田光一(サンミュージックアカデミー) 武本幹雄(ハイパーネットワーク社会研究所) 田島正広(弁護士、NPO サイバーポール理事長) 田邊治((株)プロムナード代表取締役社長) 谷脇康彦(在米日本国大使館参事官) 當麻維也(文部科学省研究振興局学術基盤整備室長) トッド・マッコーバー(MIT メディアラボ教授) 塚本幹夫(フジテレビ) 戸田順(NHK) 豊福晋平(GLOCOM) 中植正剛(スタンフォード大学) 中川一史(金沢大学助教授) 中西寛(マーベラス) 中根克(自主映画監督) 奈良磐雄(京都造形芸術大学教授) 幡野由夏 (文化総合研究所研究員/ 日本展示学会東京連絡所) 花田卓也(ディーフォーディーアール) 原維都子(コロムビアミュージックエンタテインメント㈱ チーフプロデューサー) 原田紀久子(アントレプレナーシップ開発センター事務局長) 日比野克彦(アーティスト) ヒレル・ワイントラウブ(はこだて未来大学) 福永寛(京都西陣町家スタジオ事務局次長) 福冨忠和(ジャーナリスト/メディアプロデューサー ) ふじわらやすえ(NPO あとりえはらっぱ代表理事) ペッカー(パーカッショニスト) 前田邦宏(ユニークアイディ代表取締役) 松浦季里(ディレクター・CG デザイナー) - 15 - 松尾紀子(フジテレビアナウンサー) 松永直哉(大和証券 SMBC 課長代理) 松本修(参議院法制局) ミッチェル・レズニック(MIT メディアラボ教授) 水口哲也(ゲームプロデューサー) 水野哲雄(京都造形芸術大学 情報デザイン学科助教授) 三橋信司((社)コンピュータソフトウェア著作権協会事業部次長) 三橋秋彦(墨田区立墨田中学校主幹&日本シミュレーション&ゲーミング学会授業と 教材研究部会主査) 美馬のゆり(日本科学未来館副館長) 三宅正太郎(大分県立芸術文化短期大学教授) 宮田義郎(中京大学情報科学部認知科学科教授) モデスト・テームズ(サンフランシスコ Exploratorium) 森秀樹(CAMP) 守屋智敬(HRインスティテュート) 森山朋絵(東京都写真美術館) 安田孝美(名古屋大学情報文化学部教授) 山口薫(造形絵画教室アトリエミュレット) 山口裕美(アート・プロデューサー) 山崎俊巳(総務省郵政公社担当) 山田真貴子(総務省大臣官房) 吉岡伸(文化環境研究所) LOCO(紙コップアーティスト) 渡部俊也(東京大学先端科学技術研究センター教授) - 16 - ②フェローのコラム 理事やフェロー、そしてワークショップ参加者の方々のコラムをウェブやメールマガ ジンで紹介しています。 ア)「“夢中”をさがそう!」 笠井文哉(SONY、CANVAS 理事) イ)「サマーキャンプで出会った本当の学び」 木村元(京都大学 経済学部 3 年) ウ)「今回撮影して感じたこと」 園田文(大阪芸術大学 3 年) 映像学科 エ)「濃かった 3 日間」 永山 寛樹(多摩美術大学 情報デザイン学科 3 年) オ)「2003 夏、東京大学サマーキャンプを終えて」 竹田 光一(サンミュージックアカデミー、CANVAS フェロー) カ)「夏の東大サマーキャンプに参加しました」 松浦 季里(CG アーティスト、ビジュアルプロデューサー、CANVAS フェロー) キ)「サマーキャンプを振り返って考えたこと」 山本 浩史(東京大学 総合社会科学科 3 年) ク)「子どもたちに 100 人 100 色のキャンバスを!」 辻田健作(明治学院大学 国際学部 4 年) ケ) 「科学ワークショップ指導者養成講座」を通じて 森秀樹((株)CSK 社会貢献推進室、CANVAS フェロー) コ)「CANVAS と学校教育をつなぐ」 高安礼士(千葉県総合教育センター科学技術教育部長、CANVAS フェロー) サ)「子供が好きになる」 LOCO(紙コップアーティスト、CANVAS フェロー) シ) 「小さな魔法の自転車で君の花を探しに行こうよ」 江口響子 (ZOU STUDIO 代表取締役アーティスト、CANVAS フェロー) ア) 笠井文哉さんのコラム 「“夢中”をさがそう!」 たとえどんなに不順な天候でも、夏休みはこどもの天国。それは、我が家の二人の未就 学児たちにとっても同じ。起きてから寝るまで、喧嘩をしながらも休む間もなく遊んでま す。「よくもまぁ、飽きもせず、休みもせず遊べるものだなぁ」と、感心。ひたすら“楽し - 17 - い”から続けられるのでしょうね。「こどもは遊ぶのが仕事」なんていう言葉があるぐらい ですから、こどもはとっても仕事熱心なんです! でも、それがいつの日か、こどもの仕事は遊びから勉強に変わってしまいます。遊びに 夢中になり宿題をし忘れたりすると、先生からなんらかのお咎めがあったように。でもそ の勉強という新しい仕事には、遊びほど夢中になれない。杉並区のある小学校の教頭先生 は「最近の子は、勉強をするにもそのつど何のためかを確認したがる」とおっしゃってい ました。遊びのように無意識には勉強に取り組めないことを感じ取っている、こどもたち の葛藤のあらわれではないか、と思ってしまいます。 さて、ここで、その仕事にまつわる数字をご紹介しましょう。「七・五・三」について ご存知ですか?もちろん、神社の境内で千歳アメ、ではありません。卒業後 3 年間に離職 してしまう人の率なのです。中学卒業者で 7 割、高校卒で 5 割、大学卒で 3 割が“お仕事” を辞めてしまう。私も“お仕事”にまつわる民間資格を持っていて、この現象を実感する機 会に出くわします。離職の理由はさまざまであり、批判的な指摘もあることは確かです。 ただし、「自分に向いた仕事=夢中になれることに出会う」ための離職、という積極的な 側面に、ここでは注目!です。 あそび・勉強・お仕事。夢中になって取り組む(べき?)対象とは、一般的にはうつり 変わっていくけれど、夢中になる本人は、あの子どもの頃とかわらぬじぶん。夢中で遊ぶ こどもたちには、いくつになって夢中になって取り組めるものを持っていて欲しい。 この夏休みに開催された数多くの CANVAS のワークショップでは、終了時間をすぎて も制作に取り組むこどもたちの姿をたくさんみかけました。われわれのキャッチコピーで ある「遊びと学びのヒミツ基地」の面目躍如の瞬間であり、こどもたちがなにかをつかん だ瞬間です。今後も CANVAS ではこどもたちの表現や創造にまつわる多彩な活動を進め ていきます。この秋には原宿で定期的にワークショップ道場と称した草の根活動を展開す る予定です。詳細に関しては [email protected] までご質問ください。皆様の積極的なご参 加・ご参画をお待ちしております。 最後になりましたが、読者の皆様、今後とも CANVAS の活動にご支援とご協力のほどお 願いいたします! イ) 木村元さんのコラム 「サマーキャンプで出会った本当の学び」 - 18 - 「どうだった、楽しかった?」 「うん、楽しかった。 」 「何が一番楽しかった?」 『全部!!』 そう言いながら、満面の笑みを浮かべながら子供たちは帰って行きました。この笑顔を 見たとき、3日間大変だったけどがんばってよかったなそう思いました。 今回のサマーキャンプでは、驚く光景に色々と出会いました。いつもの学校ではなく、 大学の中で行われた授業ということで子供たちの羽も伸びているようでした。先生に言わ れるままのことをこなすのではなく、自分たちで自由に作品を作り上げる。この「自由」 というものを与えられた子供たちは、僕の創造を遥かに超える作品を作り出しました。 初日の午前中、みんながまだ初対面でぎこちないとき、小学6年生の女の子が自分から 積極的に自己紹介をしてみんなと仲良くなろうとしていました。本当なら、僕の仕事だっ たのかも知れませんが、彼女はその場の空気を感じ取り自分からリーダーシップと取って 自己紹介を始めました。そして、その後も3日間見事にチームをまとめて作品を完成させ ました。 初日の午後、カメラの説明に入ったとき、スイッチの入った小学4年生の男の子がいま した。初めは、話を作ったりするのがあまり得意そうじゃないので少し心配してみていた のですが、カメラが出てきたら目の色が変わり、そこからはずっとカメラマンを徹してく れました。カメラに反応したので、もしかしたらと思って見ていたら案の定、メカに強い らしく。パソコンを手足のように操り、パソコンでプロ仕様のソフトを使って編集も自在 に行っていました。 カメラが向いたとたんに、女優に変身したのは小学校6年生の女の子。自己紹介のとき に、将来は芸能人になりたいと言っていただけあって演技も本格的でした。撮影現場での アドリブも出てきたりと、大活躍でした。また、それだけではなくほかの子への気配りも 一級品でした。2日目、撮影でくたくたになったメンバーに「もう少しだから、がんばろ うよ」と優しく声をかけていました。 自分より大きなおねえちゃんたちに囲まれながらも、みんなのアシスタントをそつなく こなしていたのが、小学2年生の女の子です。普通だったら、4つも年上のお姉ちゃんに は圧倒されそうなものですが、脚本を書くときでも自分の意見はしっかりと出していまし - 19 - た。しかも、そこで自分の意見だけを通そうとわがままを言うのではなく、引くときには ちゃんと引くという身のこなしには驚きました。 こんな、4人がそれぞれとてもすばらしい個性を持った、それでいてとてもチームワー クのいいチームで3日間撮影が行われました。子供たちはみんな、お互いに教えあい、意 見をぶつからせながら試行錯誤のなか作品を完成させていきました。普段の学校ではない、 縦割りのチームで、プロの機材に触れながら、みんなでひとつの目標に向かって役割分担 をして作品を作りあげる。僕は、後ろから時々サポートするだけで十分でした。 学校のように与えられるものを上手くこなすのではなく、自分たちで新しいものを作り 上げる。そのために、みんなで役割分担をし、お互いに助け合う。楽しいからどんどん積 極的にやる。僕は、これが本来の学習のあり方なんじゃないかと子供たちが映画を作って いるのを見ながら思っていました。こんなすばらしい経験を子供たちにさせてあげられた サマーキャンプは、彼らにとってはかけがえのない学びになったと思います。そして、そ のお手伝いをさせていただいた僕にとってもとても大きな学びになりました。 3日間本当に楽しかったです。この機会をくれたCANVASさん、本当にありがとうご ざいました。 ウ) 園田文さんのコラム 「今回撮影して感じたこと」 保護者や関係者の皆さま。 今回のたった 5 分の作品を見ただけで、子供達の 3 日間を評価しないでいただきたい。 作品のクォリティが低い。ある意味当然の事だと私は思う。子供達にとって全てが初めて の体験だったのだから。 クォリティなんていうものは回を重ねればおのずとついてくる物である。それよりも、 『作り上げた』と言う事に目をむけてほしい。1つの物を一人では無く、みんなで力を合 わせて作り上げる。大人でも簡単にこなせないことを子供達はやりきったのだ。 自分の意見が通らなくて悔しい思いをしている子や、撮影に疲れきって居眠りをしかけ ている子もいた。毎朝5時50分に起きて新幹線で東大までやって来た子もいた。そんな 大変な思いをしたはずの子供達だが、最後、一人も後悔した表情を見せた子はいなかった。 それどころか、みんなとても満足そうに見えた。 - 20 - 子供達一人一人の中で「やって行く過程での苦しさ」よりも「出来上がった時の喜び」 の方が勝ったのだ。 『やり遂げる喜び』 。目には見えない事を子供達は学んだ。今はまだ「学 んだ」なんて子供達は思ってもいないだろう。だが気付かぬうちに『やり遂げる楽しさ、 喜び』を知った子供達は、また新しい事に挑戦するとき、不安を抱きつつも前に進む事を 選ぶだろう。そんな積み重ねこそが子供達一人一人の夢へと近付く一歩だと私は思う。 エ) 永山 寛樹さんのコラム 「濃かった 3 日間」 あっという間に終わり、同時に濃い3日間でした。東京大学サマーキャンプでアシスタ ント講師という仕事は自分にとって、講師のくせに子供から教えられることも多々あり、 仕事のようで自分も学んだ3日間でした。 とにかく最初は、子供たちとの接し方に苦労するばかり。ほんとにこの先大丈夫なのか 心配でした。自分は普段美術大学で映像を作る事もあり、作品を作る苦労を素人ながら少 し味わっただけに、余計心配になりました。しかしながら、ある子供が自分から積極的に 声をかけてくれすごく救われました。この積極性は子供ならではのものだと思います。大 抵人間大きくなるにつれだんだん人見知りになったり、社交辞令などを使い人と距離を保 つ様になります。しかし、この子との会話は距離がなく、こんな気持ちいい会話何年ぶり だろう。そんなことを感じる1日目でした。 2日目はいよいよ撮影です。前日の大まかなシナリオを基に簡単な打ち合わせをして、 撮影をしながら細かいところを詰めていきました。みんな各々衣装を持参してくる姿はや る気を感じました。同時に自分にも気合いが入りました。 正直1日目、上で述べたいい印象もあったのですが、少し残念な印象も持ったのも事実 です。それは少し現実的な面です。詳しく述べれば、インターネットをはじめ、ゲーム、 携帯電話から得る情報が膨大に溢れる現在、少なくとも子供たちに創造性を失わせている 様な気もします。たとえば、発想が〜からの引用だったりするところは少し残念でした。 しかし、その懸念も子供たちからの演技から少しずつ払拭されました。一人一人の演技に はすごく個性を感じました。同時に作品に対しての貪欲さはすばらしかったです。カメラ などの機材に対しての興味などもなかなか食いついてきてよかったと思います。 3日目。我々のグループは最終日にも関わらず一番遅れていました。何とか最後は巻き 返し、完成させる事ができました。上映会での評判も上々で、みんなの頑張りが報われた - 21 - と思います。最後みんなのありがとうの言葉には思わず涙が出そうになりました。こちら こそ貴重な時間をありがとう!そして、最後に関係者皆様にもお礼を申し上げます。 オ) 竹田光一さんのコラム 「2003 夏、東京大学サマーキャンプを終えて」 参加した全員が貴重な経験をできたと思う。そしてなにより楽しんでいたと感じた。子 供達の顔を見ていると日に日に変化がみられた。 1日目AM、不安と緊張。PM、ランチをはさみスタッフ・ファシリテーターの活躍も あり和やかムードに変化、明日への希望。 2日目、以前からの友達のように和気藹々と脚本を仕上げ、いざ撮影、制作活動に励む。 天候にも恵まれ、皆、晴れ男&女だったのかな?日頃の行いが良かったんだろう(笑) 3日目、AM仕上げの編集活動。どの班も追い込みに追われる。PC2台を駆使してい る。1台は映像の繋ぎあわせ。1台は音探し、タイトル・エンドロール作成。最後に“合体” で完成。歓喜がこだまする間も無く、そのままの流れで、試写会突入。間一髪セーフ!こ こで初めて充実感と安堵感が入り乱れる。それにも増して物足りなさ「もっと時間が欲し かった」生徒とファシリテーターの顔からうかがえた。欲を持つのはよいことだ。次回は これを教訓により良い物を作ってねと。でもここまでよくやったよと想いを込め皆で拍手 を贈った。 子供なりの社会を知る絶好のチャンス。“夏休み”というのは、期待と誘惑があり、人間 的にも成長する、休み明けに身長もそうだが内面的にも一回り大きくなったクラスメイト がいた覚えがある。例えば友達同士で盆踊りなど、大人よろしく夜な夜なまで遊びにふけ、 けして悪い事などしていないにもかかわらず、親には言えない秘め事を持ちドキドキして いた。そして友達同士で約束、絆、裏切りなどの経験も積み、友情、愛情、感情、心情を 学ぶ。…何かの歌のフレーズに似ているかも(笑)そんな青い思い出が蘇ってくるのは私 だけでしょうか?貴重な経験、キッカケによって、成長するのではないだろうか。今回、 スタッフの大人の方々、大学生のお兄さん、お姉さん、そして他校(グループ)の友達。 また取材陣など普段知り会う事のない人々との出会い。刺激になったと思う。 子供達は、映画制作の大変さを知らない。知らなくて良いのだ。その知らない者の強み の勢いを生かし、裏方がさりげなくまとめる。多少映画作りの経験のある人ならばこの過 - 22 - 密な制作スケジュールを知ったら驚くと思う。今更ながらに各班が5分というショートム ービーをあのクオリティーで使ったものだと感心をする。経験ゼロの人達が作る事を想像 して下さい。とても恐ろしいことだと思う。私も当初話をお聞きした時には不安でした。 スタッフ、裏方がよほど熟知しリードして行かねば、覚悟を決めなければと言う想いでス タートを切りました。一番恐れていた事は、記念ビデオにはしてはいけない。あくまでも 短編映画という目線でしなくてはいけない。今後につなげて行く為にも、初めの設定を少 しでも高いところに置かねばと。その為に、心がけた事は以下の件です。 1.脚本作り・・・一番気を使った。特にオチ的要素。起承転結ドラマ性が不可欠 2.キャスト(登場人物)・・・無理なく役作りをさせられる。登場人物の個性が生かせ る 3.ロケハン・・・魅力ある背景、空間探し 4.カメラアングル・・・固定(三脚使用)にするか、ハンディー(動き在る映像) ズームイン・ズームアウト。フレームイン・フレームアウト等・・・。 5.編集・・・作品のデキが問われるのがこの作業。何処でカットし繋げるのか。 その絵にSE(効果)をつけるのか。BGMを選び、何処〜何処まで、始まりは(カ ットイン)か FI(フェードイン)か、終わり方はCO(カットアウト)かFO(フェードアウ ト)にするのか。 また、タイトル、エンディングロール作成。 苦労というか、気が付いた点は、ファシリの皆もこの点が一番悩んだところだと思う。 彼等にどこまで言って良いか、言わざるべきかという点だ。シェークスピアの作品の中で 好きな台詞の一つに、ハムレット〜『to be or not to be』というフレーズが頭の中をよぎ った。果たして、するべきか、せざるべきかそれが問題だ。 境界線の線引き。自由の中にもルールを設定してあげる事。この辺が今後の課題かもし れませんネ。 人生を歩んで行く過程において、出会い・別れを繰り返し “一期一会”という言葉がある ように、その場、その時、その人達と。この夏、東大という恵まれた空間にてWSという 共通点で、色々な方々とで出会えた事に感謝したい。皆があの空間で様々な点を作ったよ うに、僕もまた同じ点を歩んだ。 これからも子供達のキッカケ作りに“幸あれ!” - 23 - カ) 松浦季里さんのコラム 「夏の東大サマーキャンプに参加しました」 私は小さい頃から小学校の先生か美術の先生になりたいと思っていたため、教育学部の 美術学科に進みました。でも学生時代に初めて制作したCGアニメーションがコンテスト で大きな賞をとり、若気の至りで「これで食えるかも!」と思いそのまま突っ走って来て しまい、現在に至るわけですが、人生の折り返し地点の最近になって、 「教育に関わる」 ということをやり残してきたな、という気持ちがだんだんと大きくなってきました。 今も大学で講演したり、TV番組やいろんなコンテストの審査などで若い人の作品にコメ ントしたりする機会はあるのですが、その人たちはもうやりたいことが明解なわけですか ら、もっと小さい人(小学生か中学生)と直接対面してなにか一緒にやりたい、と思うよう になったのです。 そんな気持ちで CANVAS フェローとなり、この夏お誘いをいただき東大サマーキャン プに参加しました。小中学生が夏休みの3日間かけて大学の教室をつかってクレイアニメ ーシンをつくるワークショップで「プロ」の立場でアドバイスするというお役目です。 年齢の近い子ども達が4人で1グループをつくり、それぞれのグループに大学生のインス トラクターが一人がつきます。キャラクターを考えて・ストーリーをつくり・絵コンテを かいて・クレイでモデリン グ・一こまずつ動かして撮影・合成・アフレコ・編集・タイ トルとクレジットをいれて、みんなの前で上映する。という流れですが、決まった時間の なかで完成作品を作る、というのは大学の授業でもけっこう難しいことです。 しかも私もインストラクターの大学生も参加する小中学生も全員初対面です。 *だれがどんな力をもっていてどんなペースでモノゴトをすすめられるのか。 。 *兄弟少なくワガママに育った(_想像)最近の子どもは他人とどう折り合うのか。 *共同制作に必要なコミュニケーションはとれるのか?? *締め切り時間感覚はあるのかな、追い込み時の優先順位はどうするの? まったく想像がつかないまま本番に望みました。このとき、私がココロに決めたこと は3つです。 1つ、なるべく子ども扱いせず、自分の制作スタッフに対するのと同じように接しよう 2つ、参加者がこの3日間でなにかあたらしいものの見方を発見できるように 3つ、私自身もなにか新しい発見をしよう さて、蓋をあけてみてどうだったか。 - 24 - 大学生のインストラクターが各グループのチームリーダとなってあれこれとアイディアを 出し合い、わきあいあいとした雰囲気で制作は行われました。自分の意見と人の意見を上 手く取り入れてまとめていく、 、子どもは子どもなりにで きるものなのですね。 私は制作の要所要所で目標や注意点などを説明したのですが、子ども達はとても真剣な顔 で話を聞き、ノートに大きな字で一生懸命メモを取っていました。実は私もクレイメーシ ョンは今回が初めての体験だったのです。 そして、それぞれのテーブルをまわって、制作途中のクレイやビデオを見ながら具体的 なアドバイスを行いました。作り方を教える、というよりは、問題点を指摘しその対応策 を子ども達に考えさせるという方法で進めました。このやり方は学生や社内のスタッフと のブレストやディレクションとほとんど同じやりかたです。 「話のつじつま、おかしくない?」 「この後、どうなるの?」 「どうしたらいいか な」 「これで、伝わるかな?」「この足はどうやって動かすの?」「このキャラのいる意味は」 「これでは、困っているように見えないよ」 このような投げかけに対して子ども達が考えて次の作戦を提案し、それをくりかえしな がら、お互いに具体的な完成型のイメージを深めていくのです。 子ども達との予想外なクリエイティブキャッチボールができて、私も楽しくなりまし た。 自分たちで客観的に見られなくなった場合は、隣のグループに見てもらって「どんなお話 だと 思う?」と聞くようにアドバイスしました。隣グループの子どもは、 「ここまでわか るけど後はわからない」などとちゃんと伝え「こんなお話なんだけど。 。 」の説明に対し て「じゃあこうしたら?」と他グループの作品にもコメントしたり、の姿も見られました。 そしてどのチームも予想以上に素晴らしい作品が出来ました! もっと最近のゲームやアニメやキャラクターに影響された作品ができあがるのではない かと思ったのですが、それぞれのチームらしい作品が出来ました。 初対面の人ばかりが集まったとしても、そのなかで4−5人が集まると独特の個性をもっ たグループができるといった新しい発見もありました。 グループの中で作業していくと、自然とその中での自分の役割が決まってきます。どの 子も自分の居場所が発見できると、とたんに目を輝かせます。お昼休みもお弁当もそこそ こにして制作、朝も集合時間より早く来て制作を開始するなど、とにかく楽しくてしょう がないという感じの3日間でした。 そして、大学生インストラクター。 1日目の反省会では、ものすごくみんなクライ顔をしていました。涙を流す学生もいまし た。チームワークの乱れ、作業の遅れ、機材トラブル、いろんなコトが自分のせいで、う まく行かない、と思いこんでいるようでした。それでも最終日にはそれぞれのやり方で作 品を完成させることができ、みんなにこにこ顔。 大学生インストラクターの性格や得意分野もグループの個性に大きな影響がありました。 - 25 - それぞれの子どもとインストラクターの個性のぶつかりあい。誰一人がいなくてもその作 品にはならなかった、これは参加者全員が気づいたことです。年齢や性別・立場を越えて、 自分と他人の個性を認め大切にするよい機会だったと思います。 ワークショップは教える方も教えられる方も参加する全員が新しい発見をし成長するもの だと再確認しました。 2 日目。楽しそうに参加していた子どもが、帰り際に話したそうによって来ました。 「どうしたの?」ってきいたら、 「あのね僕、将来何になっていいかわかんない。 」と神 妙な顔。 「そんなの、まだ決めなくていいよー。10才なんだもん、これから何になりた いかを考えるためにいろんな勉強したりするんだよ。私だってまだ何になるのかわかんな いもん。 (_ホントにそう思う) 」 「ふーん。でもみんなすぐ将来何になりたいのか聞く の。 。 」 「そっか。 。ただいま考え中って言っとき!」 日本中、大人も子どもも自分探しの旅の途中です。 毎日が新しい発見とオドロキに満ちていたら、どれだけ楽しく豊かな生活なんだろう。 。 と私はいつも思います。 でも、日常はたいていが繰り返しの連続だからそうカンタンに 素敵な事件などは起こら ない。そんな退屈な日常のなかで楽しく豊かに過ごすためには、自分の発見力とオドロキ 力を高めるコトが重要なんだと思います。 ワークショップに参加する、そのこと自身新鮮な体験なんだけど、 「新鮮な体験をする」 ということよりも、新しいモノの見方を発見し、その見方を日常生活に持ち込むことが大 事なんだと思う。 それを誘導できるようなワークショップってどんなのかな、 、って今考えています。 みなさまもワークショップでぜひ新しい発見と感動を! キ) 山本浩史さんのコラム 「サマーキャンプを振り返って考えたこと」 今年の夏、僕は東大サマーキャンプのファシリテーターを務めた。このイベントを通じて 感じたのは、子供達がみな活き活きとした表情で、アニメ・映画つくりに熱中していたこ とだ。僕はふと、彼らは学校や家でもこうした表情を見せることがあるのだろうかと思っ た。 文部省は教科書の内容削減や週休 5 日制を実施し、ゆとり教育を推し進めた。その背後 には、従来の詰め込み教育と過度の受験戦争による子ども達の疲弊に対する、批判と反省 - 26 - があった。同時に、旧来の学力観にかわり、「自分で考え、学ぶ力」という新しい学力観 が打ち出された。 結論から言えば、少なくとも、旧来の学力観からいえば文科省のゆとり政策は失敗に終 わったと言えるだろう。 文科省の予期したゆとりは、結局テレビやゲームの時間にあてられたに過ぎない。それは ゆとりとは言えないだろう。しかし、ゆとり教育の理念自体は、決して否定されるもので はない。政策レベルでの失敗が問題であったのである。 サマーキャンプのような試みが、ゆとり教育の「ゆとり」にあたるのではないかと僕は 思う。それは従来の「知識詰め込み方」ではなく、自分で考え、学び行動する力を養える 機会を指すのだと思う。もちろん、様々な批判はあるだろうし、この試みは始まったばか りである。そして僕はこの試みが、一つの教育のオルタナティブモデルとなると信じてい る。 ここでことわっておきたいのは、なにも僕は旧来の学力観をまるっきり否定しているわ けではない。近頃学力低下が騒がれているが、少なくとも基礎学力の低下は由々しき問題 である。IT リテラシーよりも、基礎学力のほうが重要だという声が聞こえてきそうである。 そうした意見は最もである。しかし、今の学力低下の問題は(もし問題であるとすればだ が)、学校が従来の基礎学力を維持しようとしながら、新しい学力をも同時に並行させよ うとしているからではないだろうか。そこに根本的な矛盾がある。 もはや、教育を国家が独占する時代は過ぎた。近代公教育の根本的なイデオロギーは「規 格化」であったが、もはやその目的をほぼ達成した今、新たな新機軸が必要である。そう した新たな教育の部分を担うアクターは、学校だけでは不十分である。民間が、主体とな って教育に関わっていくべきである。それは既存の塾や予備校のように、学校と競合する のではない。新たな学力観に基づいた様々なサービスを子ども達に提供していくべきでな ないだろうか。今回のサマーキャンプもそれに位置づけられる。個人的にはこうしたサー ビスを学校は担うべきではないと思う。学校はもっと違う部分で教育の責任を果たした方 がよい。学校と、民間事業者と、そして家庭とが協働しあう「新たな公共性」の基に、教 育を再構築する必要があると僕は考える。 サマーキャンプに参加した子ども達がみな活き活きとした表情を見せたのは、やはり今 回のイベントが彼らにとって貴重な社会的経験になったからではないだろうか。子供たち が笑顔を見せてくれる限り、こうしたイベントは貴重な社会的価値を生み出すものとして、 彼らに提供されていくべきであると思う。 - 27 - ク) 辻田健作さんのコラム 「子どもたちに 100 人 100 色のキャンバスを!」 サマーキャンプ最終日、参加した子の一人が、うれしそうに、「新学期、学校で自慢す るんだ!」と報告しに来てくれた。新学期、友人に楽しそうに報告する、その子の笑顔を 思い浮かべて、思わずにんまりしてしまった。 今回のサマーキャンプでは、映画制作コースにファシリテーターとして参加させていた だきましたが、3日間、最後までやり遂げるという誓いの署名、アイスブレイキング、絵 コンテ作り、撮影、編集、お披露目と、目まぐるしいスケジュールの中で行われた。 積極的に意見をどんどん言う子、なかなか自分の意見を言えない子、自分の役柄を熱演 する子、撮影の方で積極的にがんばる子など、さまざまな子どもたち。中には、おとなし い子もいて、大丈夫かなと心配していたが、3 日間を通じて、自分なりの表現方法を見つ け出し、みな自由にのびのびと表現していた。 キャンプ中、楽しそうに参加している子どもたちを見て、ふと、自分の小学校時代のあ る出来事を思い出した。図工の時間、絵を描いていたときのこと、ふと、みんなとは、違 う色を塗りたくなってしまったのだ。みんなと違うことがしたい、集団生活の中で、みん なと一緒に勉強し、同じものを食べ、同じ時間に帰宅する、その繰り返しに、子供ながら に鬱屈していたのかもしれない。みんなとは違う色を紙に塗ったとたん、周りの友達から の非難、先生からの説教。褒めてくれると思ったのに・・・。今となっては、笑い話だが、 あのとき先生が褒めてくれていたら今頃、イラストレーターの才能を発揮していたかもし れない。 キャンプを通じて一番感じたこと、子供たちは、十人十色、いや100人100色のカ ラー(個性)を持っているのだということ。そして、今、その色を自由に表現できるキャ ンバスが必要なのだ。表現方法は、何だっていい。最新のビデオカメラだって、パソコン だって、絵の具と筆だってなんでもいいのだ。たくさんの子供たちが、自由にキャンバス にお互いの色を塗りたくって、そして、新しい色を生み出していく。もちろん、そこには、 ファシリテーターや大人だって参加してもいい。 今年度のキャンプで、ファシリテーターを務めた大学生が中心となって、先日、 「COLOR FACTORY」という団体を立ち上げた。たくさんの子どもたちが、自分たちなりの色を作 っていく工場、そして、一人一人がその工場長、それを支えるきっかけを作っていきたい。 このキャンプを通じて、多くの大学生が、そう感じ、そして、アクションを起こした。 - 28 - たくさんの子どもたちに100人100色のキャンバスを!サマーキャンプや CANVAS は、そういう場であって欲しい。そして、そのお手伝いを微力ながらも、これからもやっ て行きたいと思う。 ケ) 森秀樹さんのコラム 「科学ワークショップ指導者養成講座」を通じて 「実は、大人にも必要かもしれません。 」 科学ワークショップ指導者養成講座を終えての感想です。 この講座の中で、私たち CAMP が小中学生向けに開催している「クリケットワークショ ップ」を、当日参加された学校の先生や博物館の方々に体験いただきました。 ここで少しクリケットについて紹介したいと思います。 クリケットは、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが開発した小さなプ ログラマブル・コンピュータです。モーターやセンサーをクリケットに繋ぎ、パソコン上 でブロックを組み立てるようにしてプログラムをつくることで、誰でも簡単にプログラム 制御することができます。 CAMP では、このクリケットとモーターやセンサー、身のまわりにある様々な素材、廃 材を使って、おもちゃや発明品づくりのワークショップを開催しています。プログラムで 自由に走り回る車や、ちょこちょこと歩き出すロボット、音楽を奏でながら回転する不思 議なオブジェなど、参加する子どもたちのアイデア次第で、いろいろなモノ ができあがっていきます。 「子どもたちは、モノづくりの天才です。 」 クリケットワークショップでの子どもたちの様子を見る度に、「どうしてこんな面白いア イデアがでてくるのだろう?」「失敗することを怖がらずに、どんどん進めていけるのだ ろう?」「え、何でこんなこと発見できたの?」と尊敬してしまいます。そして、何より 楽しみながらつくっていくのがうまい! モノをつくっていくことを通じて、私たちは様々なことを学んでいます。 こどもたちはワークショップを通じて、おもちゃの機構や外観、プログラム、そしてその 遊び方を考えていく過程で、色々なことを発見して、自ら学んでいきます。 「ちょっと、見てみて!」と子どもたちに声をかけられる度に、そこに新たな発見と学び があったことをいつも感じます。クリケットは、モノづくりの可能性(と楽しさ!)を拡 - 29 - げ、そこに存在する新しい学びの可能性を拡げていくツールでもあります。 私たちは、大人になっていく過程で、どうもこの「楽しくモノづくり」することを、ど こかに忘れきてしまいがちのようです。子どもたちは、皆生まれながらにして素晴らしい クリエイティビティを持っているのではないかと、日々感じます。その子どもたちが、ク リエイティビティを発揮する機会を、私たち大人がどんどんつくっていかなくてはならな いと思います。その一方で子どもだけではなく、私たち大人にも、もう一度「楽しくモノ づくり」する機会が必要ではないかと、この講座を通じてあらためて感じました。 コ) 高安礼士さんのコラム 「CANVAS と学校教育をつなぐ」 1.学校教育の今と CANVAS の活動 今学校では,「ゆとり」の中で特色ある教育を展開し「生きる力の育成」「総合的な学習 の時間」 「週 5 日制」 「学習内容の 30%削減」等からなる新しい教育課程が実施されている。 教育課程審議会が,完全学校週5日制の下で,「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開 し,生徒に自ら考える「生きる力」を育成するという基本的な考えに立って,教育内容の 厳選,選択学習幅の拡大,総合的な学習の時間の創設等について教育課程の基準の改善を 平成10年7月に提言したのを受けて始まったのだ。 学校は,子どもたちが家庭以外ではもっとも長く生活する場であり,影響力の大きいこと は確かである。「個に応じた教育」が学校にも求められるようになったとはいえ,自ずと 限界もあり,最近では「集団活動による教育効果」を見直すことも指摘されている。学校 教育はその制度の始まりから「近代の産業社会に対応する」ことを目的としており,「均 質で」「同等性を保証する」公的教育であり,効率を求めることもやむを得ないものであ ろう。また一見様々な取組が可能と思われている学習塾やフリー・スクール等についても, 本質的には学校機能の代用と考えられている。目標が評価可能な学習成果の獲得や向上で あるから,個人対応の形をとっても「一つの評価軸」に基づく結果評価であるからである。 もちろんこのような「学校教育一辺倒の状況を改善する試み」については十分評価すべき であり,協力を惜しむべきではないであろう。しかし,一方で他の方法を探っていくこと も重要である。そこに「評価軸」が無限にある「個に応じた創造力と表現力」を育成する の 存在意義がある。 CANVAS の目指す「個に応じた学習」は,図書館・博物館等の社会教育や生涯学習機関で これまでも追求されてきたものである。しかし,我が国においてはこれらの社会教育機関 の多くが地方公共団体で運営されている公立の機関であることから,時代の変化に対応す る運営ができなかった面がある。今日,様々な分野での NPO や NGO の活動が期待され - 30 - ている所以でもある。 CANVAS の目指す活動にはいくつかの特徴があるが, その中で重要な位置を占めるのが 「子 どもの自主的な活動」であろう。長い人類の歴史に置いても,「子ども」が注目され,「教 育」と言う観点から「方策」が考えられたのはそう昔のことではない。「子ども」は近代 の産業社会の中で「労働力」として発見され,「人権を保護」されて「教育制度」に取り 込まれたものであり,その自主的活動や発見学習の重要性が認識され定着したのは,19 世 紀末の西欧社会における「科学教育」においてである。CANVAS の目指すものと科学教育 は特別の関係があると言える。元々,科学と芸術は一体のものであったのだ。 2.科学教育と理科教育 さて,科学教育(我が国の学校教育の場面では理科教育という)の確立には経緯がある。 今日の教育の一般的原理を説いたルソーやペスタロッチは,「科学は教えられるべきもの ではなく,生徒が自らの学びを通して創造していくものである」と考えていた。ルソーの 『エミール』(1762)に示された「子供に科学を教えるな,彼にそれを創造させよ」とい う考え方は,現在においても科学教授法の基本原理とされている。また一般教育としての 科学教育の必要性を説き発展させたのが,1860〜70 年代のイギリスのハクスリーであり, スペンサーであった。さらに,イギリスの化学者アームストロングは,生活経験主義的立 場にたった科学教育を具体化した「発見的教授法」または「実験室教授法」とよばれる今 日の実験を中心とする科学教育の基礎を築いた。このような生徒中心の教育方法は,他の 教科の教授法の中でも重要視されている。 我が国における科学教育の展開は,第二次世界大戦後はアメリカの影響下で生活単元学習, 問題解決学習などの指導法が導入された。やがて教材を整理した系統学習に変わったが, 1957 年のスプートニクショックの後,1960 年代のアメリカに始まった科学教育現代化運 動は,わが国の理科の教育内容や指導方法に大きな影響を与え,大学の大衆化とともに経 済の高度成長を支え成果をあげた。しかし,一方では理科嫌いの原因になったとの指摘も ある。 70 年代以後には「公害」等の問題から科学技術と社会の関係が認識されるようになった。 アメリカでは,80 年代から一般大衆の科学的素養(Science Awareness)の向上をねらい として,科学―技術―社会の相互のかかわりと営みを視野に入れた科学観に基づく教育, S T S(Science,Technology and Society)教育,が行われるようになってきた。 いわゆるS STS教育は,日本でも 90 年代以降,科学,医学等の著しい技術的進歩と加速する情報 化社会のなか,科学教育のあり方が問い直されている。新しい科学教育のおもな課題とし て,遺伝子の分析・診断・治療・操作,人工・体外授精,臓器移植などがかかえる生命倫 理や,自然と共生していくうえでの環境倫理とのかかわりのなかでの取組みがあげられる。 理科教育とは,学校教育の一分野で,自然科学を通して文化遺産を伝えるとともに,創造 的能力を育てることがその目的となっており,特に我が国では「自然に親しむこと等によ - 31 - って人格の完成を目指す」こととされている。今日の我が国においては,従来の科学的概 念の理解に加えて,問題解決過程における判断および意思決定能力の評価に重点が置かれ, 意欲,思考力,判断力,表現力を学力の基本とする新しい学力観がみられる。さらに,科 学的素養に基づいて,広く諸問題への対応ができることを目ざしている。現行の教育課程 においては,学習活動の評価の観点として,「自然事象への関心・意欲・態度」「科学的な 思考」「観察・実験の技能・表現」「自然事象についての知識・理解」の4つがあげられて いる。子どものためのさまざまなワークショップを展開する CANVAS にとっても,理科 教育の目標・手法・評価の点で共通することも多く,参考として評価の手法を早急に確立 することが必要と思われる。 3.CANVAS に望むもの 科学教育を含めての教育や子育てに最も必要なことは,子どもの心の動きをよく観察す ることである。自分自身を充分感じる時間を保証してやることである。それらの観察抜き にして,あれこれ命令することは親や指導者の最も愚かな行為と言えるであろう。科学実 験も子育てにおいても,観察と記録が最も大切な出発点なのである。 また,子どもに対する影響力の大きいものは学校教育であることから,CANVAS の目標を 理解しサポートする教員を増やすことも必要である。そのような観点から,以下の点を CANVAS の今後の活動のために提言する。 (1) 知識と技術から知恵と創造性のあふれる活動へ 単なる知識や技術の習得だけではなく,それらが活用される生活場面を設定し,子ども たちとその理解者が創造的活動に誇りと有効性を実感できるようなワークショップを構築 する。 (2) ネットワークの形成 CANVAS が子どものための様々な活動のセンター的機能を果たすことは重要である。我 が国ばかりか広く全世界へのネットワークを更に強化し,子どもの創造力と表現力増大の 理解者,応援者を増やし,ボランティア活動を創出し,その活動をバックアップする活動 を展開する。 (3) 学校教育等との連携 子供たちに一番影響が大きいのは学校教育であり,学校教育と良好な関係を保つため, 学校,教育委員会,地方自治体との連携を深め,子供を惹きつけて魅了する手法の開発, 指導者の研修等を通じた普及に力を入れる。また様々な分野の学協会との連携を進める。 (4) 事業の継続性 CANVAS の活動成果は,効果が直ちにあらわれるものではなく長い目で見て行くべきで あり,事業を今後長期にわたり継続発展させる。 (5) 親子の絆に配慮 - 32 - 子供の興味関心を喚起するとともに,保護者に対する配慮を充分行う。特に幼児期から 小学校高学年にかけては,変化の激しい時期でもあるので個別的で継続的な相談・カウン セリングの体制を整える。また,そのための児童心理学や教育芸術ジャーナリスト等の専 門家との連携を強め,活動を支援してもらう。 (6) 事業の評価 より有効な事業を推進するためには,実施方策や手法及びその成果を評価する。事業の 評価にあたり,効果の分析が重要であり,多角的評価が重要である。特に新しい試みにつ いては,その評価方法の確立を進める。 サ ) LOCO さ ん の コ ラ ム 「子どもがスキになる」 LOCO は紙コップアーティストとして“糸でんわ”や“コップ人間”などの作品を通して子 どもたちを対象にワークショップを行っています。 2004 年 1 月 25 日に開催された CANVAS でのワークショップコレクションにも参加させていただいたのですが…実はこどもが大・ 大・大!苦手!だったのです。 「泣くし」 「わがままだし」 「ジッとしてないし」 ワークショップを始めた頃、糸でんわ、となると子ども対象となることが多く「うわっ。 大丈夫かなぁ?」と案じていた LOCO。ところが子どもたちは糸でんわに触れると、話が できること、声が聞こえてくることに、大はしゃぎ。LOCO の糸でんわは何人とでも同時 に話のできる糸でんわで、たくさんの紙コップたちが部屋の中に揺れてい ます。すべての糸はつながっていて、コップを手にとり耳をすませば、あちこちから声が 聞こえてくるわけです。「大人」からは糸でんわ?それがアート?どうやって楽しめばい いの?という質問が飛び出します。 「見て−。迷路だー!」 「雨粒みたいー」部屋を走り回る「子ども」たち。気が付くと LOCO も一緒になって走り回っていました。そして気付いたのです。「泣き虫」「わがまま」「落 ち着きない」子どもは LOCO だったことを! アーティストを目指して美大を受験。ことごとく受験に失敗し三浪。「大学に受かる絵」 というものがあって、デッサンに明け暮れた日々。一番大切な『楽しむこと』を思い出さ せてくれたのが子どもたちだったのでした。そこからです。「イタズラ」の大好きだった 子ども時代が LOCO に蘇ってきたのは。イタズラという言葉は表現が悪いかもしれません が、それはイコール「こんなことしたらどうなるだろう?ウフフフフゥ」というドキドキ - 33 - ワクワクの心だったのです。こどもの目にはドキドキワクワクがいっぱい映っています_ その目に LOCO はコロリと参ってしまったのでした。 作品をつくる上で一番大切なこと。それは「遊び心」です。みんなが参加できる come on のスペースをつくってあげること。一緒になって楽しもうよ。遊んでいるうちにたくさん の発見に出逢います。 『遊びは発明の源』 LOCO は子どもたちと一緒に遊びながら作品を生み出しているのです。 シ) 江口響子さんのコラム 「小さな魔法の自転車で、きみの花を探しにいこうよ」 知ってる? きみの中にはね・・・ 花の種がいっぱい眠っているよ なにが咲くのかな いつ咲くのかな 見つけた? きみの内のまぶしい景色 小さな魔法の自転車をこいだら どこまで行けるのかな きっとどこまでも・・・ね 感じた? 体がふんわり温かくなって 花が咲くのを これからもいっぱい 咲くよ・・・きみ自身の花 小学1年生の女の子。ペンタブレットとペイントソフトを使って、画面いっぱいに描い たのはぴかぴかの赤いランドセル。「すごい!画用紙がどんどん出てきた!お家ではね、 画用紙がなくなるともう描けないの。 」はずんだ声で、さらに数枚の絵をいっきに描いた。 プリントしたカードを手に「明日学校でお友だちにあげるんだ!」と走り去った。小学4 年生の男の子。はじめての3次元CGで創ったのは、自分で考えたキャラクタ。しかも、 - 34 - 大人が仕事で用いるのと同じソフトと三面図で制作できたのだ。読めない字があったって 平気。なぜなら、インストラクターのお兄さんやお姉さんがしていることを、見て覚えて しまうから。大人と同じことができた自分ってかっこいい!…わくわくむくむく気持ちが はずんでいる。 20 代半ばの知的障害のある女性。極彩色のはっきりとした線で描いたのは身近にある生 活風景。ペイントソフトで絵を描くのははじめてだったのに、5 時間集中して 6 枚の絵を 仕上げた。「自分のイメージがすぐに取り出せてうれしい!」彼女の心には描いてほしい と待っている風景がどこまでも広がっている。 76歳の女性。制作しているのは可愛いねずみの3次元CGキャラクタ。「次は美しい 花を創りたい!そしてそこに大切な言葉を入れたいのです。 」目の奥に少女と変わらぬ初々 しい光が輝いた。最先端につながる新しい技術を習得し、今そのことができた自分の可能 性に驚いている。 人はいくつまで子どもで、いくつから大人なのだろうか。Handicap があるのとないの と、どこで区別するのだろうか。人間の可能性にきっと境目はないに違いない。 だから、きみも小さな魔法の自転車…Personal Computer で、花…可能性を探す旅に出 ようよ。 - 35 - - 36 - Ⅱ.国内調査資料 - 37 - - 38 - 1. マリンワールド海の中道(海の中道海洋生態科学館) 〒811-0321 福岡市東区西戸崎 18 番 28 号 TEL:092-603-0400 FAX:092-603-2261 http://www.marine-world.co.jp - 39 - 『楽しく学ぶ水族館―おすすめ体験学習プログラム―』 マリンワールド海の中道で提供する学習プログラムが、一冊にまとめられている。学習プログラムの システム、テーマ、学年・教科別対応表、申込書等が記載されており、学校毎の自由な選択が可能と なっている。この冊子の同様の内容は WEB からもダウンロード出来るようになっている。 - 40 - 2. 出雲科学館 〒693-0001 島根県出雲市今市町 1900-2 TEL:0853-25-1500 FAX:0853-24-8383 http://www.izumo.ed.jp/kagaku/ (ア)理科学習のプログラムと実施の様子 小学校 3 年生から中学校 3 年生までの理科学習のサイエンスホール、実験室、プラネタリ ウム等を利用した活動の様子と、単元と各時間の学習内容の一覧 - 41 - (イ)幅広く開催されているワークショップ・プログラム 科学実験教室、ものづくり教室の開催実績 - 42 - (ウ)ワークショップ開催カレンダー、子ども会・PTA 等活動メニュー リスト化され自由に選定、申し込みが出来るようになっている。 毎月の活動メニューは 1〜3 ヶ月先までが WEB に掲載され、そこから申し込みも出来る ようになっている。 - 43 - 3. 金沢 21 世紀美術館(2004 年 10 月 9 日開館予定) http://www.art.city.kanazawa.ishikawa.jp/ (現事務局連絡先・館の正式住所は未定) 〒920-0999 目 石川県金沢市柿木畠 1-1 金沢市庁舎南分室 的…………新しい文化の創造 新たなまちの賑わい創出 建築コンセプト…まちに開かれた公園のような美術館 美術館の特色……世界の「現在(いま) 」とともに生きる美術館 まちに活き、市民とつくる、参加交流型の美術館 地域の伝統を未来につなげ、世界に開く美術館 子どもたちとともに、成長する美術館 「21@SCHOOL」事業として開催された『バッタちゃんあらわる!』 - 44 - 4. 福島市子どもの夢を育む施設(2005 年度完成予定) 福島駅東口の南側地区に予定 『福島市子どもの夢を育む施設ワークショップ報告 Vol.4』では、 「夢ちゃれんじ・いべんと」の 報告とアンケート結果、企画メンバーの感想などがまとめられている。このような資料を定期的 に発行することで、スタッフの育成に役立てている。 - 45 - 2003 年 11 月 23 日に開催された『夢ちゃれんじ・いべんと』 けんだまやお手玉の昔遊び、御神輿づくり、バリアフリー体験、お話し会、大綱引き大会など、 多彩なプログラムが実施された。 - 46 - Ⅲ.海外調査資料 - 47 - - 48 - 1. Education Development Center,Inc.(EDC) (アメリカ・ボストン) エデュケーション・デベロップメント・センター(エディック) URL http://www.edc.org Main Offices Europe Office Boston (EDC Headquarters) EDC-Europe 55 Chapel Street P.O. Box 31183 Newton, MA 02458-1060 6503 CD Nijmegen, The Netherlands Phone: (617) 969-7100 E-mail: [email protected] Fax: (617) 969-5979 Phone: +31 24 366 1033 TTY: (617) 964-5448 Fax: +31 24 366 1032 New York 96 Morton Street, 7th Floor New York, NY 10014 Phone: (212) 807-4200 Fax: (212) 633-8804 Washington, D.C. 1000 Potomac Street NW Suite 350 Washington, DC 20007 Phone: (202) 572-3700 Fax: (202) 223-4059 - 49 - ■組織及び運営の概要 理事メンバーによって、主な活動方針、活動計画、活動目的の決定、運営評価、財務評価が決定さ れる。理事は、CEO 兼 President を選出する。President は、理事に全体の活動内容を報告する任務 を負う。President は、Vice President 等内部の管理メンバーを統率する。各 Vice President は、自 分の所属のセンターを管理運営し、President に各センターの活動内容を報告する任務を負う。 各プロジェクト運営に対して、役員たちは、ディレクターやサーポートスタッフたちと協力しなが ら、さまざまな戦略の立案、資源の提供、実践計画の見直しや評価を行いながら、より多くの助成金 を獲得できるように指導、アドバイスを行う。また、各センターが密に連絡を取り合うことにより、 プロジェクトの活動資源の効率化を図っている。 プロジェクト活動が円滑に行われるように、各ディレクターには「プロジェクト・マネジメント・ ハンドブック」を提供している。そこには、さまざまな助成金の詳細な情報や、企画書の書き方のア ドバイスやサンプルがある。また、プロジェクト活動を行うにあたっての注意事項や基本的な管理・ 運営の方法がわかりやすく説明してある。 各プロジェクトは各センターに属している。また、センターの運営は、各センターディレクター(Vice President)に委任されている。そのためセンターの規模や設立の経緯、扱っているプロジェクトの 性質等によって、運営方法が異なる。一方、各プロジェクトは、プロジェクトディレクターが、その 運営責任を負うので、当然ここでも、プロジェクト内容や最終目標によって、運営手法は異なる。ま た、プロジェクトの存続は、助成金の獲得結果によって決まる。結果的に、プロジェクトごと、セン ターごとに競争が伴う。したがって、EDC は、企業家精神に富み、常に新しい手法にチャレンジし ていく集団となっている。 理事と役員メンバーは、中央の財政を管理・運営する。各プロジェクトは、30-40%の間接費用を 諸管理費用として、ビジネスサービス部門に支払う。 ビジネスサービス部門は、オフィスとインフラの提供、財務・法務・庶務的なサポート、福利厚生、 各情報の提供、出版のためのサービス、IT/ネットワーク構築のサポート Web サイト構築のサポート、 会議・ワークショップのサポート、各部署・センター間の連携等を行う。また、プロジェクトの助成 金獲得のためにサポート活動も行っている。 (ア) President's Office(役員室) President's Office は、他の部署やセンターが統括しない特別なプロジェクトの監督を行う。 2003 年 12 月現在は下記のようなものがある。 ・ The Youth Employment Summit (青少年の雇用の拡大) (参照 http://www.yesweb.org/ ) ・The Agents of Change Program (各プロジェクトの評価機関) (参照 http://main.edc.org/about/allframe.asp?destinationURL=http://www2.edc.org/aoc/ about.asp&TheOrigin=organization.asp ) ・ ATLAS Communities (学校教育改善プロジェクト) (参照 http://main.edc.org/about/allframe.asp?destination URL=http://www.edc.org/ATLAS/&TheOrigin=organization.asp - 50 - ) ・ The Adult Literacy Media Alliance (インターネット TV を利用した社会人教育) (参照 http://www.tv411.org/index.shtml ・ Beyond Blame: Reacting to the Terrorist Attack -A middle-grades curriculum_ (911 事件体験を通じて、テロ、正義等について考えるカリキュラム) (参照 http://main.edc.org/newsroom/features/beyondblame.asp ) ・ Upping the Numbers: Using Research Based Decision Making to Increase Diversity in Quantitative Careers (GE 財団による教育調査報告) (参照 http://main.edc.org/newsroom/features/upping.asp ) (イ)センター及びビジネスサービス部門 EDC は多くの独立したプロジェクトが統合的に集まってできた組織であり、プロジェクトご とに、活動の手法は異なる。しかし、EDC のプロジェクト活動の理念は常に守られている。 以下に 13 のセンター名を示す。 上記に述べたように、異なったセンター内でも同じような内容のプロジェクトが存在する。 1. Center for Applied Ethics and Professional Practice 2. Center for Children and Families 3. Center for Children and Technology 4. Center for Educational Resources and Outreach 5. Center for Education, Employment, and Community 6. Center for Family, School, and Community 7. Center for Leadership and Learning Communities 8. Center for Online Professional Education 9. Center for Science Education 10. Global Learning Group 11. Health and Human Development Programs ・Center for Research on High Risk Behaviors ・Center for School Health Programs ・Center for Violence and Injury Prevention ・CSAP's Northeast Center for the Application of Prevention Technologies ・HHD Global Programs―A Collaborating Center of the World Health Organization ・The National Center for College Health and Safety 12. Mathematics Learning and Teaching ・Center for the Development of Teaching ・Center for Mathematics Education 13. International Education Systems Division ・Center for International Basic Education ・Multichannel Learning Center - 51 - また 11 のビジネスサービス部門は以下の通りである。 1. Business Services Management Team 2. Accounting Department 3. Conference and Travel Services 4. Editing and Design Services 5. Facilities Department 6. Human Resource Department 7. Information and Technology Department 8. Legal department 9. Office of Sponsored Program 10. Operation department 11. Publishing and Distribution Department (ウ)助成を受けている主な団体 [民間] AT&T Foundation The Edna McConnell Clark Foundation Deutsche Bank Ford Foundation Ford Motor Company Bill and Melinda Gates Foundation IBM Corporation The Robert Wood Johnson Foundation W.K. Kellogg Foundation PBS The Pew Charitable Trusts The Wallace-Reader's Digest Funds [合衆国政府機関] National Endowment for the Humanities National Highway Traffic Safety Administration National Science Foundation U.S. Agency for International Development U.S. Department of Education U.S. Department of Health and Human Services Centers for Disease Control and Prevention National Institutes of Health U.S. Department of Justice U.S Department of Labor [海外] Asian Development Bank The Open Society Institute UNESCO UNICEF United Nations Development Programme The World Bank The World Health Organization - 52 - 2. Arts Corps(アメリカ・シアトル) アーツ・コープス 1423 34th Avenue, Seattle, WA. 98122 USA TEL 206-329-4442 http:// www.artscorps.org (ア) 活動プログラムのリスト - 53 - (イ)プログラムの評価システム 1)ティーチング・アーティストによる自己評価表 6〜8 回続けて行われるプログラムが「修了した時点で、ティーチング・アーティストが本 部に提出する。 2)プログラムに参加したこどもが記入する質問票 プログラムの前後 2 回、同じ質問表が配られる。 - 54 - 3)ティーチング・アーティストがこども個人個人に付ける記録 - 55 - 4)プログラム・エヴァリュエーション・レポート 1 年間さまざまな角度から検証された、アーツ・コープスのプログラムについての評価が まとめられたレポート - 56 - 3. Teacher Leadership Center at the Children’s Museum, Boston(アメリカ・ボストン) ボストンチルドレンズミュージアム・ティーチャーリーダーシップセンター 300 Congress Street Boston, MA. 02210 USA TEL 717-426-6500 http://www.bostonkids.org (ア)TLC の利用説明書 - 57 - (イ)レンタルキットのリスト さまざまなテーマに合わせて準備されたキットの中から自由に選ぶことが出来る。 - 58 - (ウ)レンタルキットの一例 1)MEXICAN CRAFTS, GAMES, &TOYS おもちゃやゲームの他、解説書等が一つの箱にまとめられている。 - 59 - 2)JAPANESES FAMILIES KIT スーツケースにまとめられた日本の家族に関するキット。中には風呂敷で包まれた、ティ ーチャーズガイド、ビデオ、ランドセルなどが入っている。 - 60 - 4.The Hands On History Room &The Hands On Science Center at the National Museum of American History Smithsonian Institution(アメリカ・ワシントン) スミソニアン・アメリカ史博物館の歴史体験室と科学体験センター 14th Street and Constitution Avenue N.W Washington, D.C. USA TEL 202-357-2700 http://www.americanhistory.si.edu/hohr/index.htm 歴史体験室 http://www.americanhistory.si.edu/hosc/index.htm 科学体験センター (ア)主な展示のテーマ 1. これはなあに? 16 個の歴史的なもののレプリカ 2. 移民の持ち物 3. 百年前の電報の打ち方 4. 手製クツのできあがるまで(1850 年代) 5. 郵便局 手紙配達の仕分け(1870 年代) 6. 切手のいろいろ 7. 椅子の組みたて 8. 椅子の組みたて 上級編 9. 椅子の仕組み 10. 泥でできた家 11. 泥のブロック 12. 泥の家の中 13. 綿紡ぎ 14. メキシコの壷 模様づけ 15. ロープを編む 16. かごを編む 17. 歴史地図のパズル 18. バッファローの暮らし 19. アメリカ・インディアンの暮らし 20. ニューメキシコの不思議なダンス 21. 1780 年と 1870 年の服装を比較する 22. 歴史家になる 23. 1780 年のこどもの持ち物 24. アメリカ・インディアンの機織り 25. 黒人奴隷の暮らし 26. 1780 年の商店 27. 昔の自転車にのる 28. 時計作り 29. ロープの機械編み 30. 綿の栽培 31. 人形の歴史 32. 1800 年 こどものおもちゃ 33. 1700 年 黒人の暮らし 34. 1800 年の家財道具 35. 楽器の変遷 - 61 - (イ) 展示室の様子 - 62 - 5. 索尼探夢 Sony Explorascience(北京) 北京市東城区東長安街1号、東方広場 W1-202 号室 電 話:010−8518−2161 FAX:010−8518−2166 http://www.explorascience.com.cn (ア)展示室の様子 - 63 - (イ)ワークショップ活動の様子 - 64 - 6. サムソンこども博物館(ソウル) 7-26 Yejeon-Building, Sincheon-dong, Songpa-gu, Seoul, Korea 電 話:82-(0)2-2143-3600 FAX:82-(0)2-2143-3681 http://www.samsungkids.org/ (ア)主な活動記録 1995 5 月 サムソンこども博物館開館 7 月 第 1 期博物学校開催 1996 4 月 科学探求、人材探求、自由表現の領域において 併せて 17 種類の新規展 示オープン 6 月 国立ソウル精神病院 自閉症児童センターと姉妹施設連結 1997 3 月 社会と文化比較領域の新展示 韓国とドイツの比較 オープン 4 月 第1期乳幼児遊びの学校、美術学校 開催 9 月 第 1 期開かれた演劇学校 開催 10 月 第 1 期映像制作学校 開催 11 月 韓国こども教育協会:こども博物館における科学教育主題発表 1998 1 月 ブルックリンこども博物館 「世界の履物展」展示企画参加 3 月 科学探求領域 ウォーターエクスポ など 展示品 新設 5 月 第 1 期科学教室 開催 9 月 累計来場者100万人、第 1 期 写真教室開催 1999 3 月 社会と文化 比較領域における 新しい展示「世界のさまざまな国の家」オープン 4月 出向いていく博物館 訪問授業実施:主題「こうもりの世界」 5 月 博物館学会で 優秀博物館に選定、受賞発表 11 月 ホームページ 開設 12 月 1 階拡張後 再オープン(ロビーおよび便利スペース拡張) こうもりの世界、アートギャラリー展示領域、新規オープン 2000 7 月 博物館会員総数 5000 名突破 11 月 年間来場者数 40 万名 突破 2001 1 月 アクティビティブック「世界のさまざまな国の家」オープン 3 月 累計来場者 200 万人 マルチメディア研究領域の新しい展示「メディアストーリー」オープン 5 月 第 1 期キッズクラブ 設立式 2002 3 月 −アートギャラリー領域の新しい展示「絵の動物園」 ―社会と文化比較領域の新しい展示「貨幣の旅」オープン 5 月 sticker 遊びの本「メディアストーリー」発行 11 月 米国 オースティンこども博物館展示 プロジェクト協力契約 (イ)出版物 サムソンこども博物館の活動の特徴の一つに、充実した出版活動が挙げられる。 - 65 - 以下にその概要を示すが、博物館に来館しての体験のみならず幅広いテーマにつ いて、家で継続的な体験学習ができるようになっている。 1 「サムソン子供博物館 展示ガイドブック」 体系的に 展示品の活用法を紹介する楽しい絵や、やさしい説明でなりたち、 学習原理を身につけることができるように構成されている。こどもが博物館 学習を延長していく機会を提供する。 対象:小学生 著者:サムソンこども博物館 学芸研究室 定価:4000 ウォン 2−1「アクティビティーブック<世界のいろいろな国の家>」 アクティビティーブックシリーズ最初の本で 社会と文化比較領域の展示と 関連し、多用な遊びと学習内容を併せ持つ sticker 遊びの本である。 こどもが 直接スティッカ−を貼りつけ、色を塗り、切り取り貼ってみるな ど楽しい遊びを通して世界のさまざまな国を旅行する体験をすることがで きるように構成されている。 対象:3−8 歳 文と絵:ジャン ファジョン学芸研究室 課長・イ ミヨン 定価:4000 ウォン 2−2「マルチメディア研究」 領域の展示と連携し、多用なメディア関連内容をやさしく面白く学べるよう なスティッカ−遊びの本。 対象:4歳以上 文と絵:ジャン ファジョン学芸研究室 課長・ コ キョンソク 定価:4000 ウォン 2−3「社会と文化比較 「貨幣の旅行」 」 展示の豊富な学習情報を、多用な遊びの活動として編纂したスティッカ−遊 びの本。不思議な昔の貨幣、わが国の貨幣を詳しくみてみよう、市場遊び、 世界のいろいろな国の貨幣、貯金箱をつくろう、など役に立つ遊びで 貨幣 のいろいろな面を楽しく学ぶことができる。 対象年齢:5 歳以上 文と絵:コ ヒョンア・ ユ ジェス・イ ミヨン 定価:5000 ウォン 3 「われわれの文化発見 シリーズ」 伝統から現代にいたるまでの本質的な美しさと価値、優れた点を、こどもた ちが遊びを通して発見し楽しめるように作成した、新しい概念の伝統文化遊 びの本。 サムソンこども博物館とチェミマジュが共同企画するこのシリーズは 「楽器」 「長寿」 「虎」の3冊で構成されている。 対象年齢:7−12 歳 文と絵:「楽器」キム テキュン・ イム ウンキュウ・ イ ヨンギョン 「虎」キム ホグン・ イム チョンギ・ イム ウンキュウ・ イ オクぺ 「長寿」チョ ナムジュ・ キム ダルソン・ カン ウグン 出版社:キルボオリニ 定価:12000 ウォン 4 「われわれの文化 遊びカード」 われわれの国の伝統文様の素材をグラフィックイメージに新しくデザインし て制作するというこども向けの遊びカード。カードを広げ、連想、錯覚を利 - 66 - 用した遊びなどを通して、こどもの視覚、聴覚と思考力及び想像力の増進を 助け、伝統文化に対する理解を図る。 わが国の文化遊びカードシリーズは「動く三角 四角」 、 「何がでるかな?」 「自然のお話―広げるカード」 、 「雪花説話―広げるカード」 、 「自然と人のお 話しー広げるカード」の計5種類で構成されている。 対象:0−6 歳 アートディレクター:パク ヘジュン 出版社:キルボオリニ 定価:10000 ウォン 5 「アコーディオン絵本」 こどもがアコーディオンのように本を開いてみるという新しい方式で、数と 図形の概念を楽しく自然に学べるように制作されたイメージブック。 アコーディオン絵本は数の概念の本「きみはだれ?」と図形の概念の本「コ レはなに?」の2冊から構成されている。 対象:3−7 歳 文と絵:「きみはだれ?」―パク ヘジュン・ パク ソンホ 「コレはなに?」―パク ヘジュン 出版社:キルボオリニ 定価:12000 ウォン 6 「お母さんとこどもの遊びプログラム」 サムソンこども博物館で 97 年から乳幼児と母親を対象に開催した「乳幼児 遊びの学校」プログラムの経験を蓄積し、その理論と実際をバランスよく取 り扱った内容となっている。 お母さんとこどもの遊びプログラムに関心のある機関、教師、および幼児教 育専攻の学生だけでなくこどもを育てている母親たちにも役に立つ内容とな っている。 内容: ・お母さんとこどもの遊びプログラムの必要性と現状 ・お母さんとこどもの遊びプログラムの理論的背景 ・お母さんとこどもの遊びプログラム活動 ・両親教育の実際 著者:イ ギョンフェ 学芸研究室室長 イ ヨンジュ 幼児遊びの学校担当教師 出版社:チャンチ社 定価:12000 ウォン - 67 - (ウ)展示室の様子 - 68 - 7. IT World(情報の国) (ソウル) Kyonggido, kachonshi, makke-dong, 118-3 Inside Seoul Park Land :Cho ngbo Nara(ソウル大公園内 情報の国) 電 話:82-(0)2-2105-4315, 4443 FAX:82-(0)2-2105-4362 (ア)展示室の様子 - 69 - - 70 - Ⅳ.参加型ワークショップ開発の基礎となる デジタル文化・技術の調査・分析資料 - 71 - - 72 - ポップカルチャー政策研究参考資料 目次 1.議事要旨 1)2003 年 3 月議事要旨 2)2003 年 4 月議事要旨 3)2003 年 5 月議事要旨 4)2003 年 6 月議事要旨 5)2003 年 7 月議事要旨 6)2003 年 8 月議事要旨 7)2003 年 9 月議事要旨 8)2003 年 10 月議事要旨 9)2003 年 11 月議事要旨 10)2003 年 12 月議事要旨 11)2004 年 1 月議事要旨 2.URL 集. 1)DJ 2)チャンバラ 3)映画 4)糸でんわ 5)ロボット 6)アニメ - 73 - 議事要旨 1.議 1)2003 年 3 月 議 事 要 旨 ①コンテンツ再生危機 ⅰ 新作コンテンツを政府が評価したり援助したりするのは、あまり簡単ではない。 しかし、旧作についての評価は定まっていたり、市場で評価できる。ならば、死 蔵されているコンテンツを別の媒体で再販したり、再発売するための仕組みであ れば、政府マターでも可能かも知れない。 ⅱ 想定ケース:民放テレビドラマをCATV局が放送したいが、局側は再販に積極 的でなく、CATV局は、お金が無い。再生機構が権利処理をして、CATV局 だけでなく、衛星、海外メディア、パッケージ化などまで想定して、それぞれは 比較的少額の料金で放送可能な形にする。 ⅲ テレビドラマの著作権はテレビ局側が所持していることが多いが、実演家の権利 が強固で再放送を言い出せない。 ⅳ 交渉すべきは実演家であって放送局でない。 ⅴ 日本の民放のテレビ番組は、最も2次利用の権利処理をしにくいコンテンツ。 関係者(制作会社、実演家)の交渉問題 音楽の問題が非常に複雑 一番大きな実演家の問題 ⅵ 個別ケースから解決するしかない。 ⅶ 著作権の行使をタレントの露出制御ポリシーよりも優先することの、実態として の蓋然性はどこまであるか? ⅷ リメイクや模倣という行為が持つ文化の再生産性、創造性を前提にして、著作物 を広く公開する行為そのものに、社会的厚生がある。 タレントの肖像権は、一般的な市民のプライバシー権や自己情報コントロール権 としてあるのではなくて、稀少性など経済的な価値の側面でとらえられている。 制御された稀少性の価値 VS 公開によってもたらされる文化的厚生の問題 ②ハリー・ポッターとメフィスト系 ⅰ 「InterCommunication」44 号の対談:①ハリーポッターのメガヒットは、「虚 構を楽しむ」行為が厳然と存在していることだから、「欲望の原理に忠実な話」、 つまり他者の欲望を欲望するという象徴界の機能は不全に陥っていない。②ああ いう文化的な差異を無視して受け入れ可能なものがヒットするということは、 「動物的な読み方」になっているということで、その逆ではないか。 ⅱ 本、小説が売れない、と考えている出版界で、新手の文学賞や新人発掘策がとら れているが、そこの作品の傾向がハリーポッター的な世界汎用ファンタジーとち ょうど逆のものに見える。 - 74 - ⅲ 現在の「メフィスト系小説」は、歴然と「日本のメタおたくカルチャー」になっ ていて、人によってはリアリティが無さ過ぎて、読むに耐えないのではないか? →ハリーポッターのメガヒットとの関係。 ⅳ ・ジャンル(の記憶/破壊)の問題 ・メディア(商品)の市場、マーケティングの問題 ・世界〜精神の状況の問題 という 3 つのレイヤーの関係がよくわからなくなっている。 ⅴ 過去のものをスクラッチ、リミックスすることによって新しいものを生み出すこ との意義を文学の世界でも、もっと認めるべき。 ③文壇というシステム ⅰ ポップカルチャー、サブカルチャーの世界では、「壇」が機能してこなかったこ とから、ジャンル性を境界づける政治が機能せず、メフィスト系ほか間ジャンル 的な混沌とした作品の状況がうまれている。 ⅱ 現在はポップなモノと緊張関係にあるべき「壇」がよわいこともあって、ジャン ル的な収束力が機能していない。 ⅲ 作り手ではなくオタク界のイディオムの中での自己完結が、問題? ⅳ 出版社や新聞文化部主導のムーブメント(J文学)に比べれば、SFやホラーや ミステリやライトノベルのほうがはるかに健全。 ④創造の再生産 ⅰ 産業振興とか市場障壁の除去などとは違うフェースで、分野ごとの創造性を生み 出す方法が無いのか? ⅱ ポップカルチャー分野の衰亡でもいろんな原因が説明できるが、受け手→ワナビ ー→発信者というインセンティブの循環が機能していれば、再生産・再創造が持 続する。 ⅲ ハイアラキーな構造とは違う能力や才能の新陳代謝や再生産の仕組みがあればい い。 ⅳ アニメ業界でも、そのメインストリームな人材の部分では、あまりオタク的な印 象が無い。つまりオタクの回路とアニメ作家ワナビーの回路はずれている。 ⅴ コミケの自発的な同人作家活動(「オタク的な回路」の代表的存在)がなければ、 いまのアニメやゲームの隆盛はありえない。 ⅵ オタクまわりではどんどん創造の再生産は起きているし、それは現実に産業に結 びついている。 ⅶ 学会を作ればメディアの注目が集まる、メディアの注目が集まればクリエイター が育つ、というのは、現実のクリエイターの動機を理解していない暴論。 - 75 - ⅷ 創造の再生産が起きていないのは、ポップカルチャーではなくて、むしろメイン カルチャーなのでは? ⅸ ポップカルチャーを振興する、ということでは、 ・いい作品、いいモノが/・ちゃんと評価をうけ/・売れる という構造があれば、いい。さらに・そういう作品・評価・ビジネスを創造可能 な人材が育っていく条件があれば良い。 ⅹ 産業的な政策アプローチはこの「売れる」ための条件作りをするもの。 ⑤パブリックドメイン ⅰ アメリカの著作権の考え方:あらゆる著作物の権利は著作権者が行使できる。 その上で、例外的にフェアユース権によって著作権が制限される。 ⅱ 日本の考え方:著作権自体が行使できない領域が法的に決まっている。 ⅲ パブリックドメインというのは米国ではフェアユース権として確保されている。 ⅳ パブリック領域は市民的権利。 ⑥ガングロ ⅰ ケビン・ケリー責任編集の COOL TOOLS に、渋谷系の「カスタム」なスタイル 中心に、最近の若い女性のファッションを集めた写真集の紹介がある。→海外の デザイナー達は必ず渋谷の109巡りをして、新しいデザインのヒントを探して いる。 ⅱ ガングロというのはどう解釈したらいいのか。 1 顕示 2 隠蔽 3 コミュニティ ⅲ こういうのは、日本だけなのか。 ⅳ ガングロに相当する男の子たちって、何しているのか?→オタク。両者とも「自 分なりの美意識で生きている(異性の視点に迎合しない) 」という点においては、 かなり共通点がある。 ⅴ オタクとガングロは別物:オタクは、リアルの女性との接点がないだけで、完全 に商業主義の中の趣味。 ⅵ ガングロに関しては、メディアは常に後追いで、流行を引っ張ったわけでない。 ⅶ メディアや異性の目を意識せずに、彼女らが真にカワイイと思うものを追求して、 文化に育てたというのは、日本人のポップカルチャーの創造性において誇れる。 参 考 】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 【参 http://www.livemusicstudio.com/mac/pages/ganguro.html http://www.livemusicstudio.com/mac/pages/ganguro2.html http://www.big.or.jp/~radical - 76 - http://www.pixelcreation.fr/diaporama/default.asp?Code=44 http://www.jmrlsi.co.jp/menu/report/ganguro/ganguro.html http://www.ngy1.1st.ne.jp/~ieg/ieg/inter/vol3-3/ito2.htm ⑦女子高生 ⅰ 特徴の 1 つに言葉を略すことがある:ブラピ、ブラピ、キムタク、スタバ、マク ド(大阪) 、イブサン(大阪) 、パソコン、テレビ、アニメ、ポケモン ⅱ ルーズソックス一派と、ガングロは対立関係にあったのかそれとも同一人物なの か。 ⅲ 変体少女文字からギャル系携帯メール言語の系譜。 そこでのチョベリバなどの音声と記述の関係。 ネット記号の顔文字の輸入と受容、ローカル化の過程。 ⅳ 「ケータイ文化」はどうか? 【参考】 *リンク切れの場合はご容赦下さい。 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0303/07/n_seito.html ⑧電波は誰のもの? −電波は誰のモノでもないのでは? ⅰ 地上波デジタルとかやるのなら、空いた VHF とか UHF 帯域はもっと細分化し て公共的なチャンネルにすればいい。 ⅱ ①電波は民間資本も国家も占有・管理できないとして完全な市民解放を求める。 ②電波を国家なりコミュニティなりの公共財と考え民間資本の営利活動のみに占 有させない。 ⅲ メディアインフラとコンテンツの分離・コンテンツの流通促進との関係する。 ⅳ コンテンツにも営利資産と公共財があり区別した方がよい。 ⅴ インフラとコンテンツの公共性、営利性の性格付けが曖昧なものが多い。 【参考】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 【第 32 回】チェサピーク湾から流れるブルーグラスに耳を傾けること http://pcweb.mycom.co.jp/column/bytes/bytes032.html ⑨ドキュメンタリー −日本でもドキュメンタリーはそれなりに量産されているが、劇場でかからないし、 ビデオにもならないことが多い。 ⅰ テレビが面白すぎるせいか。 ⅱ 欧米でドキュメンタリーが活発な理由の一つとして、パブリックTVがある。 ⅲ IMAX 映画の 80〜90%はドキュメンタリーで、そのほとんどが日本にも入って - 77 - きている。 ⅳ コンテンツ政策として、日本版 PBS ないしは PBBS (public broadband service) を作るのがいい。 ⅴ ドキュメンタリーの分野は、かりに民放がだめでも NHK がきちんと守らなけれ ばいけないのにいまでは NHK も「公共性」のもとに特定の主張のある「作家性」 をつぶすことしかできない仕組みになっている。 ⑩pppの今後の企画 ⅰ 派生的な調査研究モノ ・経済産業研究所ベースで政策研究 ・総務省の調査研究と連動 ・国際共同研究 ・学会 ⅱ イベント ・オフ会 ・マスコミ等とのタイアップ、国際シンポ、出版 ・学会、ビジネス協議会、ファン・コミュニティの設立 ⅲ オンライン運営の強化 ・テーマ別分科会 委員 2 名ナビゲーターと、学生・社会人等の聴講生によるゼミ ・国際オンラインML 上記分科会の一つとして通訳サービス付きで実施 ・オンライン広報 分科会レポート(月刊、和英) 分科会掲示板 (英語も) ⅳ その他 ・有志を募り元気の出る本を出版 ・Pop 系のこどもワークショップを実践 ⑪なぜポップカルチャー政策なのか ⅰ ポップカルチャー政策は、 ・ポップカルチャー創造、生産、発信のプロセスを直接支援することをコアにす べき。 (→「ポップカルチャー育成策は、産業支援策ではない」 ) ・市場整備、ビジネス環境整備は、重要でありながらも、やはり二義的な要素で はないか。 (→「ポップカルチャー政策の基本は 経済政策ではない」 ) ・そのためには、あまり目を向けられていなかった「創造メカニズム」の研究が - 78 - 重要なのではないだろうか。(→「ポップカルチャー政策研究は、若者文化研 究や精神分析ではない」 ) ⅱ コンテンツ「産業」政策はあっても国としてのコンテンツ政策がまとまった像を 描け ないのは、創造メカニズムの視点に欠けているから。 ⅲ コンテンツを創造し続けるメカニズムは何かと いうことを考えてみたい。 ⑫笑い ⅰ アメリカ人は不必要に笑いすぎ。 ⑬コーディネーター −海外在住の日本人コーディネーターは圧倒的に女性が多いのはなぜか? ⅰ 「文化の架け橋」的な日本人は近年に至るまでほとんどが女性。 ⅱ 「ある文化のファン」→「なりゆきでスタッフに」→「一本立ち」というプロセ スを辿る。「ファン」から一歩踏み出すときに、(日本の) 男性だと、踏み出し にくい。 ⅲ カルチャーを振興したり定着させたりするには、超実質的な意味でのコーディネ イターが必要。それを組織的に養成して、うまく行っている例はあるのか。 ⅳ 「キュレーター」という職業は、日本だけでなく海外でも他の職業に比べて女性 の占める率が比較的高い。「管理」「組織」よりも、媒介的な仕事であること、従 来の意味内容から離れ&拡張して、フレキシブルな意味を得はじめたことと関係。 ⅴ 実際重要なのは本人のやる気とコンセプト、また自発的に社会に出て経験をつむ こと、ネットワークを作っていく実践。 【参考文献】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ●Media Environmrnt 「表現のビジネス コンテント制作論」 (東大出版会) 浜野保樹 http://www.utp.or.jp/shelf/200301/063451.html ●Media Environmrnt 「記憶のゆくたて デジタル・アーカイブの文化経済」 (東大出版会) 武邑光裕 http://www.utp.or.jp/shelf/200302/063452.html ●網状言論F改―ポストモダン・オタク・セクシュアリティ (青土社) ・東 浩紀【編著】 ・永山 薫・斎藤 環・伊藤 剛・竹熊 健太郎・小谷 真理【著】 - 79 - 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 アニメが変える日本像 http://www.asahi.com/international/aan/column/030207.html 「千と千尋」オスカー受賞 「日本的」世界観に可能性 http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/200304/02.html 東映、シネコン向けにデジタル上映拡大 http://it.nikkei.co.jp/it/news/index.cfm?i=2003033107551j0 ズー・信州大など、アニメ制作システムを開発 http://it.nikkei.co.jp/it/news/index.cfm?i=2003033107574j0 日本のアニメはじまり物語、東映アニメーションがギャラリー開設 http://www.jij.co.jp/news/top-page/topic/art-20030331194545-LFVWMBUAQD.nwc 経済産業研究所 池田信夫さんの著作権に関するコラム。 http://www.rieti.go.jp/it/column_index.html 金沢工大、 「ガンダム」に学ぶアニメ創出学を開講 http://www.jij.co.jp/news/entertainment/art-20030312192550-OYIEELGOCL.nwc 『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』 http://homepage1.nifty.com/straylight/main/personapolis.html http://ellington.gel.sfc.keio.ac.jp/nsly/mt/ns/ http://www.t-t-t.jp/ 2)2003 年 4 月 議 事 要 旨 ①こどもの創造力 ⅰ 日本のポップカルチャーの魅力はこども感覚・発想にある。 ⅱ メディアテクノロジーを使ったこどものワークショップのカリキュラム開発の本 当の目的は大人のこども感覚・発想開発ということになる? ⅲ 知的財産戦略大綱では、「独創性・個性を尊重する文化環境構築→創造性育成」 の方法と効果の関係を敢えて曖昧にしている。 ⅳ こどもに自由に描かせる→創造性が伸びる? ⅴ 逆に模倣とか模写を通して涵養された創造性に、アニメ、マンガふくむ「日本文 化」がある。 ⅵ 「独創性・個性を尊重する文化環境構築」は「独創的で個性的な創作物」を提供 する側の育成とは別。 ⅶ これから最も求められるのは、問題を解決する能力でなく、「適切な」問題を設 定できる能力。 ⅷ 本当に使えるようになる人は先生や先達に反抗する人? ⅸ 学校や産業界による育成の仕組みで天才は育成できない。 - 80 - ⅹ メディアを横断したディレクターや、国際ビジネスに対応できるプロデューサー の育成が必要といわれていますが何歳頃からどのような教育、体験をするとこう いう人は育つのか? ②想像力 ⅰ ゲーム、マンガ、中でもアニメの魅力は想像力による架空の世界を物語化し、ビ ジュアライゼーションする力にある。 ⅱ 最近アニメの想像力が実体商品化する話が多い。 ⅲ これまでのマスメディアは、大量生産・消費社会の道具として、メーカー商品の 市場に情報提供してきたが、これからはメディアの中の想像力が現実の商品と市 場を作っていくようになるのか。 ⅳ 実際のまちとして、ドラえもんシティと、アトムタウンとガンダム都市と、ドラ ゴンボール世界ができたら人はそこに暮らすのか。→これは、作り手として志が 低い。 ③メーヴェは作れるか ⅰ 八谷さん、メーヴェ制作。 http://www.petworks.co.jp/~hachiya/opensky/ ⅱ ポップカルチャーが持つ「それって何になるの?」という部分が非常に重要。 ⅲ 無用と思われることを無用と切り捨てない感覚を身につける。 無用の用 こそ ポップカルチャー。 ⅳ 自作のフィギュア化、メーヴェの実体化などの作品、それぞれで、表現の動機や 目的は異なるのか?→「モノを作る」という点ではまったく同じ。 ⅴ マンガ、アニメ、ゲームなどが、どれくらいの比重で現実生活のフォーマットを 提供しているか? 【参考】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 http://www2s.biglobe.ne.jp/~FlyWing/JapaneseTaillessPlane/Kayaba-1.html http://www.ping.be/~ping4026/swift1.htm ④ポップカルチャーの議論 ⅰ 作品・作家について(想像力の源泉や、評価) ⅱ 受容・市場について(こども・大人、文化価値・ビジネス価値、国内・海外など) ⅲ 産業構造について(メディアとコンテンツ、プロデューサーとクリエーター、権 利の保護・活用など) ⅳ 政策について(文化と経済、国内・海外、保護・育成と放任など) - 81 - ⑤オタクと作家 ⅰ 黒澤明にゴジラを撮って欲しかった。 ⅱ 「日本沈没」と「連合艦隊」の監督をやらないか、という話はあったが予算的に 無理だった。 ⅲ NHK の手塚治虫さんが鳥獣戯画のことを語る番組にて ・鳥獣戯画の頃から 800 年間マンガ表現はほとんど何も進化していない。 ・そのころから日本文化は(武士・貴族ではなく)大衆が牽引してきた。 ⑥ PPP の 新 し い 2 プ ロ ジ ェ ク ト ⅰ Project-P RIETI のプロジェクト。「政策」に比重を置き、本やセミナーなどのアウトプッ トを指向する。 ⅱ デジコン 総務省関連のデジタルコンテンツに関するプロジェクト。 広くコンテンツ全般に関する政策 ML・ウェブで、本年末まで突っ込んだ政策立 案の議論をしていく。 ⑦ フ ラ ン ス の CD シ ョ ッ プ ⅰ パリの CD ショップで、一年前には多少あった日本人アーティストの CD がほと んどなくなっている。 ⅱ 音楽のテイストの問題? 歌詞の問題? マネジメントや流通の問題? ⅲ それに変わって大きく売り場を増やしていたのが、インド、ベトナム、アラブ、 他アジア各国、EU 各国のドメスティックな音楽のコーナー。 ⅳ ヨーロッパ人が好きそうなアジアンテイストでポップなものを作れば、EU のマ ーケットは広い? ⅴ 一方マンガ・アニメショップの数は多く、隆盛を極めている。 ⅵ マンガ家はアメリカではコミックライターだが、ヨーロッパではアーティスト。 ⅶ ビジネスする上ではヨーロッパはアメリカの2倍以上の規模はあるが、半分以下 にしかならないことはよくある。 ⅷ EU は、情報通信インフラやサービスを統一ルールで規制しているが放送をはじ めとするコンテンツは各国の独自規制。通貨さえ統一した後、最後まで独自規制 が残るのは、教育とコンテンツだけ。 ⅸ EU での日本のミュージシャンの CD を流通させるのが難しい理由のひとつは、 CD 流通をおこなっている会社の中に日本人スタッフの入っている会社が皆無で あること。 - 82 - ⑧「クールな日本」? ⅰ 日本のアニメやマンガは、制作姿勢、動機を無理やりインディーズ的方法論にひ きずりこんだから成功したのか? ⅱ 今の日本の「クール」さは、「そうなろうとして」なったものではなく、「運良く そうなった」もの。 ⅲ 物理的にアニメーション手法をとっていることで、日本のアニメはディズニーと 同じカテゴリーに入れられがちですが 、両者の親和性はとても低い。 ⅳ 「ライオンキング」を「ジャングル大帝」の著作権侵害であると告訴しなかった というのが、わが国の表現物の典型的なありよう。 ⅴ そうではなく、訴えようとしたら、ディズニーサイドから過去の作品について著 作権侵害を指摘されてしまった。昭和 30 年代のまんがには、ディズニーを模倣 している作品が多い。 ⅵ ディズニーはダブルスタンダードだが、同時に、戦前から、キャラクター権のビ ジネスの世界展開を作り上げてきたのもディズニーだということがむずかしい。 ⅶ 包括的な著作権が延長されていくというプロパテントの方向に、リメイク権のよ うな緩衝地帯を作らないと、こういう問題は延々と続く。 ⅷ 日本のアニメなどを海外に売っていく仕組みを制度的に整備しようとする場合、 ・東京都がやっているように、国内で海外向けバイヤーイベントなどを整備して、 そこに海外から呼び込んでいく、あるいはローカライズをサポートする、など、 国内制作会社の販売体制を援助していった方がいいのか、 ・海外の市場・産業調査などを徹底して行い、メディアおよび制作会社の海外進 出をサポートしていくような方向がいいのか。 ⅸ 海外のアニメ、マンガ、映画、音楽などのユーザー、市場、産業に関しては、包 括的な調査がなく、個別の国について思いついたように行われるか、現場レベル で理解されているだけ。 ⅹ このような調査は国内でも行われたことがない。しかし、実際の制作、ディスト リビュートに関わっている人たちは、調査結果を待ってはいない。海外のファン・ コンヴェンションに行ってインタビューする方法がベター。 xi 国内外の 1000 人、1万人のファン、マニアのメディアとコンテンツの利用実態 とそれへの価値評価コメントがリアルタイムでわかるデータがあれば利用される か? →このような市場調査の数字の利用の仕方には、高度なテクニックが必要。 xii 「調査」の意図は、出資者向けという考えもあるが、それよりは、今現在、個別 にルートを切り開いている海外販売の状況を、もっと拡大・加速させる条件は無 いか、ということ。 - 83 - xiii 日本のポップカルチャー市場はそれなりに大きいので、制作・供給サイドは、 面倒な海外ビジネスまであまり真剣に考えない傾向があるが、たとえば、他の地 域・国の市場規模と業態、メディア状況、慣例、法律、業界のフーズフー的なア クセスリストといったものがあれば、そこから展開する意向も出てこないか? xiv 新規の出資を募ってもテレビ局や代理店の声が大きいため、現場の人間にはあま り変化を起こさない。 xv アニメの「当たりくじ」の作品はすでに買う人が決まっていることが多い。 xvi メディアミックス/キャラクター展開/シングルソースマルチユース xvii アニメの場合は最初から放送、上映、パッケージ、書籍、キャラクター、織り 込み済みで、リスクヘッジという段階を越えているが、ブランドやキャラクター が消費されてしまうことにコントロールが必要になってくる。→基本的にはライ センスする際のアプルーバル作業でコントロール。 xviii 作業構造の差とか業界慣習や文化の差が、マルチに展開できない障壁になって いる可能性がある。→マルチに展開したいかどうかはライセンサー次第。 xix 大きなコンテントを考えるときに、ミックスのプロデュースは当然重要だが、そ れがうまく言っていないとすれば、どんな理由があるか。 【その他関連リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・アニメが変える日本像 http://www.asahi.com/international/aan/column/030207.html ・「千と千尋」オスカー受賞 「日本的」世界観に可能性 http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/200304/02.html ・日本のアニメはじまり物語、東映アニメーションがギャラリー開設 http://www.jij.co.jp/news/top-page/topic/art-20030331194545-LFVWMBUAQD.nwc ・シネコン登場から 10 年、映画興行を変革 http://www.nri.co.jp/kikou/030421_3.php ・「著作権と IT 社会は適合しない」独マルチメディア団体が声明 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0421/dmmv.htm ・文教堂、雑誌の実売部数をネットで公表 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030423AT1D2204X22042003.html ・公取委、野球ゲームでコナミに警告 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030422AT1G2202B22042003.html ・総務庁・文化庁「文化遺産オンライン」プロジェクト http://www.sankei.co.jp/news/030419/0419bun035.htm ・文化庁、総務省と共同で「文化遺産オンライン構想」を推進 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0304/23/lp07.html - 84 - ・任天堂、ゲームキューブ用 SD カードアダプターを発売 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13796.html ・マイクロソフトやアマゾンが自由な高速インターネットを訴え http://www.asahi.com/english/svn/K2003043000790.html ・13〜17 才はビデオゲーム市場の推進力,低所得家庭と女子にビジネス・チャンス あり」 ,米調査 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030402/12/print.shtml ・現代日本のアニメ http://www.mainichi.co.jp/life/dokusho/2003/0406/07.html ・ロボットアニメ「ラーゼフォン」配信開始。第 1 話は無料 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0304/11/lp07.html ・ナムコの「ナンジャタウン」に過去最高の年間 197 万人 http://www.jij.co.jp/news/top-page/topic/art-20030410205722-TPLTRCYRXP.nwc ・芝居小屋を守れ! http://webnews.asahi.co.jp/cgi-bin/you/frame.cgi?mode=view&lot=20030410 ・IMAGICAとロボットがコンテンツ制作で新会社設立 http://www.jij.co.jp/news/entertainment/art-20030413184959-GSVCDWDUIB.nwc ・オンラインゲームで世界に挑む――サイバーステップ 佐藤類社長 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/enouesai.cfm?i=20030409c1000c1 ・サンダーバード実写映画化、来夏日米公開 http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-030414-0001.html ・Steve Jobs 氏の旅はコンピュータ、映画――そして音楽へ? http://www.zdnet.co.jp/news/0304/14/xert_jobs.html ・Apple の UMG 買収にメリットはあるか? http://www.zdnet.co.jp/news/0304/14/ne00_apple.html ・ナムコがセガに合併提案、サミーに対抗 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030417AT1D1609V16042003.html ・タイトー、スペインの携帯電話向けにゲームコンテンツ配信 http://www.jij.co.jp/news/entertainment/art-20030415195049DMTSWEYKYD.nwc ・デル、 「FF XI ジラートの幻影」同梱のオフィシャル PC http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0417/dell.htm ・テレビ通販、売上高 22%増で 1143 億円・2002 年度 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030417AT1D1608E16042003.html ・週 5 日制、こども 3 人に 1 人が「休日つまらない」 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20030417AT1G1603317042003.html - 85 - ・東大でゲーム講座開設、人気クリエーターが教べん http://www.mainichi.co.jp/digital/computing/archive/200304/17/2.html ・伊ウフィッツィ美術館をデジタル化 「ビーナスの誕生」の新しい鑑賞方法 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200304/18/1.html ・松下、今秋から電子書籍事業参入 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030422AT1D2102H21042003.html ・米キャリア、携帯と TV 番組の連動拡大へ http://www.zdnet.co.jp/mobile/0304/22/m02.html ・第一興商、歌詞表示サービス「DAM 歌詞」を開始 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0304/22/n_dam.html ・メディア・ネット・システムがDVDレンタル事業に参入 http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030421175846-CPQGOVEICG.nwc ・米マイクロソフトがセガを買収? http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20053896,00.htm ・ディズニーの 24 時間放送チャンネル、今冬日本上陸 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030424AT1D2408924042003.html ・ケイ・オプティコム、ラジオ番組と連動した映像配信サイト http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1294.html ・公式戦データを反映する野球ゲーム「ファンタジーベースボール 2003」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0425/fantasy.htm ・Yahoo!きっず、こどもの安全面に配慮したオンラインゲームを開始 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0424/ykids.htm ・ドコモ、M-stage V ライブを FOMA 向けにも本格スタート http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13741.html ・メールアプリ「ケータイポストペット」が J-SH53 向けに登場 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13743.html ・ジー・モード、呼びかけて遊べる J-SH53 向けゲーム「にゃんころ」 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13744.html ・デジタルハリウッド、BREW アプリ開発者向けセミナーを開催 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/digest/13749.html ・デジタルパブリッシングフェア 2003 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/13739.html ・電子書籍に関するトークセッション「本はあと何年で電子になるのか!?」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0424/dpf.htm ・03 年は電子書籍普及元年? 東京国際ブックフェア http://www.mainichi.co.jp/digital/network/archive/200304/24/1.html - 86 - ・デジタル漫画の 合宿所 「まんがたうん」が始動 http://www.mainichi.co.jp/digital/network/archive/200304/28/1.html ・PHP、声の出る電子書籍を開発 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13782.html ・メディア企業の戦略に大きな波紋 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0428/p2p.htm ・光時代のコンテンツ戦略 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20030428c3000c3 ・アップル、米国で音楽ダウンロード販売をスタート http://www.zdnet.co.jp/macwire/0304/29/nj00_musicservice.html ・デフレ時代の満員事情 4,900 円 高級シャツ http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/04/29/news_day/n3.html ・パソコン 700 台集めた人の話 http://www3.wind.ne.jp/toragiku/kopa.htm ・レッシグの「最後の講演」 http://ittousai.org/mt/archives/2003_04/free_culture.html 3)2003 年 5 月 議 事 要 旨 ①新興産業(あるいはオタク産業)としての軍需産業 ⅰ 本気で景気回復したかったら軍需産業を国策・国内でやればいい@サイゾー「オ タク産業」 ⅱ 日本は武器持っていないわけではなく、アメリカから買っているだけ。 ⅲ フランスやドイツがアメリカに同調しないのは米国から軍事的に独立しているか ら。 ⅳ 日常で見たり乗ったりする飛行機で「国産」はほとんどない? ⅴ 日本の自衛隊の武器の国産化率は、かなり高い。 ⅵ 自衛隊の装備調達の傾向は「国産で長くちまちま作る」という軍需産業保護的な 観点から「(国産・輸入問わず)一気に調達して安く上げる」という予算削減の ご時世に即した方針に変わった。 【参考】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/9578/index.html ②デジタル著作権 ⅰ 日経デジタルコアによるデジタル著作権の勉強会がスタート ⅱ 企画案:コピーライト派とコピーレフト派のガチンコ勝負・過激なネットユーザ の覆面告白 - 87 - ⅲ 提言:著作権フリー特区を作れ・第二著作権法を作ろう ⅳ 文化庁の主張は「著作権は権利保護であり規制ではない」 。→これはおかしい。 ⅴ 商売はプロパテント、遊びはアンチパテントが望ましい。 ・メジャー:「儲けたい」 :商売:プロパテント ・インディーズ:「儲かってしまってもかまわない」 :商売:プロパテント ・チャリティ:「全額寄付」 :遊び:アンチパテント ⅵ 演奏家が、他では金をもらってもインターネットではただで提供、ということが ある。 これまでの仕組みに準じた仕組みをインターネットに持ち込むと、不自由が出て くる。 ⅶ JASRACの問題は、包括的排他的契約形態 【参考】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/2949/ ③ナルミヤとこどもライフスタイル ⅰ 幼稚園小学校から中学低学年は、 シックスポケット と呼ばれるマーケットで けっこうな消費需要があり、活発な市場。 ⅱ 財布の持ち主の親・祖父母は、こどもを ペット化 する潜在的な欲望があり、 こども服は、ペット化衣装と化す。賢いこどもたちは何でもねだれば買ってくれ ることが判っているので、嬉々として着る。→ポップ ⅲ ナルミヤがこども服から、文房具、さらにはコンビニで売られるお菓子にまで展 開。 ⅳ 飼いならされたポップは定着するのか、あるいは反動がおきるのか? ⅴ こどもが化粧するのもニッポン。 ⅵ 都会では小学生の 10〜15%ぐらいが茶髪。 ⅶ こどもがたくさん小遣い持っているのは日本の特徴。しかもこどもたちだけで買 い物に行く。 ⅷ ・それは本当か。アジアではどうか。 ・それはなぜか。なぜ大人はこどもにカネ持たせるのか。昔からそうだったのか。 戦後か。 ⅸ ポップカルチャー発達のための政策は、こどもの小遣いを増やすこと?産業側の 支援ではなくて、消費者側の刺激。 ⅹ 出生率を引き上げない限り、こどもベースのポップカルチャーを語ったところで 先すぼみの政策。 xi こども文化とコンビニが密接。 - 88 - xii クオカードがこども向けギフトとして使われている。 ④やってみたい企画 ⅰ 21 世紀のポップカルチャーのための 50 冊 ⅱ 「この人に聞け」リスト 50 人作ってインタビュー ⑤ポップカルチャーと安全保障 ⅰ ポップカルチャーが国家・国際安全保障にどういう影響を及ぼすか。 ⅱ POP カルチャーによる問題の発生、というのも大いにあり得る。 ⅲ 文化の安全保障の 3 つの戦略 ア)文化侵略型(アメリカ型) 第 2 次大戦時の軍用ジャズレコード「V 版」や、FEN、など。 その後ハリウッドマーケティング。 イ)文化保護型〈ヨーロッパ、韓国・中国型) ヨーロッパの対米、対日策としての自国文化の量的確保、輸入規制。韓国の対 日策、中国の対日・対米策も似た手法。 ウ)文化混合〈ジャマイカ、ラテンアメリカ、沖縄型) 外来文化と自国文化をチャンポンにして独自のものを形成、それへのリスペク トで国境を超えて文化を守る第 3 世界的、自然発生的、自衛手段。 ⅳ 敗戦国の日本は国際関係上ア)、イ)の戦略は取れないので必然的にウ)の方法しか 残されていない。 ⅴ アニメ、マンガ、ゲームはレゲエやサルサと同じ。 【その他関連リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・Mr. 廣瀬 vs Mr. 木村 http://www.nikkei.co.jp/ps/atnethome/ ・まんがたうん http://www.mangatown.mainichi.jp/ http://www.mainichi.co.jp/digital/network/archive/200304/28/1.html ・有料コンテンツ売上増にクレジットカードに代わる安全な決済方法が必要 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0507/payment.htm ・USJ GW の入場者が 7 割増 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/05/06/news_day/f5.html ・パイオニア、ネット接続機能搭載の HDD カーナビ新製品 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0507/navi.htm ・米アップルのネット音楽配信、1週間で 100 万曲以上 - 89 - http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200305060105.html ・米 Apple、iTunes Music Store での販売曲数が 100 万件を突破 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030506/apple.htm ・米 RealNetworks,新サービス http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030506/4/print.shtml ・フジテレビと伊藤忠など、米音楽出版社を買収 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030508AT1D0706707052003.html ・ITエージェント、デジタルコンテンツ販売支援サービス http://it.nikkei.co.jp/it/news/index.cfm?i=2003050706465j0 ・デパ地下情報満載「百貨店 WORLD」 、EZweb でも利用可能に http://www.zdnet.co.jp/mobile/0305/08/n_depart.html ・米 Microsoft がデジタル・エンタテインメントの取り組みを発表 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030508/3/print.shtml ・「Wall Street Journal Online」のコンテンツを配信 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030509/3/print.shtml ・IM ソフトで、ウォールストリートジャーナルの記事が読める http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20054212,00.htm ・「10 万円で動画コンテンツ販売を」──IT エージェントなどが新サービス http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20030509/5/print.shtml ・Media Center PC はこの先どうなっていくのか http://www.zdnet.co.jp/news/0305/09/nj00_mpcnext.html ・Apple の音楽サービスは正しい http://www.zdnet.co.jp/news/0305/09/cead_coursey.html ・エイベックス、CD事業の比率下げ http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030509AT1D0905W09052003.html ・初公開 医療を変える手術ロボ http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/05/09/tokushu/o1.html ・経産省など、アニメ支援で資金調達の仕組み検討 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20030511AT1F0201K10052003.html ・セガ、米のエンタ展示会「E3」に一挙 20 作品を出展 http://www.jij.co.jp/news/entertainment/art-20030511190930-XLSDOOHFQW.nwc ・違法コピーの根底に潜むもの http://www.zdnet.co.jp/news/0305/12/cjad_kodera.html ・ケータイポストペットの画面。 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0305/12/n_kpp.html ・プレステ2、予想ほどではなくても革命的 - 90 - http://www.asahi.com/english/svn/K2003051301535.html ・週刊ドットブック:連載第 34 回 自分で「本」をつくるということ http://www.zdnet.co.jp/products/0305/12/cj00_dotbook.html ・マイクロソフト、オンラインラジオ「Radio Plus」の有料版提供開始 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20054308,00.htm ・携帯コンテンツの風雲児 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/05/12/tokushu/o1.html ・バンプレスト、ネットゲームを企業広告に貸し出し http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030514AT1D1307G13052003.html ・iTunes Music Store が開始 16 日で 200 万曲を販売 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0515/itunes.htm ・日本の競争力 タイに抜かれ 11 位 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/05/14/news_day/f2.html ・JAL と NTT、旅行情報番組をライブとオンデマンドで配信 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1464.html ・なぜ任天堂が敗れ、ソニーが勝ったのか――E3 で考えたこと http://www.zdnet.co.jp/news/0305/19/cjad_honda.html ・政府 IT 戦略本部、7 分野に焦点を当てた新 IT 戦略を発表 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0519/it2.htm http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1465.html ・ドリームネット、インターネット上に美術館を構築するサービス http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1482.html ・カリフォルニア工大、アインシュタインの文献をウェブ公開 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0520/ein.htm ・森永卓郎のこのビジネスに注目 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_morinaga41 ・楽天ブックス、3 キャリア対応で送料無料キャンペーン http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/14085.html ・〜ブロードバンドを利用したサーバー型放送サービスのデモなど http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0522/nhk1.htm ・第 133 回:地上波デジタル放送 とは http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/14057.html ・里中満智子さんに聞く デジタルマンガの可能性 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200305/16/1.html ・新IT戦略発表、数値目標定めて高速ネットの利用促進 http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200305150310.html - 91 - ・浜野保樹の「日本発のマンガ・アニメの行方」 第1回 世界に遅れる日本のアニメーション教育機関 http://www.hotwired.co.jp/culture/hamano/030520/textonly.html ・2ちゃんねるプロバイダー、 「2ちゃんねるアップローダー」を提供開始 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0523/2chu.htm ・TY 局合併で新聞系列再編か デジタル放送の課題 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200305/23/1.html ・地上デジタル推進 全国会議が発足 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/05/23/news_day/f2.html ・クール・アンド・ポップ政策の試み 中村 伊知哉 スタンフォード日本センター研究所長 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030522s2000s2 ・経産省、日本版フィルムスクール創設へ http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20030525AT1F1300Q24052003.html ・〝コンテンツ流通の活発化を〟 CIAJが知財権で意見書 http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030525182501-UAASWKSELC.nwc ・地上波デジタル放送普及へ推進会議設立 http://www.jij.co.jp/news/top-page/topic/art-20030525181128-MALXVRITEZ.nwc ・地上デジタル放送の普及に向け「地上デジタル推進全国会議」が発足 http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000047668,20054623,00.htm ・「いまに見ていろ」 :iTunes への反攻を狙うマイクロソフト http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20054621,00.htm ・ネットレイティングス調査、ブロードバンド人口が 50%を超える http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0526/netr.htm http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1578.html ・エヴァンゲリオン実写化 http://www.gainax.co.jp/news/index.html?year=2003&month=5#23 ・「メジャーvs インディーズ?」 http://www.rieti.go.jp/it/column_index.html ・アットネットホーム、学校向けの「@NetSchool」本格展開へ http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0526/atnet.htm ・日立、掃除ロボットの試作品を公開――2〜3 年後に商品化、値段は 15 万円前後 http://ascii24.com/news/i/topi/article/2003/05/29/print/643919.html ・ソニー、 「PlayStation 2」の機能を拡大し複数のシステムに対応した新端末「PSX」 発表 http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00032949.html - 92 - ・ソニーの次世代デジタル家電、新型 PlayStation「PSX」で幕開け http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20054727,00.htm 4)2003 年 6 月 議 事 要 旨 ①ポチ袋 ⅰ ポチ袋もポップカルチャーに加えよう。 ⅱ 羽織うら、ポチ袋、根付けはかなりポップ。 ⅲ 羽織のうらばかりを集めた写真集など、ポップデザイン集になるかも! ⅳ ポップは表街道ではなく、ちょっとした横丁とか裏通りにある文化。 ⅴ 作家が死んでいて投資価値のあるものよりお金のある人は今生きてる職人のパト ロンになってほしい。 ⅵ 現代のコマーシャルは次の時代のアート。 ②テレビゲーム博物館 ⅰ テレビゲーム・ミュージアムのハンズオンのマシン等→「天野ゲーム博物館」 ⅱ 日本のPOPも、そろそろ組織的に保存すべき。 ⅲ 日本のポップカルチャーが総覧できるようなリアルとバーチャルのポップカルチ ャー・ミュージアムあるいはライブラリーを提案。 ⅳ ゲームアーカイブプロジェクト(GAP) ⅴ 駄菓子屋ゲーム博物館 ⅵ ゲーム機の保存や収集の意義について説明しようとすると「イミュレータがある から実質は不要だよね」との意見が聞かれる。 ⅶ インターフェース(ハード)とソフトを分離して保存するという考え方は、「絵 画はスキャンしてディスク保存すれば大意はつかめるから OK」的考え方とあま りかわらない ⅷ 実際に 収集や保存をやりはじめると、作業がソフトだけですむことのメリット は非常に大きい。 ⅸ メディア接触におけるトータルな身体経験は、何者にも替えがたい ⅹ イミュレータで十分というのは、「歴史建築は写真と図面で残しておけば十分」 と言うようなもの。 xi 「ウィリー・ヒギンボーサムの tennis for tow の再現」 xii アニメは某地方自治がセンターを作るという話が具体化。 個人で運営を行なっている方も。 xiii 日本全体としてポップ全体の資産をどうするの、というのはチャレンジングで 大きなミッション。 xiv オタク系の資産、ポップ系の資産、とは出来上がったものを博物館的に整理する - 93 - こと、保存することも意味があるが、オタク系な生き方、ポップ系な生き方、生 活姿勢そのものがオタク、ポップを生み出すわけであり、そのような生き方のし やすい環境を作ることが資産の保存継承ではないか? xv ポップな生き方を保存する学科を作ろう。 ③調査、ミュージアムについて ⅰ 1910−20 年代のハリウッドが政府の調査データを使って海外市場戦略に成功し た。 ⅱ ・対海外への日本コンテンツ情報DB整備 ・世界各国のコンテンツ、ポップカルチャーの文化、法、市場、業界調査と、国 内向け提供 ⅲ アジア圏からはじめ、インド、中東、南米、アフリカなど、現在から今後、メデ ィア自由化、IT化が進み、しかも人口動向などから、市場サイズが欧米よりも 今後大きくなる地域を中心に調査したほうが、戦略的には効果がある。 ⅳ アニメアーカイブは東京都でまとめてもらった方がいい。 ⅴ 国外は日本側が調査すると言うよりも、既にあるデータを収集して翻訳すること のほうが先決。 ⅵ 問題は国内。データがないに等しい。 ⅶ 単にアーカイブに溜め込めばよい、というだけでは不十分。アーカイブに対する アクセス、デリバリーシステムをあわせて作ろう。 ④アルスエレクトロニカ ⅰ 日本人が数多く入賞 ⅱ 日本の状況や先行作品事例を他審査員と共有することは難しい。 ⅲ いまだ確立された公立施設を持てない日本のメディア芸術分野の課題。 ⅳ 海外で高く評価されながらも、映像メディアを専門に扱う文化施設においてさえ まだ理解と協力の足りないこの分野全体を Up させることが必要。 ⅴ 日本のゲーム、アニメ、マンガ、メディアアートなどを体系的にアーカイブし、 体験型の常設展示の施設があると良い。 ⅵ ゲーム、アニメ、マンガ、メディアアートはそれぞれ「対象となるお客さん」が 違う。 ⅶ アニメは映像アーカイブ施設に、マンガは図書館に、メディアアートは現代美術 系の美術館になど分散して収集してあるほうが、観客のニーズとの合致はある。 ⅷ 分散型でも良いので相互にゆるやかな連携をもって結果として日本のポップカル チャー的なものを体系的にアーカイブ出来ていれば良い。 - 94 - ⑤『著作権フリー特区』を作りましょう! ⅰ 『著作権フリー特区』について、岡山県では本気で取り組む予定。 ⅱ 特区に対する文部科学省全体の抵抗は凄まじい。 ⅲ デジタルアーカイブの整備・運用主体である博物館、美術館、図書館、行政など では著作権問題が予算・人材と並び 3 大問題。 ⅳ 自治体からの要望:「アーカイブのための著作権運用の規制緩和求めたい」 。 ⅴ チャリティコンサート特区:チャリティコンサート主催者の利便を図り、透明性 の高い寄付行為が行えるようなスキームの構築。 ⅵ 特区として行く場合、特区の影響ができる限り特区で収まるような仕組みが要る。 ⅶ 「著作権は規制ではない」という点が構造改革特区として提案するには最大のネ ック。 ⅷ 【提案内容】著作権法(92 条、95 条)上、放送事業者の放送番組二次利用(再 放送)にのみ認められている特例措置をインターネット上で配信する動画コンテ ンツについても認める。 ⑥ DJ ワ ー ク シ ョ ッ プ ⅰ CANVAS で、DJ ワークショップを企画 ⅱ DJ をこどもに体験してもらうことの意義?日本における DJ の位置づけ? 日本でのヒップホップやラップ?J-Pop の国際競争力? ⅲ DJは、「編集」であり「創作」。それをこどもたちが体験するのは、あふれる情 報を紡いで、創るというネット社会を生きる基本を育むいい試み。 ⅳ ・アナログの DJ はいつごろからどうしてできてきたのか?本来の使い方でない 技術の使い方としてアナログ技術ならではの表現として始まりまった。そうい う表現ジャンル はほかにもあるか?これを日本としてとらえた場合どうなの か? ・J-Pop は、アジアには強いけど 欧米ではぱっとしない。これは日本の強みなの か。弱みなのか。 この分野のポップ表現はどういう方向に底上げしていけば いいか。 ・国際的な日本人 DJ の名前は数名聞くが、実際のところ海外での活躍はどうか? ⅴ 70 年代のディスコのDJは、ナビゲータという感覚。70 年代の終わりに、現在 の「クラブ」の原型がでてきて、アーティストとしてのDJという側面がでてき た。 ⅵ DJの世界を大きく変えたのは、80 年代頭のヒップホップの登場。 ⅶ アナログレコードのリズムをベースにしたヒップホップは、新たなポップカルチ ャーのジャンルを築いた。 ⅷ 90 年代以降、新しい音楽はない。 - 95 - ⅸ 新しい表現やジャンルが生まれてこないというのは、画期的な技術が生まれてい ないためか。今の音楽がまだ発展途上にあるからか。景気がいいからか。 ⅹ それぞれの国の言葉にローカライズされたポップは、それぞれの言葉の通じる範 囲内のビジネスでしかない。 xi VJは、現状では日本が一番。 xii これだけネットが発展しつつある世の中ならば、クライアント仕事なんてせずに、 自分の腕を信じてネットでプロダクトや作品を売ってみろ! 【その他関連リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・Amazon が音楽ダウンロード販売参入で Apple と対決? http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20054898,00.htm ・「ネットがあれば充分なのか」 :米メディア独占規制緩和で喧々ガクガク http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20054886,00.htm ・米 FCC のメディア所有規制緩和でメディア寡占は進むか http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030603106.html ・京都情報を動画で発信 http://www.kyotonp.co.jp/kp/topics/2003jun/03/W20030603MWA2K1F0000078.html ・TVゲームで視覚能力アップ、米大が効果確認 http://www.jij.co.jp/news/bio/art-20030603195716-QEFSQWFCSO.nwc ・勢いに乗る音楽配信サービスプロバイダの米 Loudeye http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20054966,00.htm ・サン、ゲーム開発用技術の提供に特化した新部門を設立 http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20054983,00.htm ・ゲームソフト 2 強合併の舞台裏 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/06/05/tokushu/o1.html ・ついに軌道に乗った米国の衛星ラジオ (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030605105.html ・iTunes Music Store、5 大レーベル攻略後の次なるターゲットは「インディーズ」 http://www.zdnet.co.jp/news/0306/05/ne00_itunesindies.html ・「ケータイポストペット」の先に見えるもの http://www.zdnet.co.jp/mobile/0306/06/n_kpos.html ・「ディズニーランドはなぜ一人勝ちするか」 http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/eigyo/media/index.cfm?i=e_pulse080 ・ 親善大使 BoAが熱唱…盧武鉉大統領との夕食会 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200306/gt2003060804.html - 96 - ・BoA、韓国大統領晩さん会で熱唱 http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/f-et-tp0-030607-0027.html ・NY高級食品スーパー日本上陸 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/06/04/tokushu/o1.html ・NTT 東西、フレッツユーザーに韓国オンラインゲームを試験提供 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1744.html ・NTT 東西、韓国ベンチャーのオンラインゲームを無料トライアル http://www.zdnet.co.jp/broadband/0306/10/lp09.html ・オンラインミュージックが音楽業界に与える影響 http://japan.cnet.com/news/special/story/0,2000047679,20054871,00.htm ・「日本漫画を世界へ発信したい」 鬼才・バロン吉元さんが語る http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200306/13/1.html ・キー局系デジタル BS 放送 4 社が赤字幅削減,親会社との一体編成進む http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNM/NEWS/20030613/3/print.shtml ・ダイヤモンドLOOP:NHK、民放、衛星、ケーブル……「地上デジタル」で放 送に何が起きるか http://japan.cnet.com/news/loop/story/0,2000047870,20054584,00.htm ・NCネットがこども向けモノづくりサイトを立ち上げ http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030612190708-CWJDRLMCHC.nwc ・沖縄県、各地の動画など 1 万ページにおよぶデジタルアーカイブ http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1765.html ・米下院でインターネット賭博規制法案可決 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20055329,00.htm ・ジュラシック・パーク・インスティテュート・ツアー、証券 15 億円を完売 http://www.jij.co.jp/news/entertainment/art-20030615184642-JVVPRBMSPH.nwc ・アニメイト TV、テレビアニメ「成恵の世界」をインターネット配信 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1803.html ・データクラフト、著作権フリー画像のダウンロードサービス開始 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0616/sozai.htm ・米国ネット広告市場に復調の兆し〜IAB が最終調査結果を修正 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0616/iab.htm ・TSUTAYA online が映像配信を強化 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0306/17/lp14.html ・ビデオレンタル大手のゲオ、オンライン DVD レンタル事業に参入 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0617/geo.htm ・電子書籍元年!? - 97 - http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/06/16/news_day/n4.html ・経産省、起業家 160 万人育成へ来月から新規事業 http://www.jij.co.jp/news/policy/art-20030616214446-ZSNMPJPJTP.nwc ・コンテンツとブロードバンドの壁 デジタル放送の課題 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200306/18/1.html ・「仮想地球」の利用開放、まず自動車業界に http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030617213201-ZQDNLBBIWM.nwc ・「地上波テレビや DVD も Flash で」--コンテンツ不況を救うビジネスモデルにな るか 山岸広太郎(CNET Japan 編集部) http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20055881,00.htm ・セルシスとマクロメディア、TV アニメ素材のデジタルコンテンツ化におけるシス テム提供に向けて協力 http://ascii24.com/news/i/mrkt/article/2003/06/20/print/644418.html ・セルシスとマクロメディアが協力、テレビアニメ素材のウェブ利用へ前進 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20055707,00.htm ・「DVD がビデオ・レンタル本数でも VHS を上回った」 ,米業界団体の調査 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030620/11/print.shtml ・次世代 Xbox は「2006 年リリース」とバルマー氏 http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0306/20/epn03.html ・次世代 Xbox 登場は 2006 年? http://www.zdnet.co.jp/news/0306/20/nebt_09.html ・「次世代 Xbox の 2006 年発売」は誤報 http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20056002,00.htm ・ネットゲームに半数以上が依存 引きこもり中高生ら 民間研究所調査 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200306/23/1.html ・水面下で成長する無料ファイル交換サービス http://japan.cnet.com/news/special/story/0,2000047679,20054871-4,00.htm ・米 Amazon,ハリポタ第 5 作の予約注文が世界で 130 万部以上, 「初日の発送数は E コマース史上最大」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030623/5/print.shtml ・【イベントレポート】こどものインターネット利用はどうあるべきか」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0624/scp.htm ・RIAA、違法ファイル共有の個人を対象にした訴訟活動を開始 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0626/riaa.htm ・ラルクのライブを FOMA で〜グローバル・プラスが生中継 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0306/26/n_adeli.html - 98 - ・日本経団連が「娯楽産業」の振興を後押し http://www.jij.co.jp/news/entertainment/art-20030624214453-VAFROJBNJH.nwc ・ローカル局の明日 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20030624c3000c3 ・デジタル・コンテンツ共有の簡易化を目指し,大手 17 社がワーキング・グループ 「DHWG」を設立 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030625/2/print.shtml 5)2003 年 7 月 議 事 要 旨 ①楽器の進化について ⅰ 最近のトレンドとしてはアナログシンセサイザーを PC に置き換えたり、各種ア ナログエフェクターものを PC でバーチャルで処理出来るソフトシンセがある ⅱ 性能のよいノート PC があれば、かつてはスタジオで数千万もかかっていたよう なシステムを数十万で手に入れることができる ⅲ そのジャンルに日本の楽器メーカーはどこも参入できていない。 ⅳ ポップミュ−ジックを支えるもっともベーシックなツールの大半がここ4年ほど でアメリカ製、日本製からドイツのものにとってかわられた ⅴ デジタルでシミュレーションしたものと、アナログシンセのオリジナルはどこか 違うように感じる ⅵ プロ用ツールと一般向け楽器では市場規模が違う。日本は一般向け楽器メインで はないか。 ②東大サマーキャンプ ⅰ CANVASではこどもたちにデジタル映画制作やデジタルアニメーション制作 を体験してもらう、東大サマーキャンプを企画 ⅱ 埼玉県の「ビジュアルプラザ」はデジタルシネマをワンストップで制作できるイ ンキュベート施設と「映像の原理」学習できる映像ミュージアムなど設備がすご い。こういったところを利用する手もある。 ③名古屋の万博 ⅰ まだテーマの決まってない館に、ポップカルチャーをどーんと押し出したらいい のでは?と提案。 ⅱ 企業ブースで、こどもによるポップなワークショップなどができないか打診した りしているが、よりストレートにポップカルチャーという枠組みで遊ぶというの も楽しそう。 - 99 - ④アメリカでの日本アニメ市場 ⅰ 米国での日本製アニメーション関連ビジネスの市場規模は 02 年に 43 億 5911 万 ドル(約 5200 億円) (asahi.com 記事より) 。 ⅱ 国内でのアニメの市場は 2450 億とアニメ企業の売り上げは 1030 億くらいと推 測される。 ⅲ これに関連してキャラクター商品などの市場が 1 兆から 2 兆、そのライセンス売 上は 300 億くらい。 ⅳ 海外市場はアメリカ 5200 億、ヨーロッパ・アジアで約 5000 億となり世界で 1 兆円。 ⅴ これらの数字だけで手放しでよろこんでいいものか? ⅵ 本当の数字は誰にもわからない。 ⑤ヤンキー ⅰ ヤンキーはディズニーが好き ⅱ 語源は 1:金髪だから、2:関西で「やんちゃくれ」と呼ばれていたものの語尾が 変形の 2 説あり。 ⅲ ヤンキーの語源はまさに「ヤンキース」 、アメリカ人のヤンキーという説も。 ⅳ レディースの存在がかなり微妙なことになってきている。彼氏はヤンキーだけど 彼女がギャル。 (工藤静香→あゆ) ⅴ ヤンキーの語源は、アメリカ村でたむろしているからという説もあり。 ⅵ ヤンキーは関西、ツッパリは関東? ⅶ マンガでもゲームでも、日本のポップ・コンテンツを見ていると、ヤンキー(ツ ッパリ)文化が大きな位置を占めている ⑥著作権特区進捗状況 ⅰ 文化庁からの回答 ・「著作権」は「私権」であり、 「規制」ではない ・「実演家」の意志を無視して、放送番組等のコンテンツをインターネットで無 断配信できるようにすることは、WTO 協定等の国際条約に違反することとな る ⅱ 岡山県からの再回答 ・著作権が「私権」であるということであるが、特区法でいう「規制」とは、単 に民間の事業活動に対する国の許認可等による具体的な制限のみを指すのでは なく、広く、社会的、経済的活動一般に関して何らかの事項を規律するもの全 てを想定するものである。 ・「インターネット放送」は社会実態としては放送と全く同様の効果を有するも - 100 - のとなっているにもかかわらず、著作権法上(国際条約上)、放送に例外的に 認められる特例は付与されていない。 ⑦京都のロック ⅰ 70〜80 年代の状況 ・81 年当時は非常階段とかが西のバンドとして東に聞こえていた ・一方、東京では東京ロッカーズとか突然ダンボールとかが出てきていた。新宿 アシベではノイズの「タコ」など聞けて、なんでもありだった。 ・東京ロッカーズと呼ばれていたのは、当初ジャンプロッカーズと言っていた高 円寺、新宿ロフト近辺の人々で、レーベルでいうとチェンジ 2000 レーベル、 ゴジラレコードテレグラフにつながる動き。 ・テレグラフの流れでは、フリクション、EDPS、突然段ボール、ボーイズボ ーイズ、ゼルダ、チャンスオペレーション、ハートバイス、ぐんじょーがクレ ヨン、ルナティックアンサンブルなど、インスタレーション系のグループが多 かった。 ・渋谷近辺に、ナイロン 100%、クロコダイル、屋根裏、ライブイン、ラママな どの動きがあった。 ・前後して、高円寺中心に雑誌「ZOO」「DOLL」をやっていた森脇美貴夫 さんのシティロッカーレーベルから、ハードコア系のグループがずいぶんでて いた。 ・「天国注射」の昼および夜は、80 年代頭のことで、70 年代のこういう動きの後。 夜のほうは、ジャガタラ、タコ、トマトス、突然段ボール、舞踏の大駱駝艦な ど、昼の方はアレルギー、キャー、人民オリンピックショー(町田町蔵)、山 海塾などなど。 ⅱ こういった話を書籍化するとおもしろい。 ⅲ 76 年に前後するカルチャーの動きは、時系列としては 68 年からの動向とシーム レスにつながっている。 ⅳ 同時代的には、パンク、パソコン、ミニコミ、コミケ、などカルチャーが横断的 に関連しているインディーズとか漫画同人誌、自販機雑誌などは、ああいう文化 的なピークがあって派生してきたモノと思われる。 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ピースな映像祭@長崎 県立長崎シーボルト大学学生を中心とした映画祭が 8 月に開 催 http://www.peacefulmovie.net/ ムーミンのパペットアニメ - 101 - http://www.moomin-cinema.com/ 「平成 15 年度文化庁メディア芸術祭」作品募集のお知らせ http://plaza.bunka.go.jp/festival/ デジコン中間報告 http://web.media.mit.edu/~ichiya/digicon/ronten0307.html 山海塾 国内ツアー 2003 http://pws.prserv.net/jpinet.sankai/top.html 第 25 回ぴあフィルムフェスティバル http://www.pia.co.jp/pff/25th/tokyo/firststep01.html 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・マンガ制作用グラフィックソフト「ComicStudio シリーズ」の最新版 http://www.zdnet.co.jp/products/0306/27/nj00_comicstudio.html ・「チューニング」でゲームの面白さを引き出す――猿楽庁の橋本徹社長 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/enouesai.cfm?i=20030626c1000c1 ・マレーシア政府、ソフトウェアや DVD を価格統制へ? http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20058781,00.htm ・日本雑誌協会と TCA、 「デジタル万引き」への注意呼びかけ http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/14611.html ・イラン映画に出た少女 http://webnews.asahi.co.jp/you/special/frame/frame_20030627.html ・たれぱんだの作者が繰り出す次の物語 てててん社長 末政 ひかるさん(32 歳) http://www.be.asahi.com/20030628/W11/0020.html ・地上波の限界突くコンテンツを―――デジタル放送の課題 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200307/02/1.html ・ローカル局の明日キー局とのパートナーシップの維持 西 正 (株)オフィスN 代表 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20030701c3000c3 ・オンキヨー、インターネットラジオサービス「iM チューナー」 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2005.html ・ミュージシャンら 83 人、RIAA へ音楽愛好家の処罰に反対する公開書簡を送付 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0701/riaano.htm ・米 EFF、ファイル交換の合法を求めるキャンペーンを展開 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0701/eff.htm ・松下、小中高生向けのノート PC 組立教室を夏休みに開催 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0702/pana.htm ・浜野保樹の「日本発のマンガ・アニメの行方」『鉄腕アトム』に始まるアメリカへ - 102 - の道 http://www.hotwired.co.jp/culture/hamano/030708/textonly.html ・「地上波」事業者優先の「再送信同意」 デジタル放送の課題 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200307/09/1.html ・テレビ CM 制作時はネット配信も含めて権利契約を〜Web 広告研究会が案内書 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0709/wab.htm ・女子大生、"ケータイ"を学ぶ 戸板女子短期大学で携帯電話の歴史などについて講 義 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0307/14/n_toita.html ・MMORPG シャドウベイン、CS 放送で特番放送中 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0307/14/lp07.html ・宝塚音楽学校、創立 90 周年を祝う http://mbs.jp/news/local/html/20030715m04.html ・「赤影」坂口祐三郎さんが死去 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200307/gt2003071609.html ・パソコン上で着メロの試聴・購入が可能な「エキサイト着メロ」 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/14860.html ・バリュークリック、前売り鑑賞券を無料配送する「DVDZOO シネマチケット」開 始 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0716/zoo.htm ・So-net、オンラインジュークボックスサービス「Wonder Juke」開始 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0716/wonder.htm ・米 Buy.com が Windows 向けの音楽配信サービス計画中 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20059972,00.htm ・ディズニーのブロードバンドコンテンツサービス"DisneyBB on フレッツ"がスタ ート http://ascii24.com/news/i/serv/article/2003/07/16/print/644974.html ・枝雀あれこれ http://book.asahi.com/news/index.php?no=85 ・払い戻しのできるオンラインゲーム向け課金代行サービス「ゲームチェック」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0717/check.htm ・パイオニア、電通にパイオニア LCD を譲渡 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030717/pioneer.htm ・ナムコが立体画像表示の新技術、印刷物・映像にも活用へ http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030717203808-ERDRVKXFDR.nwc ・コミュニティーに密着した番組で支持を得るウェブ・テレビ放送局 (Hotwired) - 103 - http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030718204.html ・『ファイナル・カット・プロ』で結びつくインディーズ映画の制作者たち http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030718302.html ・第 2、第 3 の SCO 訴訟は起こり得る http://www.atmarkit.co.jp/news/200307/19/gartner19.html ・DVD レンタルもビジネスモデル特許になる http://blog.cnetnetworks.jp/umeda/archives/000523.html ・日本アニメ、名作アニメをネット配信 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2164.html ・NTT 西と朝日放送、5.1ch サラウンドでクラシックコンサートを配信 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0307/18/lp16.html ・総務省がアジア 6 カ国とIPv6 利用したコンテンツ配信実験 http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030721200800-YPUYPGRNTV.nwc ・J ストリームとマクロメディア、Flash ストリーミングの配信で協業 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0722/jstmac.htm ・良質の学術出版に新たな補助金を与えよ http://www.mri.co.jp/COLUMN/ECO/FUJIIH/2003/0722FH.html ・コミュニケーション・スキル向上が社会資本整備推進のポイント http://www.mri.co.jp/COLUMN/TODAY/UEDA/2003/0717UH.html ・iTunes Music Store とインディーズの「仲介サービス」登場 http://www.zdnet.co.jp/products/0307/22/ne00_oasis.html ・韓国政府がホームネットワーキング業界を後押し http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20060060,00.htm ・総務省が IT 振興策に関する中間報告書を公表 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20030722/2/print.shtml ・CG-ARTS 協会、"デジタルコミュニケーション検定"を実施 http://ascii24.com/news/i/serv/article/2003/07/22/print/645102.html ・ラジオたんぱ、P2P マルチキャストによるストリーミング放送実験 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0722/tampa.htm ・第一興商、i モード向けに人気タレントの着信ボイス配信 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/14951.html ・書籍の「無線 IC タグ」化に疑問あり http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030718s2000s2 ・メルマガ配信 2 万 5000 誌 「まぐまぐ」代表 大川 弘一さん http://www.yomiuri.co.jp/net/digitalian/20030715di01.htm ・趙章恩氏に聞く、韓国最新ヒットコンテンツ事情(前編) (後編) - 104 - http://ascii24.com/news/i/keyp/article/2003/07/22/print/645081.html http://ascii24.com/news/i/keyp/article/2003/07/23/print/645103.html ・フランス政府、 『e-mail』を『courriel』に言い換え (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030722205.html ・音楽製作ソフト「Singer Song Writer」で「505i」の着メロ作成が可能に http://www.zdnet.co.jp/mobile/0307/23/n_ssw.html ・マイケル・ジャクソンが iTunes Music Store を称賛 http://www.zdnet.co.jp/products/0307/23/ne00_michael.html ・「打倒 Apple」うたう新音楽サービス、バブル期並みの PR http://www.zdnet.co.jp/news/0307/23/xert_buycom.html ・【ケーブルテレビ 2003】総務省講演「放送デジタル化にも CATV デジタル化が必 須」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0723/catv.htm ・米国の CATV 事情 〜VoD が好調 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0307/24/lp18.html ・デジタルコンバージェンスの限界 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030722s2000s2 「再び落語ブームを」桂三枝が上方落語協会会長 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200307/gt2003072403.html ・電子書籍出版に力を入れる インプレス社長の塚本慶一郎さん http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200307/24/1.html ・アマゾンがエイベックスと共同で廃盤音源の復活ビジネスを開始 http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20060122,00.htm ・ISAO、世界各国の未知のゲーム情報を提供するポータルサイト開設 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0725/isao.htm ・オンラインゲームポータル「BB Games」がサービス開始 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0307/25/lp09.html http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000047668,20060145,00.htm ・民放 3 系列のニュースを動画配信する「Yahoo!ニュース 動画ニュース」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0725/yhmov.htm ・10 代の心をつかむウェブマーケティング http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060143,00.htm ・ハッカーの守護聖人、ジュード・ミルホン氏が死去 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030725205.html ・ネットで新曲オーディション、審査結果もネットで通知 http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200307250302.html - 105 - ・英国のシングルチャートはダウンロード販売が急増するとの予測 http://www.zdnet.co.jp/products/0307/25/ne00_netmusic.html ・広末涼子「Yahoo!BB」のCMキャラクター http://www.sanspo.com/geino/top/gt200307/gt2003072608.html ・"挑戦する"ゲームを作りたい スクウェア・エニックスの斎藤陽介部長 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200307/25/1.html ・とうとう動き出した米マイクロソフト-音楽ダウンロードサービスを検討 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060156,00.htm ・米ボーダーズの創始者、オンラインのニューススタンドを開始 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060167,00.htm ・広告メール受信で着メロが無料提供される携帯向けサイト http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15022.html ・第1回全日本小学校ホームページ大賞 〜ホームページ悉皆調査の背景と特徴〜 http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_07/2003_07_23_01.html ・オンラインゲームは美味しいビジネス? http://japan.cnet.com/news/pers/story/0,2000047682,20060102,00.htm ・Apple の参入をきっかけに盛り上がるオンラインミュージック http://blog.cnetnetworks.jp/umeda/archives/000547.html ・米 Roxio による「Napster 2.0」はクリスマス前にデビュー予定 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0729/napster.htm ・番組、エンターテインメント、広告――ますます広がる双方向テレビの可能性 http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030729104.html ・「2006 年度までにデジタル・アーカイブを」──自民党 e-Japan 特命委員会 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20030729/3/print.shtml 6)2003 年 8 月 議 事 要 旨 ①日本のPOP商品 ⅰ アメリカに日本の商品を扱った、変にPOPなサイトがある。 http://www.jlist.com/R/ ⅱ 学生服から、エロ DVD、またなぜかこども用サンダルまで。目薬など、アメリ カ人にとって意外なモノが POP だったりするよう。 ⅲ エロ本、フィギュアにならんで学生服が入っているのが異様。 ②ゲームのミュージアムがあるとしたら何が目玉の展示になるか ⅰ インベーダーハウスの復活。風営法前のゲーム文化を体感する感じ。 ⅱ 当時、横行したインベーダーゲームのコピーというか偽ものも展示。 - 106 - ⅲ そうした今では闇に葬られたパクリのゲーム群が、実は初期のゲーム開発の土壌 を作っていた。 ⅳ 量的に圧倒されるような企画、ボリューム感がほしい。 ⅴ 「出なかったゲーム」 「幻のゲーム」展示。 ⅵ 展示よりむしろ作った人にフォーカス。 ⅶ ネットワークゲームアーケード。ゲーセンのアーケードゲームが、三分楽しんで 100 円なら、ネットゲームアーケードのゲームは同じ 3 分で 10 円。これでビジ ネスが成り立つ条件をテーマに議論する。 ⅷ 過去の有名アーケードゲームの「マザーボード」を一気に展示。 ⅸ ゲーム音の変遷、進化の体験展示。 ⅹ ゲームの未来はこうなるのでは?というような、提案型展示。 ③シーグラフ ⅰ コンピュータジャーナリズムの視点からは、(5年前までと比べる)見るべきも のはとても少なくなっている。 ⅱ 気になったのは、メインの展示会場のあちこちで、入場者にデッサンをやらせて いるブースが少なからずあったこと。採用試験? ⅲ その背景にはアメリカが本気でアニメに取り組もうとしているという事実? ⅳ デッサンはリクルートイベント。 ⅴ プラネタリウムのメーカーが集まって、リアルタイムで 4k 解像度の CG をドー ムに投影するというイベントはすごかった。 ⅵ 今はリアルな星雲や銀河団、細胞の内部、古代遺跡、数学のパターンなど何でも プラネタリウムに写せる。 ⅶ その他、「フォグ・ディスプレー」を見ての感想。インタフェースデザインにお いては、結局シンプルなアイデアのディスプレーが商業的には強いのだろうか。 ⅷ その他、アニメーションシアターの中に、「60 秒で見る風とともに去りぬ」とい う作品があった。 ④ウェブコンテンツのアーカイブ ⅰ INTERNET ARCHIVE(http://www.archive.org/)というウェブコン テンツ・アーカイブサイトがあるが、これの日本版が作れないか(事務局注:国 立国会図書館で実施中) 。 ⅱ ウェブコンテンツはとても重要なポップカルチャー資産であるが、放っておくと どんどん「蒸発」して消えてしまう。 ⅲ それがウェブのいい所でもあるが、やはり「何も残っていない」というのは後世 のためにもよくない。 - 107 - ⅳ テレビ放送では、初期コンテンツ資産の保存を怠ったために大きな問題になった。 ⑤「日本のPOP」プチブーム? ⅰ 日本のPOPが盛り上がっているようだが、プチブームで消費されることが心配。 ⅱ 産業再生バブルの次はソフトビジネスバブル? ⅲ この産業の本質、問題点が触れられることなく、表面だけで盛り上がるのは非常 にまずい。 ⅳ メディア市場は約 12 兆円位でもっぱら国内市場、このうち約 4 兆円が広告売上。 ⅴ コンテンツ市場 50 兆円といった試算があるが、メディア市場とコンテンツ生産 をダブルカウントしているのではないか? ⅵ 人口が横ばいの中、メディア市場が上向きとなるためには、家計の中で情報メデ ィア消費か企業の広告宣伝費のどちらかが画期的に上向かないといけない。 ⅶ もしくは医療や福祉、パーソナルコミュニケーションなど、今までコンテンツと されていなかったものをコンテンツとして捉えることで範囲を広げれば数字も増 える。 ⅷ 一方、コンテンツの生産は12 兆円のメディア市場の製造原価としてその 10%か ら 20%くらいの規模。 ⅸ しかし国内で 2 兆円程度のコンテンツ生産は、海外に権利輸出され、アニメ、ゲ ームのように国内と同じ位、またはそれ以上の海外メディア市場売上を上げるこ ともある。 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・TIME 誌「日本のポップカルチャー特集」 http://www.time.com/time/asia/2003/cool_japan/story.html ・東大サマーキャンプアニメ制作の様子が、フジテレビのFNNスピークで放送 http://www.fnn-news.com/ ・ワークショップ作品集 http://www.canvas-kids.ws ・忍者 http://tokyo.cool.ne.jp/inusukewan/stealth.html ・オランダ「GAME ON」展 http://www.gameonweb.nl ・東洋経済 8/30 号 「自動車産業を超える!日本のソフトビジネス」 http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/2003/w0830.html ・アーケードゲームミュージアム http://www.edit.ne.jp/~kengo/dtd_r/r_museum_top.html - 108 - 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・ビクターエンタテインメント、ネットオーディションを本格可動 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/01/6.html ・情報通信審議会、携帯技術やアニメ・ゲームを活かす「日本型新 IT 社会」提言 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0730/soumu.htm ・米 MUSICMATCH も今年秋より Apple 式音楽ダウンロードサービスを計画 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/01/2.html ・「格好悪さ」がひきつけた 太鼓の達人 (ナムコ) http://www.be.asahi.com/20030802/W16/0035.html ・ブロードバンドで"TV 放送"の可能性 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0308/01/lp26.html ・地域経済の活性化に期待――電子政府戦略会議閉幕 http://it.nikkei.co.jp/it/sp/denshiseifu3.cfm?i=2003080109401uj ・『シーグラフ』の『未来技術』展、今年も奇妙な新技術が多数登場 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030804301.html ・CG アニメーターたちが『シーグラフ』で腕を披露 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030805302.html ・【SIGGRAPH 2003 Vol.5】Pixar Animation Studios、3DCG アニメ映画 『Finding Nemo』の制作特別講演を開催 http://ascii24.com/news/i/topi/article/2003/08/04/print/645296.html ・ハリウッドで進む巨額 IT 投資 http://japan.cnet.com/news/special/story/0,2000047679,20060209,00.htm ・上質な科学読み物コレクション『ベスト・アメリカン・サイエンス・ライティン グ』 http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030805207.html ジャストシステム、共同通信記者ハンドブック搭載の「ATOK16 Professional」 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0805/just.htm ・電子書店パピレス、同人誌などの個人電子出版の委託販売を開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/04/21.html ・ヤマハ、親子で一緒に音楽を学べる「ハミングパーク」 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2314.html ・英国で「放送禁止」された iPod 周辺機器 http://www.zdnet.co.jp/products/0308/04/ne00_itrip.html ・米国の各大学がキャンパス内で有料音楽サービスの提供を検討 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060307,00.htm - 109 - ・"チャット先進国" 〜韓国の場合 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0308/06/lp05.html ・米調査、音楽ダウンロードユーザーの 67%は著作権に無頓着 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/06/58.html ・アルゼ、ゲームソフトやグッズが買えるショッピングサイト http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15159.html ・自動化技術で見えてきた「宇宙家族ロビンソン」の世界 http://japan.cnet.com/news/pers/story/0,2000047682,20060326,00.htm ・携帯で中国情報、VBの待受放送局が新華社と提携 http://www.jij.co.jp/news/soft/art-20030805213244-PYGRVGWJOL.nwc ・Napster も音楽配信サービスに参入!本当に普及するのか? http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USURA/20030807/1/print.shtml ・ケータイで地上デジタル放送 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/08/08/news_day/n1.html ・ロボットがあなたの仕事を奪う (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030808106.html ・舞台版「こち亀」がスタート! 親子で共感できる場面随所に http://www.nikkei.co.jp/weekend/news/20030808s2688001_08.html ・社団法人ソフトウェア著作権推進機構、ソフト不正使用者に罰金を要求 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/11/119.html ・女の子とビデオチャットできる「@Love Point」 、@nifty で開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/12/131.html ・どこでも聴ける・見られるデジタル TV――「モバイル放送」テスト http://www.zdnet.co.jp/news/0308/12/nj00_mbc.html ・ブロードバンド、インターネット利用者の 8 割に迫る http://www.jij.co.jp/print/article/art-20030811185331-BIPRUNRWLP.nwc ・「マトリックス」完結編は 11・5 水曜日公開 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200308/gt2003081302.html ・地上波放送再送信についての考え方 第 1 回 水平分離論が拒まれる理由 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20030812c3000c3 ・ホームページ保存、いつでも閲覧 総務省が制度作りへ http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200308140056.html ・ネットに押されて「ペントハウス」倒産 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/08/14/news_day/f3.html ・韓国の驚きハイテク生活 - 110 - http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/08/14/tokushu/o1.html ・触りたいほどリアル 新潮社とコナミが 3Dの優香トレカ http://www.jij.co.jp/print/article/art-20030814190129-YBFWPRVITF.nwc ・「もはやゲーム機」は真実か?〜ケータイゲーム 11 本を斬る http://www.zdnet.co.jp/mobile/0308/19/n_siogame.html ・BIGLOBE、携帯向けコンテンツをパソコンで購入可能に http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15250.html ・バンダイネットと角川、i モード向けに電子書籍配信サービス開始 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15256.html ・ファミレスに電子書籍、イーブックがコンテンツを配信 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20030818195550-WJQFUYPIGB.nwc ・CCIとDAC、ネット広告配信網を統合 http://www.nikkei.co.jp/news/tento/index20030819AT2E1800L18082003.html ・インフォプラント、 「自宅がブロードバンド接続は 50.8%」と発表 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2399.html ・【SIGGRAPH 2003 Vol.7】近未来の映像・仮想現実を担うか!? 最先端研究の展示 http://ascii24.com/news/i/topi/article/2003/08/18/print/645511.html ・米 RealNetworks がデジタル音楽サービスでローリング・ストーンズの楽曲を提 供, http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030819/3/print.shtml ・有料音楽配信サイト「du-ub.com」が 8 月末でサービス終了 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/18/161.html ・2 ちゃんねるの読み方 http://blog.cnetnetworks.jp/umeda/archives/000583.html ・地上波放送再送信についての考え方 第2回 リマックス方式が敬遠される理由 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20030819c3000c3 ・米 Overture、32 億文書をインデックスした"世界最大"の検索エンジン http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/22/216.html ・「踊る2」20 年ぶりに実写映画興収新記録達成 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200308/gt2003082204.html ・イーキャスト、ネット接続型ジュークボックスを都内に設置 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/21/213.html ・オンライン・ゲームを支える「仮想世界での経済活動」 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030821203.html ・独音楽業界、音楽ダウンロードによる著作権侵害撲滅宣言 - 111 - http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/21/210.html ・ネット広告大手 5 社、4−6 月期に 3 割超える増収 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030821AT1D2005Z20082003.html ・三井物産、 「ロボットスーツ」事業化へ http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030821AT1D2005020082003.html ・ノキア セガの子会社を買収 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/08/20/news_day/f6.html ・映像ソフトのコピーによる年間損失額は 10 億ドル (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030822108.html ・観光振興へ電線地中化 5 カ年計画、歴史景観を保護 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20030822AT1E2200222082003.html ・マイナーな趣味でも OK、専門出会い系サイトが好評 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030822201.html ・東京ディズニーランドのチケットをネット販売 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030822AT1D2205Z22082003.html 7)2003 年 9 月 議 事 要 旨 ①連画ワークショップ ⅰ 「連画:絵のリレー」ワークショップというものがある。 ⅱ 自分の絵から誰かが発想して描いたり、誰かの絵から思いついたり。非常に創作 意欲を刺激される。 ⅲ プロジェクターとタブレット PC 何台か置いて、勝手に絵を描いてアップできる 連画 BAR や、連画 cafe とかあれば楽しいかも。 ② 「 Japalicious!-Tokyo Style in Stockholm 2004」 」 ⅰ 2004 年 8 月開催予定のストックホルムの街中のさまざまな場所を会場として、 東京の文化をスウェーデンに紹介しよう、という企画。 ③漫画家・作家のエージェント制 ⅰ 日本の出版会の状況、また日本作家の海外市場への進出を考える場合、エージェ ント制の導入が必要だと思われる。 ⅱ 日本では作家の立場が弱く、出版社の担当編集者が営業に廻されたりすると発注 済みの原稿が宙に浮いて、それっきり、などという事例も少なくない。 ⅲ また、漫画家以外の作家の場合、作品を英語で発表しようとしても、単身NYに 乗り込んで自分の足で何十もの出版社を廻るくらいしか方法がない。 ⅳ 業界も広くなってきて一覧性が無くなり、従って構造も崩れ始めている。クリエ - 112 - イター(製造部門)には流通(卸・小売り)とは別のサポータ(営業部門)が必 要。 ⅴ 日本作家の作品が海外で出版されない理由。 日本の出版社がほとんど海外での出版に対して営業アプローチを行っていない。 日本には作家エージェントが存在しないため、出版社の商売的価値観と戦略でし か営業が行われない。 ⅵ 一方国内では、売れるとわかっている作家でなければ、出版部数が少なすぎてプ ロでは食って行けない。売れなくても出版しているのはアマの作家だけ。 ⅶ 基本的に「権利を守ってくれる人、組織が皆無」であるため、作家の立場は苦し い。 ⅷ 作家業は、「本業」をやりながら「小遣い稼ぎ」をする職業となりつつある。実 際の収入は「講演」、「雑誌連載」、「書評」、「文化人タレント業」から、という人 が多い気がする。 ⅸ エージェント制は、デビュー直前の作家の卵の「持ち込み」などでも、合理的な システムとして歓迎されるように思う。 ④ポケモンとGTA ⅰ 日本で、過去 2 年にもっとも売れたゲームは、おそらく GBA のポケモン。日本 以外で、もっとも売れたゲームは、これもおそらく「グランドセフトオート (GTA)」のシリーズ。しかし、GTA は、日本ではごく一部を除いて、まったく 知られていない。 ⅱ ポケモンは、日本から出て、グローバル市場に受け入れられた。GTA は、イギリ スから出て、 「日本以外」で受けている。これは、なぜ? ⅲ イギリスのゲームメーカーが日本市場を意識しているらしい。 ⅳ ロンドンでは「日本語でもいいから人より早く話題のゲームをしたいというゲー ムフリーク」が意外といる ⑤POPの質的変遷〜日本文化の自己認識 ⅰ 80 年代後半にカルチャーの潮目が欧米追随から自国様式肯定へと大きく変わった のではないか? ⅱ しかし欧米メディアを通じて自分を見るという基本構図が変わっていないのでは ないか? ⅲ 日本はもともとPOPな国。京都や、安藤広重や鳥獣戯画などは非常にPOP。 ⑥地上波デジタル ⅰ 本当に 40 兆円の経済効果があるのか? - 113 - ⅱ こういった数字は、おそらく「地上波デジタルはとても魅力的なインフラで、100% 普及して様々なアプリケーションが花開く」という前提で出されており、マイナ ス部分の評価がされていない。 ⅲ 基本的に、今のコンテンツ形式で大多数の需要家は満足しており、デジタル化コ ンテンツは驕奢品と仮定すると、デジタルコンテンツは、地上波ではなく、ブロ ードバンド環境に IPTV として載せて回していくのが合理的ではないか? ⅳ そう考えられる理由は、 今のアナログコンテンツに満足している需要家に無理 なチューナー買い換えをさせなくて合理的であることと、デジタルコンテンツの コストにしても、既存 BB ユーザーなら CATV 使用料程度の上乗せでよいという こと。 ⅴ そうすることでさらに、すぐにでもデジタルコンテンツらしい双方向ものの開発 に突入できる。そして投入予定の何千億の設備費を IPTV チューナー購入補助金 に充てれば、メディアとコンテンツの鶏卵関係を前向きに回すことも可能ではな いか。 ⅵ さらに、上の IPTV チューナー購入補助金に充てる部分を少し持ってきて、デジ タルコンテンツ製作支援に回すという手はありかもしれない。 ⅶ 注意すべきは、デジタル化は強制ではないのだから、TV 局は賛同しないならば やめるべきだし、IP でやりたい企業があるならば名乗りでるべきである点。 ⅷ IP で名乗りをあげているところはいくつかある。CS のコンテンツを IPTV で流 せばいいスタートがきれるのではないか? ⅸ デジタルテレビへの移行がすすまない→みんなテレビを見なくなって、テレビ局、 広告代理店の売り上げが減る→通信キャリアが負担する電波使用料負担がユーザ ーに転嫁されて携帯電話の通話料までもが値上がりする。という流れが起きそう。 ⅹ 2011 年に期限が切られているが、その時までに地上波デジタルが普及していな かった場合、帯域の有効利用の観点から、通信事業に転用しても良いという話に なるのではないか? xi 2011 年に期限を切ったのは、地上波デジタル放送を普及させるためでなく、地上 波デジタル放送の失敗を早期に明確にさせ帯域の通信への転用をスムーズに行う ための判断ではないだろうか。 xii 2011 年にアナログへのサイマル放送をやめられるとは考えにくい。 xiii アナログ停波したとしても、それによって空く VHF の周波数帯はポケベルより も低いため、有用な通信サービスには使えない。 xiv TV 以降のニューメディアが失敗したのは、端末普及策が伴わなかったためであ る。デジタル化を本気ですすめるなら、端末普及策が必要。 ⑦ブロードバンドの普及 - 114 - ⅰ 普及が簡単に進むとは思えない。 ⅱ 特に地方では、TV に対する信仰が強い。多彩なコンテンツを求める人は少数派 では? ⅲ インターネットでのコンテンツ流通で著作権がネックになっているというのは、 著作権法ではなく、権利者の反対が強いというところに問題があるようだ。 ⅳ インターネットにお金を払う習慣がない、というのも BB 普及の阻害要因の一つ だろうか。 ⅴ インターネットにお金を払う習慣がない、というのも BB 普及の阻害要因の一つ だろうか。 ⅵ 韓国のインターネットで放送番組が流れているのは、各家庭にブロードバンドが 普及していることと、ユーザーからの課金システムが普及してるという二つが大 きな要素。 ⅶ しかし、ようやく映像を満足に通せるインフラができてきたことや、高齢層を含 めてネットユーザーの広がりがでてきたことなどから、2005 年くらいにはブレ イクスルーが起きるのではないか。 ⅷ そのとき、末端機器がネックになる。PC の小さな画面で TV・映画を見たくない というユーザーが多い。 ⅸ ブロードバンドでテレビ番組が流れないのと似た事態として、以前映画とテレビ の交代期に、テレビに映画スターが出ないという時代があった。そのときは、テ レビが自力でスターを作り出して、自己市場を拡大することによって、結局、映 画業界のテレビ不出の協定は崩れ、テレビ界に映画スターが流出することとなっ た。 ⅹ つまり、テレビコンテンツがブロードバンド市場に出るようになるには、ブロー ドバンド独自のコンテンツが生まれ、集るかもしくは、既存の小市場のコンテン ツが集り、ブロードバンド市場を大きくするか、どちらかの事態が望まれる。 ⑧腋毛・髭など毛について ⅰ 春画などを見ると日本人も江戸時代には脇毛ボウボウだったらしいので、多分、 日本人にとって脇毛処理はいつぞやの時代の「pop」だった。 ⅱ 縄文人と弥生人の復元図を見ると、縄文人は髭ボウボウで、弥生人はちゃんと剃 っている。つまり、髭ボウボウ→野蛮、 剃っている→文明人という記号が成り 立っている。 ⅲ 猿人から現代人への進化を見ると、全身に毛が生えている時代は、顔に髭が描か れず、体毛が無くなって、毛皮をまとい始めると髭が描かれる。 ⅳ 鼻毛の処理も文化というか、流行の一種。 ⅴ 毛を処理する文化はわりとアメリカの文化なのでは?世界的にはドイツもオラン - 115 - ダもギリシャもロシアも髭の生えてる女性は多い。 ⅵ 脱毛の歴史。 ⅶ 明治時代にすでにわき毛処理の風習はあった。 ⅷ コーランの教えに、「体毛は不潔なものであり、体から取り除くこと」というも のがある。砂漠ではあまりお風呂に入れなかったことからきているのだろうか? ⅸ 山海経 (中国の奇書)などには、全身に剛毛が密生している多毛人の話がある。 ⅹ 宗教的理由による除毛に関しても、実は衛生上の理由が基本的ではないだろうか。 xi ヨーロッパに除毛風習が持ち込まれたのは、ローマ軍がエジプトに侵攻した際に 除毛風習のあったエジプトの女性を気に入り、帰国後自分の妻や恋人にさせるよ うになり広まったという説がある。 xii 日本においても江戸時代の川柳に陰毛除去の事を詠ったものが多く残されている。 xiii 現在アメリカやヨーロッパにおいて陰毛をすべて剃るなり抜くなりしてしまう 行為が大変クールということで流行しているよう。 ⑨ レ コ ー ド 売 上 げ 低 下 の 原 因 は P2P か ? ⅰ 全米レコード協会が P2P ネットワーク利用者を訴訟。 ⅱ P2P は、本当に「CD の売上減」の原因か? ⅲ 都内学生を対象にしたある調査によれば ・P2P を知らない人より、P2P を知っている人、P2P を利用している人ほど、CD を買っている。 ・CD を買うのは「好きなアーチストが新曲・新盤を出したとき」がもっとも多 い。すなわち、CD 購入とは、好きなアーチストへの寄付行為であり、P2P の 利用によってその金額が減ることはない。P2P に流すことは、好きなアーチス トを世間にもっと知って欲しいという欲求の体現のひとつ。 ・CD を買うきっかけとして二番目に多いのは「テレビやラジオで聞いて気に入 ったとき」である。すなわち、P2P で落とした楽曲を聞いてみて気に入れば、 CD 購入に結びつく可能性がある。P2P 利用者ほど CD を買っているのはそう いう理由もあるのかもしれない。 ・CD の売上減に直接影響をもたらしているのは、P2P より DVD の売上増とい う結果が出ている。 ⅳ CD の売上が落ちているのは、購買層のお金が携帯に流れているためではないか。 ⅴ インディーレーベルでは、ネット直販で年間かなりの枚数売れる。こういった、 今までの統計システムでは計れない流通形態をとるメーカーが増えているのでは ないだろうか。音楽を聴いて楽しむ人の数が急速に減っているとは思えない。 ⅵ タレントプロダクションが、メディアプロモーションに頼ってメガヒットを狙う 路線から、小さなロットでのビジネスを前提に、商品力を育てる方向に向かって - 116 - いる。 ⅶ レコード会社の入金費目は主に原盤権からくるCD売上利益、次に出版権からく るロイヤリティ。これに対して、出版権をメインとするのが音楽出版社。昨今伸 びてきている着メロ・カラオケなどの使用料は、出版権保有者にしか分配されな いため、売上減のレコード会社に対して、音楽出版社は徐々に売上がのびている。 ⑩コンテンツ政策の方向性:ウインブルドンとイチロー、小澤征爾 ⅰ コンテンツ政策はどちらを目指すべきか? ア)場としての日本。世界中の才能が集まって、花開かせる。地理的な日本がポイ ント。活躍するのは外国人ばかりでもいい。→ウインブルドンの例。 イ)人材生産工場としての日本。世界に才能を送り出す。日本人がポイント。場所 はどこでもいい。→イチローや小澤征爾の例。 ⅱ 国家を地理的な国という場所でのサービス業、つまり立地型サービス業(税金と いう料金を取って、各種サービスを提供しているレストランのようなもの)と考 えれば、ア)しかない。 ⅲ イ)の政策はこれまでも行われてきており、その結果が、イチローや小澤征爾。高 校野球、クラシックの授業など教育制度でも取り組みがあり、さらに野球場やホ ールなどの設備も充実させてきている。 ⅳ それらに対してポップカルチャーは、政策によらず市場だけを基盤に国際的な評 価をえるものをつくってきた。 ⅴ たとえば、ア)を「国技館・相撲取り」 、イ)を「講道館・柔道家」と考えてみると、 ア)国技館・相撲取りモデルでは、世界から集まってきて相撲をとり、横 綱はハ ワイアンとモンゴリアン。 イ)講道館・柔道家モデルでは、講道館で修行して強くなった人は世界で道場を開 き、普及活動をする。 こうして考えると、両者のモデルを分けているのは、競技の地域に対する粘着性 (=土着性、あるいは非普遍性)である。 ⅵ これをコンテンツ政策に敷衍していくと、 ア)演歌や J-POP や実写映画のように、日本への粘着性が強いものは、国技館・ 相撲取りモデル=ウィンブルドン型。 イ)クラシックやアニメ・特撮のように、日本への粘着性を弱めることが可能なも のは、講道館・柔道家モデル=オザワイチロー型。 となる? ⑪ポップの教育 ⅰ ポップなジャンルを指導するとして、どこまで教えればいいのか? - 117 - ⅱ ポップでいかがわしくて、毒々しいから命がある、みたいな物を、ビジネスにな るからという理由で勉強していいのだろうか? ⅲ 学校で教えられることを全部教えても、所詮、実務経験が決定的に必要なわけで あり、そうでないアンチやいかがわしさの部分は、自然に作り出されるのではな いだろうか。 ⅳ 逆に志望者のほうには、現状ではポップカルチャー分野でやっていくうえでの、 進路的な切実な問題があり、いくら動機や才能があっても、「ロックで成功する か、失敗して一生コンビニ店員やるか」みたいな選択肢しかないところでは、や っぱり人材の厚さは作れないだろう。 ⅴ 社会的文化的認知を作り出すためにも、学校制度のアプローチがある程度有効だ と思われる。 ⅵ 日本はポップを含めクリエィティブを体系化して教えるのが上手でない。 ⅶ 現在はやりの HIPHOP などを題材に、従来のコード理論を否定するスタイルア ナライズ理論を指導することが必要。 ⅷ リミックス、サンプリング、スクラッチノイズなどは、音楽のみならず映像を含 めこれからのデジタル表現に欠くことのできない表現理論であり、CANVAS のワークショップでやっているような、 DJの教育も幼稚園・小学校から正規 のカリキュラムとすべき。 ⑫テレビは生放送にシフト ⅰ テレビはどんどん生放送にシフトしていて、NTV では既に番組の 97%が生。 ⅱ ポップでいかがわしくて、毒々しいから命がある、みたいな物を、ビジネスにな るからという理由で勉強していいのだろうか? ⅲ 学校で教えられることを全部教えても、所詮、実務経験が決定的に必要なわけで あり、そうでないアンチやいかがわしさの部分は、自然に作り出されるのではな いだろうか。 ⅳ 逆に志望者のほうには、現状ではポップカルチャー分野でやっていくうえでの、 進路的な切実な問題があり、いくら動機や才能があっても、「ロックで成功する か、失敗して一生コンビニ店員やるか」みたいな選択肢しかないところでは、や っぱり人材の厚さは作れないだろう。 ⅴ 社会的文化的認知を作り出すためにも、学校制度のアプローチがある程度有効だ と思われる。 ⅵ ドラマとかバラエティとか、時間に依存しないものはどんどんビデオオンデマン ド化していくと思われる。 ⅶ アメリカでは、テレビ番組一つのプログラムの長さが短くなるという変化が見ら れる。 - 118 - 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・RIETI コラム「ポップ政策はどこまで真剣になれるか」 http://www.rieti.go.jp/it/column_index.html ・佐藤大さん脚本の「CASSHERN」 http://www.casshern.com/ ・RIETI 池田信夫さんの「地上波デジタル放送への国費投入に反対」提言 http://www.telecon.co.jp/ITME/Signature/0808.html ・ファミコンを原体験としたグラフィックユニット「ネンド・グラフィックス」 http://www.nendo.com/ ・音楽制作者連盟のイベント「in the city」 http://www.inthecity.jp/ 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・スマートモブの技術は権力がない人に力を与える―ハワード・ラインゴールド氏 インタビュー http://it.nikkei.co.jp/it/njh/zensen.cfm ・ブロードバンドより口コミがユーザーを呼ぶ 大川弘一 まぐまぐ社長 http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/interview/interview_167.html ・パネルディスカッション「モバイルが変えていくものとは?」 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/15454.html ・IT 普及政策は「第二段階」へ、総務省が 2004 年度の「IT 政策大綱」発表 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/28/284.html ・ケータイとネットが生み出す「スマートモブズ(賢い群衆) 」って何だ? http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060687,00.htm ・地上テレビ放送のデジタル化で「経済効果は 212 兆円」 http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000047668,20060772,00.htm ・CT スキャンと仏像と「マトリックス」と〜立体映像の可能性 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0904/kyokai14.htm ・ソニーがネット音楽サービスを来年始動 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060783,00.htm ・「フィルタリングはこどもへの危険を増大させる」と米教育学教授 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/05/360.html ・電子政府・キッズページの到達度 横江 公美 VOTE ジャパン社長 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030828s2000s2 ・ガートナー調査、企業内の携帯メール利用は増加傾向 - 119 - http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15578.html ・企業内ユーザーのメール受信数は増加、処理時間は減少〜ガートナー調査 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/09/395.html ・アジアにすり寄る米マイクロソフト-少数派言語対応ソフトをリリースへ http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20060844,00.htm ・RIAA、予告通り P2P ネットワーク利用者 250 人以上に対する民事訴訟を開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/09/386.html ・ケータイ用語の基礎知識 第 149 回:着うた とは http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/15569.html ・携帯向けデジタル放送で番組情報を取得できる新技術 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15567.html ・オリンパス、携帯に新聞記事を音声配信する実証実験 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15579.html ・タイトーとノキアが携帯端末でカラオケサービスを提供 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20030908204149-AGEOBDURHQ.nwc ・米バーンズ&ノーブル、電子書籍販売を打ち切り http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20060873,00.htm ・電子書籍の普及を目指すコンソーシアムが発足 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15598.html ・電子書籍化への流れは間違いない〜電子書籍ビジネスセミナー講演 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15616.html ・ファイル交換の「文化」を変えようとする RIAA http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060875,00.htm ・P2P 業界団体「罪を犯すのは技術ではなく犯罪者」 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/10/399.html ・米アップルのユーザー:「iTunes で購入した曲を、きちんと転売できた」 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060891,00.htm ・藤元健太郎の「ITビジネス原論」 http://www.hotwired.co.jp/altbiz/fujimoto/030909/textonly.html ・ネットはセグメントメディアからパブリックメディアに〜WAB フォーラム http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/10/413.html ・次世代智民の展望、日本の場合(1)公文俊平(GLOCOM 所長)東 浩紀(GLOCOM 主任研究員)石橋啓一郎(GLOCOM 研究員) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_09/2003_09_02.html ・「誰もが主役になれるネット社会」どう作る――別府湾会議開催 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/zensen.cfm?i=20030910c9000c9 - 120 - ・失業者支援の雑誌発売 http://mbs.jp/news/local/html/20030911m06.html ・和歌山県「ナンパ族」しめ出す条例案を提出 http://mbs.jp/news/local/html/20030911e01.html ・マイクロソフト、最大 16 人で音声チャットが楽しめる「Xbox Live Now」 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/12/436.html ・解説:デジタル地上波放送の第 2 チャンネル,NHK 頼みの普及の図式を崩せるか http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNM/NEWS/20030912/3/print.shtml ・「協力の技術」という未来の公共財考――『スマートモブズ 〈群がる〉モバイル 族の挑戦』(ハワード・ラインゴールド著) http://it.nikkei.co.jp/it/njh/book.cfm?i=20030117wn000uf ・出会い系サイト規制法が 13 日から施行 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/12/450.html ・海外に輸出される日本の携帯電話技術に注目 http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/interview/interview_169.html ・使い捨てDVD、米国 4 地域で試験的に販売 http://www.asahi.com/english/svn/K2003091200382.html ・デジタル時代、出版業界が生き残る方策は? (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030911107.html ・DSL ユーザー数、世界一は日本 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030912107.html ・音楽配信めぐり、アップル社がアップルコンピュータ提訴 http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200309130106.html ・生活保護世帯、87 万世帯で過去最多更新 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20030914AT1G1301Q13092003.html ・ファミリーマート、国産コンビニ初の米国進出 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030914AT2F1202113092003.html ・セブンイレブン、 「NEWS」のCDを独占販売 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030916AT2F1500416092003.html ・本会議中継、CATVに編集認めず…岡山県議会 http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20030913it07.htm ・【書評】 「「大学には入ったけれど」大学中退をめぐる親子の壮絶バトル」 http://www.sankei.co.jp/news/030909/0909boo018.htm ・65 歳以上 2431 万人、男性も 1000 万人突破 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030914AT1E1300Q14092003.html ・外資が相次ぎ男性化粧品 - 121 - http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/09/15/news_day/n5.html ・映画、ゲームなど 韓国が日本の大衆文化の開放対象拡大 http://www.asahi.com/culture/update/0916/009.html ・機動戦士ガンダムSEED 福田己津央監督に聞く http://www.asahi.com/culture/animage/inter030829.html ・独新著作権法、違法コピーで「普通の」ユーザーも処罰対象 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/17/469.html ・WPC EXPO 2003 レポート モバイルでも CS や有線のような多チャンネルラジオ&テレビが開始 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0309/17/lp15.html ・WPC EXPO 2003 レポート サイバー&ポップなテレビ、 「モバイル放送」に登場 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0309/17/lp17.html ・企業内ブログのすすめ 藤元 健太郎 D4DR 社長 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030911s2000s2 ・米映画会社、DVD 複製ソフトメーカーを告訴 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060985,00.htm ・「SMART MOBS」著者ハワード・ラインゴールド氏に聞く「米国のケータ イは、数年で日本に追いつく」 http://www.asahi.com/tech/mobile/mobile05.html ・西岡郁夫の手紙〜ITとベンチャーを語る 第 47 回「電子書籍は普及するか」 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_nishioka47 ・アンテナで巡るアクティブサイト 谷田部 智之 http://www.internetclub.ne.jp/EASY/20030916.html ・Apple、iTunes の Windows 版米国で年内立ち上げを強調 http://www.zdnet.co.jp/products/0309/17/e01.html ・"的"外れにもほどがあるレコード業界の訴訟作戦 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/16/cead_coursey.html ・クリエイティブ・コモンズに気をつけろ 土屋 大洋 国際大学 GLOCOM 助教授・ 主任研究員 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030916s2000s2 ・コンテンツ育成からの飛躍をはかる凸版印刷 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/15705.html ・「AOL」が消える--米タイムワーナー、社名変更で本業回帰に拍車 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20060996,00.htm ・独著作権法改正の波紋〜私的利用とは? - 122 - http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/19/519.html ・空中に画像を投影するシステムの製品化を目指す 2 つの企業 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/20030918301.html ・電子文書戦線に異変あり http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20061009,00.htm ・小学生1人の図書館貸し出し、2001 年度は 17.1 冊 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20030920AT1G1902C19092003.html ・KDDI と全国 FM 連合、携帯に FM チューナーを内蔵し新サービス http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/24/543.html ・ビベンディ会長「ボーダフォンとの提携強化」 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20030924AT2M2402124092003.html ・公取委、TV通販の"誇大宣伝"などに警鐘 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20030924AT1G2402T24092003.html ・人気が高まる会員制有料ネットビデオ配信 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061068,00.htm ・Kazaa、 「ハリウッド共謀説」を唱えて再提訴 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061067,00.htm ・デジタル写真時代の表現者 #003 デジキシン氏の現場 http://www.zdnet.co.jp/products/0309/22/cj00_photohyo.html ・「家なき子」台湾ブレークで安達祐実はアジア進出 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200309/gt2003092304.html ・モバイル放送、サービス開始を来秋に延期 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030922AT1D2205O22092003.html ・ゼンリンがパイオニア子会社を提訴 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20030924AT1G2402Z24092003.html ・米アマゾン、ショッピング検索に参入 http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20061120,00.htm ・KDDI と全国 FM 連合、携帯に FM チューナーを内蔵し新サービス http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/15752.html ・年明け発売。次期 FOMA の概要明かされる http://www.zdnet.co.jp/mobile/0309/25/n_akifoma.html ・モトローラ、任天堂のワイヤレスアダプタにチップセットを供給 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2734.html ・任天堂の岩田社長、ゲームビジネスの今後に警鐘を鳴らす http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20061113,00.htm - 123 - 8)2003 年 10 月 議 事 要 旨 ①ゲーム業界動向 ⅰ ゲーム業界を外から見ると、パッケージゲームの売り上げが芳しくなく、ネット ゲームに手を出したものの、なかなか利益に結びつかないという状況が伺われる。 ⅱ ゲーム自体は残り続けるとは思われるが、ゲームに特化するよりは、エンターテ イメント全般というフィールドの方がフリーのゲームデザイナーは活動しやす い? ⅲ パッケージ、ネット、携帯電話、などゲームは様々な市場に進出しており、さら にそれらは供給過剰気味に見える。 ⅳ フリーのゲームデザイナーが増えているのは、あと数年でエンターテーメント産 業の垣根が取り払われ、クリエイターやエンジニアの活動の場が国際的になると 予想されるから? ⅴ 家庭用ゲーム機のメーカーが、フォーマットを統一し、開発・出版するソフト会 社を、サードパーティ的に囲い込むやり方は、市場開拓に有効だろうか、それと もオープンにすればもっと活気づくのだろうか? ⅵ PC ゲーム(あるいは i アプリのゲーム)は実質オープンのフォーマットだと考 えられるが、家庭用ゲームより市場は小さい。このようにオープンにすれば市場 が活気づくとは言えない。 ⅶ ハードのフォーマットが統一されていると、ハードウェアのスペックが厳密に同 一である、インターフェイス(モニタ解像度、コントローラーなど)のレベルや クオリティが保証されている、など実際には開発者、ユーザー双方にメリットも 多く、結果的に有る程度の市場を維持しやすい構造になっている。 ⅷ また家庭用ゲーム機では、年に1回の周期で新ハードが出ており、そのたびに市 場のリフレッシュもできている。 ⅸ 最近の大手サードパーティは、すでに力をつけてきており、特定のハードのみと 迎合することなく、マルチプラットフォーム戦略を進めている。 ⅹ おそらく今後、各マーケットで 3 社くらいが「メガパブリッシャー」として大き くなり、その周囲にインディペンデントのパブリッシャーやスタジオが存在する 構造になると思われる。 xi アメリカでは「Take Two」というパブリッシャーが「GTA」というゲーム一本 でアメリカのトップパブリッシャーにのし上がり、その開発元の「RockStar」と いうスタジオは全米の若者たちに圧倒的支持を集めている。たった一本のゲーム で下克上がおこる可能性があるというのは、まだ市場が健全である証拠のように 思われる。 xii 「GTA」は最初プレイステーション(ソニー)のみの契約だったが、むしろそれ がゲームとハードの両方の価値を上げてきたように見える。 - 124 - ②チャンバラ ⅰ 英雄、座頭市、キルビル、ラストサムライなど、チャンバラはブームになってい る? ⅱ 古い日本のチャンバラ映画の特徴。 ア)一瞬で勝負が決まる(ex.椿三十郎) 。 イ)大勢が相手でも一人一人の勝負は一瞬(ex.血闘高田馬場) 。 ウ)キャラクターによって使う武器が決まっている。 ・正義の味方が使うのは名刀。 ・悪人が使う武器は鎖鎌。 ・ヒロインが使うのは薙刀と懐刀。 ・大男が使うのは鉄棒。 ・正統派のライバルが使うのは槍。 ・農民は竹槍。 ・大勢が捕り抑えに出てくるときは、梯子と刺叉。 エ)使う剣術には流派があり、お互いの構えで察する。 オ)必殺技がある。 カ)激しいアクションの前には静寂による間。 ⅲ こういった性格が形成されたのは、平和な期間が長く続き、竹刀や防具を使う道 場修行を通じた精神鍛錬の面が強調されたことに起因するのかも。 ⅳ ハリウッド映画には、日本のチャンバラより京劇や香港・中国映画の出身者の方 が大きな影響を与えていると思われる。 ⅴ 中国がワイヤーアクションなどを積極的に取り入れ、殺陣をエンターテインメン トまで昇華せていったのに比べ日本の時代劇が様式美に縛られてしまったように 思う。 ③ ア ニ メ は 2D か ら 3D へ ? ⅰ アニメーションは 2D から 3D へ移行するか? ⅱ アメリカの映像製作は、企画>資金調達>制作>上映・放送>パッケージ販売… …という流れだが、日本では、マンガ>企画>制作・放送・関連商品>パッケー ジ販売……という流れが強固なので、3Dへは移行しにくい。 ⅲ 3D への移行には、マンガ以外の企画調達(言葉を変えればオリジナル企画の成 立)とテレビ局・製作委員会以外の資金調達(市場からの資金調達)が必要。 ⅳ アメリカ型の 2D のフルアニメが 3D に移行し、日本の 2D アニメは今後も異な る市場を形成してゆくのではないか。 ⅴ 2D パートと 3D パートを融合させた作品が「頭文字D」の成功以降TVシリーズ - 125 - でも着実に増えており、最近では、メカニック描写=3D、人物描写=2D が常套 手段になっている観がある。 ⅵ 2D で積み上げてきたモノがある日本では、米国CGアニメと同じような 3DCG の使い方をしてはもったいない。今後、2D に溶け込む 3D の使い方が多用される のではないだろうか。 ⅶ 2D と 3D では、見るときの頭脳の働きが全く違う。2D は、不完全なものから、 イメージによる補完を起こさせる「意匠」の力に依っており、3D は通常の視覚 と同じ、「写実」により成り立つ。この二つをうまくつなぐノウハウが発見でき るとよい。 ⅷ 制作方法は、2D が手書きで、3D がデジタルなのだろうか? ⅸ 3D アニメーションはモーションンキャプチャー(実際の人物データ撮影)によ る制作とキーフレーム(手付け)による制作に大別される。 ⅹ モーションンキャプチャーは「ゲームムービー」などに多様される方式で量産が 効くが、画一 的な動きになりやすい。 xi キーフレーム(手付け)はCGアニメーターが作成してゆくので比較的 2D に近 いデフォルメや独自の表現ができやすいが、アニメーターの才能と時間を要する 作業となる。 xii 2D アニメでも、液晶タブレットを使ってコンピュータ上で直接、原画動画から 作成するパターンもあるが、操作性の問題から、クリエイターにはあまり歓迎さ れていない。 xiii アニメ制作現場への液晶タブレット導入の障害となるのは、以下の点。 ・ペン先がすべる ・通常、アニメーターは、書きやすいように紙を回転させて書くが、それができ ない。 ・キャリブレーションがアニメ描画を想定していない。 ・画面サイズが小さい。 ・ガラスの厚みによる視差。 xiv 2D、3D の制作の工程は、合理性のみではなく、おもちゃ化、ゲーム化などの多 メディア展開の可能性も含めて決定される。 xv 原画や 2D・3D データを使って、マンガ(オンライン・紙)とアニメを同時制作 する工程開発も可能ではないだろうか。 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・中村ケンゴ氏展覧会 http://www.nakamurakengo.com/ ・音楽制作者連盟のイベント「In The City Tokyo 2003」 - 126 - http://www.inthecity.jp/ ・西村佳哲氏のこどものためのワークショップ http://www.livingworld.net/ ・福冨氏執筆、八谷氏の「opensky」についての記事 http://pcweb.mycom.co.jp/column/bytes/bytes144.html ・全国マルチメディア祭 2003 イン宮崎 http://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/031107/n02.html 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・ぴあ、携帯電話などを使った電子チケットサービスを 10 月に商用化 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/29/580.html ・デジタルメディアの未来を検証する http://japan.cnet.com/news/special/story/0,2000047679,20061114,00.htm ・変形自在のDVD、オリコムが国内独占販売権 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20030928181449-ZYPVDVSNXV.nwc ・RIAA が人まちがい?-ファイル交換訴訟で初の取り下げ http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061096,00.htm ・NECが紙・電子文書の配信・高速閲覧システム http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031002213918-EVWFUMQAWO.nwc ・携帯電話でデジタルラジオを〜KDDI が実証実験 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0310/02/n_radio.html ・産学でネットコミュニティ団体を設立 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031004AT2E2900404102003.html ・経産省、中小企業支援へ無担保・無保証の融資制度導入へ http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031002214646-ZTIYVBHLCH.nwc ・1円起業制度 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/dr/20030930md01.htm ・【CEATEC JAPAN 2003】CEATEC JAPAN 2003 が開幕〜ソニー出井会長が特別 講演 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2003/10/07/681.html ・マイクロソフト、こどもが安全にインターネット利用するためのポータル http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/07/684.html ・「PSX」正式発表、"ポストビデオ"を狙うソニー http://www.zdnet.co.jp/broadband/0310/07/lp01.html ・McAfee 前経営者、音楽ダウンロードビジネス開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/08/694.html - 127 - ・NDCP など、ハリウッド映画のダウンロード型 VOD サービス事業を共同展開 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2855.html ・日本ビクター、11b 準拠の無線 LAN 機能を持つデジタルビデオカメラなど http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/2841.html ・バンダイチャンネル、機動戦士ガンダム SEED をブローバンド向けに再配信 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2898.html ・Avid、ビデオ編集ソフトの「無償版」公開 http://www.zdnet.co.jp/products/0310/08/ne00_avid.html ・CG のシャボン玉を現実空間に飛ばせる"複合現実感"の体験イベント http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/09/728.html ・インテルが掲げるデジタルホームの実現とは http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/2881.html ・日本トイザらス、ベビー用品店の出店加速 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031011AT3K1100K11102003.html ・橋下弁護士、生放送中に突然の降板宣言 http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-031013-0005.html ・天国へ届け! 新旧モー娘。涙の「LOVEマシーン」 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200310/gt2003101301.html ・携帯で「バウリンガル」 ボーダフォンが新サービス http://www.zdnet.co.jp/mobile/0310/16/04.html ・ボーダフォン、オートフォーカス対応 202 万画素 CCD 搭載の「V601SH」 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16057.html ・FM 多重放送を利用した CDDB 配信サービス、2004 年春スタート http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031016/cddb.htm ・2ちゃんねる、ドメイン登録サービスに進出 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/16/786.html ・【インタビュー】これからの Amiga を Amiga CTO に訊く(1) (2) http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/16/05.html http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/16/06.html ・立花隆氏が説く「電子書籍のゆくえ」 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0310/16/lp14.html ・麻生総務相がデジタル化投資の追加支援に否定的見解,民放大会で表明 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNM/NEWS/20031017/1/print.shtml ・解説:デジタル地上波音声放送が始動,飛躍のシナリオを描けないラジオ業界 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNM/NEWS/20031017/3/print.shtml ・新しい iTunes は Apple を救わない? - 128 - http://www.zdnet.co.jp/news/0310/17/cead_coursey.html ・アップル、iTunes for Windows の説明会を開催 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031017/apple3.htm ・広がる草の根ネット新聞 市民が記者、生活者の視点で http://www.asahi.com/national/update/1014/001.html ・IT バブル再来か---カカクコム異常人気の背景 http://japan.cnet.com/column/market/story/0,2000047993,20061373,00.htm ・米マイクロソフト、音楽ダウンロードで訴えられる http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061382,00.htm ・復活!農村歌舞伎 http://webnews.asahi.co.jp/you/special/frame2003/frame_20031013.html ・新たなサービスの評価 第 3 回 改めて問われるゲーム機開発の方向性 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20031014c3000c3 ・日本レコード協会に加盟の 24 社、ネット上で最大 7 割引の廃盤 CD セール http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/15/762.html ・なんばパークス、1 週間で 139 万人 http://mbs.jp/news/local/html/20031015a03.html ・マクロ経済からみたコンテンツビジネスの現状と展望 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031014s2000s2 ・映像資料をデジタル化して図書館にインターネット配信する「ELIB」 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2926.html ・山口百恵プレイバック http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/special/sp03101001.htm ・欧州のシリコン・バレー"ソフィア・アンチポリス"は欧州ハイテクの宝庫 http://www.zdnet.co.jp/survey/0310/15/svn07.html ・DG とセルシス、マンガを使ったコンテンツビジネスで協業 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16113.html ・浜野保樹の「日本発のマンガ・アニメの行方」 第 4 回 アニメーションは実写に ──日本のアニメは、3D に移行するのか http://www.hotwired.co.jp/culture/hamano/031021/textonly.html ・特集:秋の夜長はイーブックで過ごす http://www.zdnet.co.jp/broadband/0310/20/lp20.html ・アビッド、DV 編集ソフト「Avid Free DV」を無償公開 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031020/avid.htm ・称賛から苦情まで-- iTunes for Windows への反応はさまざま http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20061483,00.htm - 129 - ・米 Apple, 「『iTunes for Window』 のダウンロード件数がリリース以来 3 日半で 100 万 件超に」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20031021/3/print.shtml ・アップル、日本語版「iTunes for Windows」の提供を延期 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/21/821.html ・オーディオ機器へ音楽を直接配信するサービス「エニーミュージック」 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2973.html ・Wi-Fi と音楽配信が米国で盛り上がる二つの理由 http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/000766.html ・CD著作権管理委託、申請手続きを電子化 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031019AT1D1708V18102003.html ・鬼束ちひろが歌うJR西日本「いい日旅立ち」 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200310/gt2003101803.html ・「マトリックス」はやっぱり「レボリューションズ」で完結 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200310/gt2003102102.html ・ベスト電器、ブロードバンドカフェを展開 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031020AT1D2007820102003.html ・「授業中はヒマだからゲーム」──「情報」必修化と"教室内デジタルデバイド" http://www.zdnet.co.jp/news/0310/20/nj00_pken.html ・次世代智民の展望、日本の場合(2) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_10/2003_10_02.html ・<京都>「時代祭」行われる http://mbs.jp/news/local/html/20031022a02.html ・ "紙の域"に達した? 電子ブックビューワーΣBook、試用中 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0310/22/lp07.html ・シャープ、CDMA 1X WIN 向けに電子書籍フォーマットを提供 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16139.html ・『マトリックス レボリューションズ』特殊効果監修者インタビュー (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031022201.html ・ローカル局を生かす真の「地域性」 デジタル放送の課題 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200310/22/1.html ・「PSP より一足先に」――GBA で動画再生、am3 が新サービス http://www.zdnet.co.jp/news/0310/24/nj00_am3_gba.html ・米アマゾン、書籍の全頁検索サービス「Search Inside the Book」を開始 http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20061594,00.htm ・「NHK には負けない」 :ライブ!ユニバース、南極の皆既日食をネット中継 - 130 - http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000047668,20061592,00.htm ・電子書籍のキーマンが語る、今後の構想 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0310/24/lp16.html ・日本人と iTunes http://www.zdnet.co.jp/news/0310/27/cjad_kodera.html ・【書評】 「ららら科學の子」 矢作俊彦著 http://www.sankei.co.jp/news/031026/1026boo022.htm 9)2003 年 11 月 議 事 要 旨 ①家庭用ゲームと携帯電話のゲームの利用状況 ⅰ マルチメディア祭で来場者に質問したところ、 ・ゲーム機は持っているけれど、やらない。 ・ケータイではゲームしている。 ・無料のゲームばかりやる。 という人が多数であった。 ⅱ 理由は、ゲームをやるまとまった時間がとれないから?5 分・10 分でできる携帯 のゲームがちょうどよい。 ⅲ ゲームへのハマリ方というのは、1)始めたい 2)続けたい 3)またやりたい の 3 要素の総和であるが、日本のゲームは、2)向けの要素が大きい。 1)の要素に ついて、日本のゲームは学校を舞台とした外部ネットワーク性に依存してきたの ではないか?「みんながドラクエやっているからやる」など。 ⅳ 携帯のゲームは、とにもかくにも、手軽さ、身近さで、始めるだけは始めてしま える。 ⅴ ゲームの収益構造を見直さなければならないということではないか?作品を作っ て、それを売ってオシマイというのではなく、多メディア展開や、二次利用、版 権収入など、最初のリリースでは赤字でもじっくり回収するスキームを確立する 必要があるのでは。 ②知財本部コンテンツ委員会の議論内容〜人材育成について ⅰ 知財本部コンテンツ委員会にて、 ・コンテンツ大学院整備。 ・プロデューサー、ディレクター、エンタメロイヤー育成。 ・コンテンツ研究機関整備。 といったことが討論されていた。 ⅱ そこで出ていた意見の中でもポイントとなるものは、 ・誰が教えるのか、人材の受皿をどうするか、海外からの受け入れについて。 ・広大なアマ層の養成、ともにアジアと学ぶ姿勢が重要。 - 131 - ⅲ プロデューサー、ディレクター、エンタメロイヤーなどの育成において、重要な のは Education(教育)か、Training(実地研修)か? ⅳ Training(実地研修)がすばらしくても、Education(教育)が充実しないとオ ペレーターから抜き出ることは難しい。 ⅴ 「エンタメ業界では、教育で人材は育たない、OJT でないと育たないという人が 多い。が、教育がなされることによって優秀な人材が生まれる確率が高くなる」 との意見あり。 ⅵ コンテンツ関連の人材育成では、学校教育と産業界での人材ニーズ・人材育成の 乖離が問題になる。 ⅶ コンテンツのみならずどんな産業でも、「学校は仕事を教えるところではない・ 仕事は学校では教われない」ということが言われるが、仕事のしくみを分析して 学問体系化すれば教えることは可能。 ⅷ コンテンツ分野でも、マニュアル的な教科書を作ればプロデューサー、クリエイ ター、目利きの少なくともアシスタントは学校で必ず養成できる。また、いい学 校にはいい生徒が集まってきて、競争関係の中でプレゼンが上手になるというメ リットもある。 ⅸ コンテンツの産業界では、会社ビジネスからプロジェクトビジネスに移行してお り、個人で動くことが多いので、会社による人材育成ではなくユニオン的な育成 機関が必要とされてきている。 ⅹ 日大芸術学部などがコンテンツ業界への人材提供に関して一定の役割を果たして はいるが、そこで教えられるのは「作る側の論理」であって、受け手を満足させ るサービスを提供するという視点に欠けている点が、現場の意識との乖離の原因 か? xi みんなが面白いというものを敏感に察知することや、それを具体化することを専 門に勉強する学校「発想スクール」のようなものができないか。 xii プロデューサーはクリエイターとは違い、学校→OJTの教育が効果的。アニメ や映画の専門学部でなくとも、法学部で知的財産、出資関係法、商学部でファン ドと簿記など、横断的に学んできた学生であればスタートできる。 xiii 人材育成策など、コンテンツ産業振興が進められることは良いことであるが、 コンテンツ市場を儲けの場としか考えていない人が多くなることは、本当に儲か る市場にするためには危ういことではないか? xiv 「本当に儲かる市場」を作るためには、短期的な利益追求の価値観だけでなく、 やはり倫理観とか情熱とかポリシーが必要。 ③アジアの状況について ⅰ 知財本部コンテンツ委員会で出た、「広大なアマ層の養成、ともにアジアと学ぶ - 132 - 姿勢が重要」との意見について、人材育成という点で北京やシンガポールなどア ジアの目は、文化とデザインでは欧州、エンタメとハイテクでは米州に向いてお り、日本が過度にアジアを志向すると空回りする恐れがある。 ⅱ 中国について ・中国の文化産業担当によれば、人材育成以前に教育者自体が絶対的に不足して いるらしい。また、ビデオアートなど国際的な評価を得る人材のいる分野もあ るが、それらは輸出によって成立している分野であり国内での認知度が低く、 そういったアーティストが国内コンシューマー向けのコンテンツ教育に携わる には難しい状況である。 ⅲ 韓国について ・韓国では教育の場でも 350 を超えるコンテンツ関連学科があり、映画をビジネ スとして政策出費しているが、その国の姿勢がシーンの活気や作品にも現れて いるように思う。 ⅳ 香港について ・京都の映画撮影所で大リストラが起こったときに職を求めて技術者が大挙して 香港に渡り、中国人名で活躍したことでレベルの飛躍的な向上がなされたとい う歴史がある。こういった人材の流動性が香港の魅力。 ⅴ その他 ・日本も、「文化としての映画の火を」という文化庁的な支援ではなく、成長分 野支援としての経産省的な支援の方が構造改革のためにもよいのでは? ・アジアの映画の特徴に、ビジネスとしてやりながらも、全ての従事者が仕事へ の愛と深い理解とポリシーを持っているという点があげられる。 ④ポピュラー音楽の教育 ⅰ 大学の音楽学部では、メジャー音楽シーンで活躍できるような人材の育成がなか なか難しい。 ⅱ 最先端の機器の個々のマニュアル本は存在するが、それらをスタジオでどう関連 付けて商品をつくるのかといったことを教える教科書も存在しない。 ⅲ アメリカのジャズに関する研究、山下洋輔のブルーノート研究、佐藤良明のJ− POP進化論など、優れたものであるが、断片的なものであるような印象もある。 ⅳ 大学で横断的な教育が難しいのは、指導者が次々と発明されるソフト、ハードな どの新しい方法についていけなくなること、指導内容が学部専攻ごとに細分化さ れ、専門化されすぎることで、プロとして必要とされる幅広いスキルが身につか ないことなど。 ⅴ メジャー音楽シーンに通用する音楽教育手法について海外含め 200 人のプロミュ ージシャンにインタビューした結果、 「耳コピー」が共通の答えであった。 - 133 - ⑤ 5. 8 セ ン チ CD シ ン グ ル の 売 上 増 ⅰ レコード協会の生産実績統計によれば、8 センチ CD シングルが 7 月以来 4 ヶ月 連続前年同期比 2 ケタ増産。 「お菓子のおまけ」が貢献しているとのこと。 ⅱ 「おまけつきお菓子」のマーケットがどんどん高齢化している。 ⅲ なつかしのレコードを再現した「おまけつきお菓子」のマーケットは 40〜50 代 中心。 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・SIGGRAPH2004 日本語訳を公開 http://www.cgarts.or.jp/s2004/ ・日本アニメに対する批判記事『日本アニメ文化に潜む「かわいさ」と「恐ろしさ」 』 http://news.msn.co.jp/386285.armx ・アカデミー賞がノミネートの可能性のある長編アニメを発表 http://www.oscars.org/press/pressreleases/2003/03.11.19.a.html ・「萌える英単語 もえたん」が大ヒット http://www.moetan.jp/moetan.html ・バーチャルタレントカンパニー「キムスネイク」 http://www.kimsnake.com/ 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・「デビルマン」映画化、サップも出演 http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-031031-0002.html ・コレガ、プレイステーション 2 と接続可能なワイヤレスキット http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3125.html ・楽天、 「楽天広場」の日記を他サイトに掲載できるサービス開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/31/972.html ・ジー・サーチ、翌日発売の雑誌情報をメールで配信 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/30/954.html ・au、着うた・着ムービーの無料ダウンロードキャンペーン http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16266.html ・レコード業界に音楽使用料を支払う世界初のブロードバンド ISP が英国に http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/30/952.html ・アップル、iTunes for Windows を公開 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031031/apple.htm ・ブロードバンド回線は 1226 万契約 〜総務省 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0310/31/lp10.html - 134 - ・世界で 2002 年に新たに作り出された情報は 5,000,000TB http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/foreign/2003/10/30/401.html ・最近若者の間で流行している「アンティーク着物」 http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00041236.html ・ホラー映画の魅力 小中千昭著 http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20031102ii08.htm ・HDTV番組の海賊版防止へFCCが規制導入へ http://www.asahi.com/english/svn/TKY200310310177.html ・世界の電話利用 携帯が固定を抜く http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/10/31/news_day/f6.html ・宇多田「UTADA」で来春世界デビュー http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-031101-0002.html ・デジタルデバイドは必ずしも解消に向かっていないとの米 AMD 報告 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/30/964.html ・TV アニメビデオ化時の「声」の 2 次使用料支払い訴訟 音声制作会社に支払い命 じる判決 http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00041278.html ・電子ブック端末は薄く、軽く〜東芝 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/05/lp18.html ・ソニー・BMG、デジタル時代に追われた統合 http://www.zdnet.co.jp/news/0311/07/ne00_bmg.html ・米 Penn State 大学が Napster と契約、学生に音楽を無償で提供 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/07/1038.html ・「ご一緒に音楽ダウンロードはいかがですか」--米マックと Mac メーカーが提携? http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20061831,00.htm ・iTunes、Napster が 1 週間に販売した曲数の 5 倍にあたる 150 万曲を販売 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/07/1044.html ・米 Speedera とソフトバンク・ブロードメディア、日本市場向けのコンテンツ配信 サービスで提携 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20031107/10/print.shtml ・全米約 140 万世帯で保存していた音楽ファイルを削除〜米 NPD 調査 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/07/1047.html ・書店から脱皮するアマゾン、日本進出 3 周年でチャン社長会見 http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20061821,00.htm ・「なんばパークス」1 ヵ月で来場者数 350 万人 http://mbs.jp/news/local/html/20031107m04.html - 135 - ・アットマークテクノ、P2P 型ネットラジオ受信機「PeerGarden」を開発 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/07/1043.html ・教員の指導力、運用面に課題 教育現場のウェブフィルタリング http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200311/05/1.html ・東北新社がクリエーター育成強化、HD技術用い短編映画制作 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031103221226-TRQHXEBHHC.nwc ・J-COM、12 月から地上デジタル放送の再送信を開始 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031112/jcom.htm ・日本レコード協会、レコード産業の EDI を本格的に運用開始 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061948,00.htm ・インターネットに押されるポルノ雑誌業界 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20031113107.html ・携帯電話でサッカー情報配信 イオレの吉田直人社長 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200311/13/1.html ・ソニーや講談社など 15 社、電子出版の新会社を設立 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/13/1130.html ・住友商事とイーブック、電子書籍コンテンツの海外展開で資本・業務提携 http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20061950,00.htm ・[WSJ] Wal-Mart、ロープライス音楽サービス提供へ http://www.zdnet.co.jp/news/0311/13/xedj_walmart.html ・パイオニア、世界初の VJ 用 DVD プレーヤーを来春に投入 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031113/pioneer1.htm ・VGS 向け「ボーダフォンライブ!」が 12 月 1 日スタート、着うたも配信 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16428.html ・Kazaa、P2P ネットワーク上で世界初となる映画販売を開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/13/1113.html ・バンダイとマイクロソフト、アニメ配信のグローバル展開について提携 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/13/1118.html ・CLMI、IT 系出版社 9 社 54 誌の記事を自社サイトで公開できるサービス http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/18/1165.html ・米マイクロソフト、来年にも独自の音楽ダウンロード販売を開始 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062053,00.htm ・ドコモと文化放送、FOMA ネットワークでラジオ中継を可能に http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16460.html ・韓国のポータルサイト・ネットゲームを日本流にローカライズ http://it.nikkei.co.jp/it/busi/enouesai.cfm?i=20031114c1000c1 - 136 - ・韓国・ソウルのデジタルコンテンツの展示会 DICON2003 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/13/lp15.html ・「韓国でも、P2P には困ってます」 〜韓国文化コンテンツ振興院 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/13/lp14.html ・メガドライブのゲームソフトを PC に移植。セガが配信サービス開始 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/14/lp06.html ・【書評】 「ポップカルチャー 若者の世紀」切通理作著 http://www.sankei.co.jp/news/031116/1116boo018.htm ・日本プラモデル興亡史 井田 博著 http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20031116ii13.htm ・地上デジタル試験放送スタート http://mbs.jp/news/local/html/20031116m02.html ・再び拡大するネット広告市場 http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200311/14/1.html ・〜「著作権と P2P」シンポジウム in SFC 報告〜 http://japan.cnet.com/news/pers/story/0,2000047682,20061708,00.htm ・IT 企業に厳しい欧州の著作権法 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062005,00.htm ・「PSX」の足りないトコロ、足せるトコロ http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/14/lp07.html ・「ガンダム」たちの生かし方、敗戦処理で学ぶ 高須 武男さん バンダイ社長(5 8歳) http://www.be.asahi.com/20031115/W11/0019.html ・『iTunes』のプレイリスト共有機能で問われる音楽センス http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031114204.html ・iTunes で MP3 ファイルのダウンロード可能に--著作権侵害の懸念も http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20061984,00.htm ・米マクドナルド、こども向け商品に着手 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20031114AT2N1300514112003.html ・南カリフォルニア大学がゲームを副専攻課程として認定 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031117205.html ・次世代 音楽メディア http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/11/18/tokushu/o1.html ・オンライン立ち読みはどこまで許されるか? http://japan.cnet.com/news/pers/story/0,2000047682,20062056,00.htm ・テレビ映像のネット配信を模索 トレソーラの原田敏明社長 - 137 - http://www.mainichi.co.jp/digital/coverstory/archive/200311/20/1.html ・インターネットによって変容する報道 前川 徹 富士通総研経済研究所主任研究 員 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031117s2000s2 ・マルチメディアフレームワークの全体像を描く MPEG-21 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/21/1227.html ・森山和道の「ヒトと機械の境界面」 2003 国際ロボット展レポート http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1121/kyokai17.htm ・御堂筋で初の歩行者天国 〜大阪・中央区 http://mbs.jp/news/local/html/20031123e01.html ・タイム・ワーナー、26 億ドルで音楽事業売却・FT紙 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031124AT3K2400K24112003.html ・ゲームソフト販売のデジキューブ破産、負債総額 95 億円 http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200311260302.html ・小学生の 9 割がネットゲーマー? デジタル機器所有状況調査 http://www.zdnet.co.jp/news/0311/26/nj00_shogakukan.html ・ワシントンポストとナイトリッダーが、ソーシャルネットワーキング企業に出資 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062244,00.htm ・RIAJ、全国 1,200 の大学に音楽の不正利用防止を呼びかけ http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031126/riaj.htm ・1 年以内に日本向けに Napster 事業を開始する〜Napster 社長 Bebel 氏 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/25/1246.html ・米上院、CAN-SPAM 法案を可決 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062241,00.htm ・新たな IE はポップアップ広告のバブル崩壊につながるか? http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062189,00.htm ・GMO と電通、ネットナンバー活用のウェブアクセス技術を共同開発へ http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/26/lp13.html ・身の回りの情報、収集源は折込チラシとネット〜ジェイ・キャスト調査 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/26/1265.html ・地上デジタル放送はどこへ向かうのか? http://www.internetclub.ne.jp/EASY/20031125.html ・日本の「クリエイティブ・コモンズ」の可能性 http://www.hotwired.co.jp/matrix/0311/textonly.html ・期待される日本版メディア・スクールの実現 今川 拓郎 情報通信政策研究所主任 研究官 - 138 - http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031125s2000s2 ・ティーブ・ジョブズ、 「銀座で"待ち伏せ"」 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062271,00.htm ・アップル、音楽配信サービスを日本でも 04 年にも開始 http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200311270393.html ・米 CNET、MP3.com でインディーズ作品を提供へ http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062276,00.htm ・NTT 東西、ディズニーキャラクターをデザインしたルータ http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3401.html ・ノキア、画像を身に付けるデジタルアクセサリー発売 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16622.html ・森山和道の「ヒトと機械の境界面」 未来の車は多足多輪? http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1127/kyokai18.htm ・デジオン、5.1 チャンネル DVD-Audio が作成できる民生用ソフト http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/27/1281.html 10)2003 年 12 月 議 事 要 旨 ①ウェアラブルコンピュータ ⅰ cube-f、ウェアラブル・コンピュータの未来探るファッションショーを開催。 ⅱ 96-98 年にはノート PC を背負って使用する「着るコンピュータ」などのプチブ ームがあった。そのころ MIT メディアラボがキーボードとスピーカーつきジャ ケットなども作っていた。 ⅲ 結局トレンドは、「コンピュータを着る」方向ではなく、「手のひらに収まる携帯 電話」という方向に集約されていった。 ⅳ ウェアラブルの中で HMD(head mount display)は、製造中止になったものが 多い。理由は、 「目が疲れる」 「以外に臨場感がない」といったものか。 ⅴ HMD などに較べると携帯電話の延長のウェアラブルは可能性がありそうだ。 【参考】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・Thad Starner の Web http://www.cc.gatech.edu/fac/Thad.Starner/ ・マイクロオプティカル社 http://www.microopticalcorp.com/ ・ハンディキー社 http://www.handykey.com ・メディアラボウェラブルページ - 139 - http://www.media.mit.edu/wearables/ ・テクノアライアンス社 http://www.technoalliance.co.jp/ ・マイクロオプティカルが眼鏡完全一体型ディスプレーシステム公開 http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20021009301.html ・眼鏡型ディスプレーで DVD を楽しむ日は近い http://www.hotwired.co.jp/news/print/20021205301.html ・Nokia Medallion I http://www.nokia.com/nokia/0,,43613,00.html ・エリクソン http://www.ericsson.com/press/img/mi-1.jpg ・オリンパス、眼鏡型ディスプレイ「Eye-Trek」 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20011010/olympus.htm ②クリエイターに対する賞賛・批判のバランス、批評の重要性 ⅰ 最近の学生は批評能力に優れた人が多いが、一方で代案を出したり、試作したり という「やってみる能力」がとても落ちているように思われる。 ⅱ 学生に限らず、世の中全体として、批判過剰になっているのではないか。 ⅲ 創作活動をはじめたばかりの、言わば"作り手幼年期"には、批評でも「ほめる」 方が重要で、「批判」が多くなると、作ることをやめてしまう。批判過剰はクリ エイター育成には良くないのでは? ⅳ しかし、適切な批判は作品クオリティの上昇に有効であるし、クリエイターのモ チベーションにもなる。 ⅴ これらの問題には、3 つのレイヤーがある。 ア) ア)は小さなコミュニケーションサイズで成立するもので、イ)はマスコミュニ ケーション空間で成立するもの。通常プロのクリエイターなども、それらを行 き来することでバランスを取る。 イ)ジャンルの発展のためには、理解に基づく批判や批評や評価が有効。 ウ)どんなことも発言する権利があるし、自分を知り社会を生き抜くためには、い ろんな意見にもまれる必要がある。 ⅵ ア)は小さなコミュニケーションサイズで成立するもので、イ)はマスコミュニケ ーション空間で成立するもの。通常プロのクリエイターなども、それらを行き来 することでバランスを取る。 ⅶ いずれにせよ、いいものを発掘してきちんと実力を評価するという批評の機能が 重要である。しかし現状ではそれがうまく機能する場が中々ないのも事実。 - 140 - ③村上隆の食玩が発売 ⅰ アーティスト村上隆の作品がオマケについた菓子が、首都圏で 10 種類×3 万個の 限定発売。 ⅱ NYクリスティーズのオークションで 5000 万〜6000 万円の値段を記録している 作品を、お菓子の「オマケ=無料」とするということは、これまでのアートの常 識を覆す事件である。 ⅲ さらに、食玩の説明書には「これはアートのスターターキットである」とあり、 推薦図書 3 冊が挙げられている。いわばこの説明書はアート入門書であり、それ が食玩の発売数と同じ分 30 万部も発行されていることなる。 【参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・「映画をマンガに大作戦!」 http://media.excite.co.jp/book/news/topics/057/ ・総務省デジコン 報告書とりまとめ http://www.ppp.am/digicon/ ・ラジカル鈴木さんのライブぺインティング http://www.t-shirts.jp/MVI_0120.AVI http://www.t-shirts.jp/MVI_0121.AVI http://www.t-shirts.jp/MVI_0122.AVI http://www.t-shirts.jp/MVI_0123.AVI ・「第 18 回デジタルコンテンツグランプリ」が決定 !! http://www.dcaj.org/d-con/con/mmgp/03announcement/index.htm ・日経 IT 時評 新しいコンテンツ政策のススメ 中村 伊知哉 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031218s2000s2 ・平成 15 年度文化庁メディア芸術祭賞 大賞ほか受賞作品が決定! http://plaza.bunka.go.jp/museum/ichiran_15.html 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・公共施設の管理・運営、民間企業委託広がる http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20031201AT1F3000330112003.html ・SME の音楽配信「bitmusic」が年内 2 万曲に拡充、価格も値下げ http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/01/1309.html ・横浜・みなとみらいに複合映画館、東映、東宝、松竹がプロジェクト http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031202205213-WBLXXWVUUP.nwc ・地上デジタル放送はじまる――テレビは生活習慣病?増田 幸弘 編集者 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031128s2000s2 - 141 - ・区域外再送信と地域メディアについての考え方 第 2 回 地域メディアの役割 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20031202c3000c3< ・HPもネット音楽販売参入へ ハイテク大手の競争激化 http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200312030364.html ・スクウェア・エニックス、小説家発掘コンテスト創設 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031203204020-PTDGZKGRTW.nwc ・P2P ユーザーを訴えた効果はあったか? http://www.zdnet.co.jp/news/0312/05/ne00_riaa.html ・解説:本番迎えたデジタル地上波放送,初期の普及役は NHK,民放は数年後 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNM/NEWS/20031205/2/print.shtml ・学校におけるインターネット活用を推進する NPO 法人「JAPIAS」設立 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/05/1384.html ・ホームレスの雑誌販売 その後 http://webnews.asahi.co.jp/you/special/frame2003/frame_20031204.html ・「ISP 料金に楽曲使用料上乗せ」の提案 http://www.zdnet.co.jp/news/0312/05/ne00_p2p.html ・「圧倒的じゃないか!」──ゲームボーイに Linux で目覚めた http://www.zdnet.co.jp/news/0312/06/nj00_gbaonlinux.html ・日経スペシャル「ガイアの夜明け」革命児の新たなる挑戦状 〜音楽ビジネスの常 識を破れ〜 http://bb1.tv-tokyo.co.jp/gaia/preview/bk20031202.php ・DVDレコーダー新機種続々、年末商戦過熱 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031207AT1D2200N06122003.html ・DVD バックアップソフト『DVD X COPY Xpress』開発元 CEO インタビュー http://ascii24.com/news/i/keyp/article/2003/12/06/print/647246.html ・【書評】 「ネットは新聞を殺すのか」青木日照・湯川鶴章共著 http://www.sankei.co.jp/news/031202/1202boo010.htm ・『スマートモブズ』を読む http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_02.html ・「価値の選択」を前提とした社会構想 鈴木健介(東京都立大学大学院博士課程) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_12.html ・スマートモブズ的活動は日本ではどう受容されているのか http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_09.html ・誰の意志で私は動く? http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_07.html ・『スマートモブズ』から読み取れてしまう暗い(?)未来 - 142 - 小笠原盛浩(東京大学大学院社会情報研究所修士課程) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_06.html ・リードの法則再検討とスマートモブズ 石橋啓一郎(GLOCOM 研究員) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_05.html ・『スマートモブズ』の読み方 公文俊平(GLOCOM 所長)石橋啓一郎(GLOCOM 研究員)庄司昌彦(GLOCOM 研究員) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_14.html ・「排除と囲い込み」の解体で築く新たな協力関係 ハワードラインゴールド著『スマートモブズ』について感じたこと 砂田薫(GLOCOM 主任研究員) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_25.html ・スマートモブズとは何か、そしてそのとらえ方 公文俊平(GLOCOM 所長)石橋啓一郎(GLOCOM 研究員) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_11/2003_11_02.html ・韓国、アメリカ、日本の周波数政策 土屋大洋(GLOCOM 主任研究員)庄司昌彦(GLOCOM 研究員) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_12/2003_12_20.html ・ローレンス・レッシグ氏 基調講演 無意味な規制を廃し文化の自由を守れ http://www.glocom.ac.jp/top/2003_12_04news.html ・経産省、アニメや映画の制作者育成支援 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20031208AT1F0600507122003.html ・サミー、セガの筆頭株主に〜CSK が保有するセガ株 22%強を売却 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/08/1405.html ・外資系化粧品、百貨店を席巻 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031208AT1D0303I08122003.html ・シーガイア・リゾート、35 億円で温泉など新設 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031208AT3B0800A08122003.html ・bk1 のランキングやおすすめタイトルを確認できる「bk1 Ticker」 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/09/1422.html 米 PayPal がデジタル音楽販売用の超少額決済サービスを開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/09/1410.html ・P2P でも有効なコンテンツ販売方法「Payshare」をスイス企業が発表 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/09/1409.html ・音楽ダウンロードの"適正価格"は? http://www.zdnet.co.jp/news/0312/10/ne00_music.html - 143 - ・TV番組コピーしネット配信、愛媛県警が家宅捜索 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031209AT3K0901809122003.html ・女性の 3 人に 1 人が携帯電話をのぞき見――米調査 (Hotwired) http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20031209104.html ・iPod と iTunes は「音楽業界を活性化させた」との市場調査報告 http://www.zdnet.co.jp/products/0312/10/ipod.html ・ファイルではなく権利を流通--新団体からコンテンツ課金の新機軸 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062703,00.htm ・デジタル音楽リスナーを狙った検索サービス登場 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062764,00.htm ・Fujisan.co.jp、雑誌取次大手の大阪屋と提携 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/11/1452.html ・インプレス、PC 解説書「できるシリーズ」の有料ダウンロード販売 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/12/1470.html ・区域外再送信と地域メディアについての考え方 第3回 広がりつつある地域密着 戦略 http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20031210c3000c3 ・悩ましい「テレビ・パソコン」の地上デジタル放送対応 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20031211/1/print.shtml ・BPO 番組評価の新基準を http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/12/11/news_day/f3.html ・ゲレンデ情報を 1 日 3 回更新する「全国ゲレンデまっぷ」 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3577.html ・KDDI、FTTH による映像配信サービス「光プラス TV」を開始 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0312/12/lp08.html ・ソニー、自社技術を活用した体験型ミュージアムをリニューアル http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20062747,00.htm ・ニフティ、Blog サービス「ココログ」を月額 250 円で広く提供開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/12/1468.html ・MTC、ぬいぐるみに内蔵するコミュニケーション装置 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16832.html ・総務相、ネット管理の「民間主導」を支持 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20031213AT2M1202413122003.html ・ソニー、ゲーム機能付きDVDレコーダーPSX発売 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031213AT1D1205913122003.html ・PSX、いよいよ発売 - 144 - http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1213/psx1.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1213/psx3.htm http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20031213/psx.htm ・第 137 回:予想外にイイ出来!? ソニー「PSX」 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031215/zooma137.htm ・短期集中連載:東大公開講座より〜「ゲームが人を暴力的にする」は支持されつ つある http://www.zdnet.co.jp/broadband/0312/15/lp14.html ・浜野保樹の「日本発のマンガ・アニメの行方」 第5回 アニメの手法で実写を撮 る http://www.hotwired.co.jp/culture/hamano/031216/textonly.html ・トレソーラ、延期の民放番組配信は 2 月から http://www.zdnet.co.jp/broadband/0312/15/lp05.html ・パソコン動画でお化粧チェック ソフト来月発売 http://www.asahi.com/tech/asahinews/OSK200312120038.html ・オンライン音楽ストアを簡単に始められるパッケージ型新サービス登場 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062817,00.htm ・ドコモ陣営も「着うた」開始 505 シリーズで下旬から http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200312150161.html ・伊で新メディア法案可決、首相のメディア支配強化 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20031215AT2M0302115122003.html ・テレビを見ながらネット利用が 7 割、NECがアンケート調査 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031216204319-XMXMEBBZUZ.nwc ・優秀な研究者はこども時代からのびのび勉強、文科省調査 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031216185835-TEHLWZGUFK.nwc ・スターオンライン、コンテンツ運用を 12 月 25 日に停止、サービス停止も http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3626.html ・米アップル、iTunes でのダウンロードが 2500 万曲を突破 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062826,00.htm ・ヤマハ、人の声を合成できる音源に対応した制作ツール http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16881.html ・米 Microsoft と米 Loudeye、音楽配信サービスの立ち上げサポート事業 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/16/1516.html ・TSUTAYA online、携帯向けに歌詞閲覧サービス http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16889.html ・寝てる間にやってくる「EZ チャンネル」って面白い? - 145 - http://www.zdnet.co.jp/mobile/0312/16/n_ezc.html ・NTT 東日本、光ファイバを使った業務用の多チャンネル映像配信サービス http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/16/1524.html ・NTT 東の「映像通信網サービス」は"波長多重なし"でスタート http://www.zdnet.co.jp/broadband/0312/16/lp20.html ・NTT Com、同人サークルを対象にオンラインストレージを無料提供 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/17/1546.html ・バーチャルペットがメッセージを届けてくれるウェブメールサービス http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/17/1538.html ・カナダの PtoP--ダウンロードは合法でも、訴訟はあり得ると音楽業界団体 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062889,00.htm ・ブッシュ大統領、CAN-SPAM 法案に署名へ--批判者は依然として納得せず http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062846,00.htm ・紀里谷氏が撮って宇多田が歌う「CASSHERN」 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200312/gt2003121701.html ・宇多田武道館ライブに応募 103 万通 http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-031217-0005.html ・マウスと共に生まれた WWW の起源――第 2 次世界大戦中までさかのぼる http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20031217/1/print.shtml ・NTT 東の回線使った"光放送",スカパー!子会社が 2004 年 1 月メドに開始へ http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/NEWS/20031217/137614/print.shtml ・スカパー、光ファイバを利用した映像配信サービスを総務省へ登録申請 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3645.html ・米アマゾンに宣戦布告か--米グーグル、書籍検索「Google Print」をテスト http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062963,00.htm ・アドビと日本オラクル、出版・印刷業界向けコンテンツ制作システムで協力 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062926,00.htm ・米アドビ、自前の電子書籍販売サイトをオープン http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20062928,00.htm ・デジタルガレージ、B フレッツを利用したオンラインビデオレンタル実験 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/18/1562.html ・カメラ付き携帯から更新できる画像・動画投稿サイト「モブログ」 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16927.html ・短期集中連載:東大公開講座より〜 ゲームのせいで日常的に「ゲーム脳」になる とはいえない http://www.zdnet.co.jp/broadband/0312/17/lp30.html - 146 - ・第 54 回NHK紅白歌合戦出場歌手 http://www.sanspo.com/geino/music/data/kohaku2003.html ・政府の IT 戦略本部、今後の政策の素案話し合う http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200312/18/1.html ・日販が全国の書店で雑誌の定期購読支援サービス http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031218195738-XQGMDIWHOQ.nwc ・サンリオ、ピューロランドのイベントを全国で実施 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031221AT1D1903M20122003.html ・ナムコが異業種に積極参入、ネットで旅行情報発信 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20031209221742-BECHRXXZVL.nwc ・デジタル写真をアクセサリーに http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2003/12/22/toretama/tt.html ・ホテルの客向けに映像配信する「Video Tank VOD net」 http://www.zdnet.co.jp/broadband/0312/22/lp07.html ・トランスコスモスと MS、有料ブロードバンドコンテンツ配給会社を設立 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/19/1576.html ・倉木麻衣さんのCD製作会社、1億 9000 万円の申告漏れ http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031220NTE2IEC0520122003.html ・米 Wal-Mart,音楽ダウンロード・サービスの試験運用を開始,1 曲 88 セント http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20031219/6/print.shtml ・米アマゾン、米ウォルマート、オンライン音楽配信サービスが秒読みに http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063012,00.htm ・米連邦控訴裁:「RIAA の訴訟戦略は違法」 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063049,00.htm ・最強ハッカー、K・ミトニックが新刊執筆へ--ハッカーたちから経験談を募集 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063070,00.htm ・はてなダイアリーをカスタマイズしたメルマガ発行者向け「melma!blog」 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/19/1577.html ・エッジ、Blog サービス「livedoor Blog」を正式に開始 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/19/1575.html ・新しい検索エンジン登場 http://www.asahi.com/english/svn/TKY200312160175.html ・凸版、1X WIN 向けにコミック中心の電子書籍サイト http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16995.html ・KDDI、AAC で「着うた」高音質化 http://www.zdnet.co.jp/mobile/0312/24/n_aac.html - 147 - ・インデックス、テレビを利用した映像コンテンツ配信事業を強化 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063167,00.htm ・オランダ最高裁、Kazaa の配布行為を合法と認める http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/24/1592.html ・DVD コピーツール作者、控訴審でも無罪判決 http://www.zdnet.co.jp/news/0312/24/ne00_dvd.html ・[DJ] デジタル音楽サービスに「もはや独占の懸念なし」 http://www.zdnet.co.jp/news/0312/24/xedj_doj.html ・ネットゲームの中央サーバー回避技術を開発する自由を求めて提訴 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/24/1598.html ・なぜか日本よりゆるいアメリカのデジタル TV コピー規制 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1226/high36.htm ・いまどきの中国ネットカフェ事情をレポート 〜チャットやネットゲームが浸透 http://internet.watch.impress.co.jp/static/others/travel/1226/ ・国内の FTTH 加入者が 80 万件を突破〜総務省調査 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3764.html ・米国情報通信放送の「終わりのない物語」谷脇 康彦 在米日本国大使館参事官 http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031224s2001s2 11)2004 年 1 月 議 事 要 旨 ①インターネットでの音楽利用 ⅰ インターネットでの音楽利用について、日本では著作者の送信可能化権が制定さ れており、実演家や製作者(レコード会社)の許諾が必要。 ⅱ インターネット配信について、市場や使用料金などの環境が整っていないため許 諾は得にくい。 ⅲ レコード会社直のサイト以外では音楽を楽しむことができないという状況と最近 の音楽市場の収縮とは相関があるのではないか? ②お笑いブーム ⅰ 70 年、80 年のブームと比べて、かなりクリエイティブな層がこの分野に参入し ている気がする。 ⅱ ドロップアウトが流れてくるのではなくて、皆が目指して突破してくるジャンル になった。 ⅲ 日本で一流と言われる人にお笑いが多くなったのは 80 年代から。 ⅳ 最近のお笑いはスタイルが多様。 ⅴ ダウンタウンはすごくエポックだった。彼らのコントの中には現代アート作品に - 148 - そっくりなものがたくさん。 ⅵ 笑いは一目見てわかるもの、「瞬間完全理解」。これがその他の分野、例えばアー トにとっても大事ではないか。アート作品を見て、もっと笑っていいのではない か。 ③音楽制作者個人の著作隣接権について ⅰ レコード製作者が持つ「原盤権」は業界慣習上、法人格が有する。 ⅱ しかし法律上は、個人にも法人にも開かれている。 ⅲ 現在、個人レベルの投資でも法人経営スタジオを凌駕できる設備を整えることが でき、原盤の固定もハードディスクで行う。 ⅳ プロとアマチュアの機材の垣根が無くなった結果、インディーズの勢いが増して いる。 ⅴ 自宅スタジオで作曲、打ち込み、録音、ミックスダウン、マスタリングまでやり 原盤固定する音楽家は増加の一途なのに彼らは実演家やレコード製作者として認 知されていないのが現状。 ⅵ そういったインディーズも、必ずしも組織化したり独自の団体を構成しなくても 実演家やレコード製作者として二次使用料の分配を受けることができる。 ⅶ 海外、とくにダンスミュージックでは個人が原盤権を持っている例は多い。 ⅷ しかし、製品をどう宣伝し流通させていくかというのは、依然として個人ではな かなか難しい問題。 ④PS2用ソフト「くまうた」 ⅰ 「自分が師匠となりクマに演歌を教えるゲーム」 http://www.playstation.jp/scej/title/kumauta/ ⅱ 「自分の好きな音楽ジャンル」だと、つい楽曲の悪い点に目がいってしまってみ んなケチをつけがちになるが、演歌だと、ほとんどの人がどんなものか知ってい て楽しめる。 ⅲ 「作詞のみで OK」という点が間口を広げている。 ⑤CDのジャケット ⅰ 将来音楽流通が CD から配信に変わったら、ジャケットはどうなる? ⅱ 例えば中身いくら、パッケージいくら、と別売りにしたら、パッケージ&ライナ ー買う人は何%くらいいるだろう? ⅲ データのみでジャケットがないと、楽曲の管理が難しい。「track1」などという タイトルばかりがプレイリストにならぶ。 ⅳ ハウスやテクノでは黒一色、白一色のジャケットで文字のみという記号化がずっ - 149 - と続いていて、一時はそれがカッコイイという流れもあったが、おかげで Napster 以降の P2P で音源が手に入るという状況の影響を大きく受けた。 ⅴ 小ロットの CD を製作販売する場合、ユーザーが特に希望しないなら印刷物は PDF ファイルで無料ダウンロードサービスという手法はある。(印刷コストと流 通コストの削減により商品の低価格化が可能) ⅵ 音楽ソフトの主流が SP レコードだったころには、ジャケットそのものがなく、 曲名や歌手名がラベルに直接印刷されているだけだった。実は、アルバムという 考え方や、ジャケットが普及してからまだ 50 年しかたっておらず、今のアルバ ムという形も「音とパッケージの関係」の変化の過程である。 ⑥韓国におけるマンガ海賊版出版の問題 ⅰ 韓国における日本マンガの海賊版出版の問題が深刻である。 ⅱ 民事訴訟を起こせば勝てる可能性は高いが、その解決法では民間の出版社はコス ト的に割が合わない。 ⅲ 現地で海賊版より高品位で安い正規版が素早く出れば海賊版は出なくなる。 ⅳ 紙の本にこだわっている限り、印刷・製造コストの安い地域では、海賊版はなか なか防げないが、オンラインであれば、被害を避けられる。 ⅴ その他の解決法としては世界同時発売がある。映画を見てもそうなように、日本 で受けたら外国でも出そう、というやり方はすでに通用しない。 ⅵ あらゆるコンテンツ商品がワールドワイドなプリセールを必要とする時代になっ ているのではないか。 【その他参考リンク】*リンク切れの場合はご容赦下さい。 ・インド映画のオンライン配信、2004 年スタートへ http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063384,00.htm ・トヨタも二足歩行ロボを開発 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20031230AT1D2904C29122003.html ・ノートPCのケースを試作 シャープ 西陣織の生地を使う http://www.kyotonp.co.jp/kp/topics/2003dec/30/W20031230MWA2K1B0000045.html ・TUBEのライブTV中継、韓国が日本文化 4 次開放 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031231AT3K3101131122003.html ・女デーモン冨永愛、夢はハリウッド進出? http://www.sanspo.com/geino/top/gt200312/gt2004010107.html ・大阪・天王寺公園 "青空カラオケ" 再開 http://mbs.jp/news/local/html/20040102e01.html - 150 - ・角川が映像専門の販社設立、DVDなど自社販売に http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20040103AT1D2603U02012004.html ・吉本興業、 「なんば花月」地下に笑いのテーマパーク http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20040103AT1D3000F02012004.html ・ADSL利用、全体の 41.7%に http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20040103AT3K0201W02012004.html ・水木しげる記念館、妖怪パワーで 20 万人突破 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040104AT3K0400S04012004.html ・辻&加護がモー娘卒業!2 人で新ユニット http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-040104-0002.html ・CD は株券ではない〜菊地成孔の今月の CD レビュー&売上予想 http://www.bounce.com/article/article.php/1096/ALL/ ・ソニー対マイクロソフト:ゲーム市場をめぐる巨人の戦い http://japan.cnet.com/news/special/story/0,2000047679,20063443,00.htm ・紙の辞書離れ、出版業界悩む http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040105AT3K0401J04012004.html ・氣志團武道館公演、綾小路は 42 歳? http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/f-et-tp0-040104-0018.html ・IPA、特別認可法人から独立行政法人に改組 http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2004/01/05/977.html ・ラジオたんぱ、P2P 技術を応用したインターネットラジオの実証実験 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3775.html ・大日本印刷、2 次元コードで携帯とデジタルテレビ放送の連動サービス http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/17048.html ・T・バーナーズ・リーに爵位授与 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063473,00.htm ・北米国際自動車ショーでトヨタ「プリウス」がカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ る http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00044069.html ・スティーブ・ジョブズ、コンテンツ産業の未来を語る http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/000944.html ・地方発!「おもちゃ王国」成功の秘密 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2004/01/13/tokushu/o1.html ・モバイルクロスオーバー http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0401/13/news001.html ・DVD ハッカーへの無罪判決は著作権法の強化を加速するか - 151 - http://japan.cnet.com/special/story/0,2000050158,20063587,00.htm ・大学発ベンチャーが 1 年で 190 社増加 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20040113195329-QSDIZIFPIA.nwc ・コピープロテクト CD に影を落とす楽曲ライセンス問題 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0401/14/news027.html ・Gracenote、電話に曲を聴かせて曲情報を取得するシステム http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/17192.html ・「MSN ニュース」と「Mainichi INTERACTIVE」が 4 月に統合 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/15/1762.html ・ヤマハ、インターネットから楽曲を直接ダウンロードできるエレクトーン http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3912.html ・ヤフーと ACCS、Yahoo!オークションの著作権侵害出品の削除で提携 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/15/1766.html ・ヤフーvs グーグル--検索エンジンの覇権争いは新局面へ http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063704,00.htm ・平均的ネットユーザーは「オタク」ではない http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0401/15/news056.html ・時計も、もういらない?〜「携帯電話で時間を見る」が 8 割超える http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0401/15/news058.html ・さすらいのホームレス・ハッカー、連邦検事との司法取引に応じる http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20040114206.html ・NHK がインターネットによる番組配信サービスなどの概要を明らかに http://www.rbbtoday.com/news/20040116/14809.html ・中国のインターネット利用者、日本を上回る http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0401/16/news053.html ・[ひと]京極夏彦さん=「後巷説百物語」で第130回直木賞 http://www.mainichi.co.jp/eye/hito/art/040116M077_0303101E10DC.html ・首相、 「情報通信省」創設を指示 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20040117AT1E1601U16012004.html ・「浅草花やしき」経営会社 RCCが更生手続き申し立て http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2004/01/19/news_day/f5.html ・ボーカロイドのウェブ http://www.vocaloid.com/ ・『LOLA』+『LEON』のデモのあるウェブ http://www.crypton.co.jp/jp/ep/mpx/ ・@nifty、中古ゲームソフト約 5,000 タイトルの販売サービスを開始 - 152 - http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/21/1811.html ・急成長する中国ネットゲームビジネス、その現状と今後 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0401/16/news036.html ・中国オンラインゲームビジネスを支えるプリペイドカード http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0401/21/news062.html ・[WSJ] 任天堂、2 画面の携帯ゲーム機「ニンテンドー・ディーエス」発売へ http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/22/1831.html ・沖電気・学研・JR四国子会社 ブロードバンドで教材を配信 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2004/01/22/news_day/f2.html ・はてな、 「はてなダイアリー」を書籍化できる有料サービスを開始 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/3986.html ・SCO、世界規模での知的財産ライセンスプログラム http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/23/1838.html ・朝日新聞、パソコンで新聞を購読できる海外向けサービス http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/4005.html ・「23%がデートの誘いにメールや IM を使う」--米社調査 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20040123/11/print.shtml ・"1 セグメント放送"が抱える課題と期待 http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0401/23/news067.html ・米 Time Warner Telecom,シェラトン・マウイ・ホテルに光ファイバの音声/デ ータサービスを提供 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20040121/12/print.shtml ・NEC、宇宙空間のバーチャル浮遊体験などができる「e 図鑑」サービス http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/4014.html ・NTT など 3 社、横浜市のみなとみらい駅に 500 インチ相当の大スクリーン http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/26/1862.html ・藤元健太郎の「ITビジネス原論」 第 5 回 知識流通ビジネスの夜明け http://www.hotwired.co.jp/altbiz/fujimoto/040127/textonly.html ・「Yahoo ニュース 動画ニュース」がテレビ朝日系動画ニュースを配信 http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/4023.html ・2004 年、放送業界の論点 第3回 フリーテレビとペイテレビ http://it.nikkei.co.jp/it/busi/column.cfm?i=20040127c3000c3 ・渡辺謙と「たそがれ清兵衛」が候補に アカデミー賞 http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200401280001.html ・知的財産権の調査体制整備・コンテンツ事業振興法案 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20040129AT1E2700S28012004.html - 153 - ・松下、電子ブック「ΣBook」を書店・ネットで発売 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/17387.html ・アスキー/エンターブレイン、角川グループ傘下へ http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/29/1914.html ・75%が「個人利用目的の音楽ダウンロードは罪にならない」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20040129/14/print.shtml ・絶好調ヤフーの舞台裏 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2004/01/29/tokushu/o1.html ・エレクトーンでネット? http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2004/01/29/toretama/tt.html ・バーテックスリンク、掲示板への書込制限機能を追加したコンテンツフィルタソ フト を発表 http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/security/2004/01/29/1231.html ・軽やかな芥川賞作家たち http://book.asahi.com/news/index.php?no=113 ・04 年はゲームソフト復活の年 大物ソフトが続々 http://www.jij.co.jp/print/article/art-20040129221755-WWSVAOYJWC.nwc ・ジェームス・ブラウンを家庭内暴力で逮捕、起訴 http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200401290021.html ・自由な文化のために ローレンス・レッシグ(スタンフォード大学ロースクール教授) http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2004_01/2004_01_02.html - 154 - 2.URL 集 *リンク切れの場合はご容赦下さい。 1)DJ ①大阪コドモ図鑑 「DJ コーナー」 http://village.infoweb.ne.jp/%7Efwiy7701/koe/dj.html ②クラブシーンにファンキーなロボット DJ が登場 http://www.hotwired.co.jp/news/news/20010530202.html ③ICC Report「ICC 子供週間」2000 年 3 月 22 日−4 月 2 日 ギャラリーA,D http://www.ntticc.or.jp/pub/ic_mag/ic033/html/182.html ④Musicman’s Relay 音楽評論家/DJ 大貫憲章氏「あくまで現場主義がモットー!」 http://www.musicman-net.com/relay/15/a_10.html ⑤Musicman’s Relay 音楽評論家/DJ 大貫憲章氏「クラブシーンの中でのロック」 http://www.musicman-net.com/relay/15/a_11.html ⑥ラジ DON 夏休み企画 子供 DJ&子供スキッピー「子供 DJ」 http://www.nbc-nagasaki.co.jp/main/radio/radidon/summer2002/ ⑦思わずノスタルジー…!? 子供の頃のアホな遊び http://www.mag2.com/wmag/news/hanatare.htm ⑧DJ 短期養成コース 「BIMC ニューヨーク音楽体験プログラムのながれ」 http://www.bimcnyc.com/program/program_dj.html ⑨recommended DJ com http://www.recommenddj.com/ 2)チャンバラ ①島本高雄のコラム「チャンバラ主義」 http://www.manglobe.net/contents/shimamoto/index.html ②今蘇る懐かしの大チャンバラスターたち http://www.chanbara.co.jp/jidaigeki.html ③ちゃんばら流フィールドワーク−ボクの研究歴から−(広瀬浩二郎) http://www.minpaku.ac.jp/study/hirose_koujirou/ ④スポーツチャンバラ http://www.pref.shimane.jp/section/sports/event/etc/03/ ⑤エコチャンバラ http://plaza.rakuten.co.jp/ecochanbara ⑥ちゃんばらざんまい http://member.nifty.ne.jp/fumisato/sub01.html ⑦ボーステック、i モード向けに「クターのチャンバラ」など追加 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/17087.html - 155 - ⑧忘れかけていたあの遊び http://www.cableone.ne.jp/~takeokit/st/play/mukasi.html ⑨小山の民俗Q&A 「Q23 昔の遊びにはどんなのがあるの?」 http://www.oyama-tcg.ed.jp/users/hk/minzoku/minzoku23.htm ⑩まぼろしチャンネル http://www.maboroshi-ch.com/ata/atv.htm ⑪JJポリマー成田優介の「スクリーンにポップ魂(コーン) 」第20回 人斬る音でビートを刻む 「座頭市」 http://www5e.biglobe.ne.jp/~jitudan/poptamashii/no20zatoichi.htm 3)映画 ①「日本映画界のインフラ整備」 仙頭武則 サンセントシネマワークス株式会社代表取締役社長、映画プロデューサー http://www.academyhills.com/gijiroku/21/21_11.html ②京都市「映画とものづくりのまち構想」 http://www.city.kyoto.jp/ukyo/keikaku-9.htm ③アニメ短編映画づくりに挑戦−−キンダーフィルムフェスト 京都 ◇子どもの参加者募集 http://www.mainichi.co.jp/life/cinema/kiji/0303/05-07.html ④北海道のNPO総合情報誌[えぬぴおん] 崔監督、北海道の支笏湖小学校の子どもたちや穂別町民の映画づくりをサポート http://npo-hokkaido.org/info/enpion5.htm ⑤第54回三重大会 第2テーマ 分科会世話人・レポート一覧 地域・子ども・授業 http://www.jca.apc.org/rekkyo/ivent/takai54mie-2-2.htm ⑥NEW TOPICS! 映画監督の崔洋一氏、支笏湖を舞台に子ども達による映画作り http://www.shikotsuko.com/video/index.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke2.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke3.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke4.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke5.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke6.htm http://www.shikotsuko.com/video/roke7.htm ⑦B級映画のポップな闇鍋/キル・ビル http://village.infoweb.ne.jp/~fwhj2139/NARIZO/tc-3182.htm - 156 - 4)糸でんわ ①タカラ、IPv6 対応“糸電話”を年内発売 http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0402/16/news053.html ②ゲコゲコがえるのいとでんわ http://www.sing.co.jp/asobi/fusigi/tukuru03.htm ③糸電話話を作ってあそぼう 鵜川先生(赤井川小) http://socyo.high.hokudai.ac.jp/More_HTML/buturi/NEWS/bsn9708/br/b18.htm ④こども科学ミュージアム「電話で話ができるのはなぜ?」 http://www.bob-an.com/kids/museum/data/tool/q_02.html ⑤補聴糸電話、平太郎の取材ウラ話 http://www.tv-tokyo.co.jp/bangumi/wbs/toretama/409.html ⑥水嶋一江ストリングラフィ・アンサンブル ライヴ&ワ−クショップ http://www2.net-kochi.gr.jp/~kenbunka/museum/stringraphy/stringraphy.htm ⑦NEC 社会貢献活動「実験 3:伝わる もの で音も変わる…?かわり糸電話で遊ぼう」 http://www.nec.co.jp/community/ja/edu/galileo/5th/03.html ⑧岩崎 宗太さんの糸電話(神奈川県厚木市の中学生、岩崎宗太さんが、自作の糸電話 を学校の文化祭で大公開!) http://www.stringraphy.com/jisaku.html ⑨「LOCO ワークショップ−コップ人間、記憶へのメッセージ−」 毛利義嗣[高松市歴史資料館] http://www.dnp.co.jp/artscape/view/recommend/0305/mouri/mouri.html 5)ロボット ①『スパロボ』ファンが大集結! 秋葉原と新宿の販売店の様子は!? http://www.famitsu.com/game/news/2003/03/27/103,1048730412,11769,0,0.html ②藤子プロ・小学館・テレビ朝日「Real Dream Doraemon Project」 http://rddp.jp/ ③日本科学未来館「Robot Meme DataBase」 http://www.miraikan.jst.go.jp/tool/rmdb/ ④ロボット技術の最先端 http://www6.plala.or.jp/privatehp/samuraidamasii/tamasiitop/robotyuugoku/robotyuugoku.htm ⑤バンダイ ロボット研究所 http://www.roboken.channel.or.jp/ ⑥MIT の人気者「キズメット」喜怒哀楽 子供の様に - 157 - http://osaka.yomiuri.co.jp/new_feature/robot/tokushu/mit.htm ⑦大阪産業創造館 RobotPress http://www.sansokan.jp/robot/ ⑧フジ TV「ロボット闘技場」 http://www.fujitv.co.jp/jp/robot/index2.html ⑨Panasonic「ロボットは人を癒せるか?」 http://www.matsushita.co.jp/corp/museum/smilennium/kaden/robot/23/01.html ⑩ざつがくどっとこむ http://www.zatsugaku.com/stories.php?page=5&topic ⑪30 年ぶりのレゴブロック ロボット自作入門-制作構想篇 PC-DIY 誌 2000 年 5 月号 http://www4.justnet.ne.jp/~kat/txt/etc/lego02.htm ⑫ロボット http://www.alche.com/ns/ns001.html ⑬【『共生する/進化するロボット』展】“ロボットを作ろう!”〜『LEGO MINDSTORMS』 ワークショップ参加者の作品を紹介 http://ascii24.com/news/i/topi/article/1999/02/15/615372-000.html?geta 6)アニメ ①2003 Anime Fans Around the World! (世界のアニメ事情) http://www.tekipaki.jp/~moonlight/misc/world_anime2.html ②WIRED NEWS「日本製アニメ、続々と米国に上陸」 http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020305201.html ③MOVIE WORLD クレイアニメーション http://www.tdx.co.jp/movie/clayanim/cla00100.asp ④クレイアニメーションの作成 http://www.geocities.co.jp/Hollywood/4208/crayanime.html ⑤CLAYTOWN (クレイアニメ、立体アニメ界の第一人者、伊藤有壱氏監修) http://www.celsys.co.jp/products/claytown/index.html ⑥AURA で遊ぶ・クレイアニメ http://www.oakcorp.net/lwplugin/aura.html ⑦クレイ・アニメーションの作り方 http://roguelife.org/~fujita/COOKIES/CRAY/ ⑧eggs(兵庫県立明石高等学校の作品) http://www.meditam.org/ita/C004/ ⑨鬚日記 クレイアニメーション http://iwaaan.mods.jp/blog/archives/000121.html - 158 - ⑩Making of 虹の林檎〜MACBIN オープニング製作秘話〜 http://www.fuzuki.net/vworks/nijirin.htm ⑪Japan Movie Project 野島孝一の部屋『東京ゴッドファーザーズ』 http://www.multi-cinema.com/writer/nojima/tokyo.html ⑫America Anime 事情 http://www.tekipaki.jp/~moonlight/misc/am_anime.html ⑬IIST WORLD FORUM「コンテンツの国際展開に向けて」 (経済産業省 http://www.iist.or.jp/wf/magazine/0196/0196_J.html ⑭子供の歌はどこへ http://y-terada.com/music/ippan/02_music/02_music.htm ⑮5分でわかるトゥーンの歴史(1) (2) (3) http://member.nifty.ne.jp/mindy/column/ppgdvd02.html http://member.nifty.ne.jp/mindy/column/ppgdvd03.html http://member.nifty.ne.jp/mindy/column/ppgdvd04.html - 159 - 田村亮平) - 160 - Ⅴ.参加型ワークショップ・プログラムの拡充資料 - 161 - - 162 - 東京大学サマーキャンプ アート&テックプログラム 映画制作コース/アニメ制作コース - 163 - - 164 - 1. 概要 (1)ワークショップタイトル (2)趣旨・目的 (3)期日 (4)開催場所 (5)人数 (6)対象年齢 (7)内容概要 (8)講師・スタッフ (9)受講料 (10)主催団体・後援団体 (11)事業の実施体制 (12)保険加入 2. スケジュール (1)事業スケジュール (2)搬入、設営、撤去、搬出スケジュール (3)ワークショップ詳細スケジュール ①映画制作コース ②アニメーション制作コース 3. 実際の様子 (1)映画制作コース (2)アニメーション制作コース 4. 成果・反省点・改善点 - 165 - 1.概要 (1)ワークショップタイトル 『平成15年度 東京大学サマーキャンプ アート&テックプログラム』 映画制作コース/アニメ制作コース (2)趣旨・目的 2003 年夏、東京大学において小中学生を対象とした講座を開講する。小中学生の段階から最先 端の学術研究の現場に触れさせることで、科学に対する芽を養う。情報リテラシーと創造力・ 表現力を向上させることで、21 世紀の国際社会で活躍できるスキルを養うことを目的とする。 (3)期日 期日:平成15年7月24 日(木)〜8月23日(土) 日曜日、8月14日(木)〜16日(土)を除く12日間 (4)開催場所 東京大学 先端科学技術研究センターキャンパス 〒153-8904 東京都目黒区駒場 4-6-1 (5)人数 定員:96名(1コース各24名×4コース) 参加:81名(1回目:22名、2回目:18名、3回目:21名、4回目:20名) (6)対象年齢 小学3年生〜中学3年生(居住地域の制限なし) (7)内容概要 ①映画制作コース デジタルビデオカメラ、コンピュータを使いショートムービーを制作します。ストーリー、 絵コンテづくりから、自ら演技し、撮影、編集・音入れまでの過程を全員で協力しながら、 ひとつの映像作品として表現することを体験していきます。 ②アニメーション制作コース 粘土を使い、アナログとデジタルを組み合わせたクレイアニメーショを制作します。ストー リーづくりから、登場する人物・モノ・キャラクターの制作、背景・セットの作りこみ、1 コ マずつの撮影、編集・音入れまでの過程を全員で協力しながら、ひとつのアニメーション作 品として表現することを体験していきます。 - 166 - (8)講師・スタッフ 運営事務局: フューチャーインスティテュート株式会社 木下 ファシリテーター: 修(CANVAS フェロー) フューチャーインスティテュート株式会社 大日方 特別講師: 正(CANVAS フェロー) 松浦 季里(CANVAS フェロー、CG アーティスト) 竹田 光一(CANVAS フェロー、 サンミュージックアカデミー講師) アシスタントインストラクター: 大学生:21名(のべ参加人数30名) (9)受講料(参加者負担金) 18,000円(3日間/消費税別) (10)主催団体、後援団体 主催: 特定非営利活動法人 CANVAS 協力: 東京大学 先端科学技術研究センター スタンフォード大学日本センター フューチャーキッズ/フューチャーインスティテュート株式会社 後援: 総務省 財団法人 協賛: マルチメディア振興センター アドビ株式会社、アンフィニ、キャノン販売株式会社 (11)事業の実施体制等 ①実施体制の組織図 本事業の実施本部を「東京大学サマーキャンプ事務局」と呼び、フューチャーインスティ テュート株式会社内に設置する。 担当:木下修、大日方正 (所属:フューチャーインスティテュート株式会社) ②現地での指導体制及び指導員の配置計画 事務局責任者:木下修、大日方正 アシスタント講師:参加者4名に1名配置 ③実施場所の事前踏査計画 2003年4月30日に実施済み - 167 - ④緊急時連絡網 「東京大学サマーキャンプ事務局」 フューチャーインスティテュート株式会社内に設置 担当:木下修、大日方正 電話:03-5466-9311 ファックス:03-5466-9312 電子メール:[email protected] 携帯電話:090-1997-5937 ⑤参加者の健康管理体制及び医療体制 東京大学の事故防止・対応マニュアルに基づき、当団体職員による警備・サポートを行う。 ⑥関係機関との協力体制 東京大学先端科学技術研究センターの事故防止・対応マニュアルに基づき、当団体職員に よる警備を行う。 (12)保険加入 ①保険の種類: 三井住友海上火災保険株式会社 ②保険期間: 平成15年7月24日(木)〜8月23日(土) ③補償内容: 普通傷害保険/動産総合保険/施設所有(管理)者賠償責任保険 - 168 - 2.スケジュール (1)事業スケジュール ①主催団体の決定(2月下旬) ②企画内容の決定(3月) ③協力大学、団体の打診、決定(4月〜5月) ④協賛企業、団体の打診、決定(4月〜5月) ⑤参加者の募集(6月上旬〜6月30日(月) ) 募集チラシを作成し都下に参加を呼びかける。 ⑥申込受付(6月上旬〜6月30日(月) ) 受付後、4日以内に受付確認ハガキを送付(入金の案内添付) ⑦キャンプ実施(7月24 日(木)〜8月23日(土) ) (2)設営、撤去、搬出スケジュール 映画制作コース、アニメーション制作コース共通 前日: 当日: 15:00〜17:00 8:00 スタッフ集合、準備 9:00 受付開始 9:30 ワークショップ開始 15:30 ワークショップ終了 16:00 スタッフミーティング 16:30 片付け 17:00 解散 最終日: 16:30 撤収開始 18:00 撤収終了 12:00 搬出完了 翌日: 搬入 - 169 - (3)ワークショップ詳細スケジュール ①映画制作コース 日程 日付 講座 場所 午前 開始 終了 午後 時間 時間 9:30 9:45 30 開講式、アイスブレーク 13号館 3階 講堂 9:45 10:00 30 映画制作についての解説 13号館 3階 講堂 10:00 10:30 30 ロケハン(撮影場所をさがす) 大学構内 10:30 12:00 90 シナリオ作成、配役決定 大学構内 13:00 14:00 60 絵コンテ作成 13号館 3階 講堂 14:00 15:30 90 撮影① 大学構内 AM 9:30 12:00 150 撮影② 大学構内 PM 13:00 15:30 150 編集① 4号館 2階 講堂 AM 9:30 12:00 150 編集②(タイトル、BGM、効果音の 4号館 挿入) 2階 講堂 13:00 14:00 60 編集③、作品発表会準備 4号館 2階 講堂 14:00 15:00 60 作品発表会 ※ご家族でご見学ください 4号館 2階 講堂 15:00 15:30 30 修了式、記念撮影 ※ご家族でご見学ください 4号館 2階 講堂 分 AM 1 日 目 PM 2 日 目 3 日 目 PM - 170 - ②アニメーション制作コース 日程 日付 講座 場所 午前 開始 終了 午後 時間 時間 9:30 9:45 15 開講式、アイスブレーク 13号館 3階 講堂 9:45 10:00 15 アニメの仕組み紹介 13号館 3階 講堂 10:00 11:00 60 キャラクター・ストーリーづくり 13号館 3階 講堂 11:00 12:00 60 絵コンテづくり 13号館 3階 講堂 13:00 14:00 60 素材制作 ・粘土でモデルづくり 13号館 3階 講堂 14:00 15:30 90 撮影① 13号館 3階 講堂 AM 9:30 12:00 150 撮影② PM 13:00 15:30 150 編集① AM 9:30 12:00 150 編集② ・タイトル、エンドクレジット ・SE、BGM、アフレコ 13号館 3階 講堂 13:00 14:00 60 編集③、作品発表会準備 13号館 3階 講堂 14:00 15:00 60 作品発表会 13号館 3階 講堂 15:00 15:30 30 修了式、記念撮影 13号館 3階 講堂 AM 1 分 日 目 PM 2 3号館 日 目 3 中2階 セミナールーム 3号館 中2階 セミナールーム 日 目 PM - 171 - 3.実際の様子 (1)映画制作コース デジタルビデオカメラ、コンピュータを使いショートムービー を制作します。ストーリー、絵コンテづくりから、自ら演技し、 撮影、編集・音入れまでの過程を全員で協力しながら、ひとつ の映像作品として表現することを体験していきます。 日程 日付 講座 午前 所要 内容 午後 時間 グループに分かれて着席。「知っている映画のタイト 30 開講式、アイスブレーク ル」をできるだけ多く数える内容のゲームを実施し、緊 張感をほぐし、グループメンバー同士の交流を促す。 30 映画制作についての解説 30 ロケハン(撮影場所をさがす) 映画制作の流れを図説し、ワークショップ期間中の作業 の流れを説明。映画制作への興味を引き出す。 AM 1 キャンパス内を探索し、撮影に使えそうな場所を探す。 脚本に反映するのも狙い。 日 グループ内でシナリオを作成する。1人1キャラクター 目 90 シナリオ作成、配役決定 を考え出し、それらを組み合わせてグループで1つのシ ナリオにまとめる。同時に役柄も決定する。 60 絵コンテ作成 90 撮影① 50 撮影② シナリオに基づき絵コンテシートに記入する。 PM 2 AM ビデオカメラの使用方法を説明する。 教室内、屋外の様々な場所で撮影する。 撮影続き。 日 目 撮影されたビデオカメラのデータをコンピュータに取り PM 150 編集① 込む。絵コンテの順番に並べてゆく。編集ソフトはアド ビ社プレミアを使用。 AM 3 150 編集②(タイトル、BGM、効果音の挿 入) 編集ソフトで作品タイトル、BGM、効果音を追加する。 60 編集③、作品発表会準備 残りの映像編集作業。 60 作品発表会 保護者、関係者をよび、作品を上映する。 30 修了式、記念撮影 修了書を授与し、記念撮影をする。 日 目 PM - 172 - (1)映画制作コース デジタルビデオカメラ、コンピュータを使いショートムービーを制作します。ストーリー、 絵コンテづくりから、自ら演技し、撮影、編集・音入れまでの過程を全員で協力しながら、 ひとつの映像作品として表現することを体験していきます。 日程 午前 所要 午後 時間 講座 内容 日付 開講式、アイスブレーク 30 グループに分かれて着席。 「知っている映画のタイトル」をできるだけ 多く数える内容のゲームを実施し、緊張感をほぐし、グループメンバ ー同士の交流を促す。 映画制作の流れを図説し、ワークショップ期間 30 映画制作についての解説 中の作業の流れを説明。映画制作への興味を引 き出す。 AM 30 ロケハン(撮影場所をさが キャンパス内を探索し、撮影に使えそうな場所を探す。 す) 脚本に反映するのも狙い。 1 シナリオ作成、 グループ内でシナリオを作成する。1人1キャ 日 配役決定 ラクターを考え出し、それらを組み合わせてグ 90 目 ループで1つのシナリオにまとめる。同時に役 柄も決定する。 絵コンテ作成 シナリオに基づき絵コンテシートに記入する。 撮影① ビデオカメラの使用方法を説明する。 60 PM 教室内、屋外の様々な場所で撮影する。 90 撮影続き。 2 撮影② AM 50 PM 150 編集① 日 目 撮影されたビデオカメラのデータをコンピュータに取り込む。絵コン テの順番に並べてゆく。編集ソフトはアドビ社プレミアを使用。 編集ソフトで作品タイトル、BGM、効果音を AM 150 編集②(タイトル、BGM、追加する。 効果音の挿入) 残りの映像編集作業。 60 3 編集③、作品発表会準備 日 目 作品発表会 PM 60 保護者、関係者をよび、作品を上映する。 修了書を授与し、記念撮影をする。 30 修了式、記念撮影 - 173 - (2)アニメーション制作コース コンピュータ、紙、粘土などを使い、デジタルとアナログを組み合わせたアニメーショ を制作します。ストーリーづくりから、登場する人物・モノ・キャラクターの制作、背 景・セットの作りこみ、1 コマずつの撮影、編集・音入れまでの過程を全員で協力しなが ら、ひとつのアニメーション作品として表現することを体験していきます。 日程 日付 講座 午前 所要 内容 午後 時間 グループに分かれて着席。 「知っているアニメのタイトル」をできるだ 15 開講式、アイスブレーク け多く数える内容のゲームを実施し、緊張感をほぐし、グループメン バー同士の交流を促す。 15 アニメ制作についての解説 AM アニメ制作の流れをビデオ映像を使用しながら図説、ワークショップ 期間中の作業の流れを説明。アニメ制作への興味を引き出す。 グループ内でシナリオを作成する。1人1キャ 60 キャラクター・ストーリー ラクターを考え出し、それらを組み合わせてグ づくり 1 ループで1つのシナリオにまとめる。同時に役 柄も決定する。 日 60 目 絵コンテ作成 シナリオに基づき絵コンテシートに記入する。 クレイアニメ専用の粘土を使用し、1人1体の 60 素材制作 キャラクターを制作。グループで小道具などの セットも作成。 PM ビデオカメラ、コンピュータを使ったクレイア 90 撮影① ニメのコマ撮り方法を説明する。撮影ソフトは AURA DV を使用。 教室内のセットでグループ別に撮影する。 撮影続き。 AM 150 撮影② 2 日 撮影された映像データを、絵コンテの順番に並 目 PM 150 編集① べてゆく。編集ソフトはアドビ社プレミアを使 用。 編集ソフトで作品タイトル、BGM、効果音を AM 150 60 編集②(タイトル、BGM、追加する。 効果音の挿入) 編集③、作品発表会準備 残りの映像編集作業。 3 日 保護者、関係者をよび、作品を上映する。 目 60 作品発表会 PM 修了書を授与し、記念撮影をする。 30 修了式、記念撮影 - 174 - 4.成果・反省点・改善点 大区分 小区分 成果・反省点・改善点 体制について 主催 特に問題なし 後援 総務省以外の文部科学省、教育委員会、 私学協会、学校からの後援も欲しい。 協力 役割分担を明確にする必要あり。 運営、プログラム開発、集客、特別講師 の手配など 協賛、特別協賛 協賛企業のアプローチを5月から実施。 来年は前年の10月から開始すべき。広 告代理店と組むことも要検討。 準備について 場所 交渉スケジュール、手続き 報酬について 10ヶ月前からの準備が必要 特別講師、メイン講師への報酬額の再検 討が必要。地方での報酬額の設定も要検 討。 実施時期、期間について モノ 週3日、4週開催は妥当。 必要機材について(調達方法、コストに 本年度はレンタルにて対応。協賛企業か ついて) らの提供または大学からの貸与が望まし い。 人 特別講師 6ヶ月間からの交渉が望ましい 募集、採用、研修 募集は学生団体MLを通じて実施。インター ンシップ系MLが効果的であった。 コンテンツ タイトルの決定 映画は中学生向き、アニメは小学生向け であることがわかった。 実施後の修正 来年に向けて内容の修正、バージョンア ップを実施予定。 パッケージ化(初回のみ) 来年に向けてパッケージ化を進める。 実施 集客 過去参加者への DM、学校からのチラシ (告知方法、制作、添付資料 配布、子ども団体からのチラシ配布、新 →制作物データ) 聞告知が効果的。 - 175 - 受講手続き 書類の一覧とデータを添付 (申込み受付、受講予約の返 ホームページでの受講申込みは省力化に 大きく貢献。 事・入金案内、入金確認、受 講表の送付) 著作権 事前の参加案内に著作権の帰属承諾書を 記述した。 保護者の見学について 最終日を土曜日に設定し、保護者の参加 を促すことに成功した。結果として参加 者並びに保護者の満足度を高めることが できた。 準備 事前:会場の予約(多目に押さえる) 大学関係者のみ予約できる為に、 CANVAS 石戸さんに依頼。 ワークブックの執筆、印刷、製本 ワークブックを作成したことは、教育効 果を上げるだけでなく、少ないスタッフ での運営の効率化に役立った。 管理・緊急対策マニュアルの制作(最寄 大学には存在しなかった為に、フューチ の病院の調査、大学のマニュアル入手) ューキッズのものを使用した。 修了書の作成、主催者代表によるサイン 参加者の満足度、達成感を高めた。 記入 実施(当日の実施作業) 弁当手配 コストを下げる為に主催者側での学生ス タッフへの弁当手配は不要。 事後 参加者への報告レポート、ビデオの送付 夏休みの宿題として学校へ提出する参加 者も見られ、参加者、保護者の満足度を 高めた。 コンテストへの出品 来年はコンテスト出品を踏まえた作品ク オリティの向上が望まれる。 - 176 - 第 1 回DJワークショップ DJ KIDS DREAM 2003 - 177 - - 178 - 目次 1.概要 (1)WSタイトル (2)開催場所 (3)人数 (4)対象年齢 (5)内容概要 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) (2)ワークショップ詳細スケジュール 3.実際の様子 4.総括 5.今後の展開 6.講師プロフィール(感想) 7.部屋のレイアウト/機材/教材 - 179 - 1.概要 (1)ワークショップタイトル:DJキッズドリーム 2003 〜DJワークショップ〜 (2)開催場所:劇団ひまわりレッスンスタジオ(東京渋谷区恵比寿西 2-12-12) (3)人数:1レッスン(2時間) 5人 (4)対象年齢:12歳〜15歳までの男女 (5)ワークショップの目的と主旨 新しい音楽表現手段としての DJ リミックスは世界中のメジャー音楽シーンの重要 な位置を占めるまでに成長発展をしてきました。日本では DJ は 18 歳以上のクラブ シーンのカルチャーに位置づけられるため欧米に比べキッズ、ティーンに純粋に音 楽表現、創造の手段として定着しないまま今日に至っています。今回すでに一般的 な音楽表現手段としてメジャー音楽シーンでも認知された DJ リミックスをキッズ、 ティーンズまでに広げることで日本でのアンダーグラウンドなイメージを払拭する とともに次世代を担う若き才能を DJ の分野で日本から輩出すべくその基礎固めを ワークショップ&イベントという形で展開します。 共催のアットネットーホームは CATV インターネットプロバイダー最大手で130 万世帯にブロードバンドインターネットの環境、コンテンツを提供し一方で学校教 育機関にむけてアットネットスクールというブランドで安心かつ高品位なサービス を提供しています。 今回は、世界的にCDJを普及させDJの文化普及に貢献しているパイオニア株式 会社の全面的協力を得て日本での次世代の若きDJキッズカルチャーを育成開花し ます。 - 180 - 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) 11:00-12:00 ミーティング・リハーサル@アットネットスタジオ 12:00-13:00 車ピックアップ(移動など) 13:00 機材レンタル会社(サウンドクルー)搬入 13:00-15:00 機材セットアップ&サウンドチェック 15:00-17:00 DJWS(2時間) 17:00-18:00 アンケート収集 (2)ワークショップ詳細スケジュール 前半 15:00 挨拶・自己紹介 15:15 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 15:20 機材の基本的な使い方の説明 15:30 デモンストレーション&実施 15:40 ミックス(音と音のつなげ方)の説明 15:45 デモンストレーション&実施 15:50 休憩 後半 16:00 復習 16:05 講師によるデモンストレーション 16:15 EQ(低音、中音、高音)の出し方の説明 16:20 EQの実施 16:35 ミックスとEQを同時に行うことのデモンストレーション 16:40 ミックス・EQを実践しての発表 16:00 終了 16:00 今後の展開を説明 - 181 - 3.実際の様子 前半 (1)挨拶・自己紹介 講師の自己紹介から始め、各生徒の自己紹介をしてもらい、現在習っていること を話してもらった。 (2)DJ、CDJセットの仕組みについて説明 松田講師からDJとは何か、CDJとは何か説明。 DJとは、2台のCDプレーヤーを使って行われるという主旨を説明。 (1台のプレーヤーだけだと思っていた生徒もいて、驚いていた。 ) (3)機材の基本的な使い方の説明 生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。ディスクの入れ方、再生の 仕方、ボリューム調整を主に説明。 (4)デモンストレーション&実施・一人ずつ音を再生。 - 182 - (5)ミックス(音と音のつなげ方)の説明 1つのCDプレーヤーから出てくる音を、真ん中にあるミックス機を使って、も う一方のCDプレーヤーから出てくる音につなげる。ここで初めて、ヘッドフォ ンを使う。 (6)ミックス操作を一人ずつ順番に実施 (不安げな生徒は、一人もいなく興味身心の様子だった。ここで、少し差が出て くると思ったが、全ての生徒がスムーズに言われたことをこなしていた。 ダンスを習っている生徒は、足でリズムを取っていたり、にこにこ笑っている 生徒もいた。全体的に、講師も生徒もリラックスしているようだった。 ) (7)休憩 休憩時間を 10 分程取った。 後半 (8)復習・講師によるデモンストレーション 前半でやったことを説明し、講師とアシスタント講師が一人ずつ、DJパフォー マンスを見せた。この目的として、DJは素晴らしいと子供達に憧れの意識を抱 いてもらうために実施。 - 183 - (9)EQ「イコライザー」(低音、中音、高音)の調節の仕方の説明と実施 音と音をつなぐミキサーという機材にある 3 つのボリュームコントローラー(イ コライザー)の使い方を講師が実際にやってみながら説明。 (子供達は、この操作は初めてだが、不安げな様子もなくとにかく色々なボタン をいじっていた。質問もなくスムーズに操作していた。比較的ここは、音量を調 節するだけなので、楽しんでいるようだった。 ) (10)ミックスとEQを同時に行うことのデモンストレーションと実施 (前半で習得したミックスとEQを同時に行う) ここでは、自ら子供が2曲を選び、その曲をつなげ更に好きなように音量をコン トロールするので、表現力が発揮された。 (予想していたとおり、多少高度な作業なので、近くにいるアシスタント講師に 何度も質問し、夢中になっている様子だった。発表の場になると、少し緊張気 味だったが、実際に自分の選んだ曲が流れ、その音の音量を調節し、完了した 後は、達成感に満ちていた。 ) (11)今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・竹中から、感想と今後の展開を説明。 アドバンスコースの説明と、機材がない人の練習方法として、まず音楽を沢山聴 いて欲しいとアドバイスをした。 - 184 - 4.総括 今回、感じたのは、子供達の飲み込みが早かったこと。実際にここまで、上達すると は、予想していなかった。説明したことを、とりあえずやってみる。そしてわからな かったら質問するという傾向だった。1人1人に、以前にCDJを使ったことがある か、見たことがあるか質問したところ、1人の生徒を除いては、今回初めて体験する 子供達ばかりだった。しかしながら、機会に触ることに抵抗もなく、性別・年齢問わ ず習得・上達していった。ワークショップの間は、本当に楽しんでいる様子で飽きず に機会を触っていた。 終了後、アンケートをとったが、全員が、「DJに興味を持った。」「こういったワー ョップがあったら、また参加したい。」という回答が返ってきた。 最後に、第一回目のDJワークショップを無事に終えることができたが、第二回目、 第三回目と回を重ねる事に良くなっていくと期待できる。このワークショップは、子 供達が音楽や、CDJに関心を持ち表現力が豊かになっていくだろうと確信している。 さらに生徒たちのCDJの練習環境をどうするかという課題は残されている。(常設 での練習室が必要)さらに購入希望の生徒に対して特別価格提供が可能かどうか? - 185 - 5 . 今 後 の 展 開 ( 第 1 期 : 2003 年 8 月 〜 2003 年 1 2 月 ) デビュー養成コース〔若干名) 10月下旬開講(個人レッスン) アドバンスコース後期 10/25PM 発表会 11/8PM 12/6(5) 11/29PM 5名 15名 アドバンスコース後期 オーディション 12月中旬(5) ビギナーコース前期 8/5PM(5) 9/6AM 5名 オーディション 9/6PM ビギナーコース後期 9/27AM 10/25AM 9/27PM 11/8AM 10/4AM 11/29AM 10/4PM 35名 15名 - 186 - 6.講師プロフィール 講師/松田有加・芸名:Yukalicious(ユカリシャス)30歳、神奈川県出身 11 年間、ロサンジェルスに住み、様々な音楽イベントを制作する。また、作曲活動を行う 傍ら、歌手として多くの有名ミュージシャンと共演している。 今回の感想:こどもに何かを教えられる機会が持てて光栄です。今回、第1回目というこ ともあって、非常に緊張しましたが、最後無事に終了し素晴らしい達成感がありました。 今回の反省点を踏まえて今後ももっともっと素晴らしいワークショップになるようがんば ります! アシスタント講師/内山ユウスケ・芸名:NO MILK 26歳 埼玉県出身 98 年カプリシャスという音楽家の 2 作目「V.A./-Mozambique EP」に楽曲を提供。この曲 で N.Y.やロンドンで高い評価を得る。アフリカン・パーカッションを使い複雑でダンサブ ルなグルーヴのソロ・シングル「Get Off The Ground」では、既存のテクノやハウスのを 越えてイギリスのジャズ・クラブ"Jelly Jazz"のチャートで第 1 位に選ばれた。 アシスタント講師/ 上条 洋平 神奈川県出身 様々な音楽イベントにDJとして出演。今回の教材CDを制作してくれた。 - 187 - 7.部屋のレイアウトと機材・教材 機材: アンプ 1台 スピーカー 教卓ミキサー 2台 8CH(AX001 Mackie CR-1604) 教卓セット(CDJ/CDJ800:2台、ミキサー/DCM300:1台) 生徒卓セット 5セット ヘッドフォン 6 (CDJ2台、ミキサー1台) 音響機材をつなぐケーブル 教材: 10曲入りCD2枚(それぞれ、BPMが同じもの) 黒板 ステレオ ステレオ 講師卓 CDJプレーヤー ミキサー CDJプレーヤー ミキサー @Net スタッフ アシスタント アシスタント 生徒関係者 Canvas 関係者 - 188 - 第 2 回・第 3 回DJワークショップ DJ KIDS DREAM - 189 - 2003 - 190 - 目次 1.概要 (1)ワークショップタイトル (2)開催場所 (3)人数 (4)対象年齢 (5)内容概要 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) (2)ワークショップ詳細スケジュール・第 2 回ワークショップ (3)ワークショップ詳細スケジュール・第 3 回ワークショップ 3.実際の様子 (1)第1回ワークショップ (2)第2回ワークショップ 4.総括 5.今後の展開 6.講師プロフィール(感想) 7.部屋のレイアウト/機材/教材 - 191 - 1.概要 (1)ワークショップタイトル:DJキッズドリーム 2003 〜DJワークショップ (2)開催場所:劇団ひまわりレッスンスタジオ(東京渋谷区恵比寿西 2-12-12) (3)人数:1レッスン(2時間) 5人 1日2レッスン 合計10人 (4)対象年齢:12歳〜15歳までの男女 (5)ワークショップの目的と主旨 新しい音楽表現手段としての DJ リミックスは世界中のメジャー音楽シーンの重 要な位置を占めるまでに成長発展をしてきました。日本では DJ は 18 歳以上のク ラブシーンのカルチャーに位置づけられるため欧米に比べキッズ、ティーンに純 粋に音楽表現、創造の手段として定着しないまま今日に至っています。今回すで に一般的な音楽表現手段としてメジャー音楽シーンでも認知された DJ リミック スをキッズ、ティーンズまでに広げることで日本でのアンダーグラウンドなイメ ージを払拭するとともに次世代を担う若き才能を DJ の分野で日本から輩出すべ くその基礎固めをワークショップ&イベントという形で展開します。 共催のアットネットーホームはCATVインターネットプロバイダー最大手で1 30万世帯にブロードバンドインターネットの環境、コンテンツを提供し一方で 学校教育機関にむけてアットネットスクールというブランドで安心かつ高品位な サービスを提供しています。 今回は、世界的にCDJを普及させDJの文化普及に貢献しているパイオニア株 式会社の全面的協力を得て日本での次世代の若きDJキッズカルチャーを育成開 花します。 - 192 - 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) 11:30-12:00 ミーティング@アットネットオフィス 12:45-13:45 機材セットアップ&サウンドチェック 14:00-15:45 第2回DJWS(1 時間45分) 16:00-17:45 第 3 回DJWS(1 時間45分) 17:45-18:30 アンケート収集・機材撤去 (2)ワークショップ詳細スケジュール 第2回ワークショップ 前半 14:00 挨拶・自己紹介・アイスブレイク(自己紹介ゲーム) 14:15 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 14:20 機材の基本的な使い方の説明 14:30 デモンストレーション&実施 14:40 ミックス(音と音のつなげ方) ・キュー(頭だし)の説明 14:45 デモンストレーション&実施 14:50 休憩 後半 15:00 復習・講師によるデモンストレーション 15:10 EQ(低音、中音、高音)の出し方の説明 15:15 EQの実施 15:25 ミックスとEQを同時に行うことのデモンストレーション 15:30 ミックス・EQを実践しての発表 15:45 終了・参加生徒からの感想 15:50 今後の展開を説明 - 193 - (3)ワークショップ詳細スケジュール 第 3 回ワークショップ 前半 14:00 挨拶・自己紹介・アイスブレイク(自己紹介ゲーム) 14:15 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 14:20 機材の基本的な使い方の説明 14:30 デモンストレーション&実施 14:40 ミックス(音と音のつなげ方) ・キュー(頭だし)の説明 14:45 デモンストレーション&実施 14:50 休憩 後半 15:00 復習・講師によるデモンストレーション 15:10 EQ(低音、中音、高音)の出し方の説明 15:15 EQの実施 15:25 ミックスとEQを同時に行うことのデモンストレーション 15:30 ミックス・EQを実践しての発表 15:45 終了・参加生徒からの感想 15:50 後の展開を説明 3.実際の様子 (1)(第 2 回ワークショップ) 前半 ①挨拶・自己紹介 講師の自己紹介後、各生徒の自己紹介をしてもらい、なぜコースを取ろうと思っ たか話してもらった。(参加生徒が友達同士ではないので、少し緊張している様 子だった。男子1人、女子3人、平均年齢11歳) この後、名前覚えゲーム(手拍子のリズムに乗りながら、自分の名前と前に自己 紹介した人の名前を順番に言っていく)を行なった。緊張が解れた様子だった。 - 194 - ②DJ、CDJセットの仕組みについて説明 内田講師からDJとは何か、CDJとは何か説明。 講師卓に集めて、実際に音を出しながら説明。 (プレーヤーというよりも 器械 として印象を受けていたようだ) ③機材の基本的な使い方の説明 生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。ディスクの入れ方、再生の 仕方、ボリューム調整を主に説明。 ④デモンストレーション&実施・一人ずつ音を再生。 左側のプレーヤーから音を再生し、その後に右側も同じように再生した。 (初めて触る機械に、ディスクを入れる時は、緊張しているようであった) ⑤ミックス(音と音のつなげ方) ・QUE/キュー(音の頭だし)の説明 1つのCDプレーヤーから出てくる音を、真ん中にあるミックス機を使って、も う一方のCDプレーヤーから出てくる音につなげる。ここで初めて、ヘッドフォ ンを使うので、ヘッドフォンの付け方も同時に説明。 - 195 - ⑥ミックス操作を一人ずつ順番に実施 講師卓のプレーヤーから曲を再生し、こちらの曲の音のリズムに合わせて、生徒 が選んだ曲を生徒卓のプレイヤーからつなげる作業。 (選曲にとまどっているようだった。比較的、明るい感じの曲を選んでいた。また、 ヘッドフォンをこの時、初めて使ってみたが、固定させるのに多少難しいよう だった。) ⑦休憩 休憩時間を 10 分程取った。 (質問を受け付けたが、質問をする生徒はなく、各自 教室を出たり休憩を取っていた。 ) 後半 ⑧復習・講師によるデモンストレーション 前半でやったことを説明し、講師とアシスタント講師が一人ずつ、DJパフォー マンスを見せた。この目的として、DJは素晴らしいと子供達に憧れの意識を 抱いてもらうために実施。 ⑨EQ「イコライザー」(低音、中音、高音)の調節の仕方の説明と実施音と音をつ なぐミキサーという機材にある 3 つのボリュームコントローラー(イコライザー) の使い方を講師が実際にやってみながら説明。その後、生徒達1人1人が実施。 (子供達は、音を操作するというよりも、とりあえず触って動かしてみようとい う感じだった。 ) - 196 - ⑩ミックスとEQを同時に行うことのデモンストレーションと実施 (前半で習得したミックスとEQを同時に行う) ここでは、自ら子供が2曲を選び、その曲をつなげ更に好きなように音量をコン トロールするので、表現力が発揮された。 (予想していたとおり、多少高度な作業なので、最初、戸惑いがあるようだった。 1人1人発表したが、すぐにできる生徒と多少、選曲などで時間がかかる生徒 もいた。実際にミックスができ音量調節も同時にできた時は、笑顔で嬉そうだ った。 ) ⑪参加生徒からの感想 「難しいイメージがあったけど、操作ができるようになって嬉しい。音が自由 に操れて楽しかった。 」などの感想があった。 ⑫今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・竹中から、感想と今後の展開を説明。 アドバンスコースの説明と、機材がない人の練習方法として、まず音楽を沢山 聴いて欲しいとアドバイスをした。 - 197 - (2)(第 3 回ワークショップ) 前半 ①挨拶・自己紹介 講師の自己紹介後、各生徒の自己紹介をしてもらい、好きなミュージシャンを言 ってもらった。(参加生徒が友達同士だったので、リラックスしている様子だっ た。全員女子、平均年齢14歳) ②DJ、CDJセットの仕組みについて説明 内田講師から音のジャンルを説明しながら、DJ、CDJとは何かを説明。 講師卓に集めて、実際に音を出しながら説明。 (興味深々に機材を見ていた。 ) ③機材の基本的な使い方の説明 生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。ディスクの入れ方、再生の 仕方、ボリューム調整を主に説明。 - 198 - ④デモンストレーション&実施・一人ずつ音を再生。 左側のプレーヤーから音を再生し、その後に続き右側も同じように再生した。 (音が出ると嬉しそうだったが、ボリュームを下げて音を消す方法を把握してい なかったせいか、戸惑いがある生徒もいた。 ) ⑤ミックス(音と音のつなげ方) ・キュー(頭だし)の説明 最初に4拍子の最初のリズムを記憶するやり方(キュー/QUE)、頭だし方法 を説明。1つのCDプレーヤーから出てくる音を、真ん中にあるミックス機を使 って、もう一方のCDプレーヤーから出てくる音につなげるミックス方法を実施 しながら説明。また、ヘッドフォンの付け方も説明。(キューの操作が、難しい ようだった。こちらはリズムに乗らなければならないので、簡単ではない。 ) ⑥ミックス操作を一人ずつ順番に実施・発表 講師卓のプレーヤーから曲を再生し、こちらの曲の音のリズムに合わせて、生徒 が選んだ曲を生徒卓のプレヤーからつなげる作業。 (全員が、スムーズにこの作 業ができていた。選曲に夢中になっていた。教材は、2種類あったが、全員が違 う曲を選曲していた。) ⑦休憩 休憩時間を 10 分程取った。 (質問を受け付けたが、質問をする生徒はなく、各自、 機材をいじっていた。 ) - 199 - 後半 ⑧復習・講師によるデモンストレーション 前半でやったことを説明し、講師とアシスタント講師が一人ずつ、DJパフォー マンスを見せた。この目的として、DJは素晴らしいと子供達に憧れの意識を抱 いてもらうために実施。 (感心して見ていた。 ) ⑨EQ「イコライザー」(低音、中音、高音)の調節の仕方の説明と実施 音と音をつなぐミキサーという機材にある 3 つのボリュームコントローラー(イ コライザー)の使い方を講師が実際にやってみながら説明。その後、生徒達一人 一人が実施。 (理解が早く、スムーズにこの操作をこなしていた。 ) ⑩ミックスとEQを同時に行うことのデモンストレーションと実施 (前半で習得したミックスとEQを同時に行う) ここでは、ミックスリレーと題して、1人が音を再生し、その次の生徒がその音 を続けていく作業を繰り返した。結果的に5人の曲は、つなげられた。こちらは、 グループワークなので一同になって盛り上がりを見せた。 (曲がつなげられていく実感があったようで、本当に嬉しそうだった。 ) - 200 - ⑪参加生徒からの感想 「難しかったけど、楽しかった。普段できない貴重な体験をした。DJというこ とを初めて知った。面白かった。 」などの意見が多かった。 ⑫今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・竹中から、感想と今後の展開を説明。 アドバンスコースの説明と、機材がない人の練習方法として、まず音楽を沢山聴 いて欲しいとアドバイスをした。 4.総評 前回同様、全体的に上達が早かった。性別に関係なく上達を見せていたが、やはり年 齢が上の方が説明してからの反応が早いように見えた。 またこの日、2レッスンを遂行したわけだが、最初のクラスは、平均年齢が11歳、 顔見知りでないグループが参加した。こちらは、クラス全体に緊張感があったので、 名前覚えゲームをレッスンの最初に行い、リラックスした雰囲気になったので、効果 的だった。こちらのゲームは、4拍子で手拍子しながら行なったが、DJミックスで はこの4拍子が要点となるため、レッスン自体にも役に立った。2レッスン目は、友 達同士、平均年齢も14歳といったグループだったので比較的、プログラムを進めや すかったようだ。 今回、メインの講師 1 人とアシスタント講師 1 人の構成を組んだ。 メイン講師は、プログラムを進行させ、講師とアシスタント講師 1 人は、生徒卓の近 くにいつもいるようにして、質問がすぐ受けられる体制をとった。操作を説明した後、 生徒が実践する時になって、実際にどのように動かすかという質問をする生徒が多か った。この時、アシスタント1人では対応できない時があった。また、質問を積極的 にする生徒はおらず、講師が声をかけると質問するケースも多かった。こういった点 を考慮して、アシスタント講師は最低2人必要である。 レッスンを受けてみて、もっとやってみたい、予想以上に面白かったという生徒から の意見が多かった。レッスンを受けた後と前とでは、DJワークショップへの関心が - 201 - 非常に高くなっているのが見受けられる。一度体験した生徒が次にレッスンを受ける 時は、更に意欲的に熱心にレッスンを受けると予想できる。この関心を持続させて次 のステップに持っていけることが、次の課題となるだろう。 5 . 今 後 の 展 開 ( 第 1 期 : 2003 年 8 月 〜 2003 年 1 2 月 ) デビュー養成コース〔若干名) 10月下旬開講(個人レッスン) アドバンスコース後期 10/25PM 発表会 11/8PM 12/6(5) 11/29PM 5名 15名 アドバンスコース後期 オーディション 12月中旬(5) ビギナーコース前期 8/5PM(5) 9/6AM 5名 オーディション 9/6PM ビギナーコース後期 9/27AM 10/25AM 9/27PM 11/8AM 10/4AM 11/29AM 10/4PM 35名 15名 - 202 - 6.講師プロフィール 講師/内山ユウスケ・芸名:NO MILK 26歳 埼玉県出身 98 年カプリシャスという音楽家の 2 作目「V.A./-Mozambique EP」に楽曲を提供。この曲 で N.Y.やロンドンで高い評価を得る。アフリカン・パーカッションを使い複雑でダンサブ ルなグルーヴのソロ・シングル「Get Off The Ground」では、既存のテクノやハウスのを 越えてイギリスのジャズ・クラブ"Jelly Jazz"のチャートで第 1 位に選ばれた。 アシスタント講師/ 上条 洋平 神奈川県出身 様々な音楽イベントにDJとして出演。今回の教材CDを制作してくれた。 7.部屋のレイアウトと機材・教材 機材: アンプ 1台 スピーカー 教卓ミキサー 2台 8CH(AX001 Mackie CR-1604) 教卓セット(CDJ/CDJ800:2台、ミキサー/DCM300:1台) 生徒卓セット 5セット ヘッドフォン 6 (CDJ2台、ミキサー1台) 音響機材をつなぐケーブル 教材: 10曲入りCD2枚(それぞれ、BPMが同じもの) - 203 - 黒板 ステレオ ステレオ 講師卓 CDJプレーヤー ミキサー CDJプレーヤー ミキサー @Net スタッフ アシスタント 生徒用予備席 - 204 - 第 4 回DJワークショップ DJ KIDS DREAM - 205 - 2003 - 206 - 目次 1.概要 (1)ワークショップタイトル (2)開催場所 (3)人数 (4)対象年齢 (5)内容概要 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) (2)ワークショップ詳細スケジュール・第 4 回ワークショップ 3.実際の様子 第 4 回ワークショップ 4.総括 5.今後の展開 6.講師プロフィール(感想) 7.部屋のレイアウト/機材/教材 - 207 - 1.概要 (1)ワークショップタイトル:DJキッズドリーム 2003 〜DJワークショップ〜 (2)開催場所:劇団ひまわりレッスンスタジオ(東京渋谷区恵比寿西 2-12-12) (3)人数:1レッスン(2時間) 5人 1日 1 レッスン 合計 5 人 (4)対象年齢:12歳〜15歳までの男女 (5)ワークショップの目的と主旨 新しい音楽表現手段としての DJ リミックスは世界中のメジャー音楽シーンの重 要な位置を占めるまでに成長発展をしてきました。日本では DJ は 18 歳以上のク ラブシーンのカルチャーに位置づけられるため欧米に比べキッズ、ティーンに純 粋に音楽表現、創造の手段として定着しないまま今日に至っています。今回すで に一般的な音楽表現手段としてメジャー音楽シーンでも認知された DJ リミック スをキッズ、ティーンズまでに広げることで日本でのアンダーグラウンドなイメ ージを払拭するとともに次世代を担う若き才能を DJ の分野で日本から輩出すべ くその基礎固めをワークショップ&イベントという形で展開します。 共催のアットネットーホームはCATVインターネットプロバイダー最大手で1 30万世帯にブロードバンドインターネットの環境、コンテンツを提供し一方で 学校教育機関にむけてアットネットスクールというブランドで安心かつ高品位な サービスを提供しています。 今回は、世界的にCDJを普及させDJの文化普及に貢献しているパイオニア株 式会社の全面的協力を得て日本での次世代の若きDJキッズカルチャーを育成開 花します。 - 208 - 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) 12:30-13:00 @ネットオフィス集合・移動 13:00-13:45 機材セットアップ&サウンドチェック 14:00-15:45 第 4 回DJワークショップ(1 時間45分) 15:45-16:30 アンケート収集・機材撤去 (2)ワークショップ詳細スケジュール 第 4 回ワークショップ 前半 14:00 挨拶・自己紹介 14:15 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 14:20 機材の基本的な使い方の説明 14:30 デモンストレーション&実施 14:40 拍子、リズムについて説明 14:45 トラックリサーチについて説明 14:50 休憩 後半 15:00 復習・講師によるデモンストレーション 15:10 キュー(頭だし)の説明 15:15 EQ(低音、中音、高音)の出し方の説明 15:25 音と音とつなげるミックスについて説明・実施 15:40 ミックスリレーの実践 15:50 終了・参加生徒からの感想 15:55 今後の展開を説明 - 209 - 3.実際の様子 (第 4 回ワークショップ) 前半 ①挨拶・自己紹介 講師の自己紹介後、各生徒の自己紹介をしてもらった。その後、機材がセッティ ングされている席に付いた。(クラスが始まる前、どんなことに興味があるかな どを話したので、緊張はほぐれていた。男子1人、女子 4 人、平均年齢10.4 歳) ②DJ、CDJセットの仕組みについて説明 上条講師からCDJ機材1つ1つの役割・機能を説明した後に、3 つの機材を同 時に使用した時の機能を説明。 講師卓に集めて、機材を触りながらデモンストレーションを行なった。 ( 楽器 というよりも 機械 として印象を受けていたようだ。 ) ③機材の基本的な使い方の説明 生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。ディスクの入れ方、再生の 仕方、ボリューム調整を主に説明。 (このような機材を見るのは、初めてらしく、 難しそうな顔をしていた。 ) - 210 - ④デモンストレーション&実施・1人ずつ音を再生。 右側と左側のプレイヤーを同時に使用する方法を説明し、1 人ずつ音を再生して もらった。(普段聞いている音よりも大きかったため、音のボリュームに驚いて いた。 ) ⑤1人の生徒卓に集まり、拍子・リズムについて、手拍子を取って説明。 (全員で手拍子をしながら、説明を聞いたが、ここでかなりの緊張が解れたよう だった。 ) - 211 - ⑥トラックリサーチ(曲を探すボタン)を説明。トラックリサーチボタンを使って 好きな曲を選曲。選んだ曲を再生・止める作業を繰り返した。ここで初めて、 ヘッドフォンを使うので、ヘッドフォンの付け方も同時に説明。 (再生している曲を逆回転したり、早送りして音の変化を楽しんでもらったので、 まるで機材をおもちゃのようにいじり、楽しんでいた。 ) ⑦休憩 休憩時間を 10 分程取った。 (質問を受け付けたが、質問をする生徒はなく、普段 何を習っているか講師から質問して、コミュニケーションを図った。 ) 後半 ⑧復習・講師によるデモンストレーション DJとは、何かということ、前半でやったことを再度説明し、講師とアシスタン ト講師が1人ずつ、DJパフォーマンスを見せた。この目的として、DJは素晴 らしいと子供達に憧れの意識を抱いてもらうために実施。 (講師がDJをしている時、すごいというよりも何か難しいことをしているとい う印象の方が強かったように見えた。 ) ⑨QUE/キュー(音の頭だし)の説明 選曲した曲を再生し、曲の頭の部分に持ってくるキューボタンの使い方を説明し、 各自操作してもらった。 (この操作は、難しいようで機材をいじっては、近くにいる講師にやり方を教わ っていた。 ) - 212 - ⑪EQ「イコライザー」(低音、中音、高音)の調節の仕方の説明と実施 音と音をつなぐミキサーという機材にある 3 つのボリュームコントローラー(イ コライザー)の使い方を講師が実際にやってみながら説明。その後、生徒達1人 1人が実施。 (こちらの作業は、比較的難しくないので、音の変化に楽しんでいた。 ) ⑫音と音をつなげるミックスを全員で実施 ここでは、ミックスリレーと題し、1人が音を再生し、その隣の生徒がその音を つなげる作業を繰り返した。結果的に5人の曲は、ノンストップとしてつなげら れた。こちらは、グループワークなので一同になって盛り上がりを見せた。 (曲がつなげれらた時、笑顔で嬉しそうだった) - 213 - ⑬参加生徒からの感想を1人ずつ言ってもらった。 「難しいけどできるようになって嬉しい、楽しかった。講師が丁寧に教えてくれ たから良かった」などの感想があった。 ⑭今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・三浦から、感想と今後の展開を説明。 アドバンスコースの説明を行い、今後の参考に普段どういう音楽に興味あるか聞 いてみた。 4.総評 今回は、平均年齢 10.4 歳と若年層だったため、通常のプログラムよりペースを落とし て行なった。また、1人1人への指導を時間をかけて行い、ついていけない生徒がい ないか常に、注意を払った。途中、問題ないかという質問をすると「難しい」とほと んどの生徒が感触を述べていたが、講師の気の配りが良かったせいか無事にレッスン を終了した。ここで、痛切に感じたのは、ビギナーコースのカリキュラム内容は、予 め決められているが、生徒の性質に合わせて柔軟に対応することは、必要である。生 徒の詳細データが前もってわかれば、生徒にとっても、講師にとってもより身のある レッスンができる。 また、若年層ということも合って1人1人の発表時間が通常より長かった。待ってい る間に、時間を持て余してプレイヤーを回して遊んでいる生徒が多かった。こちらを 考慮し、次回からは、プリントを配り、そこにレッスンの内容を簡単に明記し、待っ ている間でもそちらの教材プリントを見て、練習できるようにする。 同時に教材CDも大人向けの選曲が多いので、今後は、生徒達に好きな普段聞いてい るCDを各自2枚持ってきてもらい、身近な音楽の音の変化を楽しんでもらう。同時 に、DJへの抵抗を少なくし、CDを選曲するところからDJワークショップ参加へ の意欲を掻き立てることとなる。 レッスンを重ねるごとに講師も成長していき、カリキュラム構成作りが綿密になって いることから、更に中身の濃いDJワークショップになっていくと期待される。今回 は、前回3回に比べて、若かったということで難しさはあったが、そこから学んだこ とは、次への発展へつながる。 - 214 - 5 . 今 後 の 展 開 ( 第 1 期 : 2003 年 8 月 〜 2003 年 1 2 月 ) デビュー養成コース〔若干名) 10月下旬開講(個人レッスン) アドバンスコース後期 10/25PM 発表会 11/8PM 12/6(5) 11/29PM 5名 15名 アドバンスコース後期 オーディション 12月中旬(5) ビギナーコース前期 8/5PM(5) 9/6AM 5名 オーディション 9/6PM ビギナーコース後期 9/27AM 10/25AM 9/27PM 11/8AM 10/4AM 11/29AM 10/4PM 35名 15名 - 215 - 6.講師プロフィール 講師/内山ユウスケ・芸名:NO MILK 26歳 埼玉県出身 98 年カプリシャスという音楽家の 2 作目「V.A./-Mozambique EP」に楽曲を提供。この曲 で N.Y.やロンドンで高い評価を得る。アフリカン・パーカッションを使い複雑でダンサブ ルなグルーヴのソロ・シングル「Get Off The Ground」では、既存のテクノやハウスのを 越えてイギリスのジャズ・クラブ"Jelly Jazz"のチャートで第 1 位に選ばれた。 アシスタント講師/ 上条 洋平 神奈川県出身 様々な音楽イベントにDJとして出演。今回の教材CDを制作してくれた。 講師/松田有加・芸名:Yukalicious(ユカリシャス)30歳、神奈川県出身 11 年間、ロサンジェルスに住み、様々な音楽イベントを制作する。また、作曲活動を行う 傍ら、歌手として多くの有名ミュージシャンと共演している。 今回の感想:こどもに何かを教えられる機会が持てて光栄です。 - 216 - 7.部屋のレイアウトと機材・教材 機材: アンプ 1台 スピーカー 教卓ミキサー 2台 8CH(AX001 Mackie CR-1604) 教卓セット(CDJ/CDJ800:2台、ミキサー/DCM300:1台) 生徒卓セット 5セット ヘッドフォン 6 (CDJ2台、ミキサー1台) 音響機材をつなぐケーブル 教材: 10曲入りCD2枚(それぞれ、BPMが同じもの) 黒板 ステレオ ステレオ 講師卓 CDJプレーヤー ミキサー CDJプレーヤー ミキサー @Net スタッフ アシスタント 生徒用予備席 - 217 - - 218 - 第 5 回DJワークショップレポート DJ KIDS DREAM - 219 - 2003 - 220 - 目次 1. 概要 (1)ワークショップタイトル (2)開催場所 (3)人数 (4)対象年齢 (5)内容概要 2. スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) (2)ワークショップ詳細スケジュール・第 4 回ワークショップ 3. 実際の様子 (1)第 5 回ワークショップ 4. 総括 - 221 - 1. 概要 (1)ワークショップタイトル:DJキッズドリーム 2003 〜DJワークショップ〜 (2)開催場所:劇団ひまわりレッスンスタジオ(東京渋谷区恵比寿西 2-12-12) (3)人数:1レッスン(2時間) 4人 1日 1 レッスン 合計 4 人 (4)対象年齢:12歳〜15歳までの男女 (5)ワークショップの目的と主旨 新しい音楽表現手段としての DJ リミックスは世界中のメジャー音楽シーンの重 要な位置を占めるまでに成長発展をしてきました。日本では DJ は 18 歳以上のク ラブシーンのカルチャーに位置づけられるため欧米に比べキッズ、ティーンに純 粋に音楽表現、創造の手段として定着しないまま今日に至っています。今回すで に一般的な音楽表現手段としてメジャー音楽シーンでも認知された DJ リミック スをキッズ、ティーンズまでに広げることで日本でのアンダーグラウンドなイメ ージを払拭するとともに次世代を担う若き才能を DJ の分野で日本から輩出すべ くその基礎固めをワークショップ&イベントという形で展開します。 共催のアットネットーホームはCATVインターネットプロバイダー最大手で1 30万世帯にブロードバンドインターネットの環境、コンテンツを提供し一方で 学校教育機関にむけてアットネットスクールというブランドで安心かつ高品位な サービスを提供しています。 今回は、世界的にCDJを普及させDJの文化普及に貢献しているパイオニア株 式会社の全面的協力を得て日本での次世代の若きDJキッズカルチャーを育成開 花します。 - 222 - 2.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) 12:30-13:00 @ネットオフィス集合・移動 13:00-13:45 機材セットアップ&サウンドチェック 14:00-15:50 第 5 回DJワークショップ(1 時間 50 分) 15:45-16:30 アンケート収集・機材撤去 (2)ワークショップ詳細スケジュール 第 4 回ワークショップ 前半 13:50 教材(CD)の選択 14:00 挨拶・自己紹介 14:05 DJの歴史の説明 14:10 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 14:15 機材の基本的な使い方の説明 14:20 デモンストレーション&実施 14:30 手動による早送りなどの操作方法の説明・実施練習 14:45 機材を使っての早送りなどの操作方法の説明・実施 14:50 ミックス方法の説明 14:55 休憩 後半 15:05 復習・講師によるデモンストレーション 15:15 ミックス操作を実施・発表 15:35 ミックスリレーを全員で実施 15:50 終了・参加生徒からの感想 15:55 今後の展開を説明 - 223 - 3. 実際の様子 (第 5 回ワークショップ) 前半 (1)教材(CD)の選択 生徒に講師が予め用意したCDを選んでもらった。 比較的男子は、男性歌手、女子は、女性歌手のCDを選んでいた。聞いたことの ないCDに関しては、実際に聞いて選んでもらった。 (2)挨拶・自己紹介 講師の自己紹介後、各生徒の自己紹介をしてもらった。その後、機材がセッティ ングされている席に付いた。(クラスが始まる前、講師と生徒が、どんなことに 興味があるかなどを話したり、CDの選曲などコミュニケーションを図っていた ので、緊張はほぐれていた。 (男子 2 人、女子 2 人、平均年齢10.7 歳) (3)DJの歴史の説明 松田講師から、DJの歴史を説明。(西洋のパーティーなどの社交場で踊りを するために音楽をかける人が必要だったことからDJが始まったということを説 明。この後に、アナログレコードを見せたが、子供達は、以前にも見たことがあ ったので、驚く様子はなかった。 ) (4)DJ、CDJセットの仕組みについて説明 講師からCDJ機材1つ1つの役割・機能を説明した後に、2 つの機材を同時に - 224 - 使用した時の機能を説明。 (この時、初めて機材を見る生徒が多かった。 ) (5)機材の基本的な使い方の説明 生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。ディスクの入れ方、再生の 仕方、ボリューム操作を主に説明。 (実際に講師が動かすと興味深く、見ていた。 ) (6)デモンストレーション&実施・1人ずつ音を再生。 1 人ずつ音を再生してもらい、再生されている曲のジャンルを同時に説明。 (この時、初めて機材に触ったが、抵抗もなく操作を行なっていた。 ) (7)手動で再生されている曲を止める方法、早送り・巻き戻し方法を説明。 (通常のCDプレヤーでは、実際にCDが再生されている盤に触って、このよう な操作は、できないので、驚いていた。ここで新しい発見をした。 ) - 225 - (8)なるべく長い時間、機材に触れてもらいたかったので、こちらの作業を各自、ヘ ッドフォンをつけて練習。同時にヘッドフォンの装着の仕方も説明。ヘッドフォ ンと機材の仕組みも説明。(実際に 1 人で練習しているとわからなくなってしま う生徒がいて、近くにいるアシスタント講師に何度も質問をしていた。 ) (9)手動ではなく、機材を使って音のスピード調整をするやり方、フェードアウトの 仕方を説明し、1人1人、発表してもらった。(普段聞いている曲が変化して聞 こえるので、操作に楽しんでいた。 ) - 226 - (10)音をフェードアウトしながら、次の曲へつなげるミックスのやり方を説明。1人 ずつ実施。 (発表の時、2 つの操作を同時に行なうことが難しいようで、繰り返し行なった。 ) (11)休憩 休憩時間を 10 分程取った。(この時、後半の教材として、講師が用意したC Dを選んでもらった。 ) 後半 (12)復習・講師によるデモンストレーション DJとは、何かということ、前半でやったことを再度説明し、講師とアシス タント講師が1人ずつ、DJパフォーマンスを見せた。この目的として、D Jは素晴らしいと子供達に憧れの意識を抱いてもらうために実施。(松田講師 のパフォーマンスに圧倒されて、感心していた。 ) - 227 - (13)前半で習得したフェードアウトして次の曲へつなげるミックスを全員で実施。 (講 師が指名した生徒から順番に行なった。子供達は、次に当たるか当たらないかド キドキしながら待っていたが、ゲーム方式で行なったので、楽しんでいた。 ) (14)音と音をつなげるミックスを全員で実施 ここでは、ミックスリレーと題し、1人が音を再生し、その隣の生徒がその音をつ なげる作業を繰り返した。結果的に5人の曲は、ノンストップとしてつなげられた。 ここにボリューム調整も行い、音の変化を試した。 (発表の時が待ち遠しく、待ち時間でも機材をずっとさわっていた。 ) (15)参加生徒からの感想を1人ずつ言ってもらった。 「難しいけどできるようになって嬉しい、楽しかった。後半の方がレッスンに慣れ て楽しめた」などの感想があった。 (16)今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・竹中から、感想と今後の展開を説明。 - 228 - 4. 総評 今回も、平均年齢 10.7 歳と若年層だったがカリキュラム、教材を多少、変更したこと でスムースだった。教材は、今まで講師が制作したBPM(リズム)が同じCDを用 意したが、今回は生徒に普段聞いているリズムの良いCDを各自2枚持ってきてもら った。主催側でも子供受けするCDを20枚程用意した。今回の目的として、普段聞 いている曲をCDJミキサー、プレヤーによって変化させ、新しい発見をしてもらう ということだった。 子供達は、好きな歌手のCD、自分が選んだCDが大きな音で聞こえると嬉しそうで あり、足でリズムを取ったりしてノっていた。もともと、CDJを初めてみる生徒ば かりなので、機材への抵抗をなくすためにもこういった音楽による雰囲気作りは、重 要である。また、好きなCDを選ぶことによって創作意欲を向上させることで非常に 意義があった。 今回は、音をつなぐミックスのような技術に焦点を当てるよりも、CDJを使って何 ができるかということを習得してもらうことだったが、生徒全員が、クリアーし達成 感を得ていた。 基本的なカリキュラムは、変えず生徒の適正に合わせて進めているが、レッスンごと にレッスン内容の討議を行なっていたことが活かされてきた。 これまでやってきて小学校低学年向けプログラム、小学校高学年―中学校向けプログ ラム 中学校以上プログラムと3種類の適正プログラムが蓄積されてきた。 - 229 - - 230 - 第 6 回DJワークショップ 第 1 回DJワークショップ アドバンスコース DJ KIDS DREAM - 231 - 体験コース 2003 - 232 - 目次 1. 概要 (1)ワークショップタイトル (2)開催場所 (3)人数 (4)対象年齢 (5)内容概要 2. スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) (2)ワークショップ詳細スケジュール・第 6,7 回ワークショップ 3. 実際の様子 (1)第 6 回ワークショップ・アドバンスコース (2)第 7 回ワークショップ・体験コース 4. 総括 - 233 - 1. 概要 (1)ワークショップタイトル:DJキッズドリーム 2003 〜DJワークショップ〜 (2)開催場所:劇団ひまわりレッスンスタジオ(東京渋谷区恵比寿西 2-12-12) (3)人数:体験コース(2時間) 3人 ・アドバンスコース(2.5 時間)4 人 (4)対象年齢:12歳〜15歳までの男女 (5)ワークショップの目的と主旨 新しい音楽表現手段としての DJ リミックスは世界中のメジャー音楽シーンの重 要な位置を占めるまでに成長発展をしてきました。日本では DJ は 18 歳以上のク ラブシーンのカルチャーに位置づけられるため欧米に比べキッズ、ティーンに純 粋に音楽表現、創造の手段として定着しないまま今日に至っています。今回すで に一般的な音楽表現手段としてメジャー音楽シーンでも認知された DJ リミック スをキッズ、ティーンズまでに広げることで日本でのアンダーグラウンドなイメ ージを払拭するとともに次世代を担う若き才能を DJ の分野で日本から輩出すべ くその基礎固めをワークショップ&イベントという形で展開します。 共催のアットネットーホームはCATVインターネットプロバイダー最大手で1 30万世帯にブロードバンドインターネットの環境、コンテンツを提供し一方で 学校教育機関にむけてアットネットスクールというブランドで安心かつ高品位な サービスを提供しています。 今回は、世界的にCDJを普及させDJの文化普及に貢献しているパイオニア株 式会社の全面的協力を得て日本での次世代の若きDJキッズカルチャーを育成開 花します。 - 234 - 1 スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) 9:30-10:00 @ネットオフィス集合・移動 10:00-10:45 機材セットアップ&サウンドチェック 11:00-13:30 第 6 回DJワークショップ(2 時間 30 分) 13:30-13:45 アンケート収集 14:00-16:50 第 7 回DJワークショップ(1 時間 50 分) 16:50-17:30 アンケート収集・機材撤去 (2)ワークショップ詳細スケジュール 第 6 回ワークショップ・アドバンスコース 前半 11:00 教材(CD)の選択 11:10 挨拶・自己紹介 11:15 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 11:20 機材の基本的な使い方の説明 11:25 デモンストレーション&実施 11:35 QUEの使い方を説明 11:40 ミックスの説明と実施 11:50 休憩 後半 12:00 イコライザーの説明、実施 12:15 ミックスリレーを全員で実施 12:30 各自、デモテープ用の曲を選択 12:45 発表形式でのレコーディング 13:25 今後の展開を説明 - 235 - 第 7 回ワークショップ・体験コース 前半 13:55 教材(CD)の選択 14:00 挨拶・自己紹介 14:10 DJ、音、CDJセットの仕組みについて説明 14:15 機材の基本的な使い方の説明 14:20 デモンストレーション&実施 14:30 手動による早送りなどの操作方法の説明・実施練習 14:45 機材を使っての早送りなどの操作方法の説明・実施 14:50 ミックス方法の説明 14:55 休憩 後半 15:05 イコライザー調整の説明・実施 15:15 ミックス操作を実施・発表 15:35 ミックスリレーを全員で実施 15:50 終了・参加生徒からの感想 15:55 今後の展開を説明 - 236 - 3 実際の様子 (1)(第 6 回ワークショップ・アドバンスコース) 前半 ア)教材(CD)の選択 講師が予め用意したCDを選んでもらった。 (比較的、聞いたことのある、好きなアーティストのCDを選択していた。 ) イ)挨拶・自己紹介 機材がセッティングされている席に着いてもらい自己紹介をしてもらった。講師 の方からは、アドバンスコースで行なうことを簡単に説明した。 以前に体験コースを受講した生徒なので、緊張している様子はなかった。(男子 1 人、女子 3 人、平均年齢 12.3 歳) ウ) DJ、CDJセットの仕組みについて説明 体験コースを受けてから1ヶ月以上経っている生徒もいたので、講師からCDJ 機材の機能を再度説明。 - 237 - エ) 機材の基本的な使い方の説明 体験コースの復習として、生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。 ディスクの入れ方、再生の仕方、ボリューム調整を主に説明。 (徐々に、思い出 しているようであった。 ) オ)デモンストレーション&実施・1人ずつ音を再生 (既に機材に触ったことがあるので、抵抗もなくスムーズに操作していた。 ) カ) QUE(曲の頭を記憶するボタン)の使い方を説明 曲をリミックスさせる時に使用する重要な操作なので、実際に生徒の機材を使い、 見せながら説明。 (こちらは、多少難しく、何度も講師に質問していた。 ) - 238 - キ)QUE操作を1人ずつ実施 (全員、スムーズにこなした。 ) ク) 音をフェードアウトしながら、次の曲へつなげるミックスのやり方を説明。 1人ずつ実施。 (全員、問題なくクリアーさせていた。 ) ケ) 音と音をつなげるミックスを全員で実施 ここでは、ミックスリレーと題し、1人が音を再生し、前に行なった生徒が次に 実施する生徒を指名して行なった。結果、4 人の曲は、ノンストップとしてつな げられた。 (ゲーム方式で行なったので、音をつなげることを自然に楽しんでいた。 ) - 239 - コ)休憩 休憩時間を 10 分程取った。 後半 サ)イコライザー調整 (低音、中音、高音)調整の仕方を説明、生徒が各自実施。 シ)ミックスリレーで、ミックスの練習 ミックスとイコライザーを同時に行なって、ミックスリレーを左周りで行なった。 (ボリュームを調整するのをまめにコントロールしていた。 ) ス) 選曲 各自生徒が選んだ曲をつなげて、1つのデモテープを制作する時に使う、楽曲 を3曲、ヘッドフォンを聴きながら選んでもらった。 (トラックリサーチボタンも上手くこなし、選曲していた。 ) セ)発表形式でのレコーディング 発表形式で、各自選んだ3曲をリミックスしてもらった。この曲のつなげ方は、 それぞれ自由に行なってもらった。(前もって、こちらのデモテープ(MD)を 作品として録音すると告知していたので、緊張していたが、フェーダーを使った りと余裕ある操作だった。 ) ソ)参加生徒からの感想を1人ずつ言ってもらった。 「アドバンスコースと聞いて、難しいと思ったけど、出来てよかった。途中からど んどん楽しくなった」などの感想があった。 タ)講師から生徒へ1人ずつ、デモテープを渡した。 (デモテープをもらって、嬉しいという意見が多かった。 ) - 240 - チ)今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・竹中から、感想と今後の展開を説明。 2)(第7回体験コース) 前半 ア)キョウザイ(CD)の選択 CDを持って来ていない生徒に講師が予め用意したCDを選んでもらった。 イ)挨拶・自己紹介 講師の自己紹介後、各生徒の自己紹介をしてもらい、好きな歌手を言ってもらっ た。 (少し緊張している様子だった。 ) (男子 1 人、女子 2 人、平均年齢11.7 歳) ウ)DJ、CDJセットの仕組みについて説明 講師からCDJ機材1つ1つの役割・機能を説明した後に、2 つの機材を同時に 使用した時の機能を説明。 (この時、初めて機材を見る生徒が多かった。 ) - 241 - エ)機材の基本的な使い方の説明 生徒達を講師卓に集めて、機材を動かしながら説明。ディスクの入れ方、再生の 仕方、を説明。また、この機材で何が出来るのかを説明。 (興味深そう見ていた。 ) オ)デモンストレーション&実施・1人ずつ音を再生。 右側のプレーヤーから 1 人ずつ音を再生してもらった。 (この時、初めて機材に触ったが、男子生徒は、抵抗もなく操作を行なっていた が、女子生徒は、少し強張っていた。 ) カ)講師卓に集めて、手動で再生されている曲を止める方法、早送り・巻き戻し方法 を説明。(通常のCDプレヤーでは、実際にこのような操作はできないので、驚 いていた。 ) - 242 - キ)手動ではなく、機材を使って音のスピード調整をするやり方、フェードアウトの仕 方を説明し、1人1人、実施してもらった。 ク)音をフェードアウトしながら、次の曲へつなげるミックスのやり方を説明。1人ず つ実施。 (上手くつなげられない生徒は、出来るまで何度も繰り返して行なった。 ) ケ)休憩 休憩時間を 10 分程取った。 後半 コ)イコライザー(低音、中音、高音)調整の仕方を説明、生徒が各自実施。 (ここでは、自分で音を変化させられるので、楽しんでいた。 ) - 243 - サ)前半で習得したフェードアウトして次の曲へつなげるミックスを全員で実施。 拍子に合わせてミックスすると上手くいくというポイントを講師がアドバイス。 (実施した生徒が次に行なう生徒を指名して行うという作業を繰り返した。 ) シ)音と音をつなげるミックスを全員で実施 ここでは、ミックスリレーと題し、1人が音を再生し、その隣の生徒がその音を つなげる作業を繰り返した。結果的に 3 人の曲は、ノンストップとしてつなげら れた。ここにボリューム調整も行い、音の変化を試した。 (生徒が3人と通常より少なかったため、1 人2回実施した。 ) ス)参加生徒からの感想を1人ずつ言ってもらった。 「難しそうだったけど、思ったよりも出来た。リミックスが楽しかった」などの感 想があった。 セ)今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・三浦から、感想と今後の展開を説明。 - 244 - 4. 総評 今回は、アドバンスコースと体験コースを同日に行なったので、比較対象として大変 参考になった。やはり、一度体験コースを受けている生徒は飲み込みが早く、ワーク ショップへの意気込みが感じられた。体験コースは、DJに興味はあるけど、まだ機 械に触ったことがないので、不安な様子が感じられた。しかし、全体的に年齢性別関 係なく上達していき、最後は達成感に満ちており、是非、アドバンスコースに進みた いという生徒ばかりだった。 今回のアドバンスコースは、初回となるが、デモ作品を制作してもらうことが大きな ゴールとなった。発表形式で1人ずつ録音し、最後にこのデモテープを講師から渡し た。選曲する時間がかかったせいで、予定時間よりも押してしまったので、今後は、 予め生徒に曲を選んでもらってから録音に臨む。また、発表時間が1人の生徒で約6 −8分位かかってしまうので、その間、生徒が退屈してしまう様子が伺えたので、例 えば、発表した生徒の感想を言ってもらうなどの工夫が必要である。このアドバンス コースから選ばれた生徒が発表会に出演する予定だが、こちらの発表会では、音をつ なげるミックスが最も重要視されるため、ミックス操作が全員の前でできることを考 慮して、このようなカリキュラム構成になった。 全体を通して見ると、体験コース、アドバンスコースと回を重ねた方が、子供達も自 信を持って、集中して、レッスンを受けていた。 - 245 - - 246 - 第 2 回、第 3 回DJワークショップ DJ KIDS DREAM - 247 - アドバンスコース 2003 - 248 - 目次 1. 概要 (1)ワークショップタイトル (2)開催場所 (3)人数 (4)対象年齢 (5)内容概要 2. スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) (2)ワークショップ詳細スケジュール・第 6,7 回ワークショップ 3. 実際の様子 (1)第 2 回ワークショップ・アドバンスコース (2)第 3 回ワークショップ・アドバンスコース 4. 総括 - 249 - 1. 概要 (1)ワークショップタイトル:DJキッズドリーム 2003 〜DJワークショップ〜 (2)開催場所:劇団ひまわりレッスンスタジオ(東京渋谷区恵比寿西 2-12-12) (3)人数: 11/8 アドバンスコース(2 時間)4 人、11/29 アドバンスコース(2 時間)4 人 (4)対象年齢:12歳〜15歳までの男女 (5)ワークショップの目的と主旨 新しい音楽表現手段としての DJ リミックスは世界中のメジャー音楽シーンの重 要な位置を占めるまでに成長発展をしてきました。日本では DJ は 18 歳以上のク ラブシーンのカルチャーに位置づけられるため欧米に比べキッズ、ティーンに純 粋に音楽表現、創造の手段として定着しないまま今日に至っています。今回すで に一般的な音楽表現手段としてメジャー音楽シーンでも認知された DJ リミック スをキッズ、ティーンズまでに広げることで日本でのアンダーグラウンドなイメ ージを払拭するとともに次世代を担う若き才能を DJ の分野で日本から輩出すべ くその基礎固めをワークショップ&イベントという形で展開します。 共催のアットネットーホームはCATVインターネットプロバイダー最大手で1 30万世帯にブロードバンドインターネットの環境、コンテンツを提供し一方で 学校教育機関にむけてアットネットスクールというブランドで安心かつ高品位な サービスを提供しています。 今回は、世界的にCDJを普及させDJの文化普及に貢献しているパイオニア株 式会社の全面的協力を得て日本での次世代の若きDJキッズカルチャーを育成開 花します。 - 250 - 1.スケジュール (1)当日スケジュール(搬入、準備) 12:30 @ネットオフィス集合・移動 13:00-13:50 機材セットアップ&サウンドチェック 14:00-16:00 DJワークショップ(2 時間 00 分) 16:00-17:00 アンケート収集・機材撤去 (2)ワークショップ詳細スケジュール 第 6 回ワークショップ・アドバンスコース 前半 13:55 教材(CD)の選択 14:10 挨拶・自己紹介 14:15 機材の基本的な使い方の説明(復習) 14:20 各機能の説明・実施練習 14:35 14:50 選曲 休憩 後半 15:00 選曲 15:10 リハーサル 15:30 発表形式でのレコーディング 15:55 終了・参加生徒からの感想 16:00 今後の展開を説明 第 7 回ワークショップ・アドバンスコース 前半 13:55 教材(CD)の選択 14:15 挨拶・自己紹介、コースの説明 14:20 機材の使い方の復習・練習 14:50 休憩 後半 15:00 各機能の説明・実施 15:15 リハーサル 15:30 発表形式でのレコーディング 15:55 講師から挨拶 - 251 - 3.実際の様子 (1)(第 2 回ワークショップ・アドバンスコース) 前半 ア)教材(CD)の選択 講師が予め用意したCDを選んでもらった。こちらは、デモテープに使用。 (比較的、聞いたことのある好きなアーティストのCDを選んでいた。 ) イ)挨拶・自己紹介 機材がセッティングされている席に付いてもらい自己紹介をしてもらった。講師 の方からは、アドバンスコースで行なうこと、デモテープを作成することを説明 した。 ウ)機材の基本的な使い方の説明 体験コースの復習として、生徒達を講師卓に集めて、それぞれの機能を説明し、 2つのプレーヤーを使って 1 人ずつ再生、停止作業を練習した。 - 252 - エ)イコライザー調整 EQ(低音、中音、高音)調整の仕方を復習、生徒が各自実施。 オ)リミックス方法 曲をフェードアウトボタンを押しながら次の曲へつなげるやり方を説明した後に、 1人ずつ実施。曲をつなげていく中で EQ 操作も同時に行なった。 この時、音をつなげるときのタイミング、リズムを追加説明。 (1 度、行なったことがあるので、取り戻しが早かった) カ)QUE(曲の頭を記憶するボタン)の使い方を説明。 その後、各生徒の卓に回って実施。 キ)選曲 講師から1曲目を選ぶにあたってのアドバイスをした。 (2 曲目の曲を考慮すると いうことと全体の構成を考えるということ) その後、発表形式で実施。 2 曲目の選択へ進んだ。 同時に、次の曲へつなげる時のタイミングに関してもアドバイスがあった。 ク)休憩 休憩時間を 10 分程取った。 - 253 - 後半 ケ)選曲 3曲目の頭だしをやってもらった。3曲目の終わり方をアドバイス。 (基本的に子供達に自分の考えでやってもらい、少しアドバイスを加えた) コ)リハーサル レコーディングのために練習&リハーサルをしてもらった。 リハーサルを 1 人ずつ、実施してもらった。EQ 操作、曲の終わり方、ミックス 方法は、様々のスタイルで行なった。 サ)発表形式でのレコーディング 発表形式で、各自選んだ3曲をリミックスしてもらった。 (前もって、こちらのデモテープ(MD)を作品として録音すると告知してい たので、緊張していたが、様々な操作を付け加えたりと余裕あるレコーディン グとなった) シ)参加生徒からの感想を1人ずつ言ってもらった。 「アドバンスコースと聞いて、難しいと思ったけど、出来てよかった。途中か らどんどん楽しくなった」などの感想があった。 ス)講師から生徒へ1人ずつ、デモテープを渡した。 (デモテープをもらって、嬉しいという意見が多かった。 ) セ)今後の展開を説明 主催者側アットネットホーム・竹中から、感想と今後の展開を説明。 2)(第 3 回アドバンスコース) - 254 - 前半 ア)教材(CD)の選択 講師が予め用意したCDを選んでもらった。こちらは、デモテープの録音と発表 会の時に使用する楽曲なので、選ぶのに時間がかかった。 (実際に 6,7 曲をヘッドフォンで聞いてもらった。 ) イ)アドバンスコースの説明 アドバンスコースで行なうこと、発表会で行なうことを説明。 自己紹介と発表会の意気込みを 1 人ずつ話してもらった。 「緊張すると思うけど、がんばりたい」という言葉が多かった。 講師からは、「チームワークを築いて、素晴らしいショーにしましょう」と励まし た。 ウ)復習 1人ずつ選んだ曲を再生してもらった。この時、再生した曲の拍子、ジャンルを 説明。 その後、フェードアウトしてつなげるリミックス、ビートマッチでのつなげ方、 逆回転でつなげるリミックスのそれぞれのやり方を説明。 エ)練習 なるべく長い時間、機材を触って、感を取り戻してもらう目的で、各自、練習し てもらった。この時、講師 1 人、アシスト講師 2 人がそれぞれの生徒の卓に 回ってアドバイスした。 - 255 - オ)休憩 カ)EQボタン(音量調節)の使い方、スラッチの仕方を説明。 各自その後、練習・実施してもらった。 キ)発表形式でのリハーサル 選んだ2曲を自分の考えた方法でつなげてもらった。この時に、EQ 操作も同時 に行った。 ク)レコーディング 各自、発表形式でレコーディングを行った。 (緊張している様子はなく、自信のあるプレイだった) ケ)講師の挨拶 DJワークショップを終えて、こちらの集大成となる発表会に向かってみんなで がんばろうと意気込みを語った。 - 256 - 5. 総評 11月のワークショップは、両日ともアドバンスコースだったが、基本的に前半は、 復習、後半に発表形式でのレコーディングを行い、最後に講師から録音したデモテー プを渡した。 機材操作技術の習得目的に加え、自分で曲を選び、その中で自分の方 法で曲をつなげ、オリジナルの作品を作ることが 1 つの大きなテーマとなった。 アドバンスコースということもあり、機材操作を覚えるのは早く、講師が教えていな いことも付け加えたりと子供達の創造性が優れているのには驚かされた。また、他の 生徒が発表している時に、その素晴らしい手法を見て、真似する生徒もおり、相乗効 果を生んでいた。 発表会に出演する子供が多く参加していたので、生徒達は、非常に真剣に取り組んで おり、子供達の間では自然にチームワークが確立していた。 11/29 のコースは、半ば発表会のための練習となり、このコースの後に 2 時間半ほど、 リハーサルを行なったが、非常に早いスピードで習得し、発表会への意気込みが感じ られた。 ワークショップ最後に相応しい有意義な時間となり、生徒も講師・スタッフも達成感 で満ち溢れていた。 - 257 - - 258 - インプロ(即興) - 259 - - 260 - インプロ(Impro)は「インプロビゼーション(Improvisation=即興) 」から来た言葉で、 「台本や打ち合わせが全くなく、その瞬間に起こったことを受け入れ合いながら演技が即 興で作られていく」事をさします。例えばロビン・ウィリアムズ、ウッディ・アレン等、 多くの役者も経験し、その後の活動に役立てています。 プロフェッショナルな表現者達が自分の能力を高め、創造力を培う方法として行ってき たインプロ・ワークショップを、子ども向けのワークショップとして構成しました。イン プロのメソッドを利用して。子ども達の創造能力を高め、最後に作品を作ってもらおう。 というのが今回の試みです。まず心と身体のリラックスをし、次にコミュニケーション能 力を高め、徐々に即興の演技へと移行していく様にプログラムを組み、最後に創作パフォ ーマンス発表を行います。 今回のワークショップでは、従来のインプロのメニューにはなかった新しい、ユニーク な試みとして、デジタル・カメラを使用します。「デジタルを使って物を創る」という一 過性の作品づくりだけではなく、子ども達に、コミュニケーションの道具として、叉、作 品を創り上げていく為の道具としてのデジタル・ツールの力を認識し、使ってもらう、と いうユビキタス時代のインプロ・メニューとなっています。 インプロのメソッドの優れたところは、表現者はもちろん社会人や子供にとっての効果 的なトレーニング・メソッドである点です。まずワークショップ 1 日目は、遊びながらゲ ームを体験する事により、大きくふたつの能力を身についていきます。 (1)「自己表現力」「自己認識力」「発想力」など自分の内面の能力 (2)「対人関係力」「対人共感力」等の対人スキル そして 2 日目には、1 日目に培った表現力や発想力、他人とのコミュニケーション能力 を生かし、共同で「創作パフォーマンス」を創り上げてもらいます。 1.概要 目 的 デジタル・ツール(デジタル・カメラ、PC)を活用して、作品、創作パフォー マンスを創る。豊かな自己表現力を身につける。コミュニケーション能力の開 発。学校生活や、社会生活を営む上での「生きる力」を育む。 対象年齢 小学 1 年生〜小学 6 年生 募集人数 各クラス/20 名程度 参加人数 全 55 人決定 (小学 1 年〜2 年/小学 3 年〜6 年の 2 クラス) (今回ワークショップへの申し込みが非常に多かったので、年 少組と年長組にクラスをわけて、1 回のワークショップ時間を予定していた ものより 30分延長して行う事にしました。 ) クラス 1:小学 1 年〜2 年 23 人 27 日 23 人中 22 人参加 28 日 23 人中 19 人参加 クラス 2:小学 3 年〜6 年 32 人 27 日 32 人中 26 人参加 28 日 32 人中 29 人参加 - 261 - 講 師 佐藤 厚 氏 (小学 1 年〜2 年) 玉川学園で児童の劇表現教育を研究。 各地の児童施設のワークショップで講師を勤める。 鈴村 近雄 氏(小学 3 年〜6 年) 劇団ひまわり専任講師、俳優。 舞台劇「赤毛のアン」など、各作品に演出スタッフとしても参加。 開催場所 劇団ひまわり(恵比寿)スタジオ 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西 2 丁目 12-12 募集期間 7 月 15 日(火)から 7 月27日(日)まで 募集方法 劇団ひまわり内の掲示板に掲示。生徒にちらし配布。(2000部) 各生徒の友人にちらし配布 開催日時 8 月 27 日(水)10:00〜12:30 13:00〜16:00 8 月 28 日(木)10:00〜12:30 13:00〜16:00 参加費 無料 ファシリテーター数 必要な道具 なし。講師 2 名のみ。 デジタル・カメラ(5 台/キャノン提供 CANON IXY DIGITAL400) 、 接続コード、本、CD ラジカセ、音楽 CD(講師持参) コンピューター1台(使用機種/マッキントッシュ Power Book G4) インプロ・プログラムの紹介と説明(今回はこの中から適当と思われるものを選びました) (1) 心 と 身 体 の リ ラ ッ ク ス 集団づくり・・・安心感と連帯感を深める 空間の認識・・・教室や体育館のスペースを身体で認識 呼吸への集中・・自分の呼吸、心音を聴く <意義> ワークショップを始めるにあたっての導入部分。集団の中の自分を意識しながら、リラッ クスし、その後の展開をスムーズにする。 <内容> 〇ウォーキング・距離感、空間の認識…教室のスペースに対して身体で距離感をつかみ、 均等に広がる。 〇Run&Jump,Push&Pull,タル&ヤブ 〇呼吸への集中…自分の呼吸,心音を聴く。 〇緊張と脱力 (2) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 互いを知る・・・自己紹介ゲーム 的確な伝達・・・アクションパス 力強い表現・・・深い呼吸を伴う発声(ブレス&ワードパス) - 262 - <意義> 他人とのコミュニケーション能力を高める。初めて顔を合わせた人との間の垣根を取り除 き対人関係能力を培う。集団の中での自分を認識し、自己表現ができるようにする。 <内容> 〇自己紹介ゲーム…2 人組みになってお互いを自己紹介。相手は次々に変わる。 〇デジタル・カメラでお互いを撮影等.…コミュニケーションを深め、自分の姿を認識する。 〇What ジャンケン!…バリエーションの増加により、声を出すことに抵抗をなくす。 〇「わたし」「あなた」Part 1〜3…相手を受け入れ、認めつつ自ら動く。 〇カウントパス…数字を回し、動き、感情表現などの条件変化に対応。 〇アクションパス…順番に動きを入れながら指定された言葉を回し的確な状況判断をする。 〇ボディタッチ・仲間集め…安心感と連帯感。 〇ブレス&ワードパス…深い呼吸を伴う発声。 〇キャッチワード…発想の瞬発力を身につける。 (3) シ ア タ ー ・ ゲ ー ム グループによる即興演習 劇的な状況下で 特別な能力を持っていたら 身分・立場の違いを強調して <意義> 人に見せる、見られる、聞く、伝える、という他人と関わりながら生きて行くために重要 な能力を磨き、方法、スキルを身につける。 <内容> 〇連想しりとり…即興的な想像力を養う。 〇「何やってんの?」…言葉と動きの状況把握。 〇Show&Tell…想像力を高め、状況把握したものを話す。 〇Listen&Tell…想像力を高め、より具体的な場面を創造し話す。 〇スピーチ&コミュニケーション…朝起きてから体験した事を感情を含め話す。 * リーディング・シアター <意義> 今までにこのワークショップで学んで来た事、全てを使って表現をする。柔軟な考え方、 臨機応変な対応能力を磨く。 <内容> 国語の授業等でお馴染みの物語り、例えば「おおきなかぶ」「スイミー」「力太郎」「つ り橋わたれ」「三年峠」「やまなし」などを声を出して読む。朗読の練習から、即興風に 朗読劇にして作品を楽しむ。ストーリーだけを頭に入れて即興で台詞を作ったり、読み手 を立てて、別の生徒がその場で演じたりする。最後にパフォーマンス発表をする。 - 263 - 2.開催にあたっての準備 4回 スタッフ・ミーティング 講師とのミーティング 4回 (5 月から 7 月にかけて) (5 月から 8 月にかけて) (内容) インプロビゼーションという、演劇の世界においてはクリエイティビティを高め自己表 現能力を身につけるのに非常に効果的であるとして、昔から活用され世界中で実施されて きているワークショップを、いかに 1.一般向けに 2.子ども向けに 3.先駆的に アレ ンジするかということを話しあった。まず、インプロの一般的な手法から、適切と思われ るものを選出し、小学生にも分りやすく楽しんでもらえる解釈をする様に気を配った。そ して、始めて出会う子ども同士が仲良くなり、共同創作作業がベストな状態でできるよう に、おおまかなプログラムの流れを決めた。本ワークショップをインプロ・ワークショッ プの先駆的な形態にする為に、デジタル・ツールの使用をメインに持ってきた。デジタル カメラを創作の補助ツールとして多用してもらおうと考えた。インプロとしては、初めて の試みであるので、どの様なメニューにおいて、どの段階で使用するかを、講師を中心に 熟考した。その結果、年少組は、まずコミュニケーションを深めるツールとして利用し、 その後で、創造性の高いものに移行しようということになった。叉、年長組は、既にカメ ラ等を使える子どもも多いであろうという観点から、自分の創作過程をチェックする道具 として使用することにした。 今回当初の予定よりも、参加希望者が多くなったので、募集期間半ばに、全員に参加し てもらえるよう、クラスを 2 つに分けた。小学校1年生から 2 年生のクラスと、3 年生か ら 6 年生のクラスである。それにより、講師も一人から二人へと増やし、時間も午前と午 後を毎日各30分間延長することにした。 ワ−クショップで使用するデジタルカメラをどうするかという案件についてであるが、 今回キャノン株式会社の協力を受けられることになり、5 台貸し出しをお願いした。キャ ノン側との折衝は 6 月末頃から始めたのだが、担当者の部署が変わったなどで、連絡が上 手く行かず、協力が決定したのが、8 月に入ってからであった。カメラのは、直接会場に 送っていただけることになり、8 月 25 日に受け取りをした。貸し出し期間は 1 週間となっ た。数を確認、先方に連絡して、当日までに充電を済ませた。又、カメラで撮った作品を 直ぐに皆で見て、話し合えるように、手持ちの PC を用意することになった。 ちらしは上記募集期間( 7 月 15 日(火)から 7 月27日(日)まで)の間、会場内の 掲示板にはり、生徒の応募を募るとともに、劇団の授業に参加している生徒全員に配布。 叉、生徒の学校の友人にも配布をしてもらう様に手配した。東京と大宮の 2 カ所で、参加 募集をした。その結果、かなり多数の希望者が集まったので、応募締め切り日に参加者を 決定し、追加募集等は行わない事になった。各応募者に参加決定の旨を連絡し、数が多い ので、2 クラス編成になった事を伝えた。連絡網など、システムがきっちりしているので、 - 264 - 募集から参加者決定、連絡まで、とてもスムースに進んだ。 ワークショップ・スケジュール・プラン 企画段階で決定したスケジュールは以下の通りである。 8 月 27 日 ( 水 ) 9:00 スタッフイン 9:30 講師等イン 10:00 講師紹介・主旨説明 10:10 ワークショップ・スタート (途中10分間の休憩を入れる) 心と体のリラックス/コミュニケーション(以下からメニューを選ぶ) 〇ウォーキング 〇Run&Jump,Push&Pull,タル&ヤブ 〇呼吸への集中。 〇緊張と脱力 〇自己紹介ゲーム 〇デジタル・カメラでお互いを撮影 〇What ジャンケン 〇「わたし」「あなた」Part 1〜3 〇カウントパス 〇アクションパス 〇ボディタッチ 〇ブレス&ワードパス 〇キャッチワード 12:30 前半クラス終了 13:00 後半クラス開始・主旨説明 13:10 ワークショップ・スタート (途中 10 分間の休憩を入れる) 心と体のリラックス/コミュニケーション(メニューは上記のものと同じ) シアター・ゲーム(以下からメニューを選ぶ) 〇連想しりとり 〇「何やってんの?」 〇Show&Tell 〇Listen&Tell 〇スピーチ&コミュニケーション 〇デジタルカメラを使い、創作パフォーマンスを撮影 16:00 一日目 年長クラス終了 - 265 - 8 月 28 日 ( 木 ) 9:30 スタッフイン、講師等イン 10:00 講師紹介・主旨説明 (途中 10 分間の休憩を入れる) 10:10 前日のコミュニケーションおさらい/デジタル・カメラ撮影 10:30 前日のシアター・ゲームおさらい 11:00 リーディング・シアター テキスト研究 12:30 13:00 年少クラス終了 年長クラス開始 (途中 10 分間の休憩を入れる) 13:10 前日のコミュニケーションおさらい 13:40 シアター・パフォーマンスへ移行 15:30 発表会 16:30 終了 3.ワークショップ実際の流れと観察 ⑴ ワークショップ実際の流れ (小学校 1、2 年) 8 月 27 日(水)10:00~12:30 9:30 10:00 子供到着、随時教室へと入る。講師到着。 出席確認。挨拶。ワークショップの説明。 (心と体のリラックス) ワークショップを始めるにあたっての導入部分。 集団の中の自分を意識しながら、リラックスし、 その後の展開をスムーズにするメニュー。 *いわゆる準備運動のようなもの。 10:15 ウォーキング (距離感、空間の認識) *教室のスペースに対して身体で距離感をつかみ、均等に広がる。 Run&Jump 1. 皆がお互いを見ながら、部屋にバラバラに広がる。ぶつからない様に気をつけな がら広がる。5 つ数える間に広がる。一度広がってから、もう一度場所を変 わって広がる。動きやすいようにすること。 *朝、6 時ぐらいに起きた人、6 時より前に起きた人、等と質問をする。子ども - 266 - 達、「はーい」と元気に返事をしている。 2. 今度は10秒で広がる。その御、ジャンプ 10 回、5 回。 3.ごろんと転がる。人とぶつからない様に、周りをよく見てゆっくりと廻る。 起きる時は手を使わない。 4.「歩こう」というかけ声と講師の手拍子と共に、歩く。「ごろん」というか け 声で、転がる。友だちとぶつからない所を探しながら歩く。 5. 歩く → 寝転ぶ → ジャンプ → 寝転ぶ → 起きる を繰り返す 6. 座って深呼吸。 10:20 タル&ヤブ 1. 2 人組になって、座る。じゃんけんをして、勝った人が「樽」 、負けた人が 「薮」になる。樽(タル)の人は樽の様にごろごろ転がること。薮(ヤブ)の 人は手足を広げて、薮のような形を作ること。 2. 教室を講師の手拍子に合わせて、歩き回る。「樽」というかけ声があったら、 樽の人はごろごろ転がる。色々な方向に転がること。その転がっている人 を 薮の人は跨ぐこと。「薮」というかけ声があったら、薮の人は、薮の格好をす る。そこを樽の人はくぐる事。 * ごろごろ転がる人は気をつける、薮の人は樽の人を飛び越えるとき、腰 から下を飛び越えること。 * 薮の人は色々な形をしていい。 * 子ども達元気で楽しそう。薮の形も色々で面白い。 * くぐる人、頭からでなくて、足から潜くぐる、等次々に方法を変える。 たる やぶ 樽 10:32 薮 「薮」と「樽」の役割を交代。 1. 薮の人と樽の人、前回とチェンジして、手拍子に合わせて、同じように やる。 *くぐり方色々工夫しよう。薮も色んな形をしよう。 ☆ スキップしながら。廻って、「樽」 、「薮」と同じ様にかけ声。 ☆ 他の人とくっ付いて大きな薮を作らせる。 - 267 - *友だちと一緒に転ぶ子もいて楽しそう。 10:40 2 回目終わり。 * 皆、かなりの運動で、疲れた様子。 (コミュニケーション) 他人とのコミュニケーション能力を高める。初めて顔を合わせた人との間の垣根を取り 除き対人関係能力を培う。集団の中での自分を認識し、自己表現ができるようにする。 10:42 デジタル・カメラで友だちの顔を撮ってみよう。 1. グループになる。4 人グループ 4 組み 5 人グループ 1 組み。 2. デジタルカメラを使って友達の顔を撮ってみよう、と説明。 3. 1 グループ1台ずつデジタルカメラを渡す。 デジタルカメラというツールを使って、全然知らない子ども同士が仲良く なるきっかけをつかもう、という試み。コミュニケーションの手段として の、デジタル・ツールの効果性はどうか? 2 日目の写真作品を作る前に、 カメラの使い方を知ってもらう、という意味もある。 ☆ しばらく自由に友だちの顔を、皆が交互に撮ってみる。 * 皆凄く興味ある様子で、使い方の説明を聞いている。とても喜んでカメ ラを触っている。撮って直ぐに見られるので、キャーキャーと喜んでい - 268 - る。使い方を覚えるのが早い。その内、スタッフが撮っていたビデオカ メラにも興味を示し、触ったりする。 * わいわい、きゃーきゃー騒ぎながら、カメラを撮る子たちは、すっかり 仲良くなってきた様だ。「心霊写真」を創ったりと、面白い写真をとる チーム続出。 11:10 カメラ撮影コミニュケ−ション終わり。 自己紹介 1. 音楽に合わせて、歩く。音楽が終わったら、二人組になって自己紹介。 * 名前、年、学年、住んでいる所、夏休み中に何をやったか(思いで)、 好きな色、好きな食べ物、好きなもの。をお互いに話す。 2. 二人とも終わったら座る。 * 皆嬉しそうに話しをしている。好きな食べ物が同じだったので、喜んだ り、電話番号を言って「電話番号はいいんだよぉ」と子ども同士で突っ 込みが入ったりする。 3.叉、音楽をかけて、歩く、音楽が止まったら、違う組みを作って再度自 己紹介。二人とも終わったら座る。 4. 1 から 3 を何度も繰り返す。だんだん話をする時間を短くする。手早 く話しをまとめないと、時間が足りない。(話し上手になる) *大体 8 回程繰り返した。参加者が殆ど全員知り合えた計算になる。 *講師が音楽を再開するタイミングは、半数の組が座った時位。 *最後の方は、自己紹介をやっていない人を見つけるのが大変。 * この紹介方法は、丸くなって独り独りが自己紹介をやっていく普通の 方法よりも心理的に楽で、良く話しができる。又、その時に自己紹介が できなかった人同士が、後で結構仲良くなったりするらしい。 (あ、あの時話せなかったね…等と話しが盛り上がるそうだ) 11:30 自己紹介終わり。10 分間休憩。 自己紹介 - 269 - 11:40 再開。 What ジャンケン! バリエーションを増加。声を出すことに抵抗をなくす。 少し高度なじゃんけんゲーム。人とのコミュニケーションの練習、知らない 人同士が組んで、何かを創作する時の準備段階として、子ども達に、声を出 す事に抵抗をなくさせるのが目的。 1. 二人組になる。ジャンケンをする。 2. 相手の出した手を早く言った方が勝ち。 相手の手を言い間違えたら、間違えた方の負け。同じ手でも早く言った ほうの勝ち。同時に言った時はあいこ。(早く言い過ぎない事) 3. 勝った人は「かったー」と叫ぶ。負けた人は「まけたー」と叫ぶ。 11:44 ジャンケン始め。 11:46 前回使っていない方の手を使ってジャンケン。 11:47 各手の呼び方(ルール)を変える。 * どんな呼び方にしようか、と講師が呼び掛けると、色々なアイディアが 出る。その結果、次ぎの呼び名に決定。 グー → チョキ パー 11:49 丸めた紙 → → ザリガニ マジックハンド 先程と同じルールで、やってみる。今度は「グー」というところを「丸めた 紙」と叫ばなければならない。 11:50 反対の手。 11:51 再度ルールを変える。 相手の出した手と自分の出した手を足す。 グー → チョキ パー 1 → → 2 5 * 相手がグーで自分がチョキだと、「3」と叫ばなければならない。 11:54 勝負突入 11:55 今度は大きな数から小さな数をひいて答えを叫ぶというルールに変更。 * 相手がパーで自分がチョキだと「3」と言わなければならない。 - 270 - * このジャンケンゲームで、遊びの工夫をすること、自分でルールを創り、 遊びを創造していく事の体験をしている。 11:56 ペアペア・ゲーム 1. 二人づつの組を作る。 2. 講師が色々なテーマを与えるので、その形をめいめいが考えて、身体で作 る。 ①お茶碗と箸 ②鉛筆と消しゴム ③スプーンとお皿 ④ナイフとフォーク ⑤石鹸とタオル ⑥歯磨き粉と歯ブラシ ⑦グラスとストロー ⑧お父さんとお母さん ⑨警官と泥棒 ⑩お爺さんとお婆さん ⑪先生と生徒 *それぞれ思い思いの形を作っている。 かなり面白い、独創的な形も。 お父さんとお母さんでは、 お父さんの真似で寝転んだりと、 見ていても楽しい。皆とても上手。 12:05 今度は子ども達から、テーマを募る。 子どものアイディアは以下の通り。 ①フォークとスプーン ②洋服とズボン (女の子) ③引き出しとたんす ④ドアと壁 (女の子) (男の子) (男の子) ⑤テーブルと椅子 (女の子) ⑥恐竜とウルトラマン ⑦ピアノと椅子 (女の子) (女の子) * 次々に、子どもがアイディアを出す。はいはい、と元気。 * かっこ内は発言した子の性別 - 271 - 12:11 カウントパス 数字を回し、動き、感情表現などの条件変化に対応する練習をする。 1. 11人ずつの大きな円を作る。 2. 1から順番に7まで数えてもらう。 3. 7の次ぎはまた1からスタートする。 4. 数字を数えるとき、次の人の方にしっかりと顔を向けて次ぎの人を見ながら言うこと。 * 1の人は講師が指定する。そこから右まわしで数を言っていく。 * 結構7の次ぎに8を言う子どもが多く、失敗する。 * 人の言う事に注意をして、きちんと聞かないからだよと、講師。 * 暫くやると結構慣れて来て、きちんと隣の人を見ながら数字をいう。 12:16 反対まわし。(左まわし) 12:18 グループの中で場所を変わり、今度は1から13までカウントして、叉1 から始める。右まわし 12:20 反対まわし(左まわし) * 女の子の方が上手いかも。 12:22 終了。 明日の説明。 12:25 終わりの挨拶。 1年生、2年生のクラス一日目終了。 一日目は、小学校低学年という年令もあって、子ども達同士が良く知り合い、共同意識を 持ち、より深いコミュニケーションがとれるように、ということに重点をおいたメニュー 構成であった。今回コミュニケ−ションのツールとしてデジタル・カメラを使用してみた が、結果は講師も驚くほど良いもので、非常に効果的だった。デジタルカメラ使わない通 常のインプロ・ワークショップでは、今回の様に早い段階で参加者がお互いに打ち解け、 友だちになった事はなかったという。今後もデジタルツールの導入を是非積極的に進めて 行きたいと、講師は話していた。 8 月 28 日(木)10:00~12:30 9:30 講師到着、子ども到着し始める。 - 272 - 10:00 出席確認、挨拶。本日やる事の説明。 10:08 準備運動。 肩を上げて、下ろす。 首をまわす。 指の体操。(グー、パー、チョキ、で片一方づつ閉じたり開いたり) 10:15 講師の「歩く」というかけ声と手拍子をもとに、教室を歩き、ジャンプ、 ゴロン、立つ、の繰り返し。 スキップしたりゆっくり歩いたり、と歩く 方法も変える。 10:17 深呼吸。寝転んで休む。 * 静かな音楽をかける。 、 * 寝転んで目を閉じる。 (シアターゲーム) スピーチ&コミュニケーション (体験した事を感情を含め話す。 ) *寝転んで、目を閉じたまま、夏休みの思い出を思い起こす。やった事、 見た事、聞こえて来た事、触った、出会った….色々な事。 その時、嬉しかった?、悲しかった?楽しかった?辛かった? 10:22 座って、2人組になる。 大事な事を思い出そう。誰?どこ?なに?できるだけ沢山思い出してみよう。 どんな匂い?良かった事。海、山、見えた事、見た事等、そういう自分の思 いでを、相手に伝えよう。質問したり、話したりしてみよう。 * 身ぶり、手ぶりも入れて伝える事。 * 子ども達は一生懸命話しをしている。 - 273 - 10:32 昨日のおさらい。 おさらい 1. ジャンケンゲーム *子どもたちから、それぞれの呼び名を募る。 グー → チョキ パー たんこぶ → → カタツムリの目 あやとり *相手の手をはやく言った方が勝ち。 *暫くしたら反対の手でジャンケンする。 10:35 おさらい 2. カウントパス *2 組に分かれて、ひと組ごとに輪を作る。 *1 から 7 までを数えて、また 1 からスタートする。 *首を次の人の方にまわして、顔をちゃんと見ながら声を出す事。 10:38 アクションパス (言葉をパスする) *順番に動きを入れながら指定された言葉をまわす。 ①「シュッ」という鋭い息を出す音を隣にパスして回していく。 (右回し) ②「もわっ」っという変な言葉を、手ぶりと一緒に回す。(左回し) * 次ぎは何を回そうか?という講師の問いに対して、子ども達からいろい ろな言葉と身ぶり、手ぶりの提案がある。以下子どもの提案。 *どっちに回すかはスターターの人が決める。 ③「ハァッ!!」と共に手をドラゴン・ボール(漫画)のはめはめ派の 形にする。(右回し) ④「イエイ」両手を前にして片足をあげる。(左回し) ⑤「ゲッツ」ゲッツのポーズ ⑥ 黙ってゆっくりと手を回す。 *ハッキリ言葉を言うこと。 * 男の子の方が照れがないので上手い。 10:47 「わたし」「あなた」 (相手を受け入れ、認めつつ自ら動く。 ) 1. 全員で大きな円を作る。 2. 胸の前を手で押え「わたし」と言う。 3. 「あなた」と言いながら相手を指す。 - 274 - 4. 5. 指す相手は円の中の誰でもいい。 ちゃんと相手の顔を見て指さないと 誰に向かって「あなた」と言ったのか 分からないので気をつける。 10:56 ボディタッチ (フォルダ:8 月 28 日1 写真 No. 07) * 連帯感を生む。人と呼吸を合わせる。 誰とでもいいから、子ども同士で「タッチ」といいながら、手のひらと手 のひらを高い所であわせる。(片手をあげて、タッチする)。その時、手の ひらではなく、ちゃんと相手の目を見ること。 *乱暴にやらない事。 *どんどん早くしていく。 10:59 「タッチ」の変わりにジャンプしながら「ヘイ」と言う。その時、両手のひ らを合わせる。2 人で目をみてタイミングを合わせないと、難しい。 11:03 講師が前を向いている時は立っていて、後ろを振り向いたらしゃがむ事。 股の間から覘いたら、ジャンプする事。これを繰り返しやる。 *子ども達、物凄く楽しそう。 *時々フェイントをかける。 11:05 前に立って振り向いたり覘いたりする役を 子どもと交代する。 *8 人交代して振り向いたり、覘いたりをする。 * 子ども達、皆がとてもやりたそうで、手をあげる子続出。 - 275 - 11:10 1. 2 人組になる。 2. ジャンケンして勝った方が前を歩く。 3. 負けた方は勝った人の後ろを付いて行く。 4. 前の人が振り向いたら、後ろがしゃがむ。 *走らない事。前と後ろの間は 1m 位あける事。 *前の人は後ろがしゃがんだ事を確かめてから次の動きをする事。 *いつ振り向くか後ろの人に分からない様にしよう。 *講師の「ハイやめ」「はじめ」の手拍子を合図にして始める。 5. 11:17 前の人と後ろの人、交代。(2 回まわし) キャッチワード (発想の瞬発力を身につける。 ) 今度は「言葉」を使う。ルールはさっきと同じ。 前の人「ついてこないで」(振り向きながら) 後ろの人「ついていく」 (立ったままで) *皆結構言うのが上手い。 11:21 「ついてこないで」の言い方を工夫する。 前の人の言い方を後ろの人が真似する。 (身ぶり、手ぶりの真似する) 感情を込めて言葉を言う。 ツイテコナイデ!! * だらっと言ったり、怒った様に言ったり あくびしながら言ったり。 色々なバージョンが有りとても面白い。 次に、色々な体形でやってみる。 例えば寝転んだりする。 11:28 休憩 (リーディング・シアター) 11:35 リーディング・シアター 今までにこのワークショップで学んで来た事、全てを使って表現をする。柔軟な考え方、 - 276 - 臨機応変な対応能力を磨く。読み手を立てて、別の子どもがその場で演じる。演じている 子どもを観客になった子どもがデジタルカメラで撮影し、自分達で作品を創る。 「ジャックとマメの木」(練習) 登場人物/登場する動物、物は何? の問いに対する答え 家 お城 マメの木 ジャック 鶏 金の卵 大男 たて琴 *鬼ろく?等の面白い答えも…. 何処の国のお話?の問いに対する答。 日本、フランス、スペイン、ヨーロッパ等 11:40 講師が物語りを話すので、皆が、その時々の登場人物になって、演技をす ること。(即興演技の練習) 1. 「ジャックとマメの木」と全員が大きな声でタイトルコール。 2. ジャックはお母さんと一緒に。小さな村に住んでいました。(講師) ここで、お母さんとジャックに分かれて即興演技をする。色々な動き を創作しながら、物語りに続いて演技を進める。 どちらの役になるか、は子どもの自由選択。 *お母さん役の人は、御飯を作っている。御飯はカレーライスだ ったり、お野菜とハンバーグだったり、タケノコ御飯やポテトも ある。お母さん になっている子どもがそれぞれ考えて料理の演 技。ジャックの子どもは座って料理が出てくるのを待っている。 3. ある日、お母さんはジャックに言いました。「ジャック、この牛はお 乳 がでない。お前、町に行って売ってきておくれ。 」(講師) 4. 前の台詞をお母さんに成りきって、全員で言う。 5. 牛は「モォウーー」(講師)これも、全員で牛になって言う。 6. ジャックは仕方なしに、牛を牽いて町へと向かいました。(講師) 7. 子ども達は、牛を引っ張って行くジャックの演技をしながら、歩く。道 すがらおじいさんが「その牛と、このマメを交換しないかね?」ジャッ - 277 - クは「うーん」と言いました、等と話しは進む。全ての台詞を子ども達 が言い、その都度自分で考えた動作をする。 8. 「お母さん、僕が牛と交換したマメを見て…」 9. お母さん「かっかっか〜〜!!」と怒りました。 (子どもお母さんの演技) 10. ジャックがマメを蒔いたら、マメが伸びました。どんどんどんどん…. ここでは子どもがマメのツルになって、どんどん伸びる真似。 11. その他、大男になったり、たて琴の音を真似たり、と言う風に進む。 *大男がジャックを追いかける所ではピアノを鳴らしたりする。 12. マメの木を切って追いかけてくる大男を落として、お母さんに大男から 取って来た金の卵を生む鶏をあげる….という物語りの最後まで、子ど も達は色々な作中の人物やアイテムになって演技をしながら、終わる。 大男から隠れるところ 11:57 子どもの創作 マメのツルが伸びるところ 「大きな蕪」 物語り「大きな蕪」を子どもが朗読し、そのお話に沿って、子ども達が自 分で創作した演技をする。読み手の子ども以外の全員を演技をするチーム と観客チームの 2 組に分ける。観客の子ども達は即興創作演技をカメラに 納めカメラマンとしての作品にする。作品をコンピューターに取り込み、 展覧会をする。 1. まず、講師が絵本の絵を見せながら、物語りを朗読。子どもに粗筋を理 解させる。 2. 配役 おじいさん おばあさん 孫 犬 ネコ ねずみ - 278 - 3. それぞれが自分の成りたい役を選ぶ。 おじいさん 1人 おばあさん 1人 孫 4人 犬 4人 ネコ 6人 4人 ねずみ *おじいさんになりたい子どもがいない。子どものやりたい事をやっても らうため、あえて配役の強要はせずに、講師がおじいさん役に なることに。その後、男の子が 1 人、やりたいと役を変更。 4. 読み手の子どもを決める。(女の子に決定) 5. 2 組にわける。 6. 観客の子どもにはカメラを渡す。(代わり番子に撮影すること) 7. 観客の子ども、思い思いの撮影スポットに広がり、準備 OK. 12:10 「大きな蕪」と皆でタイトル・コールをしてから第1組スタート。 台詞はすべて、皆で言う。前に出ている子どもは演技と台詞両方。 読み手 おじいさんが蕪を植えました *おじいさん 1 人と講師が出て来て、蕪を植える演技。 台詞 「甘い甘い、蕪になれ、大きな、大きな、蕪になれ」 読み手 おじいさんが蕪を抜こうとしました。 「うんとこしょ、どっこいしょ」 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ」 *おじいさん 蕪を抜こうとする演技。 読み手 ところが蕪は抜けません。 読み手 おじいさんは、お婆さんをよんできました。 *おじいさんがお婆さんを呼んでくる演技。 *お婆さん登場(1人) 読み手 お婆さんがお爺さんを引っ張って、お爺さんが蕪をひっぱって。 - 279 - 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ。うんとこしょ、どっこいしょ」 *おじいさん、お婆さん、蕪を引っ張る演技。 読み手 それでも蕪は抜けません。 *抜けなくて困った演技。 読み手 おばあさんは孫を呼んで来ました。 *お婆さん、孫を呼んでくる演技。孫、登場(2 人) 読み手 孫がお婆さんを引っ張って、お婆さんがお爺さんを引っ張って、 お爺さんが蕪をひっぱって。 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ。 うんとこしょ、どっこいしょ」 *出演者、蕪を引っ張る演技。 読み手 まだまだ蕪は抜けません。 *皆困った演技 読み手 孫は犬を呼んで来ました。 *孫、犬を呼んでくる。犬登場(2 人) 読み手 犬が孫を引っ張って、孫がお婆さんを引っ張って、お婆さんが お爺さんを引っ張って、お爺さんが蕪をひっぱって。 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ。うんとこしょ、どっこいしょ」 *皆で引っ張る。 読み手 それでも蕪は抜けません。 *抜けない!!と困っている。 読み手 犬はネコを呼んで来ました。 *犬、ネコを呼んでくる演技。ネコ登場(3人) *ここで、1 人の子どもの歯が抜ける。(ちょっとブレイク) 読み手 ネコが犬を引っ張って、犬が孫を引っ張って、孫がお婆さんを 引っ張って、お婆さんがお爺さんを引っ張って、お爺さんが蕪 をひっぱって。 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ。うんとこしょ、どっこいしょ」 読み手 それでも蕪は抜けません。 *皆、抜けなくて困る。 読み手 ネコはねずみを呼んで来ました。 - 280 - *ネコ、ねずみを呼んでくる。ねずみ登場(2 人) *列が長くなったので、皆で前へ移動 読み手 ねずみがネコを引っ張って、ネコが犬を引っ張って、犬が孫を 引っ張って、孫がお婆さんを引っ張って、おばあさんがおじい さんを引っ張って、おじいさんが蕪をひっぱって。 *皆、力一杯引っぱる演技。 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ。うんとこしょ、どっこいしょ」 台詞 「うんとこしょ、どっこいしょ。うんとこしょ、どっこいしょ」 *皆で蕪が抜けて、しりもちをつく演技。 読み手 台詞 やっと蕪は抜けました。 「やっと蕪はぬけました」 * 劇の間、カメラ役の子どもは、いろいろなポジションに移動して、アン グルの工夫をしながら、撮影をしている。撮ったものを見せあって、仲 良く撮影している様子が可愛い。 12:15 第2幕 観客と演技者をチェンジしてもう一度。読み手もチェンジ。 * 皆必死でカメラを撮っている。大変カメラが気に入っている様子。 * 読み手の子、とても上手。 * 演技は小学校低学年(6、7 才)とあって、言葉のままを工夫してやって いる様だが、とても役に入り込んでいるので、見ていて面白い。 12:22 第 2 幕終了 早速コンピューターに取り込んで、撮影した作品を見る。 * 子どもに操作してもらうが、結構簡単に出来ていた。 - 281 - * みんなキャーキャー叫んだり、騒がしい。とても嬉しそう。 12:35 全員で「大きな蕪」と言いながら、記念撮影をして、終了。 子どもの感想: 楽しかった 面白かった デジカメ押しやすかった 使いやすかった 2 日目は、1 日目に取り組んだ「こども同士のコミュニケーション作り」と、聞く、話す、 伝える、等、創作の感覚を磨く練習を基礎にして、ミニ・パフォーマンスを行った。まだ 小学校低学年と言うこともあって、創作パフォ−マンスやカメラを使った作品づくりは難 しいかな、と最初、思っていたのだが、大人顔負けの写真作品が多く、驚いてしまった。 撮ったその場でコンピューター画面を通して皆に見せられるというデジタル・カメラを用 いたことで、作品を創るだけでなく、見せる、ということの面白さも実感できたのではな いだろうか。皆本当に活き活きとして楽しそうであった。 - 282 - ⑵ ワークショップ実際の流れ (小学校 3〜6 年) 8 月 27 日(水)13:00〜16:00 12:50 子ども到着、講師到着。 13:00 出席確認。挨拶。 ワークショップの説明。 (コミュニッケーション) 13:15 自己紹介 二人組みになって自己紹介。 名前、年、学年、等をお互いに言い合う。 終わった人は、朝起きて御飯を食べるまでを相手に話し、それを相手の人 にやってもらう。 *身ぶり、手ぶり等、相手の行動の真似を子ども達は真剣にやっている。 いい自己紹介の方法だと思う。 13:30 イメージトレーニング 1.自分の体をビニールの袋だと考える。 70%程自分の中に水が入っていると 考えてゆらゆらと揺れてみる。 1. 目を瞑って水をイメージしながら揺れる。 2. 水が少しずつ増えて行く感じを想像。 80%から 90%へ、そして満杯へ。 3. その時ビニール袋である皆の体はどうなるだろう? *ちゃんとイメージをもってやっている人はゆれが止まる。 13:35 今度は二人組のビニール袋になって、同じ事をする。70%から満杯まで。 13:37 四人組。(4人組 x5、3人組 x2)でやってみる。肩をつけて、一列に 並んで、一つの袋になって揺れる。水を感じてきたら、自分達のペースで 増やして行って満杯にする。 - 283 - 11:40 もっと沢山の人数で。(8人組 x1、7 人組 x1、6人組 x1、5 人組 x1) 皆で同じ空気を感じて揺れてみる。水を感じてきたら、先程と同じ様に増 やそう。 13:42 今度は全員で一つの袋。一列にならんで、皆で揺れる。水を感じてきたら、 増やしていって、満タンにしてみよう。 *簡単に精神を集中できる子とそうでない子の差が結構ある。 * 全員で一つの袋になって集中力を高めるのはかなり難しそうだ。大人で も 13:45 無理ではないかと思える。 アイ・コンタクト 1.4組に分かれる。 2.教室の 4 隅にそれぞれの組ごと、一列に並ぶ 3.下の4つの料理の内 1 つの名前を個人個人で思い浮かべる。 ①カレーライス ②オムライス ③親子丼 ④牛丼 4.4 組の先頭がそれぞれ中央に集まって、目だけで話し合う。 自分の思い浮かべているのはこのアイテムだ、と目で語り合う。 4. 話し合いをし、1 つのアイテムに決める。 5. 4 人がこれで決まった、と思ったら列に戻る。 6. 大きな声で決めたアイテムを発表 アイコンタクトは、相手の目をみて、感じようとする、伝えようとする、コミュニケーシ ョンの練習である。 *ちょっと分かりにくいので初めの内は戸惑う。 *失敗しても全然構わないので、という講師の言葉。 真中でアイコンタクト - 284 - 8. 結果は次の通り。 ①オムライス (全員一致!) ②オムライス x2、カレ−ライス x1、牛丼 x1 ③カレーライス x2、牛丼 x2 ④カレーライス x3、オムライス x1 ⑤オムライス x4 (全員一致!) ⑥カレーライス x3、親子丼 x1 ⑦オムライス x1、牛丼 x1、カレーライス x2 *この様なゲームを通じて、他人との意志の疎通力を高め、次ぎの創作 作業 へと結び付けていく。初めて出会った同士を早い段階で、協力しあ える関係へと導いていくことが出来る。 13:57 全員で大きな円を作って座る。全員で同時に座ること。 その時言葉を発しないで、目だけで合図をして一緒に座る様にする。 * 5 回程繰り返す 14:00 1. 2. 全員で大きな円を作って座る。 1 から順番に数を数えるが、ランダムに誰でもが数える。 3. 誰が数えてもいいので、同時に重なる事もある。 4. 数える人が重なったら OUT、又 1 から順番に数え始める。 5. アイコンタクトで人が次ぎに言うかどうか、探ってみること。 6. 最初の目標は 10 まで数えること。 *何回やっても「3」でアウト。3 から先が続かない。 - 285 - 14:06 講師の提案 → 皆、自分が次ぎの数字を数えようと思ったら、手をあげ る。手をあげた人同士が、目だけでコンタクトをとり、伝えあうこと。誰 が次ぎを数えるか、目で確認し、確認した人皆が同意に達してから、選ば れた人が数を数える様にしよう。 14:15 アイコンタクトで話し合いをして数えると 何といきなり「50」に到達。 *皆とても真剣。 14:17 途中何処まで数えたか分から なくなる場面もあったが「53」まで進む。 14:20 「65」に到達。ここで、終わりとする。(まだまだ進めそうだった) 10 分間休憩。 (シアターゲーム.) 14:30 芸術家と人形 *人に見せる、見られる、聞く、伝える、という能力を磨き、 方法、スキルを身につける。 1. 2 人組になる。 2. その内 1 人が芸術家、1 人が人形、になる。 3. 芸術家が人形を好きな様に動かす。(動きに意味がなくても良い) 4. 人形は動いてはいけない。 5. 5 回動かして。作品を作る。(やり直しは、無し) 6. その作品に名前をつける。 7. 芸術家は他の芸術家の作った作品を見て廻り、何の作品か、何と言う名 前か、を聞き、芸術家は説明をする。 8. 一通り終わったら、芸術家と人形役をチェンジする。 *むちゃくちゃうるさい。 *面白い作品が出来ている。 *人形役の子は形を保つのが大変そう。 - 286 - 14:48 芸術家と人形 2 (デジタルカメラ使用) 1. 4 チームに分かれる。(8 人 x1、6 人 x3) 2. そのチームの中で、半分が芸術家、半分が人形役。 3. 1 チームごとに作品を作って、その作品に題名をつける。 4. その作品を1チームごとに発表する。 7. 最初のチームが作品を発表するが、作品を発表したら、発表チームは一 旦外に出る。(他のチームが見て形を覚える。30 秒で) 8. 他のチームは発表チームの作品を思い出しながら、同じ形を作る。 (形を作る時間は 1 分) 9. 他 3 チームは同じ形が出来たと思ったら、デジタルカメラで作品を写す。 10. 発表チ−ムが入って来て、もう一度正解の形を作る。 11. デジタルカメラで撮ったものがそれと合っていたかどうか、モニターで 確認する。 12. もう一度発表チームは外に出る。その発表した作品を元にして、芝居を 創る。(外で考える) 13. 他の 3 チームは、発表チームが考えるであろう、芝居を考える。それを デジタルカメラの動画で撮る。 14:55 A チームが作品を発表。題名は「運動会のスタートの所」 14:57 A チーム、外にでる。他のチームが形を真似始める。 * 人形は動けない、芸術家が動かして形を決める。人形は、芸術家によっ て作られた形が自分の覚えたものと違うと思っても、動いてはいけない。 出来たらデジカメで撮影する。 - 287 - 15:04 3 チーム、撮影終わる。A チーム中に入る。もう一度形を作って見せる。 *各チームはデジカメのモニター画面を見ながら、どこが違うか詳細に チェックをしている。 * 「あ〜ちがう、手が反対」など、 モニターを見ながら声が上がる。 15:06 A チーム再度外に出る。他の 3 チーム、 もう一度、正しい形を作ってみる。 その形から、短い芝居を創って見る。 1. 人形を使って、芸術家の人が演出すること。 2.「いいな」と思ったものをデジタルカメラ(動画)で撮影する。 15:16 1. 皆とても真剣。デジタルカメラを上手く使いながら、芝居を創っている。 2. 撮ったものを講師に見せにいって、嬉しそう。皆で見せあいしている。 3. アクション、カットなどのかけ声も上がる。 A チーム、入ってきて、自分達創った芝居を始める。 *運動会のスタートから、1 位、2 位、3位、4 位とゴールに入って行く 様子を表現した短い芝居。応援団付き。 15:17 B チームが「A チーム」のテーマを元に自分達が創った芝居を始める。 * スロー・モーションで芝居を行い、A のとはかなり違う。用意ドンでス タートを切った子の一人が、という設定。他の人が同じテーマから 違った考えや物を作り出すのだ、ということが解る。 15:18 C チームの芝居。 * すんなりとかけっこの場面。 ゴールで終わり。 15;19 D チームの芝居。 *ゴール直前で 1 人が転ぶというもの。 - 288 - 15:21 C チームが作品を発表。題名は「ぶどう狩り」 15:23 C チーム、外に出る。4 分間で他のチームは C チームの作品を真似して、 デジカメで写す。 15:25 C チームに入ってもらい、もう一度作品を見せてもらう。 *デジカメ・モニターで自分達の創った形と同じかどうかチェック。 *きちんと合っていたチームから拍手と歓声が上がる。 15:27 C チーム再度外に出る。外で芝居を考える。他のチームも B チームの「ぶ どう狩り」を元にした芝居を創り始める。 *デジカメがあると、皆が張り切っている。漫然と作品を創って発 表するのではなく、自分達がそれを形に残しているという、ので気 持ち的に違う様だ。 15:35 C チーム、入って来て自分達の芝居を発表。 *採ったぶどうを皆で食べて、おいしいね。という感じの芝居。 15:37 D チームが C チームのテーマを元にして創った芝居を発表。 *ぶどうを採っていると毛虫が出て来て驚いた、という話し。 15:39 B チ−ムの芝居。 *ぶどうを見つけて「おいしい、おいしい」と言いながら採って、食べ ている様子 15:40 A チームの芝居。 *ぶどうを見つけて「おいしそうなので食べちゃーおう」といって食べ てしまう、という芝居。 15:42 B チームが作品を発表。 題名は「水泳大会」 - 289 - 水泳 かけっこ ぶどう狩り 水泳大会 - 290 - 15:48 B チーム、入って来てもう一度作品をチェック。 15:56 B チーム、入って来て、芝居。 *水泳大会で、用意スタ−ト。スローモーションでクロール。 1 位、2 位。失格〜。と言うもの。 15:57 C チーム。芝居 * カメラがなかなか動かなくて 何度かやり直す。 15:59 A チーム芝居 16:01 D チーム芝居 16:03 時間が来たので、終了。明日の説明。(明日は御芝居を創る等) 16:04 一日目終了。デジタルカメラ、椅子、等片づけ。 後半のクラスは、より高いレベルでデジタル・ツールを使ったメニューを実施。子ども達 が自分で創った形をその場で記録し、後で他の形と比較する、という動きは、デジタル・ カメラがなくては出来ない。この様な使い方はこれからのワークショップで、取り入れる られることになるだろう。講師も、自分の姿を直ぐにチェック出来るので、とても便利。 何より。子ども達がより自主的に、参加意識を持ってワークショップに臨んでいると驚い ていた。 8 月 28 日(木)13:00~16:00 12:40 生徒到着。随時教室に入る。講師到着。 13:00 出席。挨拶。 (シアター・ゲーム) 13:07 何やってるの? (即興的な想像力を養う) 1.「おはよう」「おはよう」とお互いに声をかけながら、動き回る。 2.講師が部屋の明かりを消したら、ピタッととまること。 2. シチュエーションや人物を変えながら、挨拶をする。 3. 「おはよう」の言い方を変える。 侍風「おはようでござる」 - 291 - 歯が痛い人の「おはよう」 下痢の人の「おはよう」 下痢で熱のある人の「おはよう」 4. ここから、次々シチュエーション を変えていき、場面場面での演 技をする。 下痢で熱のある人がトラックに驚いて、少し漏らしてしまった。⇨_ 歯も痛いし、頭も痛いので、ふらふらになりながら、⇨_ お尻を洗う為に海に入る。⇨ 友だちに「何かにおわない?」と聞かれ、慌てる。⇨_ 綺麗に洗えたので、家に帰る。⇨ 家に帰ったらびしょ濡れなので怒られる。言い訳をする。⇨ *男の子嬉しそう。女の子「やだーっ」といやがる。 すれ違った人が総理大臣。 「夏休みもうちょっと伸ばして」と直訴する。⇨ *色々なお願いの仕方がある。 ☆お願いをし続けると、総理大臣が「宝の地図」を書いてくれた。 「この宝を見つけることが出来たら、9 月 20日までお休みにしてあげ よう。但し宝を探す時、誰にも見つからないようにしなければならない」 地図を読んだ後、周りに見つからない様に、 宝を探しに行く事を ごまかす。⇨ 宝を探す。⇨ ☆ 探しているとおまわりさんが…。 ☆ 「何をしているのだね?」 おまわりさんをごまかす。 (何でもいいから、言い訳を考えて話す)⇨ ☆ おまわりさんと話しをしていると、犬がせっかく掘った穴に糞 をした。どうする? ⇨ *ショベルを持って来たり、と色々な答え。 *子ども達、だんだん乗ってくる。 遂に宝の箱を見つけて取り出す。⇨ *大きさはどうなのか?何色、何で出来ている? *子ども達の答は、金属、宝石、木、等色々。 *中に何が入っている? *答は、お金、宝石、家、大富豪の家、ゲーム、携帯等様々。 宝を見つけて家に帰る。⇨ ☆ 帰る途中、八百屋のお兄ちゃんに出会って、話し掛けられる どうする? ⇨ - 292 - ☆家に帰って箱をあけると、中に、ゴキブリが 500 匹入っていました。 どうする? ⇨ 逃げ回る。⇨ *子ども、本当に気持ち悪そう。 ☆声を出すと飛んでくるし大変、足に一匹上ってくる。降りてくる。 どうする? 外に出るのか? ⇨ ドアまで 3 歩、ゴキブリが出てこない内に急いで逃げる。⇨ 家の人のところまで逃げる。⇨ 6.この様にシチュエーションをどんどん付け足していき、その場 で考えさせ、創造力をつけさせる。 13:32 スピーチ&コミュニケーション 4 グループに分かれて、夏休みに合った事を話す。 (8 人 x2、7人 x1、6 人 x1) 1 人、1 人が、自分の楽しかった話等をして、みんなが聞く。 * 皆真剣に話し込んでいる。 * 身ぶり手ぶりを使って伝えている。 13:44 子どもの創作 思いでの写真を創ろう。それをパソコンで読みこんで、発表しよう。 グループごとに話した「夏休みの思いで」の中で、面白そうだと思った 出来事から、印象的なシーンを考え、一枚の写真に創り上る。 *子ども達は皆車座になって座り込み、どのシーンがいいか、どうい う風に写真を創るかを真剣に話している。 - 293 - 13:50 2 組が形を創り始める。 構図が決まったら写真撮影。仮想思いで写真作品を創る。 *教室にある箱をつかったり、と色々工夫をしている。 14:10 4 組みとも撮影が終わり、マックに読み込み、他の組と比べたりしている。 *白黒に変えてみたり、と結構色々と試す。面白い写真が出来ている。 *1 つの組が、一度画面上で見て、また新しい作品を次々に創って来た。 *使い方を覚えるのがとても早くて驚き。 *画面を皆で見ている。表情がとても楽しそう。 *コンピューターを触ると、なかなか離れたくない様子。 作品の名前。 (読み込み順)(アルファベットは同じ組の作品) (A) シュッパツ (D) 岩の間のカニとり (B) ラジオ体操 殺虫剤で蜘蛛を殺しているところ (c) すべっておぼれた かき氷食べてて虫が入っていた所 先生の T-シャツの模様 (B) (B) 手押し車 恐怖の叫び (B) 写真を撮っている所 ジャングルジム (A) (D) 温泉 1 (A) ディズニーランド 1 (A) ディズニーランド 2 (A) 温泉 2 (A) バーベキュー 川遊び (c) (D) (D) - 294 - (c) *2 日目ともなるとカメラの扱いに慣れ、とても上手になっている。 * 14:20 デジカメを使って楽しい、面白いという子どもの感想。 10 分間休憩。 休憩中も、画面を見たり、マックを触ったりする子どもが沢山いる。 - 295 - 先生の T シャツの模様 川遊び 手押し車 殺虫剤で蜘蛛を殺した所 撮影中 恐怖の叫び 岩の間の蟹とり 滑って溺れた - 296 - 温泉 1 温泉 2 ラジオ体操 バーベキュー ディズニーランド 2 ディズニーランド 出発 ジャングルジム - 297 - 恐怖の叫び白黒編 旅へ出発 14:30 芝居(パフォーマンス)の創造 先程創った思い出の写真を元にして、グループごとに、御芝居を創る。 *台本を書いてもいいし、そのまま話し合いながら創ってもいい。 *時間は一時間。教室にあるものは自由に使ってもよい。 * 教室にある、箱や、自分達の持ち物—傘、鞄等を色々な物に見 立てて劇を創っている。どうやら傘はバーベキューの串の様だ。 *1 時間、自由に好きなように、子ども達に創作させている。 * 芝居がどんどん出来上がっていくのを見ていると、初対面の子 ども同士が一緒にやっているとは思えない。 *すべったり、転んだり、引っ張られたり、色々な動きがある。 15:30 発表会 (ジャンケンで勝った組が好きな順番を選ぶ。タイトル・コールは全員で) 2. 夏休みの思い出 (8人グループ) - 298 - B班 シ−ン1 朝起きてラジオ体操 「いってきまーす」 皆集まってくる。体操始める。箱を朝礼台にしている。 *全員でラジオ体操の曲を歌いながら、ラジオ体操する。 *皆で花火大会をやろう、と決める。 シ−ン 2 花火大会 ねずみ花火→蛇花火→打ち上げ花火→線香花火 *ねずみ花火に驚いた様子など。打ち上げ花火は全員で 「どっかーん」と飛び上がる。 *線香花火勝負を始める。夏休みももう直ぐ終わっちゃ うね..バイバーイ」で帰って終わり。 *たまに台詞をとちって笑う事もあったが、おおむね成功。 15:44 2 組目の準備 *箱を川の両岸に見立てている。叉、バーベキューのテ ーブルも作っている。 15:45 2. キャンプ (7人グループ)D 班 シ−ン1 川遊び シ−ン 2 さかなつり シーン 3 バーベキューの準備 *傘を釣り竿にして、靴下を魚にする。 *テーブルに魚(靴下)を置いて焼く。 シーン 4 魚(靴下)を「いただきまーす」と全員で食時 *食べ終わったらカートと折りたたみ椅子をゴミ箱に見 立ててゴミを捨てる。 シーン 5 川遊び シーン 6 夕飯 *箱をバケツに見立てて、遊ぶ。 *またまた魚を捕まえて、御飯の支度。 - 299 - シーン 7 「イタダキマース」「御馳走様」 シーン 8 御飯の後に寝る演技をする子ども一人。 他の子どもが「なんでねてんの?早いよぉ!!」で終わり。 * ちょっと収拾がつかなくなった感じがあったが、なかなか 色々な物を利用していて面白かった。 15:50 次の班の準備。 15:.55 3. *結構箱を並べたりして、準備が大変そう。 一週間旅行 (6 人グループ) A班 シ−ン1 飛行機に乗っている所 *箱を並べて飛行機にしている。 シ−ン 2 ハワイに着く。記念撮影。 *撮影の演技にはデジカメを使っている。 シーン 3 海に行く? ビーチバレーに行く?ジャンケンで決める。 シーン 4 ビーチバレーをする事に。 *箱を並べてバレーネットに、紙を丸めてボールに。 シーン 5 翌朝。「おはよー」「あきたから沖縄いっちゃおうか」 シーン 6 再度飛行機に乗る。 *箱を並べて飛行機にしている。 *3 時間後 シーン 7 「着いた着いたぁ」 シーン 8 またまた、ビーチ・バレーに繰り出す。 シーン 9 「何しようか?」「海で泳ごうよ」海へ。 *沖縄到着、記念撮影。 シーン 10 海でクロールの練習。泳ぎを教えてもらっているところ。 シーン 11 「やめようよ、つまんないよ」 「じゃあ明日ディズニーランド行こう」 シーン 12 次の日、朝御飯食べ終わってから、飛行機に。 - 300 - *3 時間後。 シーン 13 ディズニーランドに到着 → シーン 14 → ホーンテッドマンション 5 時間待ちだから、フリーパスもらおう。 パスの時間「1 時」になり、ホーンテッドに乗る。 シーン 15 部屋の明かりを消して、お化け屋敷の中にいる感じを出す。 「こわい」「こわい」と言いながら出てくる。 電気つける。 シーン 16 ジェットコースターにのる。 恐くて乗らない子が乗っている子の写真を撮るところ。 *ジェットコースターは箱を並べて作っている。 シーン 17 「もう、家にかえろう」 「じゃあホテル止まってから帰ろう」 シーン 18 「温泉行こう」 温泉へ行く。 *温泉につかっているところ。 *温泉の縁は箱で作る。そこに掴まって寛ぐ様子 シーン 19 次の日「昨日楽しかったね」「じゃあ記念撮影しよう」 と写真を撮って喜ぶシーン。 シーン 20 「花火やらない?」「まだ明るいけどね」「お日さまの 下で花火やろうか」「じゃあ反省会やろう」といって、 反省会をやっている様子。 そこで皆同時に「あっ、宿題!!」と叫ぶ。 *反省会のテーブルも箱をちゃっちゃか並べて作る。 「うっそー、やだー、めんどくさぁい!!」 。 「宿題やらなきゃいけない」とがっかり。 「あーあ、一週間旅行なんで行かなきゃ良かった」 と皆で言って、終わり。 * 15 分という大作。 時間を過ぎている。 劇の長さの目安をあらかじめ決めておいた方が良かった。 - 301 - *夏休みの終わりに宿題が残っている時の刹那さがよく 表現できていました。 16:10 次の班の準備。 16:11 4. *箱を中心に並べて準備、湖の岸辺のつもり。 ちょっと楽しいキャンプ? (8 人グループ) C班 シ−ン1「きれいだね」「波高い」「透き通ってる」湖を見ている 2 人。 「きゃーーっ」という叫び声と共に、水の中に落ち込む。 *並べた箱から落ちる。助け出される。 *水から引っ張り出されるところ。 シ−ン 2 「大丈夫?」「うん」というと、いきなり 「じゃあかき氷食べてるね」と薄情な展開 シーン 3 皆で揃ってかき氷を食べていると虫が入っていた。 「ああっ!虫が入ってる」「ええっ?」 「すみません、虫が入ってたんですけど」と店の人に。 店員「知りません」 *きっぱりと *ここで観客から笑い。 *お店のテーブルは箱で作っている。 シーン 4 キャンプの場面。 *箱を並び変える。4 隅に並べて、テントの杭のつもり。 *とんとんとん、と箱を叩く。テントを張っているところ。 「よーし、できた」「火をたこう」「火をたこう」 *電気を消す。真っ暗 シーン 5 電気をつける。「あーやった、火がたけた」 シーン 6 すると突然、もの影から「ぴょーん」と蜘蛛がでてくる。 - 302 - 「きゃーっ」と逃げて、殺虫剤でやっつける。「しゅーー」 シーン 7 「お腹すいたね」「御飯食べようか?」 *箱をテーブルに並び変える。 「いただきまーす」と皆で食べる。 「御馳走様でした」で終わり。 *けっこう構成がしっかりしていた。電気を消したりと、シーン創り がきっちり出来ていた。笑いをとる様にシナリオを練っていていい 劇だったと思う。 16:15 発表終了。 16:17 終わりの挨拶。かたづけ。 子ども達の感想: 面白かった。 まわりがすごく恐い友だちかな、と思ってたけど、そうじゃなかった。 楽しかった。デジカメ、欲しいぐらい簡単に使えた。 知らない人と友だちになれて良かった。楽しい劇が出来たのがよかった。 仲良くなれて良かった。気になる事が沢山あった(間違えた事が多かったので) デジカメ面白かった。面白すぎた。面白すぎて記憶がない。 楽しかった。デジカメ、よく分からなかったけど、簡単に使えた。 自由に創るのは初めての経験だったので、とても楽しめたので良かった。 失敗したところもあったけど、なんとかごまかせた。 機械いじりがもともと好きなので、普通にデジカメ触れて良かった。 2 日目は、1 時間かけて劇を自分達で創った。初めて会った子ども同士だが、とてもスム ーズに、すんなりと共同制作に入っていて、驚きだった。デジタルカメラをコンピュータ ーに取り込むのも簡単に覚える等の柔軟な能力、日常の道具を他の物に見立てる発想力は、 本当に凄い。 16:30 スタッフ片づけ終了。その後反省会。 (反省会内容) *時間が少しオ−ヴァ−気味だったので、次はもう少し長くとった方がよい。 *デジタルカメラは本当に良かった。とても効果的だった。 *子どもがいつもより活き活きしていた。 *デジカメを使う事によって、子ども達が自主的に主体的に取り組める様にな った。 *低学年の子どもは照れがない分、自由にやっていて面白い - 303 - *ツールの消化速度が非常に早い。驚き。 *初めて知り合った子ども達なのに、非常に短い時間の中で、物事をスムーズ に進め、協力してパフォーマンス創造が出来た。 *知らない人達の間で、円滑な人間環境を作るという面でデジタル・カメラは とてもいい触媒になった。 *コミュニケーションを促進する物として、デジタル・カメラと PC が役に立 ったので、驚き。今後活用したい。 4 .開 開催後の処理・処置について デジタル・カメラ 子ども達の作品を全て保存した後、8 月 31 日にヤマト便にてキャノン株式会社へ返却。 その後、担当者の方にあらためて御挨拶をさせていただいた。その時、今後も同様のワ ークショップ等で、協力していただける様にお願い。興味を示していただいた。 提出物 レポート ワークショップの様子を撮った写真とビデオ。 写真は本レポートに含まれているもの以外は CDR で提出。 ビデオは DV にて、編集 15 分程度のものを提出。 子ども達の撮影した写真も CDR に含めて提出。 著作権処理 CANVAS のウエブでの公開を前提にしているので、各参加者の保護者にその旨書面 での了解をいただいた。 5.開催成果と反省点 参加者募集とクラス分けについて 今回のワークショップは劇団ひまわりの全面的な協力により、広域から、幅広い年令層 の子どもを集めることができた。特に、ひまわりに通っている生徒だけでなく、その子ど もの小学校、中学校に通っている友人にも募集をかけることが出来たので、CANVAS の活 動を広く知ってもらうという点では貢献できたのではないかと思う。 反面、当初の予定よりも人数が多く集まりすぎて、後からクラスを二つに分けるという 処置をしなければならなくなった。参加費が無料ということと、対象を小学校 1 年生から 6 年生まで、広げたのが理由だと考えられる。しかし、小学校低学年と中、高学年では、 創作レベルや協力、共同作業の意識においてかなり違う次元にあるので、クラスを 2 つに 分けた事は、急な取り決めであったが、ワークショップの効率と効果を高めるという点で は、良かったのではないだろうか。今後はこの点を踏まえて、募集段階で子どもの年令(学 年)を目的に合わせて絞り込むことが必要となってくるだろう。 - 304 - 実際のワークショップではクラス分けによって、年令に合わせたメニュー設定が出来た と思う。しかし、全部で 4 コマのワークショップ・プログラムを 2 コマづつ 2 クラスに設 定しなおした為、当初予定していたプログラムを全て実施するには時間的な制約が出来て しまう。そこで、制約を出来るだけ少なくするために一日 30 分づつ、1 クラスにつき全部 で 1 時間の時間延長を行った。実際のワークショップでは、やはり、30 分程終わりの時間 が押してしまうなどの問題が出てしまった。ただ、当初予定していた通りクラスを 1 つに した場合、年令の違う子ども同士が同じ事を目指してワークショップに参加することにな るので、理解力等の差から、時間のロスが出てきてしまっていたのではないかと考えられ る。2 クラスで、効率性が高くなった分、時間短縮の埋め合わせはできていたのかもしれ ない。その事を踏まえた上で、実際にワークショップの時間が伸びてしまったという事実 を考慮し、今後のメニュー作成においては、もう少し余裕を持った組み立てを行い、参加 者の年令によった取り組みをしていく事が望ましいのではないだろうか。 プログラム内容について 今回は、インプロビゼーションという、演劇の世界においてはクリエイティビティを高 め自己表現能力を身につけるのに非常に効果的であるとして、昔から活用され世界中で実 施されてきているワークショップを、いかに に 1.一般向けに 2.子ども向けに 3.先駆的 アレンジするかという事が課題であった。 まず、一般向け、子どもにということであるが、今回、劇団ひまわりの生徒と一般の生 徒、双方が参加できる様にワークショップを開催したということもあり、なるべく、馴染 みやすく、叉それでいて創作の力を高めるものを選ぶようにした。ただここで付け加えな ければならない事は、今回参加している子どもたちはこの様なワークショップに初参加し た子どもが殆どであったということだ。インプロビゼーションのメニューはもう少し高学 年を対象にして行われている為に、低学年の子どもが本格的なものを体験する機会は今ま で希有であったそうだ。故に、前述のメニューの中から、特にコミュニケ−ション能力と 表現力を楽しみながら伸ばせるものをピックアップして、子ども達にどのような影響をも たらすかを確認することは大変興深いことであった。 例えば年少組で実施した「ペアペア・ゲーム」は二つのペアとなる物や人を上げてその 形を好きな様に作らせるという創作/表現力/プレゼンテーション能力の開発に役立つメ ニューであるが、見ていても本当にユニークで、情緒溢れる表現があちこちで見られ、感 心させれた。叉、「アクション・パス」という言葉や身ぶりを隣の人に回して行くメニュ ーでは、「もあっ」という言葉を回して行ったり、とかなり面白いことをやっていた。プ ログラムが進むにつれて、子どもたちの声がどんどん大きくなり、話し方や伝え方がどん どん上手くなっていくのが実際に見て取れた。6、7歳という年令は、あまり人見知りを しないので、上級生に比べても上達はとても早いとも言えるだろう。この様な年令から表 現力の能力を磨くことは、本人にも社会にも非常に有益な事だと思う。 次に、先駆的なものを、という取り組みであるが、ここで言う「先駆的な取り組み」の 意味は、インプロビゼーション・ワークショップという、以前から欧米や日本等で行われ てきた、いわゆる「既存」の良質なワークショップを、時代性を持たせて、より質の高い - 305 - ものに進化させよう、という事をテーマとした取り組みということであった。コンピュー ターの OS がヴァージョン・アップしていく様に、ワークショップもヴァ−ジョン・アッ プさせよう、という訳である。 その為、デジタル・カメラで子ども達が創作過程を撮影し、自分達の進み具合をチェッ クしたり、他の人にプレゼンしたり、叉、比較したりする、という作業を、通常のプログ ラムに入れた。叉、年少組ではそれに加えて、まず最初のレベル「コミュニケーション能 力」を磨く為のツ−ルとしてデジカメを使用した。結果はその効果性においては大成功と いっても過言ではなく、現場で活躍している講師陣も驚く程のものであった。 まず、年少組のコミュニケーション・ツ−ルとしての使用においてであるが、かつてな かった程、子ども同士が仲良くなる速度が早かったそうである。もちろん、子ども同士の コミュニケーションが素晴らしく発展したからといって、それが大きな命題である「創作」 とどのようにかかわりがあるのか、という疑問が生まれるかもしれないが、しかし「創作」 において、もしくはありとあらゆる「能力」の源は、他人とのコミニュケーションの力な のではないだろうか。絵、音楽、建築、文学、芸術その他創作活動は全てがコミニュケー ションの手段である。その能力の高い人々が優秀な発信基地となって、文化を導いて来た。 今回、その能力を向上させる道具としてデジカメは非常に効果的であったという結果が得 られたと言ってもいいだろう。 叉、創作活動の作業・ツールとしても、デジカメは非常に役にたった。子ども一人一人 のプログラムへの参加意識が高まり、主体性を持って作業が出来た、と講師は話していた。 そこで、普通のカメラではなく、何故デジタルでなければならないのか?それはデジタル 機器の利便性にある。撮ったその場でモニターで確認ができる。叉、PC に取り込めば、 直ぐに大勢で鑑賞が可能である。操作が簡単で、子どもにも直ぐに覚えられる。演技等、 創作活動を行う時は大変スポンテニアスな時間を過ごしているわけで、アナログ機器の様 に、明日チェックが出来るから….というのでは遅いのである。 デジタル・カメラを始めとしたデジタル・ツールは創作の世界においては、未だ個人的 な活動やプロの使用するもの、という感覚がかなり残っている。しかし、今後は一般のワ ークショップ・プログラムや学びの場所において、もっと身近に、利用を促進していかな ければならないと感じた。叉、今回の成功で、劇団ひまわりでも、今後デジタル・カメラ のワークショップへの積極利用を考えたいという。今後のワークショップのヴァージョ ン・アップが期待できる。 カメラ、その他の機器の使用方法については、まだまだ熟考していかなければならない 点が多々あるだろう。本当に使い方は今回のものがベストなのか、という事から考えてい かなければならないだろう。今後の試行錯誤と経験の積み重ねによって、最良の使用方法 を探っていくしかない。 この事も考慮に入れた全体を通しての反省点として、特に中・高学年用のプログラム設 定において言えるのだが、もう少しメニューを簡素化した方が良いのではないだろうか。 コミニュケ−ション等の時間を少なくして、創作に時間を長くあてる。その時、創作はあ まり欲張らず、一点に絞る。最後の劇の創作に向けた取り組みとして、わかりやすい道筋 をたてて、第一日目からのつながりを明確にした方がよかったのではないかと感じる。こ れまで会った事のない大人同士とは違い、割合簡単に仲良くなれるのが子どもの特徴でも - 306 - あるので、その辺りの匙加減も対象年令に応じて考えなければならないと思う。 劇の創作は、まとまりが無かったところもあったが、2 日間にしては上出来だと思う。 もう少し長期のワークショップに組み直し、完成度の高いものを目指す方が面白いかも知 れない。叉、このメニューは定期的に実施するものであり、一過性のワークショップでの み展開するものではないという感触も覚えた。一つの作品を作ったから、終わりというの ではなく、創造力や表現力の向上の為に定期的に実施する方が望ましいのではないだろう か。まだまだ発展途上のワークショップだが、今回の取り組みを踏まえたより効果性の高 いパッケ−ジ化が期待できる。 - 307 - - 308 - 殺陣(たて)〜チャンバラと護身術〜 アクション・シーンの創作 - 309 - - 310 - 殺陣は舞台、映画、TV 等で演じられる「闘いの場面」の呼び名であり、大切に守り伝え られなければいけない日本文化の一つです。武道の基本動作を身につける。そして他の生 徒たちと気持ちを一つにして「闘いの空間」を自分達で創造する…。日本の伝統文化に触 れ、その中で、人と呼吸を合わせること、気持ちを一つにすることの大切さを学ぶととも に、基本の動きを応用し、自分達でアクション・シーンをクリエイトしていくのがこのワ ークショップの目的です。殺陣はオランダ、フランス、アメリカなど世界各国でその動き の素晴らしさと創造性を高く評価されています。こどもたちは、殺陣の動きという日本独 自の伝統芸能を学習するだけではなく、それを応用し自らの創造につなげていくという事 を体験します。 1.概要 目 的 / 伝統芸能である殺陣の基本動作を学習してから、自分達でアクション シーンを 創作する。 対象年齢 / 小学 3 年生〜中学 3 年生、創造編では中学 1 年生以上。 募集人数 / 15〜40 名程度 参加人数 / 32 人決定/当日 11 日 3 人欠席、12 日 4 人欠席 内訳 講 師 / 11 日 男子児童 14 人 / 女子児童 15 人 12 日 男子児童 13 人 / 女子児童 15 人 殺陣動作指導/林 邦史朗氏 若駒アクションクラブ会長 殺陣道場総本部武劇館館長 全日本刀道連名最高師範 国際護身術振興会理事長・最高師範 アクションシーン創作指導/大山浩氏 劇団ひまわり俳優養成所 ファシリテーター 開催場所 / / 山野亜紀氏、他 1 名 劇団ひまわり(恵比寿)スタジオ 〒150-0021 募集期間 / 所長 東京都渋谷区恵比寿西 2 丁目 12-12 7 月 15 日(火)から 7 月27日(日)まで 募集方法 / 劇団ひまわり内の掲示板に掲示。生徒にちらし配布。(2000部) *ちらしの見本はちらしファイルを参照。 開催日時 / 8 月11日(月) 10:00〜12:00 8 月12日(火) 10:00〜12:00 13:00〜14:00 参加費 / 内容概要 / 無料 (1)スポーツ・チャンバラ体験 面と手袋の防具をつけて、ウレタン製のこん棒で安全にチャンバラを体験。基本ルールと 型を学んだ上で、楽しく遊びながら、武道のもつ精神集中や身体鍛錬の大切さなども学ぶ。 (2)護身術 - 311 - 伝統的な殺陣の技から生まれた、現代社会に生かせる護身術を学び、「もしも」の時に備 えられる様な意識を芽生えさせる。合わせて、小宇宙とも言われ、365 の関節をもつ人間 の身体を知り、自分の身体の大切さを知る。実際に身を守り、相手をかわす動きを習うこ とで、有事の際に慌てない強い精神を培う。 (3)アクション・シーンの創作 スポ−ツ・チャンバラと護身術で学習した動きをもとにして、新しいアクション・シーン (悪者をやっつける)を考え、実際に演じてみる。皆の動きをビデオで撮影し、実際の見 え方も観察する。 必要な道具 / ウレタンこん棒(若駒アクションクラブよりレンタル) 面、手袋等の防具(若駒アクションクラブよりレンタル) 包丁の模型(紙製/若駒アクションクラブよりレンタル) 体操マット、体操服着用、デジタル・ビデオ 1 台、 デジタル・カメラ 1 台、ホワイトボード 新聞紙で作った棒。筆記用具、消しゴム、プリント紙。 2.開催にあたっての準備 スタッフ・ミーティング 講師とのミーティング 6回 2回 (5 月から 7 月にかけて) (5 月から 8 月にかけて) (内容) 殺陣の動きは大変難しいものなので、いかにして、これまで習ったことのない子どもたち に基本の動きを習得してもらい、それをアクション・シーンの創造へとつなげて行くかと いうことが中心議題であった。殺陣の講師、林氏は子どもの指導よりも大人の方が多い方 で、子どもでも覚えやすいような基本型をじっくり教えていただく様にとお願いした。叉、 ウレタンこん棒や防具のレンタル可能数が限られているため、新聞紙を利用して変わりの ものを作るということになった。 アクション・シーンの創造は小学生には難しいのではないか、ということと、事故などの 可能性も考慮して、中学生以上の参加とすることと決定した。出来るだけ多くの子どもに CANVAS の活動を知ってもらい、殺陣の面白さを味わってもらうために、基本形習得の時 間はそのまま小学生にも参加してもらう事にした。 ちらしは上記募集期間(7 月 15 日(火)から 7 月27日(日)まで)の間、会場内の掲示 板にはり、生徒の応募を募るとともに、劇団の授業に参加している生徒全員に配布。東京 と大宮の 2 カ所で、参加募集をした。結果、期間内にかなりの希望者が集まったため、追 加募集等はせずに、参加決定の知らせを各自に伝えた。連絡網など、システムがきっちり しているので、募集から参加者決定、連絡まで、とてもスムースに進んだ。 ワークショップ・スケジュール・プラン 企画段階で決定したスケジュールは以下の通りである。 8 月11日(月) - 312 - 9:00 スタッフイン 9:30 講師等イン 10:00 講師紹介・主旨説明 10:10 ストレッチ運動、準備体操 10:30 ワークショップ・スタート 護身術/スポ−ツ・チャンバラ体操等 11:50 まとめ、挨拶、片づけ 12:00 アンケート記入後解散 8 月12 日(火) 9:00 スタッフイン 9:30 講師等イン 10:00 講師紹介・主旨説明 10:10 ストレッチ運動、準備体操 10:30 ワークショップ・スタート 護身術/スポ−ツ・チャンバラ体操等 11:50 まとめ、挨拶、片づけ 12:00 解散(午後の部に参加しない人のみアンケート記入) 13:00 再集合・アクションシ−ン創作についての説明 13:10 グループ分け。創作開始 13:40 発表スタート 14:00 終了、アンケート記入後解散 3.ワ−クショップ実際の流れ 8月11日 (月) 9:30 こども到着、会場に入り始める。チャンバラに使う新聞紙をまるめてガムテ ープでとめたものを来た人から作る。(各自古新聞持参) 講師到着。ファシリテーター到着。ウレタン棒と防具到着。 10:00 講師紹介、殺陣についての説明。 殺陣の基本形の一部である「護身術」の原則は自分の身は自分で守るという こと。 自分の体を知ることも護身術の内。体には365の関節(一年と同じ数)が ある。 これを大きくわけると約280箇所。関節を知ることが技を身に付けるため に大事なことである。 10:02 準備運動 * たんでんを揺する。おへそを中心として体をゆする。(内臓、特に腎臓と 肝臓を刺激する。)そのまま体を大きく捻る。遠心力をつけて、中心の力 を止めると、手だけがブラブラする。ちゃんと中心から体を揺すっていた - 313 - ら、力を止めたとき手が動いているはず。 * 両手に大きなボールを持っているつもりで手を開き、息を吸ってはいてを 繰り返しながら体を大きくまわす。体を左、右に回転する。手を後ろから 前、上にのばし回転させる。 3. 肩を上げたりり下ろしたりする。 4. 腰に両手をやって、頭をぐるぐるまわす。 5. 深呼吸。気分を落ち着かせる。自分がいつも落ち着いていることを学ぶ。 足のユウセンというツボから奇麗な水を吸い上げるようなつもりで呼吸する。 息を吸いながら、頭のてっぺんまで水がいきとどいたつもりになったら、鼻 から息を吐く。 10:15 殺陣の基本形/基本動作のケース・スタディ1 「護身術」 隣の人と2人組になる。攻撃側と防御側に分かれ2人で先生の説明に従って 動きのパターンを練習。講師の「はい、終わり」の合図で次のパターン の説明と実践に移る。 手をつかまれたら、どうするか。 1. その手を両手でつかんでぐるっとまわす。廻すことで相手の手の関節を捻 る。 2. 掴まれたまま掴まれた所よりも前に肘を出す。そのまま肘鉄を加えてもよ い。その時、自分の手は開いたままがよい。(気が通りやすいらしい) 3. 掴まれたまま自分の腕を振りかぶって振り下ろす。相手ががくっとなる。 4. 掴まれたまま自分の手を相手の目に近付ける。そのままぐるっと相手の 手をふりほどく。 5. 掴まれたまま自分の腕を振りかぶって、相手の頸動脈に向かって手をふり 下ろす。 6. 自分の手を掴んでいる相手の手首にみずから親指と人さし指を入れて、下 から掴み返す。 7. 両手をつかまれたら、「ごめんなさい」と手を合わせて拝む格好をしてそ - 314 - のまま相手に向かって突き、内側から払う。相手の手が離れる。 8. 両手を外から廻して払う。 9. 後ろから両手を持たれたら、そのまま斜め後ろに下がって、自分と相手の 手をぐるっとまわす。 10. 後ろから両手を持たれたら、両脇にそってすうっと腕を曲げながら上げ て、そのまま前にさっともってくると、相手の手が離れる。 抱きつかれたら、どうするか。 1. 後ろから抱きつかれたら、90度の角度に体を曲げる。相手を躱す。 2. 後ろから首を絞められそうになったら、顎で相手の腕をはさみ、体をずら し、肘鉄をくらわす。 悪い人が出刃包丁で襲ってきたら。 1. 真っすぐよける。すぐ避けようとせず、出来るだけ真っすぐ自然体で前を 向いて受け止める。相手が包丁を出してきた瞬間、左、または右に体を 90度回転させて包丁をやり過ごす。 2. よけながら、手のひらの下の方で相手の包丁をもった手を向こうへやり、 足で蹴る。 3. よけながら、手のひらの下の方で相手の包丁をもった手を向こうへやり、 もう片一方の手で顔に張り手をくらわす。または目潰しをする。 4. 上から包丁で振りかぶってきたら、裏(背中)の方にやり過ごしながらよ けて、そのまま肘鉄。 10:40 連続した動きの基礎練習。 講師の動きについて、皆でパターン練習。 包丁の躱し方の動きを3パターン6動作を組み合わせて連続でやってみる。 1.左半身よけ→右半身よけ→左入り身→右入り身→左裏入り身→右裏入り - 315 - 身 2.左半身よけ/包丁を片手で払いながらキック→右半身よけ/包丁を片手 で払いながらキック 3.左入り身/包丁払い〜顔張りて〜ひざ蹴り→右入り身/包丁払い〜顔張 りて〜ひざ蹴り 4.左裏入り身/ボディに肘鉄〜顔に肘鉄→右裏いり身/ボディに肘鉄〜顔 に肘鉄 5.上の2,3,4を連続してやる。 10:46 二人組になって、攻撃側と避ける側をやる。これまでの動きの復習。 10:48 テーマを与え、手を掴まれた時や包丁で襲ってきた時のよけかたの組み合わ せの動きを練習する。 講師の説明ー台詞を自分で考えて入れること等。講師による模範演技(例: 手を掴む→相手の手をあっちへやる→相手が短刀を取り出す→短刀をよける →逃げる等、「このやろう!!」等の台詞を挟む。) 10:49 こどもが2人一組になって台詞をいれながら動きを組み合わせて自分でシー ンを創る練習。 10:51 こどもが皆の前で動きを発表。(任意三組ほど発表/男が多い) * 「てめえ!!」「いいじゃないかよ」「ああ、もう切れた」「飲みいこう よ、ねえ」等の台詞が入っていて、結構上手い。恥ずかしがっているこど もも多い。 10:55 殺陣の基本形/基本動作のケース・スタディ2 「チャンバラ」 ウレタン棒もしくは新聞紙を丸めて作った棒、どちらかをこども一人が一本 ずつもつ。ちゃんとした武器でなくても日常で手に持っている雑誌や新聞、 スリッパなどを手にもって敵の攻撃を防ぎ、攻撃する。その基本形の練習。 - 316 - (*新聞紙やウレタンの棒でも、耳にあたったり、目にあたったりすると、怪 我をしたり、鼓膜がやぶれたりするので、気を付けること) 1. 顔をカヴァーしながら(受けながら)打つ 2. 払いながら突く 3. 斜め後ろにさがりながら扇打ち2回(自分の手首を扇の要としながら棒 を動かすと扇のような形に動くからこの名前がついた。) 4. まわし打ち 5. すくい打ち 6. 押さえ撥ね打ち 7. 外側に外して相手が動けない様に手首を押しながらかつぐ(突く、たたく) 講師の動きについて動きを学習した後、二人組になって7基本動作の練習。 11:05 2つの大きなグループに分かれ、防具をつけた講師とファシリテーターを相 手に、扇打ち等、連続技の練習。 (ウレタン棒を順番に使用) 1. 扇打ち→扇打ち→頭打ち 2. 小手→面→足 11:10 三本勝負(疑似試合みたいなもの)どの技のパターンを使ってもよい。こど もが好きなように動く練習。三回棒で触られた方が負け。 - 317 - (こどもが2人防具を付けて、ウレタン棒を持って皆の前で勝負をする、とい う形式。全組が順々に出てやる。) * 男の子が積極的なので、先に勝負が終わる。 * こども、わいわい言って楽しそう。 * 女の子は、ちょっとやりにくそうな子もいる。 11:20 勝負が終わった男の子が動きの練習を始める。 女の子は三本勝負を続けている。 11:25 チームに別れてリーグ勝ち抜き戦。上記の三本勝負と同じルール。 女子と男子に分かれて2組の試合が行われる。 終わった人は各自動きの練習を任意にする。 * 動きが上手いこどもが出てくる。男の子の上達が特に早い。5人勝ち抜く - 318 - 子もいる。 * 二刀流などいろいろと工夫をこらして闘うこども。がんばれの声援など、 皆熱がはいっている。 11:45 勝ち抜き戦終わり。質問等受付。 11:49 締め。足をリズミカルに動かしながら 素振り。 色々な動きのパターンで百回ずつ。 11:52 棒、防具片付け。 11:53 体をほぐす運動。屈伸、深呼吸、等。 11:55 武士の正座、おじぎ(挨拶)の方法についての説明。 手は左、右の順に出し、顔は30センチ以上つけないように(誰かきたら分 かるように)手は上から顔をがつんと押さえられたときに保護できるような 位置につく。等。 12:00 一日目武士式挨拶にて終わり。 - 319 - 一日目は、殺陣の基本となる、護身術での体の動かし方とチャンバラの体の動かし方をこ ども達に理解してもらい、覚えてもらうのことに集中した。殺陣の動きはかなり難しく、 切れのある動きが要求されるので、2日目の創作で応用してもらえるように、パターンを 練習し、その後、連続した動きにつなげ、台詞を入れた動き、そして、自由な戦闘を体験 してもらった。最後の挨拶の仕方も、時代劇でよく使われているもので、とても面白い情 報だった。 8月12日(火) 9:30 こども到着、会場に入り始める。チャンバラに使う新聞紙をまるめてガムテ —プでとめたものを来た人から作る。(各自古新聞持参) 講師到着。ファシリテーター到着。 ウレタン棒と防具準備。 10:00 挨拶、その後準備運動(昨日と同じメニュー) 10:05 殺陣の基本形/基本動作のケース・スタディ3 「護身術」 隣の人と2人組になる。攻撃側と防御側に分かれ2人で先生の説明に従って 動きのパターンを練習。 講師の「はい、終わり」の合図で次のパターンにの説明と実践に移る。 相手の力を利用する方法 1. 相手が自分の腕を押してきた場合。その押す力を回転の力に変換して、柔 らかく受け止めまわす。 2. 押された時に相手の押す力を利用して、自分の方に引きずり込む。 3. 相手が押してきたら、引っ張ってバランスを崩して反対側に転ばす。(右 から押してきたら左に) 4. 腕を掴まれたら、そのまま掴まれた腕の方向に自分の腕を倒していって、 相手のバランスを崩す。 相手の力を利用して相手を倒すという技。自分が力を入れずに倒す、という動 き。体と関節の構造を知ると相手を崩す動きが簡単になってくる。構造をよく 知っている方が得である。 10:20 殺陣の基本形/基本動作のケース・スタディ4 - 320 - 「キックボクシング」 a 動きを講師について全員でやってみる。 b. 次に2人組になってやってみる。 1. 簡単な連続技を覚える。 ジャブ(左手)→ジャブ(左手)→ストレート(右手)→ストレート(左 手)→前廻し(右足)→外廻し(右足)→後ろ廻し(右足)→下段後ろ廻 し(右足) 相手が来たら自分が倒れて蹴る。(両手を地面について片足を真っすぐ 突き出す) 3. 相手がきたら自分が後方に倒れて、後ろ向きに蹴る。 4. 相手がキックしてきたら、自分の足を使って相手の足を外側に引っ掛け てバランスを崩す。 5. 足と足が引っかかった時、相手の内側から自分の外側に膝を折り曲げて 倒す。 6. 相手がキックしてきたら、自分の腕を折り曲げながらその足を挟み込み、 はらう。 7. 6番の動きで、上段蹴り、中段蹴り、下段蹴りの三パターンを掴む。 8. 相手がパンチしてきたら時のはらい方と攻撃。 相手:上段パンチ→中段パンチ→下段パンチ 自分: 左に重心を移しよける/左手ではらう→右に重心を移しよける/ 左腕で挟む→左に重心を移しよける/左手ではらう→その左手を廻 してきて指先で相手の目潰し。 *危ないのでゆっくりやること。 10:38 殺陣の基本形/基本動作のケース・スタディ5 「関節捻り技」 それぞれ二人組になって、やってみる。 講師の「はい、終わり」の合図で次のパターンにの説明と実践に移る。 - 321 - 1. 手をつかまれたら、掴まれていない自分の手で相手の手を押さえ、相手 の腕が「くの字」に曲がるように向こうに押して、最後に相手の手首を ぎゅっと外向きに曲げる。 2. 胸ぐらを掴まれたら、相手の手首を両手て掴んで、右手なら左回転で、 ぐるりと廻す。 3. 手を掴まれたら小手返し。相手の親指と小指に手を当てて外側にギュッ とひねる。 * 痛くなったら膝をたたいて相手に合図を送ること。あんまり関節を曲げる と腱鞘炎になるので、注意しながらゆっくりやること。 * 手の関節を捻ると実際とても痛いので、こどもたちもびっくりしている。 とても興味を持った様子。 10:55 昨日と今日を通しての基本の動作パターンの組み合わせ実践。おさらい。 手首を持たれたら、廻して腕をはらう。 頭を掴まれたら自分の方に押しつけて捻り倒す。等。 11:00 質問受付。先生の元気の秘けつは、とか鼻をつかまれたらどうするか等の質 問があった。その後、5分間休憩。 11:05 おさらい続き。ウレタン棒、新聞紙をつかってチャンバラの動きの基本をも う一度通してやる。 - 322 - 先生のいち、にのかけ声と一緒に全員で7パターンを10回ずつやる。 1. 顔をカヴァーしながら(受けながら)打つ 2. 払いながら突く 3. 斜め後ろに下がりながら扇打ち2回 4. 斜め後ろに下がりながらまわし打ち2回 5. すくい打ち、右、左 6. 押さえ撥ね打ち 7. 外側に外して相手が動けない様に手首を押しながらかつぐ(突く、たたく) 11:10 基本パターンと動きについてのまとめの説明。 この7パターンは十手、てっせん、小太刀、ナエシ(女性用の小さい鉄の棒) 等の技の中から7本に纏めたものなので、色々な道具を使用しながら使える。 頭を使って相手に打ち込ませながら、自分の有利に戦いを運ぶこと。強い人 は頭のいい人。一度自分が打ってでて、相手が避けた所をねらう、等。 11:15 チーム・トーナメント戦。4チーム三本勝負。(内容は昨日と同じ)自分で 動きを考えて、三回ウレタン棒でさわられたら負けとなる。(勝ち抜き表を 書くためホワイト・ボード使用) チームの分け方:背の順に男の子と女の子を並ばせる。不公平のないように、 大きな子から順にAチーム、Bチーム、Cチーム、Dチーム、と振り分けてい く。1チーム男女混合で7名ずつ。 各チーム、2本づつウレタン棒を持って、試合をする人は防具をつける。出 る順番はチームで決める。 一次戦:Aチーム対Bチーム、Cチーム対Dチーム、をそれぞれ別に開始。勝 った方が対決。 CチームとDチームが同点なので、一本勝負となった。 二次戦:BチームとDチームが決勝戦。 三次選:AチームとCチームの三位決定戦。 試合結果/順位 1. D 2. B 3. C 4. A * こどもたちは結構真剣になっている。「打ったら逃げろ!」「あし、あし」 等の応援も多い。動きもずいぶん慣れてきたようだ。ただ、見物している こどもの中には集中力が続かない子も。 * ただ単にたたくだけでは駄目で、考えて打ち込まなければ、一本とならな - 323 - い。頭を使い考え、動きを創造することを試合形式で教えている。 11:50 トーナメント終了。表彰式。皆で拍手で称える。 講師まとめの言葉。おつかれさまでした。 11:55 片づけ、前半終了。提出書類回収。 * こどもの感想/面白かった、チームが優勝してよかった、色々なことが習 えて楽しかった。使えそうなのでよかった。役にたつと思う。これから覚 えたい、等。 2日目の前半は一日目よりも少し高度な連続した動きにより重点をおいた説明があった。 こども達もかなり殺陣の基本の動きに慣れてきたように思える。自由に動ける決戦でも、 昨日に比べて動きがなめらかに、鋭くなった。 - 324 - 13:00 昼休み休憩後「アクション・シーン創作」スタート * 午前中しか出席できないこども、とシーン創作には少し若年すぎる小学校 中・ 低学年を除いて12名が参加(男子6名、女子6名)。講師は演技指導の大 山先生に変わる。ファシリテーター1名。 講師の説明:これまでに教えてもらった殺陣の基本パターンを応用しながら、 アクション・シーンを創り、皆の前で発表してみよう。シーンの創造には次 のことを考える必要がある。まずそれを考えてみよう。また発表の再に、実 際にそれが人の目にどの様に映っているのか、デジタルビデオとカメラで撮 影してみる。創作時間40分間。シーンは1分程度の短いもの。 1. 場所 2. 時間 3. 登場人物同士の関係 4. せりふ 方法:2人組になって、それぞれが上記 4項目を考える。用意されたプリン ト用紙に上記4項目を書き込む。 プリントの項目は次の通り。 1. 人物「誰と誰?」強者と弱者に分けて書く。 2. 関係「以前にどんな事があった?」 3. 場所「どこで?」 4. 時間「いつ?」 5. 台詞 13:05 2人組結成。全6組。鉛筆、消しゴム、プリント配布。各自ひとそろいづつ。 * 皆こども達は真剣に考えている。とても楽しそう。女の子同士、男の子同 士の組ができている。 * 講師とファシリテーターが各組を回って色々と助言している。 - 325 - 13:25 *早い組では、実際に動きを付けて、練習をし始めているところが出てきた。 まだプリントに向かって考えているこどもも多い。特に男の子は積極的で、 やることが早い。 * 嬉しそうにスタッフに説明をしはじめる子もいて、活気がある。 13:30 講師「演技で試してみよう」と呼びかけ。 6組中5組が立ち上がって創作したシーンの動きを練習。 13:42 発表までにもう少し時間が欲しい組が4組。 13:45 6組全部が動きを練習しはじめた。 13:49 発表スタート(他の組の発表作を別の組がビデオとデジカメで撮影)発表後、 感想を言い合う。 1. 西村さん&伯耆さん組 (女の子2人組) 1. 人物「誰と誰?」いじめっ子(強者)といじめられっ子(弱者) 2. 関係「以前にどんな事があった?」前からいじめられていた。 3. 場所「どこで?」学校(教室) 4. 時間「いつ?」放課後 5. 台詞 弱「返してよ!」 強「取りにこいよ」 強「何だよてめえ」等。 バトル 最後の弱者の決め台詞「林先生に教わった甲斐があったよ」 かばんをとられたいじめられっ子(弱者)がいじめっ子(強者)からかば んを取りかえすと、強者怒って後ろから殴りつけようとする。しかしそこで、 弱者、しゃがみ後ろ回し蹴りをし、強者を倒す。強者もう一度怒ってパンチ をするが、弱者それを躱して、中段蹴りでノックアウト。強者逃げる。 - 326 - 感想:アクションが楽しかった。 2. 北口君&島崎君組 1. (男の子2人組) 人物「誰と誰?」先輩(強者)後輩(弱者) 2. 関係「以前にどんな事があった?」以前から負けていた後輩が先輩 にリベンジを申し込む。二人は武道のライバル。 3. 場所「どこで?」 だれもいない道場 4. 時間「いつ?」 5. 台詞 武道の授業が終わってから。 弱「この前のリベンジだ」 強「めんどくさい、どうせ勝つし」 弱「逃げるのか?」 強「勝った試しがないのによくそんなこと言うなぁ」 *おちょくるように 弱「今日こそは勝つ!」 強「そこまで言うなら」 弱「そうこなくちゃ」 バトル 強「負けたぁ」 弱「初めてかったぜ!!」 誰もいない道場で帰り支度をする2人。そこで、後輩(弱者)が先輩(強 者)に試合を申し込む。新聞紙の棒を弱者が強者に投げて、試合が始ま る。受けて打つ、扇打ちなどで三回ほどチャンバラをやり合った後、弱 者が強者の棒を払い落とす。そこで強者は弱者の腕をもち、関節捻り技 をかけ、棒を落とす。強者、弱者を後ろに突きとばしたところで、弱者 パンチを浴びせる。中段、下段のパンチを強者がはらいのけると、今度 は強者が後ろ回し蹴り。弱者の足をはらって倒す。弱者倒れた位置から、 横向きの足蹴り。強者キックでのぞむがかわされて転倒。弱者そこにと び蹴り。弱者勝つ。 感想:面白かった。疲れた。 見学のこどもの感想:倒れ方が面白かった。習ったアクションを沢山使 っている。 3. 古賀君&山下君組 (男の子2人組) 1. 人物「誰と誰?」刑事(強者)犯人(弱者) 2. 関係「以前にどんな事があった?」 - 327 - (犯人)強盗殺人/大麻の売人+傷害の罪で追われる。 (刑事)上司を刺されて単独捜査。犯人を発見して工場に追いつめた。 3. 場所「どこで?」廃工場 以前鉄パイプを作っていたところ。 4. 時間「いつ?」夕暮れ 5. 台詞 強「追いつめたぞ古賀。逮捕する!あきらめて罪を償うんだ」 弱「ちくしょう!ぶっ殺してやる!」 バトル 弱「てめえ、このやろう!!」 強「やめるんだ古賀!」 バトル 強「古賀令、強盗殺人の容疑で逮捕する」 犯人(弱者)と刑事(強者)が上手から走って入ってくる。初めの台詞 を言った後、鉄パイプに見立てた新聞紙の棒を弱者がつかんでバトルス タート。弱者棒で殴りかかると強者がそれを払いのけてパンチ。後ろに ぶっ飛んで怯んだ弱者を迎え撃つために強者も棒を持つ。棒を振り回し ながらかかってくる弱者を受けて打つなどして撃退する強者。棒を手か ら落とすことに成功する。弱者はその後、パンチで向かってくるが、強 者は上段、中段、下段のパンチ全てをはらい、膝蹴りで脇腹をキック。 よろけながらも弱者左手でパンチ。しかし、強者それを止め、肘を持っ て相手を崩れ落とし、取り押さえる。 晴れて逮捕。手錠をかけて終わる。 感想:面白かった。以外といい出来だった。 見学の子供の感想:台詞も面白かった。技のアレンジがいい。 * どうしても照れながらやってしまうところがある。 4. 関君&後藤君組 (男の子2人組) 1. 人物「誰と誰?」ゴウダタケシ(強者)ノビノビタ(弱者) 2. 関係「以前にどんな事があった?」ノビタは以前学校でいじめられたの で不意打ちを計画 3. 場所「どこで?」道路 4. 時間「いつ?」昼間 5. 台詞 弱「....ジャイア〜ン!!覚悟ー!!」 強「のび太のくせに生意気なこというじゃねーか」 バトル 強「のび太、きさま...」 弱「フッ」 - 328 - バタッ いつもいじめられているのび太(弱者)はある日ジャイアン=ゴウダタケ シ(強者)に棒を持って後ろから殴り掛かる。しかし、その時ポケットに 棒を隠し持っていた強者はすんなりそれをかわすと返す動作でいきなり顔 に斬りつける。倒れた弱者は攻撃してくる強者の棒を扇打ちではらいのけ ながら、立ち上がる。お互いに手から棒がふっ飛んだ二人は今度は素手で 格闘。まず先制パンチをくり出した強者のかかってくる力を利用して、腕 を引っ掴んだ弱者はそのまま強者を前につんのめらせる。転んだ強者はも う一度パンチ。だがそれも力を利用したはらい技をかけられ、何度も大振 りをしながら転倒。最後は腕を捻りながら倒され、ついに弱者が勝った。 感想:面白かった。楽しかった。痛かった。 見学の子供の感想:投げ技が良かった。 ビデオ、デジカメ撮影/関君、後藤君、古賀君、山下君。 * 他の2組は創作が上手くできていないので、発表を控えたいとの事で、残 念ながら発表は無しとなった。 * アクションシーン、見ごたえ十分で、とても良かった。 - 329 - 子どもの作った人物設定と台本例 (1) 子どもの作った人物設定と台本例 (2) 14:05 終了。終わりの挨拶。 アンケート記入後帰宅。新聞紙の棒はこどもの持ち帰り可。 * こどもの感想/楽しかった。ビデオがとれて良かった。こんどから技を使 いたい。役立てたい。またやりたい。面白かった。疲れた。実用的でいい なと思った。等 14:30 スタッフ反省会。 *もう少し年齢の差を縮めた方が上手くいくかもしれない。 * 今度は少人数でじっくり技、型を覚えて、作り込めるようにすると面白い。 *女の子よりも全体をとおして男の子の方が熱心であった。 *基本練習の時間をもう少し縮めてもいいかもしれない。 * 全く殺陣の事を知らないこどもが、よく動作を覚えていた。創作で基本動 作をよく理解して使っていたので、驚いた。こどもの能力は結構すごい!! - 330 - * コンタクトがずれた子がいたので、今後気をつけるようにしなければいけ ない。 4.開催後の処理・処置について ウレタンこん棒、面、手袋等の防具、包丁の模型 若駒アクションクラブに返却。ワ−クショップ終了後講師の方に持って帰って頂いた。 新聞紙の棒 希望者(子ども)に配った。欲しいという子どもが多く、全部無くなった。 提出物 レポート ワークショップの様子を撮った写真とビデオ。 写真は本レポートに含まれているもの以外は CDR で提出。 ビデオは DV にて、編集 15 分程度のものを提出。 子どもの撮影した映像、写真も CDR に含めて提出。 著作権処理 CANVAS のウエブでの公開を前提にしているので、各参加者の保護者にその旨書面 での了解をいただいた。 5.開催成果と反省点 参加者募集とクラス分けについて 今回のワークショップでは、劇団ひまわりの全面的な協力により、広域から、幅広い年 令層の子どもを集めることができた。参加人数も 1 回の募集で予定数に達した。殺陣に対 する子ども達の深い興味が伺えるのではないだろうか。劇団内の養成所プログラムでも殺 陣の授業を定期的に開催しているそうだが、あくまで高校生以上/青年対象ということで ある。今回のワークショップの様に低年齢対象(小学校3年から中学3年まで)の殺陣ワ ークショップというのは、劇団にとっても初めての試みで、子ども達も募集段階から大変 興味を持っていた様である。なるべく多くの子どもに殺陣を体験してもらう為に、基本型 の練習については対象年令の幅を広くした。しかし、殺陣を使ってアクション・シーンを 創作するのは、大人でも難しい作業である為に、創作編は中学生のみを対象にすることに した。ワークショップを終了してみて、このクラス分け方法を取るのであれば、始めから 中学生のみを対象に、少数制にして開催をしても良かったのではないかと思う。 しかし、道具レンタルや危険性の問題から、殺陣のワークショップを一般小学生向けに 組むのは難しく、今回、めったに機会のない小学生に、殺陣の面白さを経験してもらえた のは大変喜ばしいことだ。殺陣の型を体験するという基本型のみのクラスは「創作」とい う観点からは、ずれがあるかもしれないが「こどもの表現力を高める」という点では評価 できるのではないだろうか。 今回、中学生の殺陣クラスを実施してみて、盛況でも有り、かなり効果的に展開が可能 であると分った。従って今後は創作に重点を置いた、中学生のクラスを中心に組み、パッ - 331 - ケージ化していくことが望ましいだろう。 プログラム内容について このワークショップでは、殺陣の動きという日本独自の伝統芸能をより多くの子ども達 に知ってもらい、経験してもらうこと。そして、ただ動きを学習するだけではなく、それ を応用し自らの創造につなげていく事を目的としている。しかし、殺陣の動きは大変難し いものである。まず、創作に移る前に基本の動きを熟知しなければ、よい動きは作れない し、動きが単なる「むちゃくちゃ」であれば、そのシーンはただの喧嘩や暴れまくってい る場面であり、殺陣とは呼べない。いかにして、今まで殺陣のたの字も習ったことのない 子ども達に基本の動きを習得してもらい、それをアクション・シーンの創造へとつなげて 行くかということが今回スタッフ一同が最も頭を悩ませた点だった。 殺陣の講師、林氏は NHK の時代劇「宮本武蔵」の殺陣シーンや、「ラストサムライ」 の演技指導をトム・クルーズにつける等、第一線で活躍している方で、子どもの指導より も実際にプロとの仕事を中心にしている人だ。その為、子どもでも覚えやすいような基本 型をなるべく選んで、じっくり教えて欲しいとお願いした。その結果、前半の基本型編は、 様々な易しい型を中心とした、分りやすい内容となっていたと思う。見ている側にとって も知識として役に立ち、本当に興味深い内容であった。 ただ、子どもが自由に型を使い、考えて動けるようにと トーナメント形式の試合もやっ ていたが、この時間は短縮してもよいのではないかと感じた。その訳は、トーナメントで は、どうしても「勝負」という方に意識が飛んでしまい、「型」を次の創造に結び付けよ うと、じっくり考えて動く暇が無くなる可能性があるからである。実際、殆どの子ども達 も「殺陣」を意識するよりも、勝ち負けを意識して参加していたように見受けられた。 叉、特筆すべきは、男の子と女の子の興味のもち方の差であり、上達が早く興味をもっ て動きの習得を目指していたのは、男子が圧倒的に多かった。今後のワークショップの企 画では、性別による興味の差というものも考慮にいれてメニューを考えたり、クラスを分 けたりした方がいいのかもしれない。 日本の伝統芸能を子ども達の創作に結び付けるという、新しい形のワークショップの提 案は、一つ間違えれば、ただの「芸能練習会」の様になってしまう。今回の「殺陣ワーク ショップ」を「新しい創作の形」として雛形提案が出来るまでに洗練した形に作りあげる ことは出来なかったかもしれないが、一つの方向性を示す事は出来たのではないだろうか。 今回のメニューでは、最後にデジタル・ビデオとカメラを使って、創作したアクション シーンを子ども自身に撮影してもらう、というスタイルを提示。 伝統芸能→型を習得→応用練習→創作→撮影(デジタルツールの活用)→作品として確立、 という流れを示した。もちろん、他のジャンルに今回の流れがどれだけ応用が可能かは未 知数である。が、少なくともこの方式をとれば、ある程度の作品と創造性を子どもたちか ら導き出せるあろうと提言することは出来る。 例えば三味線など、奏法を覚えなくてはならない場合には時間がかかる事が予想される。 しかし、そこにデジタル機器を組む込むことで、時間の短縮を計り、伝統のエッセンスを 創作に取り入れることは可能だろう。自分で弾いた音をサンプリングしたり、他の人の音 - 332 - を組み入れたり…ということがそれである。種々のジャンルに応じて一つ一つのフェーズ の時間の組み方は変わってくるが、基本は同じ流れを使用すればよいだろう。今後はこの 流れを何通りか作り、それを提案していくという試みが必要となってくるだろう。 今回のワークショップでいえば「応用練習」の時間を短縮し「創作」にあてて、「撮影」 をもっと本格的にし、短い劇場上映作品を作っても良かっただろうし、また方向性を変え て「ツ−ル」を 3D のソフトにして殺陣の形をクリエイトしてみる、というのも面白かっ たのではないかと思う。マルチメディアをもっと高度に組み込んだ形を作って行くことは 今後の課題となる。 ワークショップ後の子ども達に話を聞いてみると圧倒的に「今後使ってみたい」という 意見と「面白かった」という感想が多かった。伝統的な和のアイテム(例えば手拭い等) に感心が集まっている昨今においても、未だチャンバラ等時代劇関係のものは「おばあち ゃんやおじいちゃん」が好きなテレビ番組として位置付けられており、国際的な感心の高 さや評価とは裏腹に片隅に追いやられたものになっている。しかし、実際の経験を通し、 アップデートなものと組み合わせれば、子ども達の感心を鼓舞し、面白そうなものだぞ!! と考えてもらえるのだ。 アクションシーンの創作においても、子ども達は、前日に習得した型をかなり上級者的 な取り入れ方で、使用していた。この事にはスタッフ一同大変驚かされたのである。そし てデジタルビデオで撮影する時の子どもの活き活きとした顔つきには、今後のワークショ ップの可能性を感じさせられた。 将来この方面のワークショップを増やし、上手く「流れ」や「雛形」を開発し、適宜利 便性の高いマルチメディアを組み入れてくことが「独創的な創造性」と「独自の文化性」 の両側面において、大変有意義なのではないだろうか。 - 333 - - 334 - 映像 〜ミニ・ミニ情報番組を作ろう〜 - 335 - - 336 - 第一線で活躍する映画監督を講師に迎え、情報番組のテーマの決め方から、台本作り、 リポーター、撮影までを子ども達が全て行う。テレビ等の裏側では一体どんな事が行われ ているのか?ひとりひとりがスタッフとなって実際に体験してもらう。 1. 概要 目的 / 地域社会との交流を通じて、社会についての自分なりの認識を子どもたちに持 たせる。協力して作品に取り組むことで、チームワークの大切さを学ぶ。 対象年齢 / 中学生 募集人数 / 10 名〜15 名程度(5名 1 グループにわける) 参加人数 / 12 人決定/当日 25 日、26 日 1 人欠席、29 日 2 人欠席 内訳 講 師 / 浅尾 25 日 男子児童 4人 / 女子児童 26 日 男子児童 4人 / 女子児童 29 日 男子児童 4人 / 女子児童 7人 合計 11 人 7人 合計 11 人 6人 合計 10 人 政行 氏 映画監督、 日本映画監督教会会員、日本シナリオ作家協会会員 代表作「ブレイクタウン物語」(にっかつ配給) 「とりたての輝き」(トロイヤ国際映画祭正式出品作品) 他、教育映画も手掛ける。 開催場所 / 劇団ひまわり(恵比寿)スタジオ/恵比寿町内 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西 2 丁目 12-12 募集期間 / 7 月 15 日(火)から 7 月27日(日)まで 募集方法 / 劇団ひまわり内の掲示板に掲示。生徒にちらし配布。(2000部)開催 日時 8 月 25 日(月) / 10:30〜12:30 13:30〜15:30 8 月 26 日(火) 10:30〜12:30 13:30〜15:30 8 月 29 日(金) 参加費 / 13:30〜15:30 無料 ファシリテーター数 (8 月 26 日午後からのみ) / 2名 25 日、29 日はファシリテーターなし。 必要な道具 プログラム/ / デジタル・ビデオ・カメラ 2 台(持ち込み) 、TV モニター、筆記用具、 メモ用紙、ビデオ・テープ 4 本(予備も含めて) 「ミニ・ミニ情報番組を作ろう」 (1) 5 人くらいのグループに分かれ、番組のテーマをディスカッショ ン、構想を練り、構成台本を作る。撮影の役割分担決め。 テーマの一例: 「代官山・最新ファッション情報〜ブティックめぐり」 「職人(ケーキ屋、豆腐屋など)に聞く」 - 337 - 「イベント(夏祭りなど)のリポート」 (2) 撮影の基礎を学び、絵コンテを書いてみる 5 人の場合 カメラ、演出、制作、レポーター2人 (3) 撮影 (4) (編集) 試写〜合評会 2. 開 催 に あ た っ て の 準 備 5回 スタッフ・ミーティング 講師とのミーティング 3回 (5 月から 7 月にかけて) (5 月から 8 月にかけて) (内容) 本ワークショップでは、外に出ての作業が半日入るために、付き添いのスタッフの確保 と、どの地域で作業をしてもらうのがよいか、等が主な議題になった。安全性を考えなが ら、叉限られた時間で効率よく移動と作業を行わなければならないので、会場が位置する 恵比須、もしくは代官山周辺がよいだろうということになった。会場に近ければ、万が一 事故が起っても直ぐに対処ができることも、その理由である。 お店等を撮影するの時は、営業の妨害になると、嫌がられることが多いため、今回は、 事前にスタッフで店を選んで、撮影交渉を済ませることになった。子どもたちが興味をも ち易いと思われる、ペットショップに決定し、ワークショップの始まる 2 日前に撮影交渉 を済ませ、快諾をいただいた。撮影時間は当日の昼から夕方までの間で、店が比較的空い ている時という約束なので、その前後に他のパートの撮影をすることになる。講師がこの 辺りの時間配分を子どもに当日指導することになった。 ビデオカメラの準備をどうするかという案件についてであるが、スタッフの手持ちのも のと劇団の方で使用しているもの 2 台を用意することになった。カメラの台数は、参加人 数に応じて増減があるが、今回は 12 名の参加者が集まったので、2 組に分かれて番組を撮 ってもらうことになった。 編集は、時間的な制約があるので、実際の作業は講師の編集スタジオで行うことになっ た。子どもの創作という点をあくまでも尊重するという観点から、何処を残して、どこを カットするか等は、子どもに決定をしておいてもらい、その指示に従って編集を行うとい う方向で作業を進めることにする。叉、希望者は編集を見学することができることとした。 ちらしは上記募集期間(7 月 15 日(火)から 7 月27日(日)まで)の間、会場内の掲 示板にはり、生徒の応募を募るとともに、劇団の授業に参加している生徒全員に配布。東 京と大宮の 2 カ所で参加募集をした。その結果、11 名の希望者が集まった。15 名が最大 予定数なので、8 月の半ばまで、追加募集をし 1 名の追加応募者があった。8 月始めに 11 - 338 - 名の各応募者に参加決定の旨を連絡し、追加の一名はその場で決定となった。連絡網など、 システムがきっちりしているので、募集から参加者決定、連絡まで、とてもスムースに進 んだ。 ワークショップ・スケジュール・プラン 企画段階で決定したスケジュールは以下の通りである。 8 月 25 日(月) 9:30 スタッフイン 10:00 講師等イン 10:30 講師紹介・主旨説明 10:40 映像制作についてのレクチャー 11:30 生徒グループわけ。役割分担決定 11:40 テーマ・ディスカッション 12:30 テーマ決定後、昼休憩 13:30 ロケハン 15:00 全員再集合 撮影下準備の為にグループごとに町へ出る。 構成を練る 15:30 第一日目終了 8 月 26 日(火) 9:30 スタッフイン 10:00 講師等イン 10:30 構成・台本制作、絵コンテ制作、カメラリハーサル 12:30 昼休憩 13:30 集合後各班に別れて撮影。 15:30 再集合後解散 8 月 29 日(木) 午前中までに スタッフによる編集作業(生徒立ち会い可) 13:30 上映会 15:30 ワークショップ終了 3. ワークショップ実際の流れ 8月25日(月) - 339 - 10:00 こども到着、会場に入り始める。 講師到着。 10:30 講師紹介。 「情報番組を作ってみよう」というワークショップの説明。 2班に分かれて、それぞれの班で短い(およそ5分程)の番組を作る。 演出、レポーター、制作、カメラの4つの役割分担をする。 テーマは街頭インタビュ−、店の情報紹介等。 全体スケジュールの説明。 25日 午前中 午後から 26日 午前中 午後から 29日 10:45 構成スタート。 台本作り、絵コンテ作り。ロケハン。 カメラリハーサル、台本練習。 各班にわかれて撮影。編集作業は27、28。 反省会 テーマ決定と役割分担スタート テーマ 14 試写会 役割分け、班分け、テーマ決定。 1. ペットショップの紹介番組 恵比須駅前にあるペットショップにあらかじめ講師が取材交渉をして、取材の時間 を開けてもらえる様になっていた。 テーマ 2. 街頭インタビュー インタビューのテーマ(例:ファッション、同世代の意識調査 等)を決めて、場所を選び(今回の場合は恵比須もしくは代官 山)インタビューをして、番組を作る。 各役割についての説明と各生徒の希望を聞く。 (スタッフ) カメラ、演出、制作 (フロント) レポーター カメラをやりたいと思っている人 → 後藤君、佐藤さん *ビデオカメラをまわしたことがある人は11人中6人だった。 レポーターをやりたいと思っている人 → 秋山さん、池田さん *街頭インタビューの方は沢山の人に話を聞かなければならないので大 変。 演出をやりたいと思っている人 → 小林さん、小野君、関君 制作をやりたいと思っている人 → 無し *制作の仕事は皆のまとめ役でいわば一番偉い人、との説明。生徒は制 作の仕事内容を知らないので、希望者がいない様だ。 10:55 具体的にそれぞれの番組テーマにおいての班分けと役決め。 - 340 - 役割 CAMERA 演出 街頭インタビュー ペットショップ紹介 佐藤さん 後藤君 小野君 関君 小林さん レポーター 制作 秋山さん 山縣さん 池田さん 泉さん 百瀬さん 新井君 *演出は内容に気を配ること。レポーターは上手く相手の話を引 き出すにはどうすればいいか、考えること。カメラは写った絵を チェックすること。制作が皆の纏め役。 11:10 各班と役割が決定したので、それに従って席変え。 街頭インタビュー 6名 5名 ペットショップ情報 11:15 各班に分かれてスタッフ会議を始める。A班、B班、個別に講師が説明。 その間も、各班ごとに会議を進めている。 (A班 街頭インタビュー)講師の説明。 *小野君と小林さん(演出)を中心に皆で意見を出し合って。インタビ ューのテーマを決めること。 *番組を作る時に考える事のコツ(構成のコツ)は5W1Hである。それは: When? (いつ) Where? (何処で)Who? (誰が)What?(何を) Why?(何故) How? (どうしたのか) この5つの項目をインタビューに盛り込むという事。 *相手の話しを上手く引き出すのはレポーターの仕事。 *インタビューはこちらの希望している通りの答えが返って来る訳ではな いので、難しいが、反面とて面白い。そこをいかにまとめるかが大変。 *制作はスタッフ全員の安全にも気を配らなければならない。 *一般人がカメラを向けられて、それに耐えられる話をしてくれるか、被 写体として良く、ちゃんと話してくれる人がいるかどうかが難しい。 *下見=ロケハン テーマに添った内容を話してくれそうな被写体がい る街角か見ておいたほうがいい。人は沢山いるのか。などチェックする。 - 341 - 11:30 (B班 ペットショップ紹介)講師の説明。 *どんな動物がいるか:イグアナ、タランチュラ、シーズー、ウサギ、亀等。 *お店の名前はウオーター・クラブ *どういうインタビュ−をするのか、どんな質問をするのか、何処から始め て何処で終わりたいのか、構成が大事。例えば噛み付き亀を捨てている問 題、とか、どんな話しを聞き出したいのか、どういう結論をつけたいのか、 を決めなければならない。 11:45 *ペットショプ班の説明が終わり、両方の班が独自に話し合い。B班は構成 を進めるのに、結構積極的。ペットショップの店長さんに店を案内しても らおう、等、具体的なアイディアがどんどん出てくる。街頭インタビュー の方はテーマを決めるのに手間取っている様子。始めて出会う子ども同士 だが、ディスカッションは好調に進んでいる。 12:21 午後からやって欲しいことを講師が説明。 テーマを考えて決定 → → 撮影の順番を決める 12:30 昼休み 13:30 午後の部スタート 構成台本作り → → 何を撮影するかを決める 具体的に絵を書いてみる(絵コンテ) 午前中からの続き。各班に分かれて会議。 *皆早く来て席について話合いをやっている。レポーター役の子どもは真剣 に台詞の練習をしている。「駅から歩いて何分….」等という台詞。 *意見が取り入れられずいじける子も….。 B班 人気ランキングをやってもらおう等の意見が出てテーマが大分決 まってきている様子。レポーター役の女の子2人が台詞の練習をやり始める 等、快調に進んでいる。講師から「いかにペットショップ屋を面白く見せる かを考えないと駄目」とヒントをもらう。導入部のアイディアと台詞が決ま って来た様だ。レポーターの子どもも、声がはっきりしていてとても上手。 A班 恵比須ガーデンプレスに行くことに決定。インタビューのテーマは 「特技」に決定。番組導入部分の台詞の練習を始める。「今日は恵比須ガー デンプレスに来ています。今どきの若者の特技は何か、聞いてみたいと思い ます。」「ちょっとちょっとそこの君」「御時間大丈夫ですか」等色々な台 詞の練習が始まる。 15 14:05 B班 絵コンテを描き始める。カメラのアングル等についての話も。 *両班とも役割分担はしているものの、皆で話して皆で色々な役割の事柄 - 342 - について決めていっているようだ。 *講師は構成の時など、子どもたちの自由にやらせている感じ。質問があれ ば答えるというスタンス。 *こども、わいわい言って楽しそう。 *レポーター役の女の子が中心になって進めている感じ。 タイミング、アングルなども指定している。 14:25 B班 カメラの構成を決めながら、レポーターが台詞の練習をしている。 14:30 A班 絵コンテ始める。 (意見の食い違いから、口げんかが始まる一幕有り。子どもが真剣なの が原因とも言えるが….。) 14:57 A班 おおよそのインタビュー構成等が決まり、講師に見せに行く。B班も構 成についての話し合いが終わった様だ。 15:01 講師、構成が大体決まったところで、もう一度説明。 *A班は、インタビューをした結果についてどう思ったか、則ち「まとめ /結論」を最後につけてはどうか。 *B班も同じく、店長さん等の話を聞いて、その結果どう思ったか、を入れる 方が良いだろう。 *双方とも ダラダラと続く番組ではなくて、終わりをきっちりとすること。 *自分達の感じた事を「まとめ」として言わないと、番組として意味がない。 *色々と構成が出来て来たところで、テーマの意味を再確認してみよう。 *A班「特技」についてのインタビューだが、特技は隠れた才能だから皆で 生かすように努力しましょう、なのか、もっともっと特技を身に付けよう、 なのか?どういう意味をもっているのだろう。B班「ペットショップ」で は、ペットを飼うということはどういうことなのか?責任は?等、掘り下 げて考えてみよう。 - 343 - 撮影の流れ(制作) カメラワークについて 撮影現場の見取り図 絵コンテ 15:10 明日の段取り等。 *A班は街頭インタビューなので、人がいなかったらどうするか、等をきちん と決める。ハプニング性があるので、体制を整えておく事。 15:25 解散。 A班は、それぞれ個人で帰宅前にガーデンプレスによって見てくる 事になった。(各自でロケハン)B班は、店長さんに明日聞きたい事を質問 表にして、事前に渡すことになった。B班質問表作り。 15:37 B班質問作り終了。帰宅途中に店によって店長に質問表を渡す。解散。 - 344 - 15:37 一日目終了。 一日目は、二日目の準備として、時間をかけてテーマを決め、レポーターの人は話す練習 をしたり、とかなり密度の濃い時間を過ごせたようだ。絵コンテ、現場の見取り図等、初 めての取り組みにしては、かなりきちんと説明を把握してやっており、明日が楽しみ。 8月26日(火) 10:00 こども到着、講師到着。ビデオカメラ二台を準備。 10:30 本日の天候の説明。(午後から雨が降りそうなので、早めに行動した方がよ い。カメラを濡らさない様に。一雨来そうなら外から先に撮ろう、等) 10:35 撮影手順、カメラで撮ったものを編集する時のコツ、 方法の説明。 *「街頭インタビュー」を例にとって話す。 大体の流れは以下の通りだろう。 1. 広い絵を撮る。そこに「あなたの特技は何ですか」とタイトルを乗せら れる様にすると良い。広い絵を10秒程撮っておけば載せやすい。 2. これから特技をインタビューします。とレポーター。 3. インタビューをしている所の絵。 4. まとめのあいさつ。 5. クレジットタイトルを流す。(各自の役割と名前) *演出の人=監督。スタ−ト、カットの指令をカメラさんに出すこと。 START → カメラ・スイッチ・オン 撮影 CUT → カメラ・オフ *ワン・カット目の撮影が終わったら、巻き戻して再生。チェック すること。問題がなければ次ぎに進もう。問題が有れば、もう一 度同じカットを取り直すこと。(リテイク)NGシーンの場合、 レポーターが手を振ったらNGと決めそのシーンが失敗だと言う 事がはっきり分かるようにする。はっきりわかれば編集作業 がやりやすい。又、カメラの人は「今のはNG」とハッキリ言う 事。誰かにぶつかって、がたがたになったりしない様、制作の人が 周りに気をくばろう。 *カメラはテープとバッテリーに限りがあるので、気をつけること。撮る姿勢 - 345 - は脇を締めて、足を半開き。見つめるつもりでじっくり固定した絵を撮るこ とを心掛けよう。今回は三脚がないので、ぶれない様に気をつけること。 *カメラはやたらと動かさない。じっくりと相手の話を聞いて撮らなければな らないので、振り回したり、動かしたりは駄目。決めの位置が一番楽な姿勢 になるように、撮る前に姿勢を決め、動きを考えよう。 *ピントとズーム。ズームは寄る絵、望遠。ひいた絵はワイド。ズームして寄 ると、ピントが合わなくなることがあるので、ピントをあわせる為に、まず ズームでピントを合わせてから、ワイドにする。そうすればワイドにした時 には簡単にピントが合う。 *メインはインタビューを受けている人、そこをズームアップすること。 *カメラを長い間安定させる時は物の上に置くなど、工夫すること。 *テープの長さは1時間。番組は5、6分程度を目安に。実際の番組でも、 撮った物の面白い所をつなぎ合わせて使う。そのまま使用する事はない。 *インタビューは相手を見つけるのが大変。お願いして協力してもらうと いうところから入るので、交渉の仕方も考えておこう。 11:05 実際にカメラに触ったり、手順の最終確認をする。 B班 ペットショップ紹介 番組の運び 1. 恵比須駅前 2人これから店に行くぞ 2. 店外 3. 店長にインタビュー 4. 店外 5. 店から駅までの道案内 6. 駅前で撮る(タイトルバック) 店長に中を見せて、と聞き、店長が案内 まとめの話し - 346 - A班 街頭インタビュー 番組の運び恵比須ガーデンプレス始めの言葉 1. 恵比須ガーデンプレス内でこれからインタビューしま す 2. インタビュー・スタート あちこち動きながら 3. 締めの言葉 11:30 A班リハーサルスタート 出演交渉のやり方をやってみる。質問の仕方などを考えて通して練習。 1.「1,2,3スタート」 2. キュ−出し レポ−タ−が行く 3.「特技を持ってますか?」 4. 「ちょっとしたブレークダンスです」 5. 「御名前は?」等色々な質問。 11:35 B班リハーサルスタート。 1. 「こんにちは私達は今恵比須の駅前にいます」 2. 「Water Clubにレッツゴー」 3. 「店長さんです..」 11:40 A班 撮ったものを見直す。(こどもたち嬉しそう。) 11:50 A班 リハーサル終了。昼休憩後、雨が降りそうなので、早めに 外に行く事にする。12時40分に再集合予定で解散。 - 347 - 11:55 B班 リハーサル終了。一時間の休憩後、 恵比寿駅に向けて出発予定で解散。 午後からのA班の動き 12:40 A班集合。恵比須ガーデンプレスに向けて出発。 12:57 恵比須ガーデンプレスに到着。(付き添い:劇団ひまわり大山氏) ショート・ミーティング 13:04 (写真:ガーデンプレス到着) オープニング・シーン撮影目的地に到着(タイユバン・ロブション前の広場) カメラ撮影準備、レポーター練習開始。 13:10 オープニングショット撮影開始。 *使える場所を探して色々な所を撮影している。制作担当の子どもは荷物の 見はりをする等、役割を認識している様子。 13:19 オープニング台詞撮影開始。 *終わる時に合図を頼むなど、プロっぽくやっていて驚き。 *バックの絵を選ぶのもとても慎重にしている。 *演出もレポーターの腕の位置はここが綺麗に見える等指示を出している。 *キューの出しかたも上手い。 * 照れて笑ってしまう事も….。 撮影交渉 13:39 インタビュースタート *「すみません、インタビューに答えて頂きたいのですが」 と道行く人や、座って休んでいる人に交渉。 *「あなたの特技は何ですか」と聞くと、特技はあんまりない。という返事。 *なかなか特技のある人が見つからない。皆で交渉するが、難しい。 *特技という題でインタビューに答えてくれた人は16人中1人と、超低確率。 * 答えた人の映像に音声がきちんと入ってなかったり、とハプニングが続出。 13:47 特技で質問に答えてくれる人が見つからないので、急きょインタビューの 題をファッションに変更する。苦肉の作。しかし、それからはとてもスムー - 348 - ズに行く。ファションだとインタビューを受ける側はとても答えやすい様子。 今後は議題も答えやすいものを探さないといけないというよい教訓を得る。 14:01 2人成功。きちんと説明をして、相手にこちらの意志が伝わってから撮り 始めるというプロセスがきちんと機能している。 色々な階を飛び回って、かなり重労働。皆楽しそうにやっている。声をか けるタイミングが上手くなる。 14:45 かなり疲れたので、休憩。 15:00 インタビュー再開。 15:16 結びのショットを撮影。 15:40 撮影終了、片づけ後、 教室へと向かう。 16:05 教室到着。ショート・ミーティング。撮影したものを見る。反省会。 *講師にインタビュ−の内容を変えた事を報告。臨機応変に変えたことを 評価される。 * 被写体に関して色々な意見がとぶ。「この女の人近くでみると普通だね」 等、女の子ならではの厳しい意見も。 *女性がのってくれたけど、男の人はいまいちのってくれなかったので残念。 *タイトル「ファッション・チェック」 * 編集箇所を講師に伝える。 16:30 ビデオチェック終了。講師ともう一度編集箇所を確認して終了。 16:35 解散。 - 349 - 午後からのB班の動き 12:55 集合。恵比須駅に向けて出発。(付き添い:講師/劇団ひまわりスタッフ) 13:05 駅前に到着。ショート・ミーティング。(お店の中の撮影は2時からにし て欲しいとの店側の要望が有り。先に他の部分を撮ることにする) 13:09 カメラ練習スタ−ト、駅前でオープニング・ショット、終わりのショット 等の撮影開始。 * 途中でレポーター役の一人が気分が悪くなって教室へ帰るというハプニン グがあり、レポーターが一人となる。台詞の見直しを迫られて大変。 13:45 ペットショップの方へ移動(駅から歩いて2分程の所) 13:50 ペットショップの外のショット撮影。 14:00 ペットショップ店内の撮影。それぞれの動物についての店長さんの話を撮影。 *店内がとても狭く、皆は入れないので、カメラとレレポーター、演出のみが入っ て対応する。 *店長の話しがとても長くて、次ぎの話題に進むのにちょっと苦労。 *制作や店の外で待機している他のスタッフは、皆がお店の客の邪魔にならない様 に、気配りを忘れない。 *こちらの班のカメラはプロ用の大きな物で、ちょっとカメラの子どもが辛そう。 14:35 気分が悪くなっていた子どもが治って帰ってくる。 15:11 撮影終了。教室に向けて出発。 15:20 教室に到着。 - 350 - 撮影したものを見る。見ながら反省会。 * プロットや映り方、やり方について、分数が長過ぎた等色々な意見がでる。 *編集箇所を講師に伝える。 * タイトル「ウオーター・クラブってどんな所?」 16:05 テープ見直し、終了。解散。 2日目は、外での活動になり、二手に分かれたので、帰宅時間等に違いが出た。外でのワ ークショップは楽しいらしく、皆活き活きとしていた。ただ、気分が悪くなった子がいた り、話題を途中で変えなければならない、等ハプニングがあったのが残念。それも臨機応 変に行動することが出来、主体的な行動へとつながったので、いい経験になったと思う。 8 月 29 日(木) 講師が編集作業を終えたものを、午後から試写会。編集箇所は子ども達の指示による。 13:00 講師到着、TVモニターの準備等。 13:30 挨拶、説明。 見終わってから、反省会。良かった所、悪かった所、を客観的に見ること。 13:38 試写会スタート 1. A班 街頭インタビュー タイトル:ファッション・チェック * 皆、お互いに感想を話しながら、 嬉しそうに見ている。 * 違う班の子どもはちょっとごそごそして、 * 落ち着きがない。早く自分達のが見たいようだ。 13:47 始めの作品終わり。 - 351 - 13:49 2. B班 ペットショップ紹介 タイトル:ウォーター・クラブってどんな所? 14:05 2つめの作品終わり。反省会スタート。 *講師:全体的に音が悪いが、これはカメラの機械の問題なので、仕方がない。 皆のせいではないので、気にしないようにとの話。 (ファッション・チェック反省) 秋山さん(レポーター) 質問を始めにもっと考えておけばよかった。相手次第なので、その時即座に質問を考えな ければならない。それが結構大変で、なかなか思うように決められない。その場で機転を きかせて直ぐに次ぎの質問、というのは難しかった。 講師:レポーターは相手のいう事に常に深く突っ込んで行く姿勢がないと勤まらない。と ても難しい仕事。次、レポーターをやることがあったら、もう少し、シミュレーションを して何と答えられても、次ぎにつながるようにしよう。 佐藤さん(カメラ) ビデオで人、インタビュー等を撮ったのは、初めての事だったので、難しかった。風景を 撮った事はあるけど、動いていないものばかりだった。人間を撮るのは、大変だと思った。 講師:ファッションを撮る時は、常に全身を入れなければならないので、近くによったり、 遠くを写したり、となかなか難しい。人間は動くから大変だし、特に今回は三脚がなかっ たので、動かない様にするのは大変だったと思う。プロのクルーは2-3台のカメラを使って、 番組を撮るので、一人でやるのは本当にきつかったのでは? 小野君(演出) 初めは「特技」がテーマだったのに、答えてくれる 人がいなかったので、途中で「ファッション」 に変えなければならなかった。それが残念。 講師:「特技」を聞き出すのは、なかなか厳しいと思う。 それに固執せずに、「ファッション」に変えたのは 良い判断だったのではないか。 小林さん(演出) 逆光で顔が暗かったりしたので、もう少し場所を考えて撮れば良かったと思う。 - 352 - 講師:写る人が影にならないのは順目(順光)という。外で撮影する時は、大陽の位置を 確かめよう。順目にすると、結構立体感が無くなったりする(ベタ写り)ので、どちらが いいのか…これも難しいところ。 百瀬さん(制作) あまり、制作の仕事らしいことが出来なかった。荷物持ちとか、そんな感じで終わってし まった。 池田さん(レポーター):恵比須ガーデンプレスを一周した感じ。もう歩くのはこりごり。 同世代の中学生があんまりいなかったのも残念。 講師:ガーデンプレス(恵比須)は中学生が来る所じゃなかったかも。今度インタビュー するときは、狙いによって、 場所を考えてやってみよう。 14:25 (ペットショップ反省) 山縣さん(レポーター) レポーターを二人でやる事になっていたが、一人が気分悪くなってしまって、いきなり独 りでやらなければならなかった。戸惑ってしまい、喋り辛かった。後から考えると、店長 さんの気に入った動物だけを紹介してもらえば良かったな、と思った。 講師:一人になった時でも、上手くやれるような体制を常に作らないと、本番では通用し ない。打ち合わせ通りに行くことはめったにないと言って良い。いい経験になった。 後藤君(カメラ) 無駄なものを撮り過ぎた。ドッグフード、動物のトイレ用品、ペットフードの話等が多く なって、テーマからずれた感じがする。ピントがずれたのも残念。 講師:動物を追って見せる、というテーマにそって編集ができたので、そこは編集で何と かなった。オートなのでピントがずれる場合がある。次、撮る機会があったら、マニュア ルで挑戦してみよう。 関君(演出) 他の声や音が途中で入ってしまって、残念だった。 講師:今回使ったカメラでは音を拾うマイクが広域対応しているものなので、音は、仕方 がない。今度はガンマイクという指向性の強いマイクを用意して、やってみよう。 - 353 - 新井君(制作) やっぱり無駄なものが多すぎだった。無駄なおしゃべりとかを撮影しすぎ。 講師:要領よくまとめるのは難しい。初めてでよく出来た方だと思う。 *またやりたいか?との問いに、リポ−タ−役の女の子一人がやりたくない、と答えたが。 その他の子どもは、全員やりたいと答えていた。 *チームでビデオ撮影して、番組を作るのは初めての子どもばかりで、集まって物事を作 ることの難しさを痛感していた。講師がテレビ、ドラマ、ラジオ、全部、今回体験した役 割の人達がいて、番組を作っている。チームワークが出来てないと、いいものが作れない、 と話しているのを、真剣に聞いていた。 14:40 10分間休憩。その間にアンケート記入。 14:50 アンケート記入が続く。出来た子どもは先生と話したり、感想を言い合った りしている。 15:05 再度、反省点を踏まえて、作品鑑賞。 15:35 終了。子ども解散。 スタッフ後片付け。 15:45 スタッフ・ミーティング (内容) もう少し、撮影する時間を撮った方が良かったかも。 テーマによって、進み具合が違うので、そのコントロールが難しい。 ビデオワーク、結構上手いのでびっくりした。 どこまで指導して、どこから放っておくべきか、匙加減がとても難しい。 次回は、子どもに編集作業全般をやってもらえる時間をとるべき。 人数は今回ぐらいが適当だろう。 またやりたい、と殆どの子どもが言ってくれたので良かった。 一度撮って、フィードバックをしてから、もう一度現場に出た方が良かった。 4. 開催後の処理・処置について デジタル・ビデオ 1 台はスタッフのもの、もう一台は劇団ひまわりのビデオだったので、使用後返却。 - 354 - 提出物 レポート ワークショップの様子を撮った写真とビデオ。 写真は本レポートに含まれているもの以外は CDR で提出。 ビデオは DV にて、編集 15 分程度のものを提出。 成果物 DV と DVD 両フォーマットにて提出。 こどもの作品 1. ファッションチェック 12 分 2. ウオータークラブってどういう所? 15 分 著作権処理 CANVAS のウエブでの公開を前提にしているので、各参加者の保護者にその旨書面 での了解をいただいた。 成果物の子どもへの配布 DV で欲しい人は、劇団ひまわりに DV を持ち込めばコピーを作ってもらえることにし た。DVD コピーが欲しい人にはスタッフが作成して、送付するという処置をとった。 5. 開催成果と反省点 参加者募集とクラス分けについて 15 人の定員で募集をかけたのだが、初回で集まった人数が11人だったので、募集の期 間を少し長くした。その結果、12 人となった。他のワークショップよりも参加者の集まり が悪かった理由であるが、募集の要領は今回同時開催したインプロと殺陣のワークショッ プと基本的に同じだったので、期間が短いとか、ちらしの配布量が少なかったということ は考えられない。一つの要因として、内容が少し裏方的なものだという印象があるので、 子どもが集まりにくいのではないのか、という意見がスタッフから出された。その他、対 象年令が中学生に限定されていた事と、他のものは 2 日間のプログラムであったが映像ワ ークショップは 3 日間と長かった事も理由として考えられるだろう。叉、夏休み最終日近 くだったので、スケジュールが詰まっている子どもがあまり参加したがらなかったのかも しれない。映像ワークショップの内容からすれば 10 人程度が丁寧に指導しやすい人数で あると考えていたので、結果的には良かったのだが、不可解な集まり具合であった。 班を 2 つに分けて、それぞれ異なったテーマについて映像作品を作ってもらうことにな ったのだが、班分けは概ね上手くいったのではないかと思われる。それぞれが選択したテ ーマによって、終了時間が違ったり、制作過程での必要な事項が異なったりと、少し不公 平感はあったのだが、「子たちが自分で行う」というワークショップの性質上、違いが出 てくるのは仕方のないことだったと思う。 プログラム内容について - 355 - 子ども達の手によって 2 つの情報番組が出来たわけだが、3 日間、実質 2 日という短い 期間の間にしては、かなり質の高いものが出来たのではないだろうか。初めて会った子ど も同士だが、非常に高い相乗効果を発揮できたと思う。ワークショップの一つの目的とし て、チームワークの大切さを学んでもらう、という事も上げてきたが、その点に関して言 えば大成功だったのではないだろうか。それぞれの役割を、理解し、責任を持って果たせ ていたと思う。作品を作る過程での話し合いや、アイディアの出し合いで、思わず喧嘩を する場面もあったのだが、それは制作に真剣に取り組んでいた証拠とも言えるだろう。意 見の食い違いをどのように克服して行くか、人との折り合いをどうやって取っていくのか、 という事を学ぶよい機会だったのではないだろうか。 情報番組のテーマの決め方から、台本作り、リポーター、撮影までを子ども達が全て行 う。ということだったのだが、ロケハン等の都合から、先に取材先となる店をペットショ ップに限定しなければならなかったのが非常に残念である。今後は、店との取材交渉も全 て子ども達が出来るような、時間の組み方をしていきたい。但し、やはり対商業活動団体 であるので、スタッフ、講師、責任者等が子ども立ち会いの元で、交渉にあたるのが望ま しいだろう。この様な手続きの難しさがあるので、第三者を巻き込んだ取材が必要なワー クショップを開催する時は、参加者の人数を出来るだけ少数(10 人程度)に留めておく方 がよいのかもしれない、とあらためて感じた。 叉、街頭インタビュー制作チームは、インタビューのテーマを「特技」から「ファッシ ョン」へと現場での変更を余儀なくされた。テーマの選び方がインタビューされる側にと って答えにくいものだった為だ。この様な点の指導を講師はもう少し丁寧にしておいた方 が良かったかもしれない。講師はかなり詳しく説明をしていたのだが、反対に説明不足の 箇所もあり、今後の課題としては、子ども達にとって難しいポイントは何処なのかを正確 につかみ取り、その点を詳しく解説していく様に心掛けていく、という事だろう。 事前の制作会議やリハの時間をもう少し短縮して、現場で実際に指導を行いながら、作 品を作らせるという手法を取るのも一つの選択肢である。今回、子どもの感想でも、現場 での時間が短すぎたというものが有った。OJT 方式で全体を進めるという方法もいいので はないだろうか。そこまで極端に変えなくても、一度外に出て取材のシミュレーションを やってみて、会場に帰り、反省を踏まえてから本番の取材に入る、という動きを取っても 良かったかもしれない。 ペットショップの取材班でも、レポーター役の女の子1人が気分が悪くなり、途中退出 をするというハプニングが起きた。もうひとりのレポーター役の子どもが、その場で台詞 等を変えなければならなくなり、非常に大変だった様だ。外でのワークショップはこの様 なハプニングが付き物なので、何ごとにも柔軟に対応ができる様に、多めに時間を取り、 また、そのハプニングが起り得るものだということを参加者にもきちっと説明するべきで ある。主催者側としても、リスクマネージメントの体勢を敷いておかなければならないと 痛感した。 もう一つ残念だったのが、編集作業である。今回は時間の関係と、機材の準備の難しさ もあり、編集は講師任せとなってしまったのだが、本来は子ども自身が全ての作業をやる べきだろう。その為には少なくとも、あと 2 日位、ワークショップに費やす日を付け加え - 356 - て、編集可能なコンピューターを 2-3 台用意する必要がある。編集作業を教える人手も必 要である。そこでソフトウエア、ハ−ドウエア会社の協賛や、編集作業に詳しいスタッフ 等、人材の確保を含め、色々な観点から全体の組み立てを見直していく必要があるだろう。 今回のワークショップでは子どもが主体性を発揮し、大変素晴らしいものを創ることが できた。参加者殆ど全員がまた是非やりたいという感想を述べていた事実も有り、よいプ ログラムが提供できたと思う。今後、以上述べた改善点を検討し、更に面白い映像作品づ くりを子ども達にやってもらえるようにしていきたい。 - 357 - MusicPlayshop in サマーセミナー 2003 <目的・概要>音楽の知識のある人ない人、楽器の経験がある人ない人関係なく誰でも一緒に音楽を作って楽し む事が出来る。 「音楽とはこういうもの」という枠にとらわれず、音を出したり、聴いたり、その事について周 りの人と話してみて、自由な発想で音を作ってみる。今まで意識していなかった音の様々な可能 性を発見し、楽しんで貰う。 <開催日時>7月21日 10:00開始 <開催場所>中京大学八事キャンパス <募集人数>30人前後 <対象年齢>不問 <ファシリテーター数>15人 <ファシリテーター以外のスタッフ数>2人 <開催にあたっての準備> 募集告知:サマーセミナーの Web ページ・チラシにて < Playshop 内 容 概 要 > (一日の進行表) 9:00〜 受付、参加者へロゴ入り T シャツを配布し、 名前を書いて貰う。 目的: 当 日初 めて 会っ た人 達が 名前 を覚 える 手伝 い をする。 10:00〜10:30 Playshop 開始『ジェンカ』『拍手ゲーム』 目的: 最 初に 音に 触れ なが ら体 を動 かし 、参 加者 同 士が打ち解け合えるようにする。 <詳細> 呼んで貰いたい名前をあらかじめ企画者側で用意した T シャ ツに書いて貰う。 <使用機材> T シャツ・カラーペン <ファシリテーターの動き> T シャツに今日一日呼んで貰いたい名前を書くことを参加者 に説明する。ファシリテーターも参加者と一緒になって T シ ャツに名前を書き、自己紹介をすると共に名前を覚える。ま たとにかく参加者と会話をして雰囲気に慣れて貰う。 <詳細> 『ジェンカ』 音楽のリズムに合わせて自由な踊りをし、音楽の旋律が 1 フ レーズ終わる際に出会った人とジャンケンをする。 ジャンケンに負けた人は勝った人の後ろにつき、肩を持って 再び踊る。 実際には演奏できる方が音楽の演奏を担当、演奏者のジェン カへの参加も可。 - 358 - 『拍手ゲーム』 司会者がいきなりクラッピングを始める。 「司会のマネをする」という事を理解してもらえるまで続け る。 理解したらある程度続け、目隠ししてもらい、その状態で続 ける。 ※使っていない音を出す。 目隠 しをとっ て、周り と(※)は何の音 だったの か相談し ても らう。 <使用機材> 『ジェンカ』 楽団 『拍手ゲーム』 専用司会 <ファシリテーターの動き> 参加者を誘導するような形で参加者と一緒になって体を動か してもらう。 10:30〜11:00 『音の世界紀行』 目的: 感 覚( 今回 は視 覚) をう ばう こと によ り純 粋 に 音に 耳を 傾け ても らう 。こ のこ とに より 見 か けや 、今 まで の自 分の 意識 の中 にあ る「 楽 器 」と いう もの の視 野を 広げ ても らう 。こ の こ とが 考え 方の 視野 を広 げる こと につ なが れ ばいいと思う。 <詳細> 参加者にはあらかじめ目隠しをしてもらい、同じ音がするも の(フィルムケースに砂を入れたもの等)をペアにして用意 する。そのペアにしたものを目隠しをした状態の参加者に配 る。 次に参加者に1人づつ配ったもので音を出してもらう、他の 参加者に自分の音を聞いてもらった後、全員で音を出しても らい、その中から自分と同じ音の人を探してもらう。 <使用機材> フィルムケース、目隠しするための布 11:00〜12:00 『音 あわせ 』、『 午後 の即興 セッシ ョンに 向け ての話し合い』 目的: 自 分の 中に ある 「音 楽と はこ うい うも の」 と い う考 え( 音楽 観) を他 の人 に話 した り他 の 人 の音 楽観 を聞 いた り話 した りす るこ とに よ っ て、 午前 中の ゲー ムで 感じ たこ とを 整理 し た り、 他の 人の 音楽 観か らさ らな る発 見を し てもらいたい。 <ファシリテーターの動き> 数人のファシリテーターは参加者と一緒になってゲームをす る。 残りのファシリテーターは音の出る物を参加者に配ったり、 参加者がけがをしないよう気をつける。 同じ音を探し当てた人の確認をして目隠しをとってよいかど うかの指示を出す。 <詳細> 『音あわせ』 まず自分で音の出るものを手に取ってもらう。 そのあと音の出し方を自分なりに考えてみる。 色々試した後、気に入ったものを各自選ぶ。 音を出しながら、自分の音と他の人の音を聞いてみて、自分 と他の人の音がくみあわさると、どんな演奏ができるか、ど んな雰囲気の音ができるかを試してもらう。 気に入った、くみあわせができたらグループを作ってもらう。 - 359 - 『午後の即興セッションに向けての話し合い』 午前中に行ったゲームをしてみた感想などを参加者同士話し 合ってもらい、大きな B 紙にみんなで書き込んでもらう。 <使用機材> 『音あわせ』 複数の音の出る物 『午後の即興セッションに向けての話し合い』 B 紙、サインペン <ファシリテーターの動き> 参加者の感想や考えを聞き午後の『即興セッション』をどん な物にしたいかみんなで考える。 12:00〜13:00 昼食 13:00〜14:00 『即興セッション』 目的: 「 あっ 、こ の人 の出 す音 と自 分の 出す 音が ま じ った らお もし ろい だろ うな 」と いう 感性 を 第 1 に考え、個人で作り出した「自分の音」 を 他の 人と かさ ねる こと によ り生 まれ る音 と 音 との まじ りあ いを 楽し むと 同時 に新 たに 広 がる音の楽しさを感じてもらう。 <詳細> 『即興セッション』企画者側で音の出る物(使い方の指定は しない)を用意して各自気に入った物を一つ選んでもらう。 他の参加者と音を聞きあい自分の音とあう人とグループをく む。 同じようにグループどうしで音の交換をしてグループをどん どん大きくしていき最終的に全体を3つのグループにわける。 各グループごとに話し合ったり、音を出し合ったりしてグル ープごとのオリジナルの曲を作る。 そしてみんなの前で発表。 <使用機材> 楽器にこだわらず音の出る物を数 10 種類 <ファシリテーターの動き> 参加者と一緒になって自分達も楽しむ。 - 360 - ●参加者の声 < 実 際 の Playshop> 10:00〜10:30 参加者が集まらず開始できず。 10:30〜10:40 T シャツを配布し名前を書いてもらう。 『拍手ゲーム』の中止を決定。 10:40〜10:45 <ジェンカ> ジェンカの開始。 ジェンカをやって、音楽一つでみんな輪になることができ てすごいと思った。 人の動きを見るから音を出すと、だんだん乗ってきて面白 くなった。 楽しそう。早起きすればよかった。 オープニングでやったから、恥ずかしかったです。 - 361 - <音の世界紀行> 10:45〜11:00 輪 にな って もら い、 目隠 しを 配り 『音 の世 界 紀行』開始。 11:00〜11:10 輪 にな って もら い、 自己 紹介 とゲ ーム の感 想 を述べてもらう。 11:10〜11:25 『音あわせ』の開始。 11:25〜11:50 目隠しでやってみると以外に近くにいるのに、気づかなか ったし、一人一人で音が同じものをもっていてもすこしずつ 違うとわかった。 見えないということは、慣れるまで怖いですね。 目隠しをすると無限空間が広がった気がして、それから音が 聞こえてきました。 見つけた相手が手を握ってくれました。 午 後の 『即 興セ ッシ ョン 』に 向け ての 話し 合 い。 <楽器選び> 11:50〜12:05 写真撮影。 12:05〜13:00 昼食。 自分の音がわからないのでとりあえず… どんなものでも、楽器になるんですね。 違う人と出会うと、違う音が引き出さされる。 - 362 - 13:00〜14:00 <セッション> 『即興セッション』の開始。 14:00〜15:00 リフレクション。 楽譜がないのもいいな、音符を追っていくより面白い。 音が重なって、新しい音が生まれる。 だから音楽は面白い。楽しむ。 音楽には静寂が必要。 いろんな音をまとめるのは大変ですごいこと… <リフレクション> 周りにとらわれないでやるのいいな。 楽譜なしでできてみえないものが見えてよかった。 みんなで集まってじゃなくてよりそうの良い。 自分のTシャツにサインしてもらうのは初めて。 <全体> 見えないものを見つけたのだろうか?正直、何も見つから なかった 最初から決め付けるのでなく、やってみて決める。それが 大事だとわかりました。やってみたらすごく楽しかったです。 いろいろな種類の音が表現されて楽しかったです。 音は人を幸せにする。 - 363 - ●企画者・ファシリテーターの声 受付 ・ 客寄せが大変だった ・ 講座の内容がうまく伝わってない部分があった ・ 準備の進行状況が悪かった (足りない物がいくつかあった。セロテープ・バッテリー 何をやったらいいのか分かっていない) →反省点を次につなげたい ・ 参加者とのコミュニケーションがうまくとれなかった ・ 場所を示すポスター等が欲しかった ・ 留学生に伝わっていない内容が多かった ・ どこからどこまでがスタッフかよくわからなかった ・ 正直、難しかった。 (何をやってよいのかわからなくなっていた。 )一人入ってきたひとがいたけれども、 逃げられてしまったところに、ちょっと壁というものを感じてしまった(音楽という共通するものはあるの に、その人にとってそぐわないものだったのかな・・) ジェンカ ・ 最初はみんな恥ずかしがっていたけど、だんだんのってきた。 ・ 最初は、どうすればいいのかわからない方がいました。けど、やってくうちに次第にうちとけていくも のがあったと思う 音の世界紀行 ・ 参加者からの評判がよかった ・ 以外に苦戦してしまったというのが実感。けど、皆楽しいかんじだった。間違っても、そんなに苦痛と か、そういうのはなかった。目隠しすると、非常に広大な、無限遠なところにいってしまうような気が私は しました。 KJ法 ・ 普段から音楽やっている人達が、普段の自分の楽器や楽譜などにこだわり過ぎていたから、それを壊し たかった。最終的にそれを達成できて感動した。 ・ 私は、普段から音楽やっている人達と、そうでない人たちが楽しめるにはどうしたらよいのかな、とい う視点があり、そこにたどり着くには、最初難しいものがあったけれども、結果的には、即興で成功し たと私は思っています。 - 364 - 即興セッション ・ 成功したと思う。盛り上がった。 (亜耶さんの班) ・ 参加者がとまどっていた。 (中村君の班) (自分はどう関わればいいのか?など) ・ 激しい感じと静かな感じを組み合わせたことで、ストーリー性が生まれた。目に見えない心のやりとり があったと思う。 (佐藤君の班) ・ カメラマンから見て、笑顔をたくさん撮りたかったけど、真剣なシーンが多かった。 ・ 「もりあがった。」・・・私は逝っていました・・・(ビデオで実感・・・)それほど、音が好きだったの かと自分自身に実感・・・バイオリンは初体験だったけど、奏法は勿論よくわからない。けど、虫が少しづ つでてくるかんじを表現しようとしたときに、バイオリンの、ギコギコギコ・・・という音はとても大切な 役目がでたんじゃないかと思う。また、宮田先生の手作りパイプ笛(?)となかなかうまくあわせられなか った部分があるけど・・・やっぱ「快感」でした。 (佐藤談) 総合的に ・ それぞれの視点からそれぞれの感じ方がある。それを共有していきたい。 ・ 掲示板、ゼミ時間などで。 ・ 個々の判断がスムーズに行くとよい ・ 各役割の違いで、だいぶ意見、感想が違うと感じました。それを明確にしていき、共有していくことが、 大切だと思います。 ・ また、音楽プレイショップを内輪でよかった、とするのではなく、もっと外に向けて、やっていっても よいのではないかな、と思いました。音楽理論にこだわる人、こだわらない人、色々いると思うけど、 何か接点がみつけられるはず、と感じた日でもありました。 ● オンラインでのリフレクション (企画者側の様子) 音楽 PS 終了後思った事は、参加者の音への考え方に対して影響を想像以上に与えられたのではないか、と いうことだ。この企画を練っているときは「多くの人が音を今までずっとの偏った見方をしているだろう、 それを覆すのは容易ではない。ほんの一握りの人にでも変化がみられればいいな・・・。 」と考えていた。し かし、参加者の多くは積極的にこちらの考えた企画一つ一つに興味を持って、意欲的に動いてくれた。最初 は固かった音への考え方も徐々に和らぎラストの即興セッションではみんなでテーマを決めてとても素敵な 演奏をしてくれた。だが、全員にその成果がでた訳ではない。最後までこちらの企画にうまく馴染めないで 終わってしまった人も確かにいた。うまく企画に参加できなかったからといって、必ずしもこちらの伝えた い事が伝わらなかったという訳ではないが、もっと参加者が楽しく参加でき、かつこちらの伝えたい事を伝 - 365 - える事ができる企画を考えられたかもしれない。 参加者の人たちにはこの音楽 PS で得た物事対して柔軟で幅のある考え方をいろいろな方面で役に立てて 欲しい。そして企画者側はこの経験を次の PS に生かし、より多くの人に伝えていきたいと思う。 ワークショップの成果と意味付け 4-1. 目的は達成したか? 4-1-1. 音楽の知識のある人ない人、楽器の経験がある人ない人関係なく誰でも一緒に 音楽を作って楽しむ事が出来る。 4 - 1 - 2 . 「音 楽 と は こ う い う も の 」 と い う 枠 に と ら わ れ ず 、 音 を 出 し た り 、 聴 い た り 、 その事について周りの人と話してみて、自由な発想で音を作ってみる。 4-1-3. 今まで意識していなかった音の様々な可能性を発見し、楽しんで貰う。 4-2. 創造性、表現力を引き出すためのワークショップデザイン 我々のワークショップは「異文化連携の3段階モデル」(2002 年 11 月、日本デザイン学会大会および体験 学習研究会にて発表)に沿ってデザインしている。このモデルでは第一段階「出会い」フェーズ、第二段階 「活動」フェーズ、第三段階「意味付け」フェーズという流れに沿って創造的活動を促していく。 4-2-1. 出会いフェーズのデザイン ワークショップの最初の段階では、企画に参加する参加者・企画者ともに、お互いに面識が無い人同士が、 「この人はどういう人なのだろう?」とお互いに興味を持ち、「この人となにかしてみたい」と思ってもら えるような活動をデザインする。この活動は、抵抗なく入れるように比較的簡単にでき、頭で考えるだけで なく、心や身体も使って、この後気兼ねなく一緒に活動していける信頼関係を築けるような工夫が必要であ る。今回のワークショップでは「ロゴ入り T シャツに自分の呼ばれたい名前を書く」「ジェンカ」、目隠し をしての「音の世界紀行」などの中に、出会いの要素を盛り込んだ。 人との出会いと同時に創造活動の素材やメディア(今回は音や楽器)にも同様に、興味を持ち、もっとやっ てみたい、作ってみたい、という興味を引き出すような出会いのデザインが重要である。今回のワークショ ップでは「音の世界紀行」の中に音との新しい出会いの要素を盛り込んだ。「音の世界紀行」では、目隠し をして音を頼りに自分のパートナーを見つけるという活動により、音に関する感度を鋭敏にし、普段意識し ないような音の違いにも耳を向け、さまざまな音の豊かさを感じることができるようなデザインとした。さ らに自分の音を出すことと相手の音を聴くことのバランス感覚も要求される活動とした。 4-2-2. 活動フェーズのデザイン 活動フェーズでは、具体的な制作活動の中で、より深く素材と関わり、いろいろなことを試してみたり、他 の人に自分を表現し、他の人の表現を聴いたりする。素材への感度を保ちながら制作に没頭するような「創 - 366 - 造的アイデアが生まれやすい」ような状況をつくりだす。今回のワークショップの中では「即興セッション」 で、未経験者でも取り組みやすいように、いきなり即興演奏をするのではなく、話し合いながら試行錯誤し て音楽を作っていった。特に、音作りがしやすく集中しやすいように、いきなりたくさんの音を一緒にする のではなく、少しずつ音を組み立てていくために「音合わせ」を用いた。そしてさまざまな可能性が試せる ように、「お見合い」セッションで他の人の作ったいろいろな音と組み合わせてみる時間を十分とった。今 回は特に「専門的知識や専門的道具(楽器)が必要」という固定観念から開放されるようなセッティングを 工夫した。 4-2-3. 意味付けフェーズのデザイン 意味付けフェーズは企画側で前段階の「活動フェーズ」のどこかで創造的アイデアが生まれたときに、その 価値を確認するために、それをお互いに共有するような場を用意する。今回のワークショップでは、グルー プごとの発表という場を用意し、人に伝えられるような作品として、ステージの上で発表するという非常に ライブな雰囲気を設定した。発表という目標のために、一つ一つのアイデアが少しずつまとまっていき、一 つの作品として仕上げることにより意味付けされた。また、ワークショップの要所要所で感じたこと、考え たことをインタビューしたり、語ってもらったりした。リフレクションでは、グループ事にそれぞれの活動 を思い出してもらいながらポストイットに書いてもらい書いた後には自分の書いたものを語ってもらった。 また、Tシャツにメッセージをお互いに書いたり、終了後にも掲示板に書き込んでもらったりすることで、 このワークショップの中での一つ一つの体験が自分にとてどんな意味があったかについてリフレクションを 促した。それらの記録が企画側にとっても、このワークショップがどんな価値があったのかについてのリフ レクションをする材料になっている。 4-3-1.場の流れを作る「メタ視点」 今回のワークショップでも、企画段階で予定していた活動内容を、当日の場の状況を元に、かなり大胆に変 更した。 今回のワークショップでは今までにないハプニングが開始早々から起こった。それは、開始時間になっても あらかじめ予約をしてくれていた参加者が集まらなかったのである。当日にも参加者が増えるということも 聞いていたが、これは客寄せが必要であったらしい。今まで「絶対に参加してくれる」という状況でしか経 験のない私達は、企画者の声にもあったように、まさに「何をやってよいのかわからなくなっていた。 」状態 だった。20分過ぎてから一人、また一人と参加者が到着した。到着した参加者にファシリテーターがすぐ に T シャツを持っていき声をかけに行く行動が早く、すばらしかった。そういったファシリテーターがいて くれたおかげで、その間に数人のコアメンバーとの活動内容の変更の話し合いをする事に専念できたのであ る。始める時間だけしっかりと決め直し、後から来る参加者にも対応ができるように受付でファシリテータ ーが待機する形となった。こういった場面で大切なことは、あらかじめ考えてあった活動内容を、その場・ 状況に合わせて参加者が抵抗なく自然な形で入れるように心がけることである。そのためには、自分達の活 動内容を大幅に変える大胆さを持つ必要がある。 4-3-2. 参加者の創造性は企画側の創造的な判断や、目標・目的・ねらいなどの共有か ら 今回のワークショップを企画する段階で企画者同士の中だけでも様々な異文化交流が行われていた。一番分 かりやすい例は、音楽が好き・苦手。ワークショップでの企画経験あり・なし、である。こういった偏りの ない企画者がそろい、いくつかの視点を持つ中で一つ一つの活動をデザインしていった。議論していくなか で、必ず企画者一人一人がどう思っているのかを外化した。そうすることによって、お互いの価値観の違い - 367 - を認識でき、次のステップへ以降することができやすかった。また、参加者にもいろいろなタイプがいるこ とを想定していたので、自分の固定概念を持ちすぎず、お互いの意見を聞くことの大切さを知る機会ともな った。 ・ 企画者の目標・目的・ねらいなどの共有 目 標 :即興セッションをみんなで成功させる。 企 画 者 の 願 い :は異文化の交流の場を提供することで新発見をしてもらいたい。 発見の種類としては、以下の4つがあるのではと考えた。 1.人と人との発見 2.人と物との発見 3.人と空間との発見 4.人と偶然性の発見 である。 目 的 :(どの活動においても以下の3つが含むようにする。) 1・知識や経験がなくても音楽を楽しむ 2・自由な発想 3・音の可能性を発見 ね ら い :自分の知らなかった(見ようとしなかった)音や、自分の無意識の音に気づいてもらう。 企 画 者 同 士 で 意 識 し て い た こ と :MC が進行を進めやすいように、ファシリテーターは参加者とのつ なぎ役となる。 4-3-3. 企画側の創造的な判断はスタッフの創造的な動きに支えられている このような活動内容の変更によって、スタッフには予定外の動きが要求されてくる。例えば、固定セッショ ンと即興セッションの変更の結果、どちらもかなり積極的に演奏をする予定だった楽器メンバーが、必要最 小限の音にとどめることになったためあまり活躍できなくなってしまった。この楽器メンバーは、メディア 科学科の作曲家カール・ストーン先生の研究室などから参加してくれていた学生メンバーで、プレイショッ プの企画にはあまり関わっていなかった。このとき彼らにどう動いてもらったらよいか、ということを二人 のスタッフが考え、結局この楽器メンバーはグラスを叩く方に加わってもらった。 この例のように、目的を達成するために企画内容を変更したときに、それに合わせてスタッフも柔軟に動く 必要が生じる。このような場面で創造的に動けるスタッフの存在があってはじめて企画側は企画の内容を大 胆に創造的に作り出していくことが可能になる。 このような企画の中心メンバーとスタッフとの創造的な連携が参加者の創造的な活動を支えている。 4-3-4. 参加者が企画者になっていくデザイン ワークショップの普及にとっておそらく最も重要なのが「参加者が企画者になっていく」ということである。 ワークショップに参加してくれた人が、自分で自分なりのワークショップを企画できるようになってこそ、 新しいワークショップが生まれてくるからである。 我々のデザインするワークショップでは、参加者と企画者は明確に二つに分かれているわけではなく、一人 の人が参加者として振舞ったり、企画者的な動きをしたりすることが頻繁におこっている。経験豊富な中心 的企画者とワークショップに初めて参加する参加者の間には、様々な段階があり、一人一人が状況に応じて - 368 - 様々な動きをしている。その中で、初めて参加した人が次第に企画者的な経験を積んでいき、いつか自ら独 自のワークショップを企画するようになっていく。 また、今回のワークショップの中でも、参加者の立場である高校生が、よりワークショップ経験の少ない人 達をファシリテートするような動きをしていた場面も見られた。この高校生は前回の音楽プレイショップに も参加してくれた子である。以下はその高校生と企画者の一人である佐藤君とが対話した内容をまとめたも のである。 ・あらかじめその高校生には情報があった。(曲が展開していくこと、絵があったこと)そして、班の人数 が足りなく、また、 ①なんとなく最高潮で終ったほうがかっこいいかなと思った ②技術的にそっちのほうが即興でできそうだったから ①と②によって・・ ③盛り上がった終り方がよいのでは。 と彼は思った。 ④ハーモニカ適当にふいてたら吹く時と吸う時に音程が違うの気づいた ⑤オーケストラっぽくおわれるよなぁと思って ⑥こんな終り方どうなのーといってみた この⑥が重要だと企画者の佐藤君は思った。④の時点で、彼はなにげなく吹いていて、音程が違うという現 象にきづき、それをうまく自分の想像するものと重ねることができた。そして、⑥で、自分から終わり方に ついて提案をした。 「彼は音に対しての周りとの関係というのを、考えていたのでは、と私は思います。だからこそ、このよう なファシリテーター的な役割を担うことができたのだと思いました。」と佐藤君はコメントをしていた。 ワークショップ後には当日参加してくれた高校生達が、私達が用意したオンラインでの BBS に感想などを書 いてくれた。また、その BBS の中に、自分達のコンサートにも誘ってくれたのである。 5. 協力団体・企業 愛知サマーセミナー実行委員会 CANVAS 6.当日の参加者 企画及びファシリテータ: 宮田義郎(中京大学情報科学部メディア科学科教授) 榊原千眞(中京大学メディア科学科研究生) 佐藤智哉(中京大学情報科学部情報科学学生) 鈴木亜耶(中京大学情報科学部認知科学学生) 高柳宏彰(中京大学情報科学部メディア科学学生) 行本隆寛(中京大学情報科学部メディア科学学生) 東大祐(中京大学情報科学部認知科学学生) - 369 - 日比野智彦(中京大学情報科学部認知科学学生) 小原慎仁(中京大学情報科学部メディア科学学生) 四宮貴之(ミュージックアーティスト) 中村太郎(中京大学情報科学部メディア科学学生) 三谷尊洋 (中京大学情報科学部認知科学学生) 田中久美子(中京大学情報科学部認知科学学生) 小原慎仁(中京大学情報科学部認知科学学生) 加藤正太 (中京大学情報科学部認知科学学生) 参加者: 高校生4名 一般参加 約10名(高校教員など) Special Thanks: 西本光毅(商工会) 市川(中京大学情報科学部認知科学学生) 鶴岡央(中京大学メディア科学科研究生) 篠原一(中京大学メディア科学科研究生) - 370 - Ⅵ.参加型ワークショップ・プログラム の普及・啓発手法の検討資料 - 371 - - 372 - 全 国 マ ル チ メ デ ィ ア 祭 2003in 宮 崎 - 373 - - 374 - 目次 1概要 1-1 開催概要 1-2 開催日時 1-3 開催場所 2パネラー紹介 ・中村伊知哉 ・廣瀬禎彦 ・水口哲也 ・松浦季里 ・福田政憲 3パネルディスカッション内容 3-1 携帯電話がなければ生きていけない? 3-2 福岡よりも東京のほうが近いか? 3-3 ゆとり教育は根性よりも大切か? 3-4 今のこどもは自分の世代より優れているか? 3-5 松井やイチローがでていったのはいいことか? - 375 - 全 国 マ ル チ メ デ ィ ア 祭 2003 in 宮 崎 CANVAS パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン レ ポ ー ト 1 .概 概要 1-1 開 催 概 要 : 全国マルチメディア祭 2003in 宮崎地域情報化フォーラム延岡会場のテーマ「IT を 活用して学ぶ」に沿って、パネルディスカッション「こどもの表現、IT、地域」を 行う。 1-2 開 催 日 時 : 平成 15 年 11 月 7 日(金) 13 時〜14 時 30 分 1-3 開 催 場 所 : 全国マルチメディア祭 2003in 宮崎、 地域情報化フォーラム 延岡会場 延岡総合文化センター 1-4 主 催 、 共 催 、 協 力 、 後 援 団 体 : 主催 延岡市 延岡・日向圏域テレトピア構想推進協議会 共催 特定非営利活動法人 CANVAS、 (株)ケーブルメディアワイワイ 延岡城築城 400 年記念祭実行委員会 協力 スタンフォード日本センター 後援 (財)マルチメディア振興センター 1-5 動 員 数 : 180 名 - 376 - 小ホール 2. パ ネ ラ ー の 紹 介 ■ 中村 伊知哉 (なかむら いちや) スタンフォード日本センター研究所長 京都大学経済学部卒。在学中はロックバンド 少年ナイフ のディレ クターなどを務める。84 年、郵政省入省。電気通信局で通信自由化に 従事した後、放送行政局でCATVや衛星ビジネスを担当。登別郵便 局長を経て、通信政策局でマルチメディア政策、インターネット政策 を推進。93 年からパリに駐在し、95 年に帰国後は官房総務課で規制緩和、省庁再編に従 事。98 年、郵政省を退官し渡米、MIT 客員教授に就任。(株)CSK 顧問、(社)音楽制作者 連盟顧問、経済産業研究所ファカルティフェロー、郵政研究所客員研究官、ビジネスモデ ル学会理事、AQUOS Museum 館長、CAMP(子供芸術博物館公園)特別顧問。著書に『イ ンターネット,自由を我等に』(アスキー出版局)『デジタルのおもちゃ箱』(NTT 出版)など。 CANVAS 副理事長 ■ 廣瀬 禎彦 (ひろせ さだひこ) アットネットホーム株式会社代表取締役社長 慶応大学工学部卒。日本アイ・ビー・エム事業部長、株式会社アスキ ー専務、株式会社セガ・エンタープライゼス副社長を経て、99 年より 現職。アットネットホーム(株)は日本最大の CATV 向けインターネ ット接続事業者。 CANVAS 理事 ■ 水口 哲也 (みずぐち てつや) ゲームプロデューサー 日大芸術学部文芸学科卒。株式会社セガ・エンタープライゼス、株式 会社ユナイテッド・ゲーム・アーティスツ代表を経て、2003 年 10 月 フリーランスに。ゲームの代表作として、『セガラリー・チャンプオ ンシップ』、『スペースチャンネル 5』、『Rez(レズ)』など。 『Rez』は 2002 年のアルスエレクトロニカにおいて、インタラクティ ブアート部門 Honorary Mention、そして 2002 年文化庁メディア芸術祭特別賞を受賞。2003 年、経済産業省「ブロードバンドコンテンツブレークスルー技術等開発支援事業」審査委 員。 CANVAS フェロー ■ 松浦 季里 (まつうら きり) CGアーティスト 学生時代からCG制作を始め、短編作品を制作発表。子供番組や雑誌 などのCG制作を経て 1993 年音楽家松浦雅也と(株)七音社設立。ビ ジュアルプロデューサとしてゲームの企画・グラフィックス・キャラ クターデザインに関わる。代表作として、『ビブリボン』、『ケロリ カン』などのゲームキャラクター、『ひらけ!ポンキッキ』、『ひと りでできるもん!』をはじめとするオープニングタイトルアニメーションなどがある。 CANVAS フェロー - 377 - ■ 福田 政憲 (ふくだ まさのり) 延岡城築城 400 年記念祭実行委員会事務局長 まつりのべおか実行委員会に参画したのをきっかけに本格的な地域活 動を開始する。平成 9 年からはじまった「のべおか天下一薪能」を主 催する実行委員会に設立から参画。平成 13 年法人化にともない NPO 法人のべおか天下一市民交流機構事務局長に就任。平成 15 年 9 月地域 の神楽、神輿をともなった「のべおか天下一能ドイツ公演」の事務を 担当し延岡地域の歴史と文化の世界発信に務めた。延岡市文化連盟理事、NPO 法人延岡市 ボランティア協会理事、夕刊デイリー新聞社編集部記者として主にスポーツ・文化・行政 を担当。整理課長、報道課長、宮崎支社長を歴任し、平成 12 年から日向支社長。 パネルディスカッション「子供の表現、IT、地域」 1.携帯電話がなければ生きていけない? 中村:携帯電話があっという間に普及して、どこでも誰でも情報につながれることになり、 どんどん便利になっていくというのはよいことなのでしょうか? 福田:私はどちらかというと、便利より不便を好むタイプなので・・・。不便だとその不 便さを乗り越えるために、いろいろ考えますよね!その「知恵を出す!」というの が文化だと思っています。そんなことから延岡人は文化レベルが高いのではないか と私は思っております。 松浦:私としては携帯電話をただの電話としてだけでなく、身体機能拡張部分だと思って います。例えば携帯電話が出たことによって時計を持たなくてもよくなったし、わ からない漢字なども携帯電話を辞書としてすぐに調べることができます。それに、 昔は夜友達に電話しようとしても、相手の両親などの難関を突破し、少しでも長話 をすると、今度はこちらの親からにらまれたり・・・。コミュニケーションをとる にもいろいろ障害がありましたが、今はそのような敷居がなくって気がねなく連絡 が取り合えますから、話すのが面倒くさいなんてなくなりました。 中村:日本では、若者の使用がとても多いことからもわかるように、携帯電話の普及率が 異常なほど高いと思いますが。また、そういう携帯電話自体が何か新しい文化を生 み出したりしているんですかね?変な文字を つくったりとかもしていますが・・・。 廣瀬:普及率については、やっぱり値段の付けかた がうまかったのでしょう。買いやすい値段だ ということと、中には携帯電話自体の機種料 金が月々の利用料に含まれていたりするもの もありますから・・・。それに日本人はドラ えもんみたいに、いつでもどこでもというの が好きですね。 水口:そういえば最近の子ども達は顔文字の使い方がうまいですね!顔文字(デザイン) と文章の組み合わせがすごくうまい!新世代というか新しい文化なんですかね?3 - 378 - 年ぐらい前に、飴とガムが売れなくなったという話しを聞いたんですが、以前はそ れらがいい暇つぶしになっていたそうです。しかし、携帯電話が普及することによ って、暇つぶしと気分転換をそっちにもっていかれてしまったようです。 2.福岡よりも東京のほうが近いか? 中村:これはどっちのほうがよく知っているかですね。廣瀬さん、IT は東京をすっ飛ばし ていくということでしょうか? 廣瀬:インターネットは情報を見に行くだけれども、現場を見に行くところまでいってい ないのです。しかし、近い将来お店にインターネットカメラが付きます。離れてい てもそのお店の店内を見に行けるわけです。それは実質的に東京をすっ飛ばしてメ キシコやアイスランドなどといったところの店も覗けるわけですね。 福田:この9月に延岡の文化である神楽や神輿をドイツのボンという街に持って行きまし た。そこで実感したことは本物をやればどこでもうけることです。情報社会では東 京や大阪などの偉い人たちのお墨付きを貰わずとも、IT を使い地域の文化が世界に 発信できる環境が整ってきていると思います。 3.ゆとり教育は根性よりも大切か? 中村:遊びより勉強のほうが大切か? 廣瀬:ゆとりと根性・ガリ勉というと少し判断しにくいのですが、一生懸命に、また真剣 にやっているのが勉強で、気を抜きながらやるのがゆとりだとすれば、真剣にやる のが楽しい人と、適当に遊びながらやるのが楽しい人とに分かれると思います が・・・。 福田:考え方を変えれば知識を得るのか?それとも知 恵を作り出していくのか?という考え方もある のではないでしょうか。例えば根性でガリ勉を するのが知識を詰め込むということなら、ゆと りの時間は人間が受け継いできたものを自分な りに作り出す時間といいますか、知識と知恵に 置き換えることもできるのではないかと思いま す。 中村:パソコンやインターネットはどちらかというと知識を得るもののように思われます が、それらが知恵を生んでいく上でどのように使われていくかということですかね。 世界のトップクリエイターである松浦さんや水口さんは勉強とかはされたほうです か? 松浦: はい、中学のときにたくさんしていましたが、その頃はただ詰め込みでした。それ が CG アーティストの道に行くようになって、仕事で必要になったときにまた勉強 しなおして、勉強は自分が本当に必要な時に初めて身になっていくんじゃないかと 思いました。 - 379 - 水口:僕は松浦さんとは違い大学まで勉強しなかったです。感性で勝負していけるんじゃ ないかと思ったこともあったんですが、感性だけじゃやっていけないと思いまして、 やりたいことが見えた時に偏頭痛がするぐらい思いっきり勉強しましたね! 松浦:もちろん今も勉強してますよね。 水口:今もそのペースですね! 4.今のこどもは自分の世代より優れている か? 中村:会場は半分ぐらいが自分の世代より今のこど もの方が優れているという意見ですね。 廣瀬:優れているでしょうね。これは人間の持っている生物学的能力として前の世代の力 が何らかの形で次の世代に受け継がれていくでしょう。もちろん、いいものが蓄積 されているケースもあるし、悪いものが蓄積されているケースもあるわけですが。 まぁ、明らかに前の世代より次の世代のほうがいい素質を持っていますよね。 福田:私は若い世代を見て、ある時は「こいつらすごいな」と思い、ある時は「なんだこ いつらは?」と思いますね。まぁ、その時、その時のケース・バイ・ケースですか ね。 中村:テレビを見ていると、若い人たちがカップ麺 にコーヒー牛乳を入れて食べているんです。 味覚は三代かかると言われていますが、そこ まで行くと、こいつらは壊れているなと思っ たんです。それまで人類がたどってきた文明 を壊そうとしている。進化していっているか 壊れていっているのか分からないですね。 松浦:私は今、大学生向けの映像番組をやっている のですが、彼らの作っているモノを見ていたら完成度は高いので、彼らはこんなす ごい技術を持って将来どうやっていきたいのか興味がありますね。 水口:僕も自分よりも若い人たちと仕事します。やはり下を見ると感性が光る頼もしいも のを感じます。その反面、最近は毒気のないいい子が多いとも思いますね。不良が いなくなったみたいな。 5.松井やイチローが出て行ったのはいいことか? 中村:これは実力をもった人が日本を飛び出して世界にいってしまうわけですからチョッ ト寂しいということもいえますが、みなさんは日本にとってはいいことだと思いま すか?これは人作りにも繋がると思いますが、才能が流出していく、あるいは才能 がはばたいていく。みなさんはどちらのような見方をされますか? - 380 - 廣瀬:これはやむを得ないでしょうね・・・。松井やイチローに限らず、ある分野で頂点 に立ってしまうと、自分は今どういう位置にいるのかということが不安になってく るでしょう。より高いところを求めて、今より上のレベルの人達が集まるところに、 そのような人達が大勢集まってしまうのは仕方ないかと思います・・・。しかし、 野球はアメリカですが、他のことならこの町が一番!ということもできます。これ は地域活性化に非常に絡んでくることですよ。 これから情報の流れがもっと良くなってくると 「このことについては何処の地域が一番なの か?」がはっきりしてきます。その結果そのジ ャンルの優秀な人達はそこに集まるでしょう。 ですからそれぞれの地域が「うちは何について ホームグラウンドにしていこうか?」という構 造的戦略があれば、情報の活性化にともない、 地域の特色を出しやすくなるのではないでしょ うか? 福田:才能を持っている人達がもっと大きな活躍の場に出て行きたいと思うのは仕方がな いことです。ただ、大切なのは出て行く人達がどのような気持ちで出て行ったかと いうことです。自分を生んだ町が素晴らしい町だと自信をもって出て行っているの か?今後情報だけでなく、高速道路なども出来上がり、今以上に情報のやりとりが 盛んになれば、出て行く人も、また入ってくる人に対しても、その地域の人々が自 分達の暮らす町を「ここはとてもいい町ですよ」と自信を持って言えるような町に していかなければ、オープンになればなるほど、魅力のない町は次々と滅んでいき ますね。 水口:IT技術の進歩にともなう地域情報の活性化は、才能のある人、面白い人なんかが もっと前に出ていけるいいチャンスだと思います。携帯電話自体が既に個人放送局 ですよね。東京だとか地方だとか関係なく「オレは歌がうまい」とか「私は料理が 得意」とか、これからは「この人はすごく変だ」という注目を浴びるくらい、自分 からどんどん積極的にPRしていくことができる時代だと思います。昔はメジャー リーグの試合なんて観れなかったけど、今、海外で活躍している、イチローや松井 なんかそんなに「遠い・・・。」というイメージはないじゃないですか。だって、 毎日のようにTVとかインターネットで情報が入ってくるし、彼らを見ない日なん てないでしょ。 松浦:そうそう!ただ応援しなければいけない球団が 増えただけですよね。私達もゲームを造る上で、 ITを利用し、東京・大阪・ニューヨークなど 離れた土地でそれぞれが作業し、出来上がった 作品を、世界70ヶ国の人に楽しんでもらい、 またITを利用して、ゲームに関する様々意見 をいただいたり、中には一緒に働きたいなどの メッセージもいただいたりしました。実際にそ んなやりとりで知り合ったアメリカ人3人とも 一緒に仕事しています。そんなことからインターネットを利用すれば場所に関係な く作れるものもあると思います。インターネットで人と人が直接コンタクトし、イ ンターネットで作ったものが外に出る。ITをうまく利用すれば人も仕事も、今以 上にもっともっと広がっていくと思います。 - 381 - 中村:これからデジタルの時代が本番を迎えるわけですが、そうなると一人一人が世界に 向けて、自分で情報を作って発信していくという時代に間違いなくなります。そし てそんな時代を今のこども達、若い世代がリードしていくことになるでしょう!わ れわれ大人としては、そのための「場」とか「技術」をできる限り整えていきたい なと考えるのですが、その道は決して簡単なものではありません。ですから今回の ような場で引き続きいろいろと考えていきたいと思います。パネラーの皆様どうも ありがとうございます。 - 382 - ウェブ掲載記事 ① 遊びと学びの秘密基地 CANVAS(文化環境研究所ジャーナル ② デジタルのおもちゃ箱 MIT メディアラボから見た日本 2003.6.1)中村伊知哉 (NTT 出版)中村伊知哉 ③ デジタルと子どもの表現力(GLOCOM ニュースレター 2003 12)中村伊知哉 ④ ぽろり事件と一軒家ワークショップコレクション(2003.2.23 日経IT時評) 中村伊知哉 ⑤ ワークショップコレクション2004、 を一同に集めた博覧会 最新のこども向けデジタルワークショップ (文化環境研究所ジャーナル 2004 2.28) - 383 - 石戸奈々子 ① 遊 び と 学 び の 秘 密 基 地 CANVAS( ( 文 化 環 境 研 究 所 ジ ャ ー ナ ル 2003.6.1) )中村伊 知哉 2002 年秋、全国マルチメディア祭の会場の隅で、こども向けの二つのワークショップが 開催された。 一つはカメラワークショップ。こどもたちは、自分なりの表現方法を探り、発表する。 大胆で美しいみごとな作品を次々に生んでいく。作品を見せ合い、互いを発見する。そし て、ブロードバンドで世界に発信する。アットネットホーム社が実施した。 もう一つは、ロボット作りワークショップ。MIT で開発したマッチ箱サイズのコンピュ ータに、モーターやセンサーなどを装着し、さらにスポンジやタワシといった身の回りの ものをつけて、自分だけの「虫」を作るというものだ。こちらは、京都のこどもセンター 「CAMP」が実施した。 1 CANVAS これら二つのワークショップを主催したのは、CANVAS という名の NPO だ。こどもの 創造力や表現力を高めるための活動を推進している。ブロードバンド時代のコンテンツを 生む土壌を整えていくことを目的として、2002 年の夏に活動を開始した。 CANVAS は、こどもの創造力・表現力のための活動について、「研究」「開発」「普及」 することを柱としている。 国内・海外における先駆的なワークショップの調査を行い、これに基づき得られた情報 を元に評価・検討をし、新しいワークショップを開発する。また、それらワークショップ をパッケージ化、教材化することにより、学校教育プログラムへの組み込みや自治体・企 業での推進策を検討し、全国への普及啓発を行う。 次世代を担う人々が、自分で創り、自分で表現するネットワーク環境の整備を目指して、 アニメ・音楽・ロボット作りワークショップの開発や、海外との連絡調整、調査研究など を始めたところだ。その成果が広がって、各地の拠点や学校の活動を促進する。これを通 じて、全国のこどもたちの取り組みが活性化し、国全体の底上げが図られる。一人ひとり の創造力と表現力を高めたい。そして、日本を表現大国にしたい。世界のコミュニケーシ ョンを活発にしたい。CANVAS の活動は地道な支援であり、小さく活動を始めたばかりだ が、目線はそのような高さに据えている。 2 産学官連携と国際協調 CANVAS は、政府の協力のもと、(財)マルチメディア振興センターから資金を得てス タートした。しかし、あくまで CANVAS は民間の発意に基づいて発足した運動であり、 様々な分野の関係者の熱意によって実現したプロジェクトである。各地域の現場が主体 となって、産学官トライアングルの協調によって進められる。 - 384 - 川原正人 NHK 名誉顧問が理事長を務め、東京大学情報学環の山内祐平助教授とスタン フォード日本センター研究所長の中村伊知哉が副理事長を務めている。各地でワークショ ップの活動をしている方々、国内外の児童館・科学館・こども博物館、学校・教育関係者、 大学等の研究者、企業関係者、そしてさまざまな分野のアーティストの方々と密に連携す る。総務省はじめ、内閣府や経済産業省、地方自治体など行政からも熱心な協力が得られ ている。 また、この分野の世界的なネットワークも作っていく。アメリカ、ヨーロッパ、アジア、 南米などの大学、博物館、企業等とも連携した運動としていきたい。これら多方面の方々 をフェローとして迎え、プロジェクトを企画・実行していくこととしている。 しかし、あくまで活動の主役は、こどもである。創り、表現するのはこどもたちである。 当面は大人が道筋を作っていくとしても、いずれこどもたちが活動の中心を担い、将来は こどもたち自らが運営してくれるとよいと考えている。CANVAS のウェブサイトのトップ ページは、こどもたちがデザインしている。フューチャーキッズ社の協力により、デザイ ン作りもワークショップで実施している。 3 ワークショップの開発と普及 CANVAS が開発支援するワークショップは、冒頭に紹介したようなロボット作りや写真 造りのように、「創る」「見せる」ことを要件としている。さまざまな種類のワークショッ プが考えられる。 粘土でアニメをつくる「クレイメーション」。シナリオを作る。キャラクターを描く。 絵コンテを描く。粘土をこねて人形を作る。背景のセットを造る。1 コマずつ撮影する。 ナレーションと効果音を入れる。コンピューター画面で編集する。 アイルランドのこども博物館では、本作りワークショップを行っている。各国のこども たちが同じテーマで絵本を作り、オンラインで交換する。同じテーマなのに、どうしてス トーリーや色合いが違うのか?それを話し合う。 しかし、より力を入れたいのは、日本ならではのオリジナル・ワークショップの開発で ある。ゲームやアニメ。ケータイ、着メロ。お茶、お花。マンザイ作り。 CANVAS はこれらワークショップを全国に普及させていくことも考えている。例えば、 ワークショップ会場で学校関係者や自治体職員などの研修を開いたり、ワークショップを ネット中継したりして、関係者がノウハウを共有する。ワークショップのパッケージ化・ 教材化を進め、学校のプログラム等に組み込みやすいように図ることも課題だ。 大切なのは、世界との協調と情報発信である。ネットを駆使したバーチャルなコミュニ ティづくりは特に重視する。ワークショップの成果は海外にもインターネットで発信・提 供し、その国際的な普及にも努めたい。 - 385 - 4 場としての運動 こどもたちの創作・表現活動は、各地ですでに事例が見られるが、それら活動は未だ面 的な展開とはなっていない。その地域だけの活動にとどまっている。そのような活動を、 全国で共有化したい。活動をしている方々の熱い思いを面的に交流させたい。だから、場 が必要だ。公的な運動体を作ろう。呼びかけに応え、同様の考えを持ち、悩み、動き出そ うとしている人たちが自然に集まった。それが CANVAS を結成した。 CANVAS は、場である。こどもたちが何かを創りだしていくための場。そのための機会、 技術、ノウハウを提供する。針路の定まらない時代、いったい何が問題なのか、それを探 り、それを自ら解いていく。CANVAS は、表現の場である。自分の考えをきちんと伝え、 自分の気持ちを形にする。一人ひとりにとって、ふさわしい表現やコミュニケーション手 段がある。それを見つけて、きちんと表せるようにしたい。世界に向けてアイディア、考 え、気持ち、作品などを表現する環境を整える。 そして、CANVAS は共有の場である。出会い、語り、刺激し合うことで、新しいアイデ ィアや新しい表現が生み出されていく。色々な土地の、色々な文化の、色々な人と交流す ることが求められている。異文化を知り、尊重すること。それは同時に、自分自身を知る ことでもある。CANVAS は、こどもたちが、創造し、表現したものを地球規模で共有・交 換する場と活動を整えていく。 5 未来のこどもたちのために デジタルの社会では、新しい作法やルール、新しい権利や義務が求められよう。デジタ ルの空間では、映像や造形による新しい表現が生まれてくるだろう。人の表現や認識のあ り方を塗り替えていくだろう。おそらくそれは、数世代かけてできあがっていくものだろ う。 多元的で新しい社会を築き、新しい表現を拓くのは、こどもたち以降の世代だ。生まれ ながらネットを駆使し、生まれながらバーチャルに表現し、生まれながらデジタルに暮ら す世代が担う。こどもたちが最大限に活躍できるよう、環境を整える必要がある。こども たちがフルスイングできる場と技術を与えること。一人ひとりがめいめいの気持ちや考え を表し、分かち合い、そして創り出していけるように支援すること。それが大人たちの役 割であろう。 - 386 - ② デ ジ タ ル の お も ち ゃ 箱 MIT メ デ ィ ア ラ ボ か ら 見 た 日 本 ( NTT 出 版 ) 中 村 伊 知 哉 内 容 紹 介 ■ MITメディアラボの客員教授を勤める筆者が、ラボのデジタル自慢な研 究者達の日常生活の風景をおりまぜながら、メディアラボの魅力をわかりやすい語り口 でテンポ良く紹介する。ユビキタス、ウェアラブル、人工知能などメディアラボが描く 最新のデジタルビジョンや、スポンサーとの共同研究で成果をあげているラボの産官学 連携モデルを活き活きと描き出しているが、筆者のねらいはあくまで、日本の現在と未 来をそこに投影することにある。日本の日本社会が閉塞感から脱出できないなか、メデ ィアラボをというプラズマを通して、日本の将来を考えるヒントも提供する。 序 ユビキタスを超えて (抜粋) バーチャル・リアリティー。パーソナル電子新聞。3Dホログラフィ。モーションキャプ チャー。ウェブ・メール。ウェアラブル・コンピュータ。 いずれも MIT メディアラボが生み出していった技術だ。 アメリカ東海岸、ボストンに隣接するケンブリッジ市に位置する MIT(マサチューセッ ツ工科大学)は米国を代表する理系の殿堂だ。ご近所で文系のハーバード大学と並び、世 界の頭脳を吸収し、知識を創造する。 その MIT のなかでもメディアラボは異彩を放つ集団である。 1985 年の設立以来、ニコラス・ネグロポンテ所長、人工知能のマービン・ミンスキー、 数学と教育のシーモア・パパートらのカリスマたちが、デジタルの技術を開拓してきた。 各国から集ったデジタル自慢たちが梁山泊のような空間を作り上げ、縦割りの学問領域を 乗り越え、企業との連携を推し進め、奇抜なデモや奇怪な作品を打ち出してきた。 そこは大学というよりも、おもちゃ工場であり、音楽やデザインのシアターであり、パ ーティー会場であり、そして先端の理論どうしが火花を散らす戦場である。 メディアラボはデジタル時代のビジョンを生み出してきた。 設立当初、ネグロポンテは、出版、映画・テレビ、コンピュータの産業がデジタルで融 合していくことを盛んに説いていた。それは 90 年代、現実となった。テレビとパソコン と電話機はドッキングして、一台のデジタル機器となった。コンテンツはワンソース・マ ルチユースがビジネスの常道となった。マルチメディアは、メディア産業の垣根を取り払 った。 メディアラボはデジタルテレビの急先鋒でもあった。今でこそ日本政府はデジタル放送 の旗振り役だが、十年前はアナログ擁護のハイビジョン教であった。デジタル化のメリッ トを説くメディアラボは、アメリカの政策に深く関与し、それが巡って日本の政策転換に - 387 - も影響を及ぼすこととなる。 「ネグロポンテ・スイッチ」と呼ばれるメッセージも著名だ。有線の電話、無線のテレ ビの関係が逆転し、電話は無線に、テレビは有線にシフトするというものだ。これも今や 現実だ。ケータイが固定電話のトラフィックを抜き、CATV も急速に普及している。 「アトムとビットの結合」もメディアラボのビジョンだ。原子(アトム)によって構成 される現実空間の営みは、ビット(情報)によって構成されるバーチャル空間に移行する というものだ。これもまたインターネットで実現した。いまやビジネスも医療も教育も行 政もオンラインだ。 ディスプレイの中を現実社会に近づけようとするバーチャル・リアリティーの技術がメ ディアラボから繰り出されていった。CG やデザイン、音楽やゲームなどのコンテンツ技 法だけでなく、エージェント・ソフトや人工知能なども投入して、異次元空間を作り上げ てきた。 そして現在、ビットからアトムへの移行という逆方向の運動が進んでいる。バーチャル 空間をいかに現実空間に引き戻すか。モバイル機器だけでなく、家電やクルマや家具や服 やクツやその他あらゆるものがコンピュータとなり、インターネット端末となり、どこで もビットに接するようになる。 無線タグや極小チップのようなデバイス、人の表情や感情を理解するコンピュータ、ウ ェアラブル・コンピュータや考えるクルマ、考える台所の開発。日本でもおなじみとなっ た「ユビキタス」と呼ばれる情報社会像だ。メディアラボはそれを支える技術を産み、イ ンターネットの次に来る世界を描く。 80 年代から 90 年代を通じたマルチメディアやインターネット、そしてユビキタスへと 続く流れは、メディアラボの過去を観察すればリニアに読み取ることができる。21 世紀の デジタル産業やデジタル文化のヒントも得られるかも知れない。 メディアラボはビジネスモデル面でも特異である。 100 を超える企業・団体がスポンサーとしてメディアラボを支える。日本企業も 12 社 が参加している。全ての研究費はスポンサーの会費でまかなわれている。基礎研究が主体 でありながら、ビジネス分野にも近く、レゴのマインドストームス、NEC のベビーシー ト、スウォッチの ID 付き時計などの商品化にも寄与している。 スポンサーはラボの成果物を無償で利用する権利を持ち、30 名の教授や 180 名の学生 を使いこなし、そしてデジタル分野を代表する有数のスポンサーたちで成り立つコミュニ ティをビジネス展開に活かす。他に例を見ない産学連携の成功モデルを築いている。 近年、日本でも産学連携や知的財産に関する議論が高まっている。アメリカの 80 年代90 年代のハイテク戦略に水をあけられたという反省もある。国立大学の独立行政法人化と いう背景もある。 - 388 - 大学は、知的財産をどう管理して、どう活用するのか。産・学・官の共同研究に成功パ ターンはあるのか。研究者、製造者、ユーザによるコミュニティはどうすれば形づくれる のか。メディアラボの事例は、それに対する一つの答えである。 同時に、メディアラボは教育機関でもある。修士・博士課程の強者どもが集う大学院と して、プロフェッショナル教育を授けている。日本の大学は、戦前の高等学校と大学を中 途半端にドッキングしたため、一般教養とプロフェッショナル教育を 4 年でこなす建前だ。 実質的なプロ教育は就職後のオン・ザ・ジョブ・トレーニングに委ねられ、大学院は研究 者の養成所という色彩が強い。 一方アメリカは、4 年制の大学は教養で、プロ教育は大学院でという設計になっている。 法学にしろ経営にしろ工学にしろ、大学院を出ていないと専門として認められないし、逆 に、大学院を修めた以上は即戦力として扱われる。 スポンサー企業と共同で研究し、企業が成果を厳しく問うメディアラボは、学生にとっ て、実社会のニーズや要求水準をビンビンと肌で感じるこの上ない環境である。 戦後日本の経営モデルの柱であった終身雇用制が崩れ、労働市場の流動性が高まってい る。半人前の新人に投資してじっくり育てる手法は、過去のものとなりつつある。その機 能を大学が果たせるのか。世界をリードする教育機関を日本は産むことができるのか。 そして今、メディアラボは変わろうとしている。 いや、メディアラボは常に変化を続けてきた。自らを発明し続けることがアイデンティ ティーであった。インターネットやデジタル放送の展望を示した後は、ユビキタスの世界 観を提示してきた。だが、それさえ技術や社会が追いつこうとしている。だから今は、ユ ビキタスの次に来る世界を見つめようとしているのだ。 たとえば、ナノテクノロジーやバイオに力を入れ、コンピュータ・インクを実用化した り、世界初の液体量子コンピュータを開発したりしている。デジタルデバイドにも重点を 置き、地球上の人々の創造力をつなぐプロジェクトを実践して、新しい人類社会を構築し ようともしている。 だが、その新しい世界の実像は、まだ模索中である。混沌としている。研究の方向が見 えないというのではない。放射状だということだ。 ラボの形も変わる。現在の 4 階建てのビルの隣に、7 階建ての建物を建築している。数 年後には、その双方を拠点として、メディアラボは3つのセンターに脱皮する予定だ。メ ディアとこどもに関する「MIT Okawa センター」 、ビットとアトムの結合に関するセンタ ー、そして、アート表現に関するセンターだ。 外部にも進出する。2001 年にはアイルランドのダブリンに「メディアラボ・ヨーロッパ (MLE)」を開設した。ラテンアメリカその他の地域とも共同プロジェクトを走らせ、ビ ジョンの共有を図っている。 - 389 - だからといって、苦悩がないわけではない。急速にデジタル化が進んだために、社会経 済のスピードが高まり、ラボの先進性もすぐ陳腐化するようになった。次々にアイディア を生み出しても、インパクトの寿命が極めて短い。景気変動の波も被る。スポンサーの維 持・確保もかつてのように思いどおりとはいかない。 これまでずっと順調だった予算も、2003 年には激減した。スポンサー数も減少した。イ ンドに開設しようとした「メディアラボ・アジア」構想も挫折した。 ドットコム・バブル崩壊の波をかぶっただけではない。ラボの生みだす技術やメッセー ジに対し、スポンサーの目が厳しくなっているということもある。スポンサーに対するラ ボのコミュニケーションが不十分で、不信感を持たれている面もある。 スタンフォード大学がメディアラボを照準に据えて新たに始めたコンソーシアム「Media X」や、日本の ATR(国際電気通信基礎技術研究所)、東京大学先端技術研究所など、有 力なライバルの台頭もプレッシャー要因だ。 メディアラボは何を見つめているのか。 次の十年、百年をどう展望するのか。 アナログの千年からデジタルの千年への転換期をどう乗り切るのか。 あるいは国際競争に敗れ、ビジョンや技術を出せずに沈没していくのだろうか。 私は 14 年務めた郵政省を退職し、98 年の秋からメディアラボに客員教授(2001 年まで Visiting Professor, 2002 年から Visiting Scientist)として参加している。MIT Okawa セ ンター設立プロジェクトが始まるのに際し、設立資金を寄付した故・大川功氏からお誘い を受けたのがきっかけだ。 以来、京都府の南にこどもセンター「CAMP」を開設したり、音楽プロジェクト「トイ・ シンフォニー」にスポンサーの立場で関与したりするなど、いくつかのプロジェクトにも 携わり、アメリカ、日本、ヨーロッパなど、あちこちをうろつきながら、産・学・官のあ いだを行き来することとなった。 その延長で、2002 年には、日本政府の支援を受け、こどもの創造力と表現力を育むため の NPO「CANVAS」を設立し、産・学・官連携のプロジェクトを推進している。また、 その一環として、マンガ・アニメ・ゲームやケータイなどのポップカルチャーに関する産・ 学・官連携の研究プロジェクト「PPP」(Popculture Policy Project)を発足させたりして いる。 メディアラボでは、政府出身のような権威は何の役にも立たない。私の専門分野である 政策ノウハウなどとは無縁の世界だ。想像力、創造力、技術力、表現力を体現する者のみ が生きる。たまたま私が学生時代に手がけていたロックバンドがアメリカでは有名だった ため、その点だけ学生たちは一目置いてくれて、助かった。放蕩は身を助ける。 - 390 - こうして 4 年あまり、私はメディアラボを観察した。いや、正確に言えば、メディアラ ボというプラズマを通して、日本を見つめた。日本の技術、産業、政治、社会、表現力、 創造力。アメリカやメディアラボを鏡にしながら、日本のことを考えた。 本書は、メディアラボの技術やビジネスモデルを描写している。だが、そのねらいは、 日本の現在と未来をそこに投影することにある。 メディアラボのデジタル世界観は共有できるのか?日本のスポンサー企業がメディアラ ボをうまく使いこなせていないのはなぜか?メディアラボのような産学連携モデルは日本 でも適用可能か? 直接の答は書いていない。だが、そのような視点で本書に目を通して頂ければありがた い。日本社会が閉塞感から脱出できないでいる中、少しでも考えるヒントが提供できれば と願う。 基本的に本書は、メディアラボを持ち上げている。だが、もちろんメディアラボにも厳 しく批判すべき点はある。このままでは過去の名声も地に墜ちると感じることもある。採 点が甘いと感じられる読者は、情の移った客員が記したオマージュと苦笑していただきた い。 本書は、2001 年からの 2 年間で書き上げた。ドッグイヤーの IT 分野では、もはや古び て見える記述もあろう。 私は、ネットバブルの絶頂期にメディアラボに参加し、ブロードバンド、モバイル、ユ ビキタスの喧騒に身を置いた。そして、バブルの崩壊とその苦悩を見た。いまアメリカの IT は身悶えし、このままではネット後進国になるという恐怖さえ囁かれる。いい時期に滞 在したと思う。 アメリカの自信。アメリカの底力。アメリカの傲慢さ。アメリカの苦悩。ひととおりを 肌で感じた。 カンヌの海岸でこれを書いている。南仏の真っ青な空と、地中海の真っ青な海が広がる。 そのずっと向こう、バグダッドが赤く炎上している。アメリカ軍の空爆が収まっても、自 爆テロが止まない。その殺戮劇をブロードバンドで世界中が見つめている。アメリカの自 信。アメリカの底力。アメリカの傲慢さ。アメリカの苦悩。それを赤い炎がデジタルで表 現している。 科学技術は、世界を進歩させているのか。ネットで結ぶことは、地球を救うのか。デジ タルは、人類をどこへ連れていくのか。 これから私は日本に向かう。アメリカ滞在に一段落つけて、日本ベースの暮らしに戻る。 デジタルの技術は、開発・提供の段階から、利用のフェーズに移った。どう作るか、か ら、どう使うか、へ。そこでは、科学者や職人の腕以上に、ユーザの感度や厳しさがモノ - 391 - を言う。それは、アメリカ発の IT が、日本で再生産されるステージに身を寄せてきたと いうことでもある。 今は日本がどこよりもポップで面白いと思う。 - 392 - ③ デ ジ タ ル と 子 ど も の 表 現 力 ( GLOCOM ニ ュ ー ス レ タ ー 2003 12) )中村伊知哉 うだる暑さ。東京大学先端研の一角。24 名の子どもたちが歓声をあげて、スクリーンに 映るアニメを観ている。東大サマーキャンプと銘打ったアニメ教室のラストシーンである。 シナリオを作る。キャラクターを描く。絵コンテを描く。粘土をこねて人形を作る。一 コマずつ撮影する。ナレーションと効果音を入れる。コンピュータで編集する。作品はウ ェブで世界に紹介される。 日本のこどもたちのリテラシーは高い。皆こともなげに絵コンテを描き、イラストとセ リフをハメ込んでしまう。舌を巻く。毎日、マンガやゲームで鍛えている成果だろう。 一人ひとりが情報を作って世界に発信し、交流し、共有する時代が来た。それは、彼ら が支える。カメラつきケータイで連結し、不思議な文字を作り出す日本キッズから発信さ れる情報は、地球をリードしていく。日本のポップカルチャーが内外の注目を集め、政府 も知財本部などでコンテンツ産業の競争力を強化すべく腰を上げている。しかし、既存の クリエイターやエンタテイメント産業を支援していくことよりも、未来の P2P 表現を創り だしていくこうした活動や環境を整えていくことが重要だ。 そ こ で 政 府 ・ 総 務 省 が 音 頭 を と っ て 2002 年 に 結 成 し た NPO が 「 CANVAS 」 (http://www.canvas.ws)である。e-Japan 戦略に基づき、こどもの創造力・表現力を 高める活動を推進している。川原正人 NHK 名誉顧問が理事長を務め、東京大学の山内祐 平助教授と私が副理事長を務めている。各地でワークショップの活動をしている方々、国 内外の科学館・こども博物館、学校・教育関係者、経済産業研究所や大学等の研究者、関 連の企業、政府・自治体、そしてさまざまな分野のアーティストたちによるコミュニティ として運営されている。冒頭のアニメ教室だけではない。MIT で開発したマッチ箱大のコ ンピュータを使ってロボットを作る。デジカメで自分の表現を探り、ブロードバンドで表 現する。自分ならではのウェブサイトをデザインする。音楽のDJを演じてみる。このよ うなワークショップを開発している。さらに、日本ならではのワークショップを開拓して いきたい。例えば、ゲーム。マンガ。ケータイ。着メロ。お茶やお花。お笑い。どつき漫 才のような叩くコミュニケーションを世界に見せたら、どんな反応があるだろう。 これらを全国に普及させる。例えば、ワークショップ会場で学校関係者や自治体職員など の研修を開いたり、ワークショップをネット中継したりして、関係者がノウハウを共有す る。2004 年1月 25 日には、東京・麻布十番で、ワークショップを一堂に集めた催しも開 催する。 世界のこどもたちはポケモンとアイボの国ニッポンをカッコいいと思っている。将来の 歴史書には、失われた十年は、日本がはじめて世界にカッコいいと思われ 始めた十年と刻まれているかもしれない。マンガやロボットペットや自販機やラブホに囲 まれたこの不思議な環境に育つ子どもたちは、どんな表現を創りだしていくのだろうか。 映像で考えて、映像で表現する時代をどうリードしていくのか。特にウェブやモバイ - 393 - ルでの新しいコンテンツをどう開拓していくのか。 こうしたことから CANVAS は、スタンフォード日本センターらと連携し、 「ポップカル チャー政策プロジェクト」 (http://www.ppp.am)も主催している。アーティスト、研究者、 オタク、エンタテイメント業界、政府など、この分野で日本を代表する方々が集い、議論 を重ねている。 多元的で新しい社会を築き、新しい表現を拓くのは、子どもたち以降の世代だ。生まれ ながらネットを駆使し、バーチャルに表現し、デジタルに暮らす世代が担う。CANVAS の 運動は、彼らにそのための場と技術を与える実験である。 - 394 - ④ぽろり事件と一軒家ワークショップコレクション ( 2003.2.23 日 経 I T 時 評 ) 中村伊知哉 生暖かいサンフランシスコから厳寒のボストンにたどり着いた。空が澄みわたる。数年 前なら機内ではみなパソコンでガリガリと仕事をしていたが、今回は同じような風体の乗 客が静かに読書をしたりテレビに微笑んだりしている。ドットコム狂想曲からすっかり醒 め、落ち着きを取り戻したというところか。あるいはいまだ戦時下にあるアメリカの空気 を反映しているのだろうか。 スーパーボウルぽろり事件 愛国者、ペイトリオッツ。ボストンは地元チームのスーパーボウル勝利に沸き立ってい る。そのハーフタイムショーは、アメフトとポップミュージックというアメリカンポップ の結晶だ。その舞台でジャネット・ジャクソンが乳ぽろり。大変なことである。テレビは ぽろりの話題でもちきりだ。その映像はインターネット史上最多の検索数を記録したとい う。同時多発テロを上回るという。けしからん。FCCのパウエル委員長は徹底調査を命 じたという。訴訟も起こされているという。 乳ぽろりで大騒ぎとは、なんとも傷つきやすい社会だ。これが健全かどうかは意見が分 かれよう。いずれにせよアメリカの柔らかい急所のありかを喧伝する事件である。国際社 会の反感を買って仕掛けたイラク攻撃も、保守層の耐性のなさが現れたものだが、これも 同根である。 こういう問題が生じると、どの国も当局はついつい情報の提供をどうコントロールする かという対処法を考えがちだが、より重要なのは、情報の受け手側の耐性だ。情報リテラ シーとはそれを強化する装置だが、メディアとの距離感を体感できるようになるためには、 自分で情報を創って表現するのが近道だろう。 ワークショップコレクション 1 月末、東京・西麻布のレストランで「ワークショップコレクション2004」が開催 された。子どもたちが新旧メディア技術を駆使して、自分の表現方法を見つけ出そうとい う試みである。日本の子ども向け IT 系ワークショップが一堂に会する初の催し。NPO 「CANVAS」が主催した。 集まったワークショップは 14 種類。アーティスト LOCO さんによる糸電話づくり。オ ルケスタ・デル・ソルのパーカッショニスト、ペッカーさんによる「ドラムサークル」。 - 395 - これら原始的な通信手段のほか、数々の先端技術を使ったイベントが参加した。 アドビシステムズ社の PC おえかきリレー。プロムナード社のラジオ DJ。NTT アドバ ンステクノロジ社の映像ソフト教室や NTT コミュニケーションズ社の cocoa を使ったゲ ーム。アットネットホーム社の音楽 DJ。CSK 社 CAMP のロボット作り。フューチャー キッズや NPO「トリガーデバイス」によるねんどアニメ作り。ZOU STUDIO 社の CG キ ャラクター作り。NPO「学習環境デザイン工房」の「脳の鏡」。アトリエミュレットの紙 粘土教室。ご存知レゴ社も参加。 有料イベントにも関わらず、学校や企業関係者、官庁ら総勢 500 人が参加。PC やネッ トの普及が一段落をみせ、コンテンツを創ったり表現を育んだりすることが大事だという 認識が急速に広がりをみせている。こうした活動を提供する側も利用する側も、今年が立 ち上がり本番のタイミングとみている。 一軒家に住む日本人 同じく 1 月、香港を訪れた。ユネスコ主催のアート教育会議だ。子どもたちにどのよう にして創造と表現の技術と場を与えるか、志を同じくするアジア諸国の関係者が、3 日間 にわたり熱く語り合った。 そこで出会った地元女性、20 代独身・高層アパート住まいに、好きなタレントはと聞く と、キムタク! と答える。ははあ日本に関心があるんだね。「日本のひとはみな一軒家 に住んでるからうらやましいです」という。え? ぼくは一軒家に住んだことなんかない よアパートばかりだよ。「日本のひとはみな一軒家に住んでいるのですうらやましいで す」という。 誰が一軒家に住んでいるというの? 「ドラえもん。 」え。 「ちびまるこちゃん。 」あ。 「ク レヨンしんちゃん。」ほう。「アラレちゃん。」ほんとだ。アニメで香港に紹介されるニッ ポン代表はみな一軒家なんだな。日本ポップは、実態とは違うイメージを海外に喧伝して いるのかもしれない。ハリウッドがラストサムライやキルビルで発信するイメージとは別 の日本像を自らが PR しているわけだ。 それがどういう実像を描くのかは、情報の受け手側に委ねるしかない。そして、グロー バルな情報の送り手と受け手のズレを小さくするには、それぞれがコミュニケーションを 活性化することが肝要だ。創造と表現を刺激していきたい。 - 396 - ⑤ワークショップコレクション2004、最新のこども向けデジタルワークショッ プ を 一 同 に 集 め た 博 覧 会 ( 文 化 環 境 研 究 所 ジ ャ ー ナ ル 2004 2.28) )石戸奈々子 2004 年 1 月 25 日、麻布十番のレストランで、最新のこども向けデジタルワークショッ プを一同に集めた博覧会“ワークショップコレクション2004”が開催された。こどもた ちが自分の表現方法を見つけ出す試みとして、NPO 法人CANVASが主催した。創造 性や表現力に優れた次世代を育てたい、と思う様々な分野の方々によって、14種類のワ ークショップが紹介された。この、従来のアナログの表現手段と最先端のデジタル技術を 駆使した「遊びの場」に集まったのは、こども、おとうさん、おかあさん、お年寄り、学 校の先生、アーティスト、企業や官庁、博物館関係者など総勢 500 名。会場は熱気に包ま れた。 1 糸でんわで世界とつながる 天井からずらりとたくさんの糸電話がぶら下がる。1 階、中 2 階、2階、3階。むかし 銀行として使われていたレストランの入り組んだ不思議な空間を紙コップがうめる。紙コ ップアーティストの LOCO さんによる “糸でんわで世界とつながる!”ワークショップだ。 こどもたちは、コップを文字や絵で飾り、自分のインスタント顔写真をコップの底にはり つける。そして、自分に見立てた自分だけの糸電話を会場のいろいろな場所に自由につな ぐ。糸電話を使って話をする。紙コップと糸というシンプルな素材を使って、人と人との 繋がりを感じ、世界とつながる楽しさを体験する。1 対 1 だけではなく、10 人とでも 100 人とでも 1000 人とでも話ができる。こんなにもたくさんの糸が張り巡らされていたこと に、参加者は驚く。この空間はまさにインターネットの縮図だ。世の中の縮図かもしれな い。普段は気づかないが、みな繋がっている。一つのコップを揺らすと全部のコップが揺 れる。みんなが糸で繋がっていて、1 本でも糸がきれると、そのコミュニケーションはな りたたない。世界とつながっていく、みんなで一つの世界をつくる。コミュニケーション の原点を教えてくれた。 2 ネットワーク・カンブリアンゲーム=アイデアの爆発実験 LOCO さんのワークショップの隣では、たくさんのこどもたちの絵が、樹に咲く花のよ うに、次から次へとうまれ、プロジェクターに映し出されていく。アドビシステムズ株式 会社協力のもと D-project が提供した“ネットワーク・カンブリアンゲーム=アイデアの爆 発実験”だ。コンピュータと簡単なペイントソフトを使用して、ひとの絵に自分の発想を加 えながら新しい絵をつなげて「連画」の樹を成長させていく。これによって、自分の絵が また誰かの絵のイメージの種になり、たくさんの絵が続いていく。ひとつ、新しい“絵”の 種を植えると、そこから世代を経てたくさんの花が咲く。全体の俯瞰図が、まるで、「花 畑」のように広がる。参加者それぞれのアイデアが爆発し、参加者がみんなでひとつの作 - 397 - 品を創りあげていくような感覚を味わえる。イメージが連鎖し、互いに刺激し合いながら 創作を楽しむ新しいスタイルの表現方法がそこにはある。一人一人の個性あふれる絵と、 それに繋がる友達の絵。自分がつくったものが他の人の世界やイメージと繋がっているこ とを感じる。これも参加者のお互いの感性やつながりを感じ取れるワークショップである。 3 映像系ワークショップ 他にもたくさんのワークショップがブース形式で紹介された。粘土、紙、コンピュータ などを使ったクレイアニメ制作ワークショップを提供するのはフューチャーキッズ。スト ーリー作りから、キャラクターの制作、一コマずつの撮影、編集・音入れまでを、こども たちが協力してひとつのアニメーションを創る。NTT アドバンステクロノジのブースでは、 パソコンのマウスを使って、動物やロボットなどをつかんでいるように動かせる新感覚の 映像を制作。ZOU STUDIO, Inc のブースでは、自分の描いたイラストを立体化してオリ ジナルCGキャラクターを創った。映像制作といえば、トリガーデバイスが開発したシン プルなアニメ制作デバイスも目をひいた。パラパラマンガの原理の応用で、手押し車を押 すとアニメーションが創れる「アニマカート」は、お手軽で誰でもが参加できるワークシ ョップとなった。 NPO 学習環境デザイン工房は、そんなこどもたちが描いた作品のプロセスを振り返る ワークショップを行った。自分が描いた作品を、書きはじめから終わりまで再生してくれ るソフト「脳の鏡」を使うことで、こどもたちは制作過程で感じたことを再認識する。 4 多彩なワークショップ ラジオ局のDJ、ディレクター体験コーナーもあった。 (株)プロムナードが提供した FM ラジオ局の実際の放送システムを使って、自分たちで番組を構成していく。臨場感あふれ る手作りラジオ番組がたくさんできあがった。 小さなコンピュータ「クリケット」を使ったオリジナルの動くおもちゃをつくるワーク ショップを行ったのは、CAMP。モーターやセンサーと身の回りのいろいろなモノを組み 合わせて、自分だけのプレイフルなおもちゃをつくった。インターネット上のプライベー トスペース Cocoa を使って、カメラ付ケイタイ電話を用いた宝探しゲームを行ったのは NTT コミュニケーションズ。レゴも“遊びながら学ぶ”ワークショップを開催。カラフルな レゴブロックを使って自由なオブジェをつくるレゴルームは、子どもたちにとってはまさ に最高の遊び場所となった。 5 たたく、こねる 会場全体が一体となって高揚していく。ドン、ドン、シャカ、シャカ。みんなで輪になっ て即興的につくりあげるパーカッションのアンサンブル、「ドラムサークル」の開催時間 には、全ワークショップを止め、会場のすべての人がドラムに集中した。最も原始的で、 - 398 - 誰でもすぐに演奏できる親しみやすい楽器を用いて自己表現をする自由なコミュニケーシ ョンセッション。それぞれが思い思いに感じたことをリズムで表現する。みんなが一体感 を感じながら時間を共有する。音楽制作者連盟の協力のもと、オルケスタ・デル・ソルの ペッカーさんがファシリテイターをつとめた。隣では、アットネットホームが、本格的な 機材を使ったDJワークショップを開催。新しい音楽表現手段としての DJ リミックス。 参加者は、最新の機材を使って、音を自分自身の表現として伝えることの感動を知り、自 分だけの音楽表現を模索した。 オムレツ、ピザ、ケーキ。こどもたちは、色とりどりの粘土を使って、レストランのメ ニューを次々につくりあげていく。造形自在で数十種類の色が作れる粘土を使ってミニチ ュアの食べ物を作るワークショップを提供したのは、造形絵画教室アトリエミュレット。 こどもたちはずっと机から離れない。粘土をこねる触感には、デジタルはまだ勝てないの かもしれない。一日が終わったとき、ミニチュアのレストランにはこどもたちがつくった たくさんのご馳走が並べられていた。 6 CANVAS こうした様々なワークショップを一堂に集めるイベントが開催されたのは初めてのことだ。 予想を上回るお客さんに来ていただき、取材も多数入った。コンテンツを創り、表現を育 むことが大事だという認識が広がっている、ということなのだろう。今回のイベントの最 大の目的は、『こどもの創造・表現活動を支える様々な分野からの専門家の参加と交流の 機会を創出し、ワークショップに関わるすべての人々の出会いを促進する』ことにあった。 参加するすべての人と一緒に一つの空間を作りたい、新しい交流の場を広げて欲しい、そ んな想いがあった。 CANVASはこどもたちのクリエイティブ活動のプラットフォームだ。各地でみられ るこどもたちの創作・表現活動を、全国で共有化する、活動をしている方々の熱い思いを 面的に交流させる、そのための“場”を提供したい。こどもたちが何かを創りだす場。自分 の気持ちを表現する場。創造し、表現したものを共有・交換する場。CANVASは「場」 そのものだ。 多元的で新しい社会を築き、新しい表現を拓くのは、こどもたちの世代だ。こどもたち が最大限に活躍できるよう、環境を整える必要がある。広い運動場を整え、遊び道具を持 ち込み、仲間を集め、みんなが楽しく真剣に活躍できる場を作りたい。デジタルで繋がる 時代に、こどもたちに、新しい表現や、豊かなコミュニケーションを生み出して欲しいと 思う。新しい世の中を築いていって欲しいと思う - 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