交通大学を開催 咲かせるものと期待している。 いずれ全国各地で実となり花を 安心できる交通社会実現の種は、 従来の対策としては、第1の 処方箋 (S 年→S 年)として、 げ止まりの傾向が見られる。 クに減少し始め、ここ数年は下 ている。それも平成4年をピー 他の人のために役立つことが、 自分をも安全に向けて動機づけ してもらう余地は十分にある。 など)の安全のためにひと働き 歩車道の整備や立体横断歩道・ きである。 る機能をもつことに注目するべ * * * 受講者の方から頂いたご意見 □今回、初めて参加させて頂き、 カーブミラー設置など「モノ」 * * * 受講者の方から頂いたご意見 大変勉強になりました。色々 への対策と、第2の処方箋 (H4 回記念大会 事故ゼロ 安全な交通社会へ向けて 第 先生より、今回で 回目を迎え な業種の方からお話しを頂け 方々による講義が行われた。 様々な分野でご活躍中の講師の ただいた鈴木 春男先生をはじめ をテーマとし、昨年もご登壇い な交通環境を構築するために―」 らの安全な交通社会を目指して ―交通事故の悲劇をなくし快適 の課題として受け止めるため、 れた情報を発信してきた。 り上げ、学術的知見に裏付けら 状況に応じて多様なテーマを取 間にわたり、世相や交通社会の してスタートし、その後、 年 な情報を発信することを目的と 一方で、交通問題を第三者的 な視点で捉えることなく、自ら たいです。 した。これからも続けて頂き ト」への対策がある。 実践型交通安全教育という「ヒ 日頃なんとなく感じているこ 特に高齢者事故に関する話は、 とを言葉にしてくれたため、 整理された。 れだけでは対応できない「限界」 この2つの処方箋の併用によ り大きな成果が得られたが、こ 安全な交通社会を築くために □ □ □ 第1講座 □ □ □ 昔の子どもから学ぶ 教育の将来像を提示する 主に子どもを対象にした交通安全 方箋が必要なのではないか? わが国では、交通事故死者数 のうち高齢者が半数を超える (H 最大の課題は高齢者対策 が出てきている。今、第3の処 年後を見据えて 安全に向けてヒトが モノにどう働きかけるかを考える 講師 鈴木 春男 ) (一般財団法人 日本自動車研究所 安全研究部) 講師 大谷 亮 層に比べ高齢者は約2倍危険性 第1講座は、子どもに対するこ %) 。これは、他の年齢 基調講演では、従来の交通事 故への対策に加えた今後の安全 が高いことになる。従って高齢 れからの交通安全教育のあり方 ・ 対策を「第3の処方箋」として、 者への対策は交通事故死者数の についての講義が行われた。 年 どのような取り組みが必要とさ 削減に向け、重要な課題となる。 としてのみ扱われることが多い。 45 54 * * * 子どもは将来のドライバー候補 * * * 交通事故死者数下げ止まりの今、 方など、当事者のお話を聞く機 しかし、高齢者の生活は比較的 交通大学 年のあゆみ 第3の処方箋の必要性 近年では、子どもの交通事故 は減少しているものの、歩行中 会も設けてきた。 安定しており、時間的ゆとりも の事故の下げ止まりが見られる。 コーディネーター 金光 義弘 あり、社会参加意欲も高い。 交通大学の歩んだ 年は決し て目覚ましいものとはいえない 交通事故の死者数を見ると、 昭和 年をピークに昭和 年ま (川崎医療福祉大学 名誉教授) で減少し、その後増加に転じ↘ (裏面へつづく) らず、交通分野においては弱者 日本の高齢者は比較的、経済・ 生活的に自立しているにも関わ 高齢者への動機づけ やバイクが欠かせない 等) 関での移動が中心・地方では車 る。 (例:都市部では公共交通機 が必要である、ということであ るので、生活実態に応じた指導 なり、抱える問題も異なってい ぞれ置かれている交通環境は異 しかし、対策をする上で重要 なのは、高齢者といってもそれ れているのか、講義が行われた。 千 ( 葉大学 名誉教授 将来の交通安全教育 ―ヒトを動機づけるための処方箋― □ □ □ 基調講演 □ □ □ □考察、話が非常に面白かった。 る交通大学のあゆみについてお 平成 年 月 日(月)、アー クホテル岡山にて「第 回記念 * * * 次項からは、各講座の内容の 抜粋と、アンケートに寄せられ 交通死亡事故の遺族の方や視覚 機能・運動機能を失われた方、 年)として、参加・体験・ 年→H 54 る場は、とても貴重に感じま 話をいただいた。 た受講者の意見を一部紹介する。 社会を構築する」ための多面的 「誰も 交通大学は平成7年に、 が安心して暮らせる快適な交通 * * * 大会 交通大学」が開催され、各 地から集まった約150人の受 講者が講義に真剣に耳を傾けた。 45 5 他の人(孫や孫の親世代↘ が、岡山の地で蒔いた安全で↘ 高次脳機能障害者とその家族の 27 52 20 講義の前に、開講の挨拶とし て、コーディネーターの金光↘ 26 27 □ □ □ 開講の挨拶 □ □ □ 21 10 20 6 今回の交通大学は、「これか 20 20 マイクロメイト岡山株式会社 発行 営業本部 岡山市北区奥田本町 22-4 〒 700-0932 TEL 086-231-0900 FAX 086-226-4084 http://www.mmo-co.com/ MMO 新聞 [MMO TIMES] 28 20 No.13 MMO 新聞 2016 年 ( 平成 28 年 ) 春・夏号 [ 交通大学編 ] (1) 2016 年 ( 平成 28 年 ) 春・夏号 [ 交通大学編 ] 目次 ◯第20回記念大会 交通大学を開催・・・・・・・・・・・・・・ (1) 者には子どもが 多 い 。 そして歩行中の 事 故 の 第 一 当 事 いう考え方に共感できた。 が将来の安全に資するものと できた。地域での地道な教育 の足が車両の下に滑り込んでし 使用・バンパー部位では歩行者 ト部位に衝撃を吸収する部材を 者保護対策としては、ボンネッ だいた。 保険業界の立場から講義をいた 第3講座第1部では、事故に よる損失と保険の役割について、 を義務付ける条例を制定する動 そして近年自治体によっては 自転車の賠償責任保険への加入 ている。 物を作る人、道路を建設・整備 それゆえに、乗り物を運転す る本人はもちろんのこと、乗り で途切れるということである。 絶対数として 子 ど も の 交 通 事 故が減ったから と い っ て 安 心 し 子どもから大人まで安心できるクルマ マツダの安全への取り組み マツダの将来の考え方として は、クルマの価値である「個人 最悪の状態には車が自動運転を を行っている。 補強部材を使用するなどの対策 まうことを防ぐための形状や、 第3講座第2部では、命の尊 さについて、医師の視点による (岡山市立市民病院 産婦人科 診療部長) 講師 小橋 勇二 第2部 〈医師の立場より〉 える保険への加入が進んでいる。 きもあるなど、自転車事故に備 □保険金支払データから推計し * * * 受講者の方から頂いたご意見 していただきたい。 後の交通安全に向けさらに発奮 一度、命の尊さをかみしめ、今 通文化に関わる全ての人が、今 する人、交通安全教育の人、交 □ □ □ 第2講座 □ □ □ 講師 原田 千花子 の自由な移動による生活の充実」 専門的な解説を交えながらの講 ていないだろう か ? 結びつく対策を 行 う 必 要 が あ る 。 (マツダ株式会社 商品戦略本部 技術企画部) に向けて、安全性を求める「機 義が行われた。 能力を使い成長を求める「ヒト 転車事故の状況や保険につい でわかりやすかったです。自 的な対策のみで は な く 、 将 来 に また、子ども は 将 来 の ド ラ イ バー候補でもあ る の で 対 処 療 法 子どもの特徴 第2講座は、将来の安全に対 するマツダの思想と取り組みに 械中心の考え方」と人が自分の が第一当事者と な る 事 故 原 因 と 中心の考え方」があると考えて ても重要であり、広く一般的 づくりへの取り組みを紹介する 子どもの一般 的 な 性 格 傾 向 と して、衝動的な 側 面 を も つ こ と ついての講義が行われた。 して多い、「飛び出し」を誘発す いる。これはどちらかが正しい た交通事故の発生状況は新鮮 が挙げられる。 こ れ は 、 子 ど も るものではある が 、 子 ど も の 衝 というものではない。 教え方を行うこ と と し て 、 高 学 に要する時間の 判 断 が 困 難 な ど ) の歩行速度を過 大 視 す る / 横 断 この他にも子 ど も に は 年 齢 ・ 段階に応じて、 知 覚 特 性 ( 自 ら や教員・保護者 の 配 慮 で あ る 。 求められるの は 飛 び 出 さ な い ための子どもへ の 教 育 と 、 友 人 して、子どもの安全に関する取 これを支える重要な要素であ る、安全性能を高める考え方と じるクルマづくりをしている。 マツダでは、人間中心の考え 方に基づいた「走る歓び」を感 ました。 ているかを感じることができ きるように創意工夫がなされ ローし、事故や危険を回避で イバーが起こすミスをフォ なかで、いかにクルマがドラ 今後の展望を話を聞いていく □マツダの安全思想、取組み、 * * * 受講者の方から頂いたご意見 行う。というものが考えられる。 の確保や外部への連絡を自動で の移動を行い周囲を含めた安全 替わり車が運転、最適な場所へ もし最悪の状態になれば、人に とがわかる。 と数倍の事故が発生しているこ プされるが、物損事故を含める このデータから、交通事故と いうと人身事故がクローズアッ 238万725件となっている。 事故による保険金の支払件数は のデータであるが、同年の物損 とになる。これは人身事故のみ 遭う(被害者になる)というこ と100人に1人は交通事故に おり、このデータから推計する 115万4千597件となって 件数は死亡:3,977件、傷害: 平成 年度の保険金支払状況 を見ると、自賠責保険の支払い 交通事故によって命の伝承が であり、稀有なことである。 関を乗り越えてくるということ 時の胎位の異常など、数々の難 まで来たとしても、早産や分娩 不妊や染色体異常、出産の段階 元気な子が誕生するというこ とは、妊娠の成立から出産まで、 命の誕生 できました。 また、今回は意見交換会も開 催することが 開催することができました。 第 回を迎える交通大学も、 多くの方にお越しいただき無事 す。初心運転者教育現場で活 絶対にあってはいけない事で 通事故でなくすということは ました。その命の大切さを交 な事であることがよくわかり りませんでした。改めて大変 □今まで、これほど詳しい命の た。 (第1部) に知られるべきだと感じまし 動性は、脳の発 達 に お い て は 正 * * * 保険金支払いデータで しい道程である 。 将来の技術コンセプトとして は、通常は人が運転操作を行い、 年には答えは一 つ で は な く 複 数 り組みを紹介する。 自転車事故の高額賠償事例 講義を頂い た先生方、受 歳位までは法規 を 遵 守 す れ ば 絶 対的安全が確保 で き る と 認 識 ) などの特徴があ る 。 子どもへの教 育 担 当 者 の 心 構 えとしては、学 齢 段 階 に 応 じ た 歳)と正面衝突し、 用していきたいです。(第2部) 編集後記 本当にありが 講者の皆様、 20 26 行中の女性( 誕生について聞いたことがあ あることを伝え た り 、 あ え て 難 □ □ □ 第3講座 □ □ □ ご多忙の中 見る交通事故 しい言葉を使う こ と や 、 低 学 年 例えば、運転席から見たAピ ラーとドアミラーの間に隙間が 命の尊厳と事故による損失 自転車事故による高額賠償事 例は、男子小学生( 歳)が歩 途切れるということ 自動車・自転車等は人の命を 奪う凶器となりうるものである。 とうございま □子どもの年令 特 性 に よ る 順 を 11 や道徳・慣習・ 法 規 の 認 知 ( 6 が対象の場合は 平 易 な 言 葉 と 具 できるよう配置することで、背 女性は頭蓋骨骨折等の障害を負 交通事故で死亡するというこ とは、親から子へ子から孫へと * * * 体例、重要なこ と は 反 復 す る こ の低い子どもを発見しやすくす たった一つしかない大切な命 命の 誕生と事故の代償について考える い意識が戻らない状態となった した。 * * * マツダの安全思想 となどが挙げら れ た 。 始動を防ぐシステムなど、様々 第1部 〈保険業界の立場より〉 継がれるはずの尊い命がそこ↘ その他、事故発生時の歩行↘ る工夫や、子どものエンジン誤 * * * 受講者の方から 頂 い た ご 意 見 な工夫を行っている。 事故で9千521万円となっ↘ (一般社団法人 日本損害保険協会 業務企画部) 講師 金泉 浩二 追った教育の 大 切 さ が 理 解 ↘ 62 No.13 MMO 新聞 2016 年 ( 平成 28 年 ) 春・夏号 [ 交通大学編 ] (2)
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