平成28年7月 準早期水稲管理情報 NO.2 J A 粕 屋 北筑前普及指導センター 1 気象状況と生育状況 (1)気象状況(アメダス宗像) 気温 6月1~10日 平年並 (本年) 20.9℃ (平年値) 20.5℃ 6月11~20日 平年よりやや高い (本年) 23.8℃ (平年値) 22.0℃ 6月21~25日 平年よりやや高い (本年) 24.1℃ (平年値) 22.9℃ 降水量 平年よりやや少ない 34mm 42mm 平年よりやや多い 78mm 67mm 平年よりかなり多い 115mm 64mm 日照時間 平年並 56時間 61時間 平年並 52時間 52時間 平年よりかなり少ない 8時間 20時間 ○ 気象は、平年に比べ気温はやや高く、降水量は多く、日照時間は少なく推移し、 いもち病が発生しやすい状況となっています。 (2)生育状況(現地調査日:6月21~22日) 田植え日 5月14日頃 5月21日頃 5月28日頃 分げつ本数(本/株) 20 ~ 25 16 ~ 24 12 ~ 16 ○ 生育は、茎数については概ね平年並みですが、ほ場の管理状況によってかなり差がある状況です。 特に田植え以降、水を溜めっぱなしにしているほ場では、足を踏み入れるとブクブクとガスが発生し ます。ガスが発生すると根が傷み、下位葉が枯れ上がり、収量が低下します。中干しや間断かん水を 行って、土中のガスを抜きましょう。 また、雨が降って気温が低い日が続くと、いもち病が発生しやすくなります。発生した場合は早めに 補正防除を行いましょう。また、放置されている補植用苗(置き苗)は、いもち病の発生源となるた め、必ず除去しましょう。 2 中干し後の水管理 ○ 近年、高温による米の品質低下が目立っています。適切な水管理によって高温障害を回避しましょう。 ○ 中干し後は、間断かん水を行いましょう。健全な根を維持し、収量・品質・食味の向上を図るために 重要な作業です。水の溜めすぎ・乾かしすぎは根痛みの原因になります。 ○ 幼穂形成期(穂肥の時期)~出穂期までは、水稲が最も水を必要とする時期です。浅水管理をして水 を切らさないようにしましょう。 3 穂肥 有機特栽米追肥 047 号 20kg/10a または NK 化成2号 15kg/10a ※ 施用時期は出穂前20~18日、 幼穂長2~5mm、葉色3.5 が目安です。 なお、なたね油粕を使用する場合は、30kg/10a (施用時期は出穂前30日~25日)です。 ○ 平年の出穂期からの穂肥時期の目安(平坦地の夢つくし) 田植え時期 穂肥の時期(出穂前20日~18日) 出穂予想 5月14日 7月6日~7月8日 7月26日頃 5月21日 7月10日~7月12日 7月30日頃 5月28日 7月14日~7月16日 8月 3日頃 ※ あくまで、標準的なほ場での予想ですので、必ずほ場で幼穂長を確認してください。 ※ ほ場の地力・水稲の葉色により、穂肥の施用時期・施用量は調整してください。 ※ 葉色が濃いほ場(4.0 以上)、茎数が多すぎるほ場(30本/株以上)は、 倒伏の可能性もありますので、穂肥の散布時期を遅らせるか、施用量を減らしましょう。 4 病害虫防除 ① 基幹防除は必ず実施して下さい。 (1)いもち病常発地帯 対象病害虫 基 幹 防 除 いもち病 紋枯病 ウンカ類 カメムシ類 農薬名 処理量(10a 当り) アチーブモンカット トレボン F 粉剤DL 3kg 出穂期~穂揃い期 (収穫 14 日前まで) 〔希釈水量 140 ㍑〕 140ml(1000 倍) 93ml(1500 倍) 140ml(1000 倍) (穂揃期まで) (収穫 21 日前まで) (収穫 14 日前まで) コラトップスタークル 1キロ粒剤 1kg 出穂5日前まで 農薬名 処理量(10a 当り) 使用時期 キラップ粉剤 DL 3kg キラップフロアブル 〔希釈水量 140 ㍑〕 140ml(1000 倍) キラップ粒剤 3kg ダブルカットフロアブル モンセレンフロアブル キラップフロアブル いもち病 ウンカ類 カメムシ類 使用時期 出穂期~穂揃い期 (2)上記以外の地帯 対象病害虫 基 幹 防 除 ウンカ類 カメムシ類 ※ 出穂期:全体の40~50%が出穂した日 穂揃い期 (収穫 14 日前まで) 穂揃い期 (収穫 14 日前まで) 出穂直前~出穂期 (収穫 14 日前まで) 穂揃い期:全体の90%が出穂した日 ② 補正防除については、稲作ごよみを参照して下さい。 ※ 紋枯病は、過繁茂のほ場で発生が多くなります。 ※ スタークル剤(粉剤・液剤)を散布する場合は、ミツバチへの危害防止の為、稲の開花期の散布は 避けて下さい。 ※ カメムシは畦畔や休耕田のイネ科雑草が発生源になるため、出穂 2 週間前までに草刈をしましょう。 出穂直前に草刈りすると、カメムシが水田に移動するため、逆に被害が大きくなります。 ※ ふくおかエコ農産物認証(旧:福岡県減農薬・減化学肥料栽培認証)を取得されている方は、栽培 計画に記載されている農薬・除草剤を使用しましょう。 農薬安全使用のポイント 1.散布前は農薬ラベルを確認しましょう 2.散布時は近隣作物への飛散に気をつけましょう 3.水田では 1 週間は止水期間を設けましょう 4.散布後は散布器具を洗浄しましょう 5.防除履歴を記帳しましょう 登録農薬の状況は平成28年6月現在
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