非古典的 MHC クラス I 分子の構造と機能

〔生化学 第8
1巻 第3号,pp.1
8
9―1
9
9,2
0
0
9〕
!!!
特集:生体防御メカニズムの分子基盤
!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
非古典的 MHC クラス I 分子の構造と機能
梶
川
瑞
穂1,笠
原
正
典2
主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex:MHC)クラス I 分子は,
古典的クラス I 分子(クラス Ia 分子)と非古典的クラス I 分子(クラス Ib 分子)に大別
される.前者は CD8+ T 細胞に抗原ペプチドを提示する膜タンパク質であり,生体がウイ
ルス感染細胞やがん細胞を排除するうえで中心的な役割を果たしている.これに対して,
非古典的クラス I 分子は古典的クラス I 分子よりはるかに分子種が多く,その機能も多様
である.特殊な抗原提示機能を有するもの,ナチュラルキラー細胞の活性を制御するも
の,Fc レセプターとして機能するもの,脂質代謝や鉄輸送など免疫とは無関係な生体過
程に関与するものなどが知られている.本稿では,ヒトとマウスの非古典的クラス I 分子
に焦点を当てて,最近の知見を紹介する.
1. は
じ
め
に
エンドサイトーシスによって取り込まれた外来性タンパク
質由来のペプチド断片を CD4+ T 細胞(ヘルパー T 細胞)
MHC 分子は1
9
3
6年に Peter A. Gorer により,移植片の
に提示する.これに対し,クラス I 分子は基本的にすべて
生着の成否を支配する移植抗原として発見された.移植と
の有核細胞に発現される膜タンパク質であり,細胞質でプ
いう非生理的な現象の解析によって発見されたため,
ロテアソームによって産生されたペプチド断片を,CD8+ T
MHC 分子が本来何のために存在するのかは長らく謎で
細胞(細胞傷害性 T 細胞)に提示する(図1a)
.クラス I
あ っ た が,Benacerraf,McDevitt,Zinkernagel,Doherty ら
分子による抗原提示は,異常なタンパク質を産生する細胞
の先駆的研究により,T 細胞レセプター(T cell receptor:
(ウイルス感染細胞やがん細胞)を除去する上で重要な役
TCR)に抗原(ペプチド断片)を提示する役割を担ってい
ることが明らかになった.
割を果たしている2).
通常,クラス I 分子と言うと,このような教科書的な抗
MHC 分子にはクラス I 分子とクラス II 分子がある1).ク
原提示能を持った分子(ヒトでは HLA-A/B/C 分子,マウ
ラス II 分子は,樹状細胞,マクロファージ,B 細胞など
スでは H2-K/D/L 分子)を指すが,実際には,他にも数
のプロフェッショナル抗原提示細胞に発現され,主として
多くのクラス I 分子が存在する.両者を区別するために,
九州大学生体防御医学研究所ワクチン開発構造生物学
分野(〒8
1
2―8
5
8
2 福岡県福岡市東区馬出3―1―1)
2
北海道大学大学院医学研究科分子病理学分野(〒0
6
0―
8
6
3
8 札幌市北区北1
5条西7丁目)
Structure and function of non-classical MHC class I molecules
1
Mizuho Kajikawa(Division of Structural Biology, Medical
Institute of Bioregulation, Kyushu University, Maidashi 3―
1―1, Higashi-ku, Fukuoka8
1
2―8
5
8
2, Japan)
2
Masanori Kasahara (Department of Pathology, Hokkaido
University Graduate School of Medicine, North 1
5 West 7,
Kita-ku, Sapporo0
6
0―8
6
3
8, Japan)
後者を非古典的クラス I 分子またはクラス Ib 分子と呼ん
前者を古典的クラス I 分子またはクラス Ia 分子と呼び,
1
でいる3).
非古典的クラス I 分子は古典的クラス I 分子より,はる
かに分子種に富み,その機能も多様である.本稿では,ク
ラス Ib 分子を主題として,最近の知見を紹介する.なお,
本稿では,簡略化のため,古典的クラス I 分子をクラス Ia
分子,非古典的クラス I 分子をクラス Ib 分子と呼ぶこと
にする.
1
9
0
〔生化学 第8
1巻 第3号
図1 クラス Ia 分子の機能と構造
a)クラス Ia 分子による抗原提示.プロテアソームによって産生されたペプチド断片は TAP(transporter
associated with antigen processing)を介して小胞体内に入り,クラス Ia 分子に結合する.ペプチド断片
を結合したクラス Ia 分子は細胞表面へ移送され,CD8+ T 細胞の TCR にペプチド断片を提示する.正
常細胞では,クラス Ia 分子に結合するペプチド断片はすべて自己タンパク質由来であるが,ウイルス
感染細胞やがん細胞ではウイルスタンパク質やがん遺伝子産物に由来する非自己ペプチド断片が結合
する.非自己ペプチド断片を結合したクラス Ia 分子は CD8+ T 細胞を活性化する.b)クラス Ia 分子の
立体構造(側面図)
.HLA-B 分子(1E2
7)の細胞外領域の構造を示す.c)ペプチド結合溝の構造(上
面図)
.α ヘリックスによって形成される溝に結合したペプチド断片が TCR に提示され,免疫反応が
誘導される.
(本稿で示す立体構造図はすべて Protein Data Bank に登録されているものを利用してい
る.4桁の PDB 登録番号は構造を示した分子名の後にかっこ書きで付した.
)
2. クラス Ia 分子の構造
ク ラ ス Ia 分 子 は 約4
0kDa の α 鎖 と 約1
0kDa の β2mi-
は免疫グロブリンの定常部(C ドメイン)と類似している.
α1,α2ドメイン(膜遠位ドメイン)は逆平行 β シートの
上に2本の α ヘリックスが平行に載った構造をしている.
croglobulin(β2m)から成る二 量 体 で あ る(図1b)
.α 鎖
α ヘリックス間につくられた溝には,8∼1
0残基程度のペ
は各∼9
5個のアミノ酸から成る3個の細胞外ドメイン
プチド断片が結合する(図1c)
.ペプチド断片はクラス Ia
(α1,α2,α3)と膜貫通領域および細胞内領域から成る.
分子の安定性を維持するために不可欠であり,ペプチド断
α3ドメインと β2m は膜近位ドメインと呼ばれ,構造的に
片なしでは,クラス Ia 分子は細胞表面にほとんど発現さ
1
9
1
2
0
0
9年 3月〕
クラス Ia 分子は CD8+ T 細胞に抗原を提示する他,ナ
れなくなる.
クラス Ia 分子には,膨大な数のアレルが存在し,集団
チュラルキラー(natural killer:NK)細胞のレセプターと
レベルで著しい多型性が認められる.アレル間で異なるア
も相互作用し,NK 細胞の活性を制御する.HLA-A/B/C
ミノ酸残基の分布を見ると,そのほとんどはペプチド結合
分 子 と 相 互 作 用 す る NK レ セ プ タ ー は KIR(killer
溝の周囲に集中している.これは,この領域のアミノ酸置
immunoglobulin-like receptor)で あ る.KIR も ク ラ ス Ia 分
換がクラス Ia 分子に結合するペプチド断片の種類(レパ
子の膜遠位ドメインに結合するが,その接触面は TCR と
トア)
を変化させることと密接に関係している.すなわち,
クラス Ia 分子の接触面とオーバーラップはするものの,
クラス Ia 分子に多くのアレルがあればあるほど,集団レ
異なっている4).
ベルで T 細胞に抗原提示される抗原の種類は増大し,集
3. クラス Ib 分子の種類と特徴
団全体が特定の病原体に感受性となる確率は低下する.し
たがって,クラス Ia 分子の多型は種の存続に有利と考え
られる.
表1にヒトとマウスの主なクラス Ib 分子を示す.クラ
ス Ib 分子の機能は抗原提示に留まらず多様であること,
表1 ヒトとマウスの主なクラス Ib 分子
タンパク質名
ヒト遺伝子の名称 マウス遺伝子の名
と染色体局在
称と染色体局在
CD1A,CD1B ,
グループ1 CD1 CD1C
1q2
2-q2
3
β2m との会合
相互作用する分子
結合低分子
機
能
オーソログ遺伝子
は欠損
あり
αβTCR
外来性糖脂質
T 細胞への微生物
糖脂質の提示
グループ2 CD1
CD1D
1q2
2-q2
3
CD1d1,CD1d2
3
あり
4αTCR
V1
4α/V2
内在性糖脂質
外来性糖脂質
NKT 細 胞 の 活 性
化
MR1
MR1
1q2
5.
3
Mr1
1
あり
TCR?
ペプチド?
MAIT 細胞の活性
化
なし
NK,γδ T,CD8+
αβ T 細 胞 な ど の
活性化
MICA,MICB
オーソログ遺伝子
6p2
1.
3
(HLA 複合体) は欠損
ULBP1-4,
Raet1a-e,
NKG2D リガンド
RAET1G ,
H6
0a-c,Ulbp1
RAET1EL
6q2
5
1
0
なし
NKG2D
あり
トランスフェリン
なし
レセプター
Azgp1
5
なし
PIP
脂肪酸?
脂肪異化
Neonatal Fc recep- FCGRT
tor of IgG(FcRn) 1
9q1
3.
3
Fcgrt
7
あり
IgG
なし
IgG の輸送と血中
濃度調節
Endothelial protein PROCR
C receptor(EPCR)2
0q1
1.
2
Procr
2
なし
プロテイン C
リン脂質
抗凝固作用と抗炎
症作用
HFE
HFE
Hfe
6p2
1.
3
3
(HLA 複合体) 1
Zn-α2-glycoprotein AZGP1
(ZAG)
7q2
2
鉄の輸送調節
HLA-E(ヒト)
Qa-1(マウス)
HLA-E
H2-T2
3
6p2
1.
3
(HLA 複合体) 1
7(H2 複合体)
あり
CD9
4/NKG2A,
CD9
4/NKG2C
MHCクラスIシ
NK 細胞の活性調
グナルペプチド
節
由来ペプチド
HLA-F
HLA-F
オーソログ遺伝子
6p2
1.
3
(HLA 複合体) は欠損
あり
LILRB1?,
LILRB2?
?
HLA-G
HLA-G
オーソログ遺伝子
6p2
1.
3
(HLA 複合体) は欠損
あり
LILRB1,
LILRB2,
ペプチド
KIR2DL4?
H2-M3
オーソログ遺伝子 H2-M3
は欠損
1
7(H2 複合体)
あり
αβTCR
H2-Mv
オーソログ遺伝子 H2-M1,H2-M1
0
は欠損
1
7(H2 複合体)
あり
V2R フ ェ ロ モ ン
?
受容体?
フェロモン受容関
連?
MILL
オーソログ遺伝子 Mill1,Mill2
は欠損
7
あり
?
なし?
?
blastocyst MHC
オーソログ遺伝子 H2-Bl
は欠損
1
7(H2 複合体)
あり
?
?
NK 細胞の活性抑
制?
TL antigen
オーソログ遺伝子 H2-T3
は欠損
1
7(H2 複合体)
あり
CD8αα ホ モ ダ イ
なし?
マー
N-ホルミル化
ペプチド
NK 細胞の活性調
節?
NK 細胞の活性抑
制
細菌由来ペプチド
の提示
IEL の活性制御?
1
9
2
〔生化学 第8
1巻 第3号
図2 クラス I ファミリーの系統樹
MHC でコードされる 分 子 は,名 前 が HLA(ヒ ト)ま た は H2
(マ ウ
ス)で始まる.HLA-A/B/C,H2-K/D/L はクラス Ia 分子である.分
子名に先立つ H,M,C は,それぞれヒト,マウス,ニワトリの分子
を指す.系統樹はアミノ酸を用いて近隣結合法により作成した.
図3 クラス Ib 分子の構造のバリエーション
a)HLA-E(1MHE)
:本分子は α 鎖と β2m から 構 成
され,ペプチド断片を結合している.このタイプの
ク ラ ス Ib 分 子 に は,HLA-G,H2-M3,CD1a-d(た だ
し,CD1は 糖 脂 質 を 結 合)な ど が あ る.b)HFE
(1A6Z)
:本分子では,クラス Ia 分子のペプチド結合
溝に相当する部分が狭小化しており, 溝は空である.
このようなタイプのクラス Ib 分子には,FcRn,H2Mv などがある.c)MICB(1JE6)
:本分子は α3ドメ
インを有するが,β2m と会合していない.このよう
なタイプのクラス Ib 分子には,MICA,ZAG などが
ある.d)RAE-1β(1JFM)
:本分子は α1,α2ドメイ
ンのみから成る. RAE-1ファミリーの他のメンバー,
ULBP ファミリーのメンバー,H6
0a-c,EPCR などが
このタイプである.e)HLA-G(2D3
1)
:本分子は分
子間ジスルフィド結合により,二量体を形成する.
また,その多くは MHC 領域外でコードされていることが
部分に特殊なペプチド断片を結合するもの,糖脂質を結合
わかる.図2にクラス I 分子の系統樹を示す.クラス Ia
するもの,さらには2本のヘリックスによって形成される
分子はクラス I ファミリーの一角を占めるに過ぎず,クラ
間隙が狭く何も結合していないものなどが存在する(図
ス I 分子の大部分はクラス Ib の範疇に属することがわか
4)
.細胞膜との結合様式も一様ではない.クラス Ib 分子
る.
の多くは膜貫通領域を持つが,中には GPI(glycosylphos-
クラス Ib 分子の基本構造はクラス Ia 分子のそれと類似
phatidyl inositol)アンカーを介して膜に結合するものもあ
している(図3)
.しかし,β2m と結合しないもの,α1,
り,さらには可溶性のものも存在する.クラス Ib 分子が
α2ドメインのみから成り,α3ドメインを欠くもの,二量
多様な機能を発揮しうるのは,構造がバリエーションに富
体を形成するものなどもあり,構造上のバリエーションが
んでいるためと考えられる.また,クラス Ia 分子が基本
認められる.また,クラス Ia 分子のペプチド結合溝相当
的にすべての有核細胞の表面に豊富に発現されているのに
1
9
3
2
0
0
9年 3月〕
図4 α1,α2ドメインに存在する溝に結合するリ
ガンドの多様性
a)HLA-E(1MHE)はクラス Ia 分子のように広い
ペプチド結合溝を持ちペプチド断片を結合する.
b)H2-M3(1MHC)に結合するペプチド断片は N
末端のアミノ基がホルミル化されている.c)CD1d
(2PO6)の溝は糖脂質のアシル鎖を結合できるよ
うに疎水性アミノ酸から成る.d)MICB(1JE6)は
低分子を結合していない.
対して,クラス Ib 分子の発現レベルは一般に低く,しか
ては,HLA-E,HLA-G,H2-M3などがあり,ペプチド断
も,限定された組織に特異的に発現されていたり,生理的
片の提示が強く疑われる分子としては,MR1(MHC class
な条件下ではほとんど発現されていないが,何らかの刺激
I-related protein1)がある.機能的には NK レセプターの
によって発現が誘導されたりする.また,一般的に多型性
活性を制御するか,特殊なペプチド断片を TCR に提示す
に乏しいこともクラス Ib 分子の特徴である.これは集団
る.構造的には,いずれも α1,α2,α3ドメインを有し,
レベルで可能な限り多様な抗原に応答できるようにするた
β2m と会合している.
め,クラス Ia 分子が進化の過程で膨大な多型性を獲得し
HLA-E 分子は他のクラス I 分子のシグナルペプチドを
たことと大きく異なる点である.以下,クラス Ib 分子を
結合し5),NK 細胞のレクチン様レセプター NKG2と結合
機能ごとに分類し,それぞれについて概説する.
する6).NKG2ファミリーには,活性型の NKG2C や抑制
型の NKG2A などがあり,それぞれレクチン様分子 CD9
4
a)ペプチド断片を提示するか,すると推定されているク
ラス Ib 分子
ペプチド断片を提示することが証明されている分子とし
とヘテロ二量体を形成し,活性型及び抑制型の NK レセプ
ターとして機能している.HLA-E はこれら活性型,抑制
型双方のレセプターによってペプチド依存的に認識される
1
9
4
〔生化学 第8
1巻 第3号
(たとえば,HLA-G 由来のシグナルペプチド断片を結合し
b)糖脂質を抗原提示するクラス Ib 分子
た HLA-E は活性型レセプターに認識される)ことから,
このカテゴリーに属する CD1は複数のメンバーを擁す
提示するペプチド断片の種類によって NK 細胞の活性制御
るファミリーを形成し,グループ1とグループ2に大別さ
を行っていると考えられている7).マウスには遺伝学的に
れる20).ヒトは両グループの CD1分子を持っているが,
HLA-E に対応する分子(遺伝的オーソログ)は存在しな
マウスではグループ1に属する CD1分子が欠損しており,
いが,Qa-1が機能相同分子(機能的ホモログ)として働
またウシでは逆にグループ2に属する CD1分子が欠損し
いている8).
ている21).グループ1に属する CD1分子(ヒトの CD1a,
HLA-G はクラス Ia 分子が発現されていない胎盤で発現
CD1b,CD1c)は微生物由来糖脂質(結核菌の膜成分であ
されるクラス Ib 分子であり,β2m と会合し,ペプチド断
るミコール酸など)を多様な TCR を発現する T 細胞に提
片を結合している.しかし,その機能は T 細胞の活性化
示することにより,感染防御に寄与している.他方,グ
ではなく,NK 細胞表面の抑制型レセプター LILRB1およ
ループ2に属する CD1d は,外来性の糖脂質ではなく,主
び LILRB2に結合し,NK 細胞の活性を抑制することにあ
に自己糖脂質を結合して NKT 細胞上の TCR に提示し,
る9).ま た,HLA-G は CD8に 結 合 す る こ と に よ っ て,
)
NKT 細胞の活性を制御していると考えられている22(図
CD8+ T 細胞の活性化抑制にも関与する9,10).これらの抑制
5)
.NKT 細胞は細胞表面に NK レセプターのほかに TCR
効果により,HLA-G は母体の NK 細胞や CD8+ T 細 胞 に
を発現するリンパ球であり,腫瘍免疫や感染免疫に関与し
よって胎児が障害されることを防いでいる.HLA-G の一
ている.NKT 細胞に発現する TCRα 鎖はヒトでは Vα1
4,
部は生体内で Cys4
2を介してホモ二量体を形成している
マウスでは Vα2
4に限定され,β 鎖のバリエーションもほ
(図3)
.二量体は単量体に比較して相互作用分子に対する
とんど見られない.CD1d 分子は Vα1
4/Vα2
4TCR のリガ
親和性が著しく高いため,二量体化によってより効果的な
ンドとして機能する.CD1d は,海綿に由来する α-ガラク
抑制効果が達成されると考えられる .マウスには HLA-
トシルセラミド(α-GalCer)などの外来性糖脂質を結合し,
G の遺伝的オーソログは存在しないが,後述する blasto-
)
Vα1
4/Vα2
4TCR を介して NKT 細胞を活性化するが23(図
1
1)
cyst MHC が機能的ホモログの候補として挙げられている.
5)
,CD1d の内在性リガンドとして働く自己糖脂質の本体
マウスの H2-M3は,N 末端がホルミル化されたペプチ
は不明である.最近,CD1d の内在性リガンドとしてリソ
ド(N-ホルミル化ペプチド断片)を CD8 T 細胞に提示す
ソーム由来のイソグロボトリヘキソシルセラミド(iGb3)
る12).細菌などの原核細胞で合成されるタンパク質の N 末
が提唱されたが24),1)iGb3は胸腺細胞や樹状細胞では検
端メチオニンはアミノ基がホルミル化されるが,H2-M3
出されない,2)iGb3合成酵素ノックアウトマウスでも
はこのような N 末端由来ペプチド断片を特異的に結合し
NKT 細胞は正常に発生・分化する25,26)などの矛盾点があ
て T 細胞に提示することで,感染防御に貢献している
り,最終的な結論は出ていない.
+
1
3)
(図4)
.ちなみに,N-ホルミル化ペプチド断片を提示する
クラス Ib 分子はヒトでは同定されていない.
CD1分子は三つの α ドメインと β2m を有し,全体的な
ドメイン構造はクラス Ia 分子とよく似ている(図3)
.し
MR1はげっ歯類から霊長類まで高度に保存された配列
かし,2本の α ヘリックスによって形成される溝はクラス
を持っている14).クラス Ia 分子と配列的に近縁であり(図
Ia 分子のそれより深く,疎水性のアミノ酸残基によって
2)
,β2m と会合することから ,クラス Ia 分子と類似し
蔽われており,糖脂質のアシル鎖が結合するのに都合よい
1
5)
た立体構造を持つと推定される.腸管粘膜固有層に局在す
)
構造になっている27(図4
)
.
る特殊な T 細胞である MAIT 細胞(mucosal-associated invariant T cells)が MR1によって選択と拘束を受けること
が知られている .さらに MR1は MAIT 細胞上のレセプ
1
6)
c)NK 細胞を活性化させるクラス Ib 分子
クラス Ib ファミリーには,活性型 NK レセプターと相
ターによって認識されることも明らかにされている17).1)
互作用し,NK 細胞の活性化を誘導する分子群が存在す
TAP やタパシンと小胞体内腔で結合している,2)MR1
る.このカテゴリーの分子として最初に同定されたのは,
遺伝子を単独で培養細胞に導入しても細胞表面にはほとん
ヒ ト の MIC(MHC class I-related chain)フ ァ ミ リ ー で あ
ど発現されない,3)MR1のペプチド結合溝相当領域を改
る28).MIC ファミリーのメンバーである MICA と MICB は
変すると MAIT 細胞を刺激する能力が失われる,などの
ストレス誘導性に発現されることなどから,生体防御に関
実験事実から,MR1は MAIT 細胞特異的な TCR に特殊な
与しているのではないかと予想されていたが29),実際に
ペプチド断片を提示しているのではないかと推測されてい
NK 細胞の活性型レセプターである NKG2D のリガンドと
る18,19).
して機能することが明らかとなった30).さらに MIC ファ
ミリーが γδ T 細胞,CD8+ T 細胞を活性化することも明ら
かになり31),MIC ファミリーの自然免疫系における重要性
1
9
5
2
0
0
9年 3月〕
図5 CD1d による NKT 細胞の制
御
a)CD1d と TCR の 複 合 体 構 造
(2PO6)
.CD1d 分子は溝に糖脂質
を結合し,NKT 細胞に特異的に
発現する TCR によって認識され
る.b)CD1d 分 子 は,α-GalCer
などの外来性糖脂質を NKT 細胞
に提示することにより,NKT 細
胞を強く活性 化 す る.平 時 は,
内在性糖脂質を提示して NKT 細
胞を微弱に活性化させていると
推測されている.
図6 ヒトおよびマウス NKG2D リガ
ンドの構造
NKG2D レセプターには複数のリガン
ドが存在するが,それらはすべてク
ラス Ib 分子である.リガンドごとに,
NKG2D に対する結合親和性や発現パ
ターンに差は見られるものの,どの
リガンドも NKG2D を介して NK 細胞
を活性化する能力を持つ.
が確認された.MICA,MICB 遺伝子の転写調節領域には
である(図6)
.
熱ショックエレメントが存在しているため,MIC 遺伝子
構造的には,NKG2D リガンドとして機能するクラス Ib
の発現は熱ショックをはじめとするさまざまなストレスに
分子は,β2m とは会合せず,MICA/B 以外は α1,α2ドメ
よって誘導される.一般に,MIC 分子は,感染細胞やが
インのみから成る(図3,4)
.また,膜貫通領域を持つも
ん細胞での発現が有意に高く,正常細胞表面にはほとんど
の も あ る が,ヒ ト の ULBP1∼3と RAET1L,マ ウ ス の
発現されていない.感染やがん化によりストレスを受けた
Rae-1ファミリーと H6
0c は GPI アンカー型タンパク質で
細胞は,MICA,MICB 分子を発現するようになり,NK
ある(図6)
.さらに,膜遠位ドメインの溝にはペプチド
細胞によって異常細胞として認識され,破壊される.最
断片もそれにかわるリガンドも結合していない.MICA,
近,MIC ファミリーは microRNA により発現が制御され
RAE-1は,α1,α2ドメイン上部で NKG2D と結合する36,37).
ていることが示された .マウスでは,ヒトの MIC ファ
最近,NKG2D リガンドの発現異常が,ウイルス感染症
ミリーに対応する分子 が 欠 損 し て お り,RAE-1フ ァ ミ
の慢性化38),がんに対する免疫不応答39),自己免疫疾患の
リー,H6
0ファミリー,および MULT1が NKG2D のリガ
発症40,41)に密接に関係していることが明らかになった.ま
ン ド と し て 機 能 し て い る33,34).こ れ ら に 対 応 す る ヒ ト
た,MICA/MICB 分子はクラス Ib 分子の中では例外的に
NKG2D リガンドは ULBP(RAET1)ファミリーである35).
多型性に富んでおり,特定のアレルが疾患感受性と相関す
このように,単一のレセプターに対して,複数のリガンド
る可能性が指摘されている42).
3
2)
が用意されていることが,NKG2D システムの顕著な特徴
1
9
6
〔生化学 第8
1巻 第3号
d)免疫機能を有するその他のクラス Ib 分子
抗原提示,NK 細胞の活性調節以外の機能を持つクラス
Ib 分子には,FcRn(neonatal Fc receptor of IgG)と EPCR
うち最も頻度が高いのは,α3ドメインに位置するシステ
インがチロシンに置換される C2
8
2Y 変異体である.この
変異体では,α3ドメインの構造維持に重要なドメイン内
ジスルフィド結合が形成されなくなるため,β2m との会
(endothelial protein C receptor)がある.
FcRn は,ヒトでは胎盤を通じた胎児への母体 IgG の輸
合能力が失われる.これが HFE 分子の不安定化を招き,
送に関与する.げっ歯類では生まれてすぐの新生仔におい
ヘモクロマトーシスの発症につながると考えられてい
て腸管上皮細胞に短期間発現され,初乳に含まれる母親由
る51).
来 IgG を新生仔の体内に移行させる働きをしている.ま
マウスの H2-Mv ファミリー(H2-M1,H2-M1
0など)は,
た,FcRn のもう一つの重要な機能として,血中ならびに
鋤鼻器(フェロモン受容に機能していると考えられている
組織で IgG に結合し,その半減期を延長させることが挙
器官)にある神経細胞の微絨毛に,β2m 依存的に発現さ
.本分子は構造的には,三つの α ドメインを
れている52).H2-Mv ファミリーの機能はよくわかっていな
持ち,β2m と会合する.膜遠位ドメインの溝には何も結
いが,やはり鋤鼻器で発現される V2R と呼ばれる G タン
合していない.多数ある Fc レセプターの中で,クラス Ib
パク質共役型複合体(フェロモンレセプターの一つと考え
ファミリーに属する唯一のメンバーである.一分子の IgG
られている)に結合しているのではないかと考えられてい
に対して二分子の FcRn が結合する45).新合成された FcRn
る53).H2-M1
0の結晶構造解析が行われた結果,H2-Mv は
げられる
4
3,
4
4)
分子は不変鎖と結合することにより,エンドソームに移送
β2m と会合し,α1∼α3ドメインを持つオーソドックスな
されることが報告されており46),クラスÀ抗原提示経路と
構造をとっていることが明らかになった54).ペプチド結合
の関わりが示唆されている.
溝相当部に何も結合していない状態で結晶化に成功してい
EPCR はプロテイン C 抗凝固系で働く,α1,α2ドメイ
ることから,生体内でもペプチド断片やそれに代わるリガ
ンのみから成るクラス Ib 分子である.プロテイン C は,
ンドを結合していない可能性が高い.また,H2-Mv ファ
血管内皮細胞に発現される EPCR によって捕捉された後,
ミリーには α ヘリックス上にアミノ酸多型が認められる.
トロンボモジュリンに結合したトロンビンによって限定分
多型残基は溝内部ではなく,α へリックスの上側に集中し
解を受け,活性化プロテイン C となる.活性化プロテイ
ていることから54),上側領域が他分子との相互作用に関
ン C は Va および VÁa 因子を分解・失活化することによ
わっていると推測される.
り,血液凝固を抑制する.また,EPCR に結合した活性化
ZAG はヒト血漿中に可溶性分子として発見されたクラ
プロテイン C は,protease-activated receptor 1(PAR1)を
ス Ib 分子であり,β2m もペプチド性のリガンドも結合し
活性化し,抗炎症作用を発揮する .EPCR の溝にはリン
ない.しかし,結晶構造解析の結果,ペプチド結合溝相当
脂質が結合しており,このリン脂質の存在がプロテイン C
部位に結晶化試薬に含まれていたポリエチレングリコール
との結合に重要であることが示唆されている .
が結合していたことから55),生体内でも何らかの疎水性の
4
7)
4
8)
分子が結合している可能性が推測されている.ZAG は血
e)免疫系以外で働くクラス Ib 分子
このタイプのクラス Ib 分子として代表的なのは, HFE,
H2-Mv ファミリー,Zn-α2-glycoprotein(ZAG)である.
漿のみならず様々な体液に存在しており,乳がん,前立腺
がんなどで発現が亢進する.脂肪組織からの脂質動員の
他,受精への関与が推測されている56).ZAG と直接結合
HFE 遺伝子は,全身臓器に鉄が沈着する遺伝性疾患で
するタンパク質として報告されているのは現在のところヒ
ある遺伝性ヘモクロマトーシスの原因遺伝子として同定さ
ト精漿の prolactin-inducible protein(PIP)のみである.PIP
れた.HFE は三つの細胞外ドメイン(α1,α2,α3)を持
の立体構造が β2m と似ており,向きは異なるものの,β2m
ち,β2m と会合している.膜遠位ドメインの溝にリガン
の代わりともいうべき位置で ZAG に結合することは興味
ドは結合していない49).HFE は膜遠位ドメインの α ヘリッ
深い57).
クスでトランスフェリンレセプター(transferrin receptor:
TfR)の α ヘリックス構造を認識し,TfR と結合する50).
f)機能未知のクラス Ib 分子
十二指腸から血中に取り込まれた鉄はトランスフェリンに
2
0
0
2年 に 筆 者 ら の グ ル ー プ が 最 初 に 記 載 し た MILL
結合し骨髄などに運ばれる.トランスフェリンは細胞表面
(MHC class I-like located near the leukocyte receptor com-
の TfR に結合してエンドサイト ー シ ス さ れ,ト ラ ン ス
plex)は,MILL1,MILL2の二つのメンバーからなるクラ
フェリンに結合した鉄が細胞内に取り込まれる.HFE は
ス Ib 分子で,配列的には MICA,MICB と最も相似性が高
トランスフェリン/TfR 結合の制御に関わっており,間接
い58).MILL ファミリーはげっ歯類には存在するが,ヒト
的に鉄輸送を制御している.HFE には遺伝性ヘモクロマ
では欠失している59).逆に,げっ歯類では MICA,MICB
トーシスに関連するいくつかの変異が知られている.その
分 子 が 欠 失 し て い る.こ の た め,当 初,MILL が ヒ ト
1
9
7
2
0
0
9年 3月〕
MICA,MICB の機能的ホモログである可能性が想定され
を示唆している.
たが,この可能性はその後否定された.MILL1,MILL2
は三つの細胞外ドメイン(α1∼α3)と β2m を持ち,GPI
b)クラス Ib 分子の起源
で細胞表面に結合している.細胞表面への移行が TAP 機
クラス Ia 分子が顎を有するすべての脊椎動物の綱(哺
能に依存しないことから,ペプチド性のリガンドを結合し
乳類,鳥類,爬虫類,両生類,硬骨魚類,軟骨魚類)に存
ないと考えられ,その機能はペプチド断片の提示ではない
在するのに対し,表1に示したクラス Ib 分子の大部分は
と推測される .最近,創傷治癒に関与している可能性,
哺乳類だけに存在する67,68).哺乳類以外で存在が確認され
細胞代謝に関与する可能性が指摘された .
ているクラス Ib 分子は,最近,ニワトリに存在すること
6
0)
6
1)
胚盤胞(blastocyst)および子宮に発現する blastocyst MHC
が確認された CD1と EPCR のみである(図269∼72))
.非哺
は,ヒトには遺伝的オーソログが存在しないマウスのクラ
乳類では,クラス Ib 分子の機能的解析がなされていない
ス Ib 分子である.α1∼α3ドメインまでを持つ bc1と,α2
ため,非哺乳類に哺乳類クラス Ib 分子の機能的ホモログ
ドメインを欠くスプライシングバリアント bc2が報告され
が存在するか否かは不明である.鳥類,両生類,硬骨魚類
ている.bc1の細胞表面発現は β2m 依存的であり ,TAP
では数多くのクラス Ib 遺伝子が同定されているが,その
依存的でもあることから ,β2m と会合し,ペプチド断片
多くは各綱の動物で独立に誕生したものである可能性が高
を結合することが示唆されている.また,組織発現パター
い.
6
2)
6
3)
ンの類似性からも,マウスにおける HLA-G の機能的ホモ
ロ グ で あ る 可 能 性 が 考 え ら れ て い る.さ ら に,bc2が
5. お
わ
り
に
HLA-G のスプライシングバリアント HLA-G2と同様のド
ヒトとマウスのゲノム解読が終了し,これらの生物種に
メイン構造であることも興味深い点である.HLA-G は先
存在するクラス Ib 分子の全貌が明らかになった.クラス
述のように免疫担当細胞に抑制性のシグナルを入れるが,
Ib 分子は,免疫学の世界で常にスポットライトを浴びて
blastocyst MHC も NK 細胞に抑制性のシグナルを入れるこ
きたクラス Ia 分子に較べると,地味な脇役的存在であっ
とが報告されている63).
た.しかし,最近になり,急に脚光を浴びるようになっ
H2-T 領域でコードされるマウス TL(thymic leukemia)
た.特に,糖脂質を T 細胞あるいは NKT 細胞に提示する
抗原は腸管上皮細胞に発現されている.TL は腸管上皮細
CD1ファミリー,NKG2D リガンドとして機能するクラス
胞 間 リ ン パ 球,特 に,CD8αα を 発 現 す る αβ T 細 胞64)と
Ib 分子の発見が免疫学に与えたインパクトは大きい.今
γδ T 細胞 によって認識される.構造的には,ペプチド結
後,クラス Ib 分子の構造と機能,疾患における役割の解
合溝が狭いため,ペプチド性のリガンドは結合できないと
明がさらに進展することが期待される.
6
5)
考えられている66).
4. クラス Ib 分子の進化と起源
a)クラス Ib ファミリーの進化学的な特徴
クラス Ib ファミリーの特徴として,まず挙げられるの
は,柔軟性,可塑性に富むということである.クラス Ib
ファミリーのメンバーが多様な免疫機能を担い,さらに
は,非免疫機能まで持ちうるのは,実に進化の妙である.
これは,クラス I 分子の構造が多目的に転用可能な融通の
きくものであることを物語っている.
他の特筆すべき特徴としては,種を越えての保存性が概
して低いことが挙げられる.ヒトには存在するがマウスに
は存在しない遺伝子や,その逆のパターンを示す遺伝子が
少なからず存在する(表1)
.この現象は,多くの場合,
哺乳類の共通祖先の段階で存在していた遺伝子が,種分化
の過程で選択的に失われたことで説明できる.また,すで
に述べたように,遺伝的オーソログは存在しなくても,機
能的ホモログが存在する場合がある.ヒトの HLA-E 分子
とマウスの Qa-1分子がその例である.これらの特徴は,
各生物種のクラス Ib 分子が臨機応変に進化してきたこと
文
献
1)Murphy, K., Travers, P., & Walport, M.(2
0
0
8)Janeway’
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1
0)Endo, S., Sakamoto, Y., Kobayashi, E., Nakamura, A., &
Takai, T.(2
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1
1)Shiroishi, M., Kuroki, K., Ose, T., Rasubala, L., Shiratori, I.,
Arase, H., Tsumoto, K., Kumagai, I., Kohda, D., & Maenaka,
K.(2
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2)Pamer, E.G., Wang, C.R., Flaherty, L., Lindahl, K.F., & Bevan,
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3)Lindahl, K.F., Byers, D.E., Dabhi, V.M., Hovik, R., Jones, E.P.,
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8)Miley, M.J., Truscott, S.M., Yu, Y.Y., Gilfillan, S., Fremont, D.
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0
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0,
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0
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0―6
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1
9)Hansen, T.H., Huang, S., Arnold, P.L., & Fremont, D.H.
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0
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(2
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2)Matsuda, J.L., Mallevaey, T., Scott-Browne, J., & Gapin, L.
(2
0
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0
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4)Zhou, D., Mattner, J., Cantu, C., 3rd, Schrantz, N., Yin, N.,
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B., Teyton, L., & Bendelac, A.(2
0
0
4)Science, 3
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7
8
6―
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5)Porubsky, S., Speak, A.O., Luckow, B., Cerundolo, V., Platt, F.
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7)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1
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6)Speak, A.O., Salio, M., Neville, D.C., Fontaine, J., Priestman,
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F., Exley, M.A., Cerundolo, V., & Platt, F.M.(2
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7)Proc.
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7)Moody, D.B., Zajonc, D.M., & Wilson, I.A.(2
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5)Nat. Rev.
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8)Bahram, S., Bresnahan, M., Geraghty, D.E., & Spies, T.(1
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9)Groh, V., Bahram, S., Bauer, S., Herman, A., Beauchamp, M.,
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6)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 9
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4
5
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0)Bauer, S., Groh, V., Wu, J., Steinle, A., Phillips, J.H., Lanier,
L.L., & Spies, T.(1
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9)Science,2
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1)Wu, J., Groh, V., & Spies, T.(2
0
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2)J. Immunol ., 1
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2)Stern-Ginossar, N., Gur, C., Biton, M., Horwitz, E., Elboim,
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〔生化学 第8
1巻 第3号
(2
0
0
8)Nat. Immunol .,9,1
0
6
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3)Cerwenka, A., Bakker, A.B., McClanahan, T., Wagner, J., Wu,
J., Phillips, J.H., & Lanier, L.L.(2
0
0
0)Immunity, 1
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2
1―
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2
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4)Takada, A., Yoshida, S., Kajikawa, M., Miyatake, Y., Tomaru,
U., Sakai, M., Chiba, H., Maenaka, K., Kohda, D., Fugo, K., &
Kasahara, M.(2
0
0
8)J. Immunol .,1
8
0,1
6
7
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6
8
5.
3
5)Cosman, D., Mullberg, J., Sutherland, C.L., Chin, W., Armitage, R., Fanslow, W., Kubin, M., & Chalupny, N.J.(2
0
0
1)
Immunity,1
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2
3―1
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6)Li, P., Morris, D.L., Willcox, B.E., Steinle, A., Spies, T., &
Strong, R.K.(2
0
0
1)Nat. Immunol .,2,4
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3―4
5
1.
3
7)Li, P., McDermott, G., & Strong, R.K.(2
0
0
2)Immunity, 1
6,
7
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6.
3
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0
0
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9)Waldhauer, I., Goehlsdorf, D., Gieseke, F., Weinschenk, T.,
Wittenbrink, M., Ludwig, A., Stevanovic, S., Rammensee, H.
G., & Steinle, A.(2
0
0
8)Cancer Res.,6
8,6
3
6
8―6
3
7
6.
4
0)Ogasawara, K., Hamerman, J.A., Ehrlich, L.R., Bour-Jordan,
H., Santamaria, P., Bluestone, J.A., & Lanier, L.L.(2
0
0
4)Immunity,2
0,7
5
7―7
6
7.
4
1)Hue, S., Mention, J.J., Monteiro, R.C., Zhang, S., Cellier, C.,
Schmitz, J., Verkarre, V., Fodil, N., Bahram, S., CerfBensussan, N., & Caillat-Zucman, S.(2
0
0
4)Immunity, 2
1,
3
6
7―3
7
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2)Stephens, H.A.(2
0
0
1)Trends Immunol .,2
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3)Simister, N.E. & Mostov, K.E.(1
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6
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6)Ye, L., Liu, X., Rout, S.N., Li, Z., Yan, Y., Lu, L., Kamala, T.,
Nanda, N.K., Song, W., Samal, S.K., & Zhu, X.(2
0
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8)J. Immunol .,1
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7)Riewald, M., Petrovan, R.J., Donner, A., Mueller, B.M., & Ruf,
W.(2
0
0
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8)Oganesyan, V., Oganesyan, N., Terzyan, S., Qu, D., Dauter, Z.,
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7.
5
5)Sanchez, L.M., Chirino, A.J., & Bjorkman, P.(1
9
9
9)Science,
2
8
3,1
9
1
4―1
9
1
9.
5
6)Hassan, M.I., Waheed, A., Yadav, S., Singh, T.P., & Ahmad,
F.(2
0
0
8)Mol. Cancer Res.,6,8
9
2―9
0
6.
5
7)Hassan, M.I., Bilgrami, S., Kumar, V., Singh, N., Yadav, S.,
Kaur, P., & Singh, T.P.(2
0
0
8)J. Mol. Biol .,3
8
4,6
6
3―6
7
2.
2
0
0
9年 3月〕
5
8)Kasahara, M., Watanabe, Y., Sumasu, M., & Nagata, T.(2
0
0
2)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,9
9,1
3
6
8
7―1
3
6
9
2.
5
9)Watanabe, Y., Maruoka, T., Walter, L., & Kasahara, M.(2
0
0
4)
Eur. J. Immunol .,3
4,1
5
9
7―1
6
0
7.
6
0)Kajikawa, M., Baba, T., Tomaru, U., Watanabe, Y., Koganei,
S., Tsuji-Kawahara, S., Matsumoto, N., Yamamoto, K., Miyazawa, M., Maenaka, K., Ishizu, A., & Kasahara, M.(2
0
0
6)
J. Immunol .,1
7
7,3
1
0
8―3
1
1
5.
6
1)Rabinovich, B.A., Ketchem, R.R., Wolfson, M., Goldstein, L.,
Skelly, M., & Cosman, D.
(2
0
0
8)Immunol. Cell. Biol ., 8
6,
4
8
9―4
9
6.
6
2)Tanaka, T., Ebata, T., Tajima, A., Kinoshita, K., Okumura, K.,
& Yagita, H.(2
0
0
5)Biochem. Biophys. Res. Commun., 3
3
2,
3
1
1―3
1
7.
6
3)Tajima, A., Tanaka, T., Ebata, T., Takeda, K., Kawasaki, A.,
Kelly, J.M., Darcy, P.K., Vance, R.E., Raulet, D.H., Kinoshita,
K., Okumura, K., Smyth, M.J., & Yagita, H.(2
0
0
3)J. Immunol .,1
7
1,1
7
1
5―1
7
2
1.
6
4)Leishman, A.J., Naidenko, O.V., Attinger, A., Koning, F., Lena,
C.J., Xiong, Y., Chang, H.C., Reinherz, E., Kronenberg, M., &
Cheroutre, H.(2
0
0
1)Science,2
9
4,1
9
3
6―1
9
3
9.
1
9
9
6
5)Van Kaer, L., Wu, M., Ichikawa, Y., Ito, K., Bonneville, M.,
Ostrand-Rosenberg, S., Murphy, D.B., & Tonegawa, S.(1
9
9
1)
1
5.
Immunol. Rev.,1
2
0,8
9―1
6
6)Liu, Y., Xiong, Y., Naidenko, O.V., Liu, J.H., Zhang, R.,
Joachimiak, A., Kronenberg, M., Cheroutre, H., Reinherz, E.L.,
& Wang, J.H.(2
0
0
3)Immunity,1
8,2
0
5―2
1
5.
6
7)Flajnik, M.F., & Kasahara, M.(2
0
0
1)Immunity,1
5,3
5
1―3
6
2.
6
8)Kasahara, M., Suzuki, T., & Pasquier, L.D.(2
0
0
4)Trends Immunol .,2
5,1
0
5―1
1
1.
6
9)Salomonsen, J., Sorensen, M.R., Marston, D.A., Rogers, S.L.,
Collen, T., van Hateren, A., Smith, A.L., Beal, R.K., Skjodt,
K., & Kaufman, J.(2
0
0
5)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1
0
2,
8
6
6
8―8
6
7
3.
7
0)Miller, M.M., Wang, C., Parisini, E., Coletta, R.D., Goto, R.M.,
Lee, S.Y., Barral, D.C., Townes, M., Roura-Mir, C., Ford, H.
L., Brenner, M.B., & Dascher, C.C.(2
0
0
5)Proc. Natl. Acad.
Sci. USA,1
0
2,8
6
7
4―8
6
7
9.
7
1)Maruoka, T., Tanabe, H., Chiba, M., & Kasahara, M.(2
0
0
5)
Immunogenetics,5
7,5
9
0―6
0
0.
7
2)Zajonc, D.M., Striegl, H., Dascher, C.C., & Wilson, I.A.
(2
0
0
8)Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1
0
5,1
7
9
2
5―1
7
9
3
0.