離婚塾 せめてこれだけは知っておきたい! 離婚マニュアル Copyright ホライズンパートナーズ法律事務所 弁護士 荒井里佳 弁護士 髙井重憲 弁護士 坂東利国 電話 03−5425−7431 ※ 転載・複製を禁ず © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 1 離婚塾 離婚虎の巻 《目次》 1 離婚問題にどう向き合うか? 1−1 離婚で決める必要のあること 1−2 離婚したいとお考えの方へ 1−3 「離婚したい」と言われてしまっている方へ 《コラム》 離婚届を勝手に出されてしまわないか心配です・・・という方へ 2 離婚の種類 2−1 離婚の種類 2−2 協議離婚 2−3 調停離婚 2−4 裁判離婚 《コラム》 裁判で公に知らしめてやりたい!? 3 別居期間中の関係 3−1 同居義務 3−2 婚姻費用 《コラム》 婚姻費用はいつから請求できる? 4 離婚と子ども 4−1 親権 4−2 養育費 4−3 面接交渉 5 離婚とお金 5−1 財産分与 5−2 慰謝料 5−3 年金分割 《コラム》 離婚した後も生活費が欲しい 6 離婚塾サポートメニュー 6−1 離婚塾について 6−2 サポートメニュー・弁護士費用 6−3 担当弁護士プロフィール 《コラム》 離婚相談は最初から弁護士にしておいた方が良い? © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 2 1 離婚問題にどう向き合うか? 1−1 離婚で決める必要のあること このマニュアルでは、離婚を考えているけれどもどうしていいかわから ない、突然離婚したいと言われてしまって、どうしていいかわからない、 というお悩みを抱えていらっしゃる方のために、離婚について様々な情 報を提供しています。 離婚問題に向き合うにあたって、まず最初に押さえていただきたいポイ ントは、離婚で考える必要があるのは、3テーマ、8トピックだということで す。 具体的には、次の様に整理することができます。 離婚 同意or 離婚理由 離婚問題解決 羅針盤 お金 子ども 財産分与 親権 慰謝料 養育費 年金分割 面会交流 婚姻費用 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 3 まず3テーマというのは、①離婚自体、②子ども、③お金の3つで す。そして、それぞれのテーマについてトピックがあります。 最初に問題となるのは「離婚するのか否か」、という点です。 離婚は、当事者が合意した場合、もしくは法律で定められている離 婚理由がある場合に限って認められます。 そのため、離婚について合意ができるのか、もしくは法律上の離婚 理由があるのか、という点は非常に重要なポイントになってきます。 次に、図表の右下にあるように、未成年のお子さんがいらっしゃる場 合にはお子さんの関係が問題となってきます。 具体的には、①父母のどちらが親権者になるのか、②養育費は 月々いくら支払うのか、③親権者でない親と子の面会はどのような ルールで行うのか、などの点について決める必要が出てきます。 3点目として、図表の左下にあるお金の問題があります。 離婚にあたってお金が問題となるのは、①財産分与、②慰謝料、 ③年金分割の3つです。もっとも、年金分割はあくまでも将来の年金 に関する合意ですので、離婚するにあたって問題となる金銭の授受 は財産分与か慰謝料か、どちらかの根拠に基づくことになります。 また、あえて図表の中でお金の問題にくっつける形ではありますが、 別の円の中に「婚姻費用」というものを記載してあります。 婚姻費用というのは、簡単にいってしまうと「別居中の生活費」をい くら払うかという問題です。 お金に関係する問題である事は間違いないのですが、離婚する、 しないにかかわらず別居していれば発生する問題ですので、別の枠 にして整理してあります。 このように、離婚の問題を考えるにあたっては、3テーマ、8トピックが 問題となります。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 4 もっとも、最低限離婚の合意ができて、未成年の子の親権者が決ま れば、離婚届けを出して離婚を成立されること自体は可能です。 しかし、他の点が決まらなければ離婚の合意自体ができないとなって しまう場合もありますし、後々トラブルになる可能性も大きくなります。です から、これらの点は、できる限り離婚の時点でしっかり決めておいた方が 良いといえるでしょう。 そこで、次に、離婚したいと考えている場合と離婚したいと言われてし まった場合、それぞれの場合に、これらの3テーマ、8トピックをどのように 考えれば良いのかについて、ご説明していきます。 1−2 離婚したいとお考えの方へ 離婚したいと考える場合、まず重要なのは、離婚について相手が応 じてくれそうか否か、また、離婚理由があるか否かです。 先ほども書きましたが、離婚するためには、相手と離婚について合意 するか、もしくは離婚訴訟を起こして離婚理由があることを認めてもらう必 要があります。 この点、離婚したいというこちらの希望に対する相手方の対応としては 次の様に3パターンがあり得ます。 こちらの意思 相手の意思 ①離婚したくない 離婚したい ②離婚しても良い ③離婚したい © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 5 仮に相手方が断固拒否する意思だった場合、離婚訴訟が不可避 となります。この場合、離婚理由があるか否かは大きく影響します。 離婚理由があるような場合であれば、むしろ早めに離婚訴訟を提起し た方が、早期解決につながる可能性もあり得るところです。他方で、仮 に離婚理由がないような場合で、なおも離婚をしたいとお考えの場合に は、お金の面や子どもの関係で大幅譲歩し、相手方の気持ちを変えて いくことを考えなければなりません。 いずれにしても、離婚理由の有無を含め、法的な検討を丁寧に行う ことが重要ですので、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。 これに対し、「離婚自体はかまわない」と同意してくれているように見え るケースも少なくありません。 ただ、ここで注意が必要なのは、「離婚自体はかまわない」の前に、 暗に「条件が整えば」という前提条件が付け加えられていることがあり 得る点です。 端的に言ってしまえば、離婚するか以外の、子どもの関係や、お金の 問題について、納得できる条件を出すならば別れるけれど、そうでない ならば別れない、という場合で、実際にはこのパターンになることが非 常に多くなっています。 このような場合、相手の求める条件と折り合う事ができれば話はス ムーズですが、条件面で折り合いが付かなければ結局は相手が離婚 を拒否しているケースと同じことになってしまいます。相手方の求める条 件が高すぎる場合など、協議離婚を目指して進捗が見られない場合 には、調停を利用したり、さらにはその先の訴訟を検討する必要がある 場合も十分あり得ます。相手方の対応が、「条件次第では離婚する」 というような場合、離婚自体は合意できた!と安心していると思わぬ泥 沼にはまり込みかねませんので注意が必要です。 いずれにしても、訴訟まで行わざるを得なくなるリスクを考えると、なんと か条件面で折り合いを付けることが好ましいといえます。ただ、どのよう な条件を提示すれば良いのかは相手の希望もふまえ、できる限り具体 的に、まとまる可能性のある提案を慎重に選んでいく必要があります。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 6 その際、交渉にあたって重要な前提になってくるものに、いわゆる「相 場」というものがあります。仮に訴訟や調停になった場合に、どの程度の 条件になってくるかは交渉を進めていく上で重要です(なお、特に女性 の方が離婚を希望される場合には、見込める条件では離婚後の生活 が成り立たなくなるとして、離婚をあきらめざるを得ない場合もあり得る点 は注意が必要です)。 相手が離婚に応じるか否かが条件如何にかかってしまっている場合、 条件の水準や条件の提示の仕方などを考える上ではやはり経験のある 専門家のアドバイスは重要になってきます。 離婚の条件の設定やその提示の仕方、さらには交渉がまとまらなかっ た場合の手続きの見通しなども含め、早めに一度弁護士に相談して、 離婚に向けた戦略を構築しておく事が重要です。 これに対し、特に大きな問題なく条件面も合意できた場合には、離婚 届を提出する事で離婚は成立します。ただ、この場合でも、条件面で漏 れがないかは各トピックについてチェックが必要です。 また、最終的に離婚の条件を決めた合意書(場合によっては公正証 書)を作成し、後々のトラブルを避ける事が重要です。 1−3 「離婚したい」と言われてしまっている方へ 突然相手方から離婚を切り出されてしまった、不幸にしてこのような事 態に陥ってしまった場合、どのように対応をすべきでしょうか。 ここで、一番大切にすべきなのはご自身の気持ちである事は間違いあ りません。 ご自身のお気持ちとじっくり向き合った上で、離婚しても良いかな、とい う思いになれれば、お金の面や子どもの面での希望する条件を考えて みるべきでしょう。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 7 これに対し、考えてみたけれどやはり離婚には応じられないという場合も 十分あり得るところです。 もちろん、人生の一大事、納得できない思いを無理に納得して離婚に 応じる必要はないでしょう。 ただ、そのときに一つだけ頭の片隅に留めておいていただきたい点があ ります。それは、拒否を続けていても、相手が訴訟を起こしてくれば、いつ かは離婚が認められてしまうという点です。もちろん今すぐというわけでは なく、長い場合であれば、それは10年や20年先のことかもしれません。 ただ、未来永劫離婚が認められないと言う事は残念ながらありません。 仮に訴訟で離婚が認められる見通しになってしまえば、離婚の条件と しては不利な立場に置かれてしまう事は避けられないところです。もしも離 婚を拒んでいても夫婦関係の修復は困難だとすれば、場合によっては 百歩譲って、より有利な条件で離婚に応じるという決断をされた方が良 いと感じられる場合もありうるところです。 いずれにしても、離婚にあたってどういう条件があり得るのかということや、 もっと具体的に、慰謝料はどれくらいもらえるのか、養育費はいくらくらい が妥当なのか、といった点はよくわからない、というのが普通です。ただ、 なにもわからない中で、迷っていても決して良い事はありませんし、適切 な判断ができるとも思えません。ご相談いただければ全体的な離婚の 条件の見通しについてお示しすることが可能です。 まずは相談してみた上で、考えていく方が良い場合も多いでしょう。 《コラム》 離婚届を勝手に出されないか心配です・・・という方へ 離婚届を出すこと自体、実はそんなに難しいことではありません。簡単 に言ってしまえば、記入見本に従って記入し、判子を押して、保証人に 必要事項を書いてもらって提出するだけです。 判子は認め印でまったく問題ありません。保証人についても親族でな ければならない等の制限もありません。離婚届の体裁を整えて、提出を すること自体は実際には簡単にできてしまうのが実情です。 このような実情ですから、中には実際には離婚が合意できていないの © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 8 に体裁だけ整えて、離婚届けを勝手に出そうとする人も出てくることが あります。 法律的には偽造して勝手に出されてしまった離婚届は無効です。た だ、その場合にも裁判で争う必要があります。 そこで、相手方に勝手に離婚届けを出されないようにしておくために、 「不受理の申出」という制度が設けられています。これは、役所に対し て、離婚届けが提出されても受理しないでもらいたい、という届け出を しておくことで、不受理申出を取り下げるまでは離婚届けが受理されな くなるという制度です。相手方が勝手に離婚届けを出す危険があるよ うな場合には届け出をしておくことも検討すべきでしょう。 なお、不受理制度は以前は6ヶ月間という有効期間がありました。し かし、その後改正され、現在は取り下げるまでは効力が継続します。 一部のホームページ等では改正前の情報が載っているところもありま すので注意が必要です。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 9 2 離婚の種類 2−1 離婚の種類 離婚には大きく分けると3つの方法があります。 (1)協議離婚、(2)調停離婚、(3)裁判離婚の3つの方法です。 離婚をしたいと考えた場合、基本的には次の図のような形で、進んでいく ことになります。 簡単にご説明すると、多くのケースでは、離婚はまずは話し合いからス タートします。夫婦のどちらかが離婚したいと考えるようになり、相手に離 婚したいという希望を伝えます。そして、夫婦の間で話し合いをして、離婚 すること自体とそれに付随して子どもの親権や財産分与の額などで合意 ができれば、夫婦それぞれが離婚届にサインをして離婚届を提出します。 これが(1)協議離婚と呼ばれるものです。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 10 しかし、当事者同士で話し合うだけでは合意ができないケースも多いの が現状です。離婚自体に同意されなかったり、慰謝料の支払いで折り 合いが付かなかったりすることもありますし、そもそも話し合いの席にすら着 いてもらえないこともあります。このようなときには家庭裁判所に離婚調停 を申し立てて、裁判所(より正確には調停委員と呼ばれる人)に間に入っ てもらって離婚に向けた話し合いを行う方法があります。そして、ここで離 婚にあたっての条件で合意ができれば、離婚が成立します。これが(2) 調停離婚と呼ばれるものです。 もっとも、調停もあくまでもお互いの合意を目指すという点では協議離婚 と同様ですから、お互いに離婚についての条件で折り合いが付かなけ れば離婚することはできません。このように、相手方があくまでも離婚自体 を拒否していたり、財産分与や慰謝料の額などで折り合いが付かないよ うな場合には、一定の条件を満たせば、合意がなくとも、判決によって強 制的に離婚を成立させることができます。これが(3)裁判離婚と呼ばれる ものです。 このように、離婚には大きく分けて3つの方法がありますが、(1)協議離 婚、と(2)調停離婚、については当事者の合意による離婚であるのに対 し、(3)裁判離婚は合意ではなく判決によって一方的に命じられる離婚 である点が異なります。また、(1)協議離婚は裁判所を介しない手続き なのに対し、(2)調停離婚と(3)裁判離婚は裁判所が関与する離婚手 続きであるという点が異なることになります。 合意が必要 協議離婚 裁判所なし 合意不要 調停離婚 裁判離婚 裁判所を利用 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 11 2−2 協議離婚 1 協議離婚とは 協議離婚とは、夫婦が話し合いによって離婚をすることに合意することを 言い、離婚届けを市区町村の役場に提出することで離婚が成立します。 離婚届けを提出する際には、未成年の子がいる場合には親権者を記 載する必要がありますので、この点についても合意が必要です。 2 協議離婚のメリット・デメリット (メリット) 協議離婚は夫婦が話し合いを行うだけで第三者が関与もしませんので、 手続きは簡単ですし、費用もかかりません(後でご説明するように公正証 書を作成する場合はそのための費用はかかります)。 (デメリット) ①当事者だけで話し合いが行われますので、離婚することと親権者を決 める以外の事項、例えば養育費の支払いなどについて十分な話し合い が行われないまま離婚が成立してしまう危険性があります。また、いった んは合意しても、そのことについて合意書面などが作成されないことも多く、 後々言った、言わないなどの形でトラブルになることがあります。 ②当事者だけで話し合いを行うため、感情的になってしまい、かえって話 し合いが進まないことがあります。 3 協議離婚を行う場合の注意点 協議離婚については上記のようなデメリットがありますので、話し合いを する際に、離婚以外の条件(子どもに関するもの、お金に関するもの)も しっかりと話し合って合意した上で、合意書としてまとめておくことが重要で す。なお、公証役場で強制執行を受けても異議がない旨を付した公正 証書を作成しておくと裁判を経ずに預金や給与を差し押さえることができ ます。 当事者だけで離婚の話し合いをしていてもなかなか話し合いが進展し ないような場合には、弁護士に依頼し代理人として交渉してもらったり、家 庭裁判所に調停を申し立てたりすることを早めに検討することが必要です © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 12 (なお、調停については離婚を目指す場合だけでなく、円満に解決し復 縁することを目指す調停もあります)。 4 協議離婚と弁護士 協議離婚については手続きとして簡単なので、ご自身で進めてしまう ケースも多いように思います。しかし、話し合いの中でしっかりと決めてお かないと後でかえって大きなトラブルに発展する危険性もあります。 そのため、事前に弁護士に相談し、どのような条件での離婚をめざし、 またどのような条件が妥当なのかについてしっかりと把握しておくことが重 要です。 また、離婚の条件が合意できた際には、合意書を作成しておくことが重 要ですが、間違いや記載漏れがあっては後々のトラブルの元ですので、 弁護士に作成を依頼することでそのようなリスクは回避できます。なお、公 正証書を作成する場合にも原案を作成し、必要な手続き等についてアド バイスが可能です。 この他、感情的な対立があり、当事者同士ではなかなかスムーズな話 し合いができないような場合や、なかなか自分の希望が伝えられないよう な場合には、代理人として弁護士が入ることで交渉がスムーズに進み始 めることもあります。協議離婚手続きにおいても代理人として活動すること は非常に有効です。 いずれにしても、最近は離婚に向けた協議を進めている段階からご相 談いただくことが増えて来ており、結果的に有利な解決につながっている ケースは少なくありません。依頼する必要がないケースも多いかとは思い ますが、まずは一度ご相談される事をお勧めています。 2−3 調停離婚 1 調停離婚とは? 夫婦で離婚について話し合いを行っても協議が整わない場合に、家 庭裁判所に調停を申し立て、調停手続きの中で離婚をすることを言いま す。協議が整わない場合には、離婚するかという点で合意できない場 合だけでなく親権や養育費、財産分与や慰謝料の額などで折り合わな い場合も含みます。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 13 調停は、裁判所で行う手続きではありますが、訴訟のように強制的に 決着をつける制度ではなく、あくまでも話し合いによる解決を目指す手続 きですので、お互いが合意できない場合には離婚は成立しません(例外 的に審判による離婚という制度もありますが、非常に珍しいケースで す。) なお、離婚事件の場合、訴訟を起こす前に必ず調停による解決を目 指すことが必要とされており、いきなり訴訟によって離婚を求めることはでき ません(「調停前置」と言います)。 2 調停の申立 調停は夫婦のどちらかが申立を行うことによって始まります。 ① 申立を行う家庭裁判所は? 原則として相手方の住所を管轄する家庭裁判所になります。例えば、 別居していて千葉県内の実家に帰っている妻が23区内に住む夫を相 手に離婚調停を起こす場合には東京家庭裁判所に申し立てる必要が あります。 ② 申立にかかる費用は? 裁判所に申立を行う際に、収入印紙を1200円分貼る必要があります。 また、相手方に呼び出し書類を送るため、郵便切手を納付する必要が あります(金額は各地の裁判所によって異なりますが1000円前後のこと が多いです)。 ③ 申立のときに必要な書類は? 申立書に必要事項を記載する他、戸籍謄本が1通必要です。 ④ 調停において求めることができる内容は? 離婚をすることの調停の他、親権者の指定、養育費、財産分与、年 金分割、慰謝料などの請求が併せて申し立てされることが一般的です。 申立に当たっては具体的に請求する金額を記載する必要がありますが、 どの程度請求するかについてはできる限り事前に弁護士に相談しておい た方が好ましいと言えます。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 14 3 調停の申立後の流れ 1)期日の決定 調停を申し立てると、しばらくして裁判所から連絡が入り、第1回目の期 日が決まります。概ね申立から1ヶ月から1ヶ月半程度の時期に指定さ れることが多いですが、混雑状況等によってはもう少し先になることもあり 得ます。 2)呼出状送付 その後、裁判所から相手方に呼出状が送付されます。 3)期日 調停期日が行われ、次回からは概ね1ヶ月から1ヶ月半に一度程度 のペースで期日が指定されます。 4)調停の成立・不成立 統計によると、半年間(4回程度)で調停が成立するかまたは成立の 見込みがないということで、不成立という形で調停手続きは終了すること が多くなっています。 5)調停後の手続き 離婚調停が成立すると、裁判所で調停調書というものが作成されます。 調停成立後10日以内に市区町村の役場に対し、調停調書の謄本を 添えて離婚届を提出することになります(基本的には申立人が行うことに なりますが、申立人が行わない場合には相手方が行うことができます)。 調停が不成立となった場合、裁判で離婚を求める場合には、調停不成 立証明書を提出する必要があるので、これを取得しておく必要があります。 4 調停期日におけるやりとり 調停は、話し合いを行うための手続きですので、テレビドラマで見るよう な法廷ではなく、会議室のような部屋で行われます。 裁判所が選んだ2人の調停委員(男女それぞれ一人)が事件を担当 し、双方から話を聞いて意見の調整に取り組みます。通常は、双方が同 席するのではなく、交互に部屋に呼ばれて意見を聞かれることになります (相手方が話しをしている間は控え室で待機することになります。)。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 15 5 離婚調停のメリット・デメリット (メリット) 知識と経験を有する調停委員が間に入って話し合いを行うため、当事 者だけで話し合うよりもスムーズに話し合いができることがあります。また、 合意に向けて重要な点が漏れてしまう危険性も相対的には低く、合意が 成立した場合にはその内容が調停調書として記載され、仮に相手が合 意した金銭を支払わなかったような場合には調停調書によって差し押さえ が可能となります。 (デメリット) 裁判所の期日の調整が必要のため、調停の期日が入るのは1ヶ月な いし1ヶ月半に1回程度となってしまいますので協議離婚と比べればどうし ても時間がかかってしまう点が指摘できます。また、あくまでも話し合いによ る解決が前提ですので、相手方が全くその意思を示さないような場合に は問題は解決しないことになります。 6 離婚調停と弁護士 調停はあくまでも話し合いの手続きですし、調停委員が間に入るため、 弁護士を代理人としなければ手続きができないというものではありません。 しかし、調停委員はあくまでも中立的な立場ですから、あなたの味方と して相手を説得してくれるとは限りません(残念ながら、当初はご本人がお 一人で調停に出席していたけれども、調停委員が話を聞いてくれないと して後から代理人としてご依頼を受けることも少なくありません)。弁護士 が代理人として同席し、あなたに代わって意見や希望を調停委員に伝え ることが可能になります。相手方が代理人をつけているような場合には、 法的な議論も積極的にされますので、こちらも代理人を付けた方が良い ケースが多いでしょう。また、相手方が代理人を付けていない場合であ れば付ける事で有利になる可能性があるといえます。 その他、双方が弁護士を代理人として選任しているようなケースでは、 期日では不明だった点について期日の間に確認したり、調整を図ることも あります。事案によっては弁護士に依頼することでスピーディーに解決でき ることもあります。 なお、弁護士を代理人として選任した場合であっても基本的に調停期 日には同席していただく必要があります。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 16 2−4 裁判離婚 1 裁判離婚とは 裁判離婚とは、当事者間で離婚について合意ができない場合に、家 庭裁判所に離婚訴訟を起こし、判決によって離婚することをいいます。な お、離婚について合意ができない場合とは、離婚については合意できて も財産分与や親権者などが合意できない場合を含みます。 協議離婚や調停離婚については夫婦間で合意ができなければ離婚 はできませんが、裁判離婚では、一方が離婚を拒絶していても、判決に より強制的に離婚が成立することになります。もっとも、そのように一方が 拒絶していても離婚が認められるためには、法律上定められている一定 の要件を満たすことが必要です。 2 離婚訴訟の提起 1)調停前置主義 離婚訴訟によって離婚を希望する場合であっても、いきなり離婚訴訟を 提起することは認められていません。調停手続きで話し合いを行い、そこ で協議が整わなかったことが必要とされています(「調停前置」といいま す。)。 2)費用 訴訟を起こすにあたっては実費として収入印紙と切手を納付する必要 があります。 納付する印紙額は離婚だけを請求する場合は1万3000円ですが、慰 謝料をあわせて請求する場合には、その請求額によって金額が増加する ことがあります(例えば300万円の慰謝料を請求する場合には2万円に なります)。これに、財産分与を請求する場合には1200円が、養育費を 請求する場合には子ども1人について1200円が加算されます。切手に ついては裁判所によってその金額が異なりますが、東京家裁の場合600 0円とされています。 3)訴える先の裁判所はどこか 夫婦のどちらかの住所地を管轄する裁判所になります。例えば、別居 中で夫が東京都に、妻が千葉県に住んでいる場合、東京家庭裁判所、 千葉家庭裁判所のどちらかに訴訟を起こすことになります。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 17 4)必要な書類はなにか 訴えを起こすには、訴状という書面を2通裁判所に提出することになりま す。そのほか、戸籍謄本、調停が不成立になったことの証明書を提出す るとともに、こちらの言い分を裏付ける証拠を提出することになります。 3 離婚が認められるための要件は 裁判離婚は、夫婦の一方が離婚を拒んでいても判決によって強制的 に離婚が認められる制度です。そのため、判決で離婚が認められるため には法律上の要件を満たす必要があります。 法律上は次の5つが要件として定められていますが、様々な問題点が ありますし、個々の事案によって離婚が認められるかは異なります。訴訟 をお考えの際にはまずは弁護士に相談される事をお勧めします。 1)不貞行為 配偶者以外の者との自由な意思にもとづく性交渉を言います。 継続的なものである必要はありませんし、金銭の授受を伴うものも不貞 行為にあたり得ます。もっとも、自由な意思に基づくことが必要ですので 例えば強姦の被害に遭ってしまったような場合には不貞行為にはあたりま せん。 2)悪意の遺棄 正当な理由なく同居し、夫婦として協力する義務を果たさないことを言 います。例えば相手を追い出したりすることなどが悪意の遺棄にあたりえ ます。 3)3年以上の生死不明 3年以上生存も死亡も確認できない状態が、判決の時点でも継続して いることが必要です。なお、7年以上生死不明の場合には、失踪宣告と いう制度を利用することで、配偶者が死亡したものとして婚姻関係を終 了させることも可能です。 4)強度の精神病 精神病によって夫婦の協力義務を果たすことができず、回復の見通し が立たないことが必要です。専門医の鑑定などに基づいて判断されるこ とになります。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 18 5)その他婚姻を継続し難い重大な事由 以上の4つの離婚原因が認められない場合でも、婚姻中の状況を総合 的に判断して婚姻関係が破綻していて、回復の見込みがない場合には、 離婚が認められることになります。例えば重度の虐待がある場合や犯罪 行為による服役などがある場合には離婚が認められる可能性があります。 4 離婚訴訟提起からの流れ 離婚訴訟を起こすと1ヶ月から1ヶ月半程度後に第1回目の期日が指 定され、相手方に、訴状と証拠が届けられます。 その後は相手方が答弁書という反論の書面を提出し、以後も1ヶ月か ら1ヶ月半ごとに期日が指定され、書面にて主張・反論を行ったり、証拠 を提出することになります。 双方が主張を一通り行った後で、証人尋問を行うことになりますが、そ れに先だって陳述書として、言い分をまとめた証拠を提出することが一般 的です。 証人尋問が終わると判決になります。おおむね半年から1年程度で判 決に至るケースが多いですが、事案によってはより長期間かかるケースも あり、事案によって異なります。 5 和解による離婚 訴訟を提起した後であっても、当事者双方が離婚の条件について合 意した場合、和解によって離婚となるケースもあります。離婚訴訟に至る 前の段階で、すでに調停などでも話し合いは行われていますが、最終的 な判決の見通しなどを裁判所から説明されることで、離婚に至るケース も少なくありません。 6 裁判離婚のメリット・デメリット 裁判離婚は、夫婦間で協議が整わない場合であっても判決によって 強制的に離婚に至ることができる点が最大のメリットです。 これに対し、離婚が認められるためには法律で定められている離婚原 因がなければなりません。例えば、「性格の不一致」が離婚の理由として 言われることは非常に多いですが、一般的には性格の不一致だけで裁 判で離婚が認められることは難しいと言えます。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 19 また、双方に主張・反論を繰り返し、さらには尋問まで行うことになると、ど うしても時間がかかってしまいます。場合によっては1年以上かかることも 珍しくありませんので、この点もデメリットとなりかねません。 7 裁判離婚と弁護士 裁判離婚の場合、離婚原因があることについて主張・反論を行い、ま た立証するための証拠の提出等を行う必要があります。 このような活動を適確に行うためには、十分な法律の知識と経験が不 可欠で、弁護士に依頼せずに行っていくことは一般的には難しいといえ るでしょう。離婚訴訟となってしまった場合には、速やかに弁護士に相談 されることをおすすめします。 《コラム》 裁判で公に知らしめてやりたい!? 必ずしも離婚に限った話ではないのですが、「裁判をしたい」というご希 望の場合、「あの人がやったひどいことを公開法廷ですべてを明らかにし てやりたいんです」という思いを訴えられる方がいます。 同じく裁判所で行う手続きであっても、調停は非公開の手続きですので、 部外者が見ることはできません。 これに対し、裁判は公開法廷で行われなければならないことになってい ますので、弁論という手続きや証人尋問の手続きなどは誰でも傍聴する ことが可能です。 ただ、誰でも傍聴できるといっても、有名な芸能人の離婚事件でもない 限り、傍聴人がいることの方がむしろ珍しいというのが実情です。 また、裁判自体は基本的には書面のやりとりで進んでいきますので、仮 に傍聴人がいたとしても、詳しい争いの中味まではわからないことの方が 多いといえます。 そういう意味で、裁判になったからといって、広く世間一般に離婚の争 いが知られてしまう、というわけではありません。残念ながら自分が味わっ た苦しみを世の中に知らしめてやりたい、という思いを実現することは難し いといえるでしょう。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 20 3 別居期間中の関係 3−1 同居義務 夫婦は、同居し、互いに扶助・協力する義務があります(民法752条) ので、婚姻関係が継続している限り、同居義務を負っています。 しかし、仮に相手方が離婚の意思を固めて自宅を出て行ってしまった 様な場合に、訴訟等で同居を強制する事は残念ながら認められません。 嫌がる相手方を無理矢理家に押し込める事はできないのです。 もっとも、正当な理由がないにもかかわらず、一方的に家を出て別居 状態を作った場合、離婚理由として認められている「悪意の遺棄」に該 当する可能性がありえます。出て行かれてしまった側から離婚を希望す れば認められる可能性がありますし、また、場合によっては慰謝料が認め られる場合もあり得るといえるでしょう。 この意味では法的義務である事の意義はありますが、夫婦関係が修 復不能で別居もやむを得ないと判断されるケースも少なくありませんので、 過度に同居義務違反を問題とするケースはそれほど多くありません。 3−2 婚姻費用 1 婚姻費用とは 婚姻費用とは、日常の生活費や子どもの養育費など、結婚生活から 生じるすべての費用のことを言います。 夫婦は、法律上互いに扶養する義務があり、この義務は別居期間中 であったり、離婚に向けた話し合いをしている場合であっても消えるわけで はありません。ですから、別居中であっても、収入の少ない人は、収入の 多い相手方に対して婚姻費用の支払いを請求することができます。 2 別居期間中の生活費(婚姻費用)を支払ってもらうためには 話し合いによって生活費の分担について合意することができればそれに 従うことになります。 もっとも、別居するような状態になってしまっているわけですから、話し合 いでは解決できないことも多いのが現実です。そのような場合には、家庭 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 21 裁判所に対して婚姻費用分担の調停を申し立て、調停手続きの中で 話し合いを行う方法があります。 また、調停でも合意がまとまらなければ、裁判所が審判で具体的な金 額を決めることになります。婚姻費用については調停で合意ができなけ れば自動的に審判手続きに移行します。この点は、離婚調停で離婚の 合意ができない場合、訴訟に自動的に移行するわけではない点と異 なってきます。 3 婚姻費用分担調停の申立て方法 ①どこの裁判所か? 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に行うことになります。 ②申立に必要なものは? 具体的な請求内容やこれまでの経過などを記載した申立書を作成し、 提出します。添付書類として戸籍謄本1通と、双方の住民票を提出しま す。 ③申立費用は? 収入印紙1200円分と切手(裁判所によって違いますが概ね1000円 程度)を納付する必要があります。 4 婚姻費用の算定方法 婚姻費用については、具体的な生活状況に応じて決められるのが原 則です。 もっとも、裁判官、調査官が中心となって大まかな目安をまとめた算定 表が作成されていますので一つの目安となります。夫婦それぞれの情報 と子どもの有無、年齢がわかれば目安を出すことができます。 算定表に従うと、次のような金額となります。 (ケース1) 子どもなし 夫は給与所得者で年収500万円、妻は契約社員で年収300万円 ⇒ 2万円∼4万円 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 22 (ケース2) 4歳と6歳の子が二人。夫は給与所得者で年収400万円、妻は専業 主婦。別居中は妻が子どもを監護する。 ⇒ 8万円∼10万円 (ケース3) 16歳と17歳の子が二人。夫は給与所得者で年収800万円、妻は パートで年収100万円。別居中は妻が子どもを監護する。 ⇒ 16万円∼18万円 裁判所は基本的には算定表を前提として調停を進めてきますし、審判 でも算定表を基準とした審判が言い渡されることが多くなっています。 もっとも、必ずしも算定表だけで決まるものではありません。例えば住宅 ローンの支払いがある場合や病気等で多額の支出がある場合、再婚 で前の配偶者との間で子がある場合などにはそのような特殊事情を考 慮し、適宜修正されることになります。そのような場合で、特に審判に移 行してしまったような場合には、しっかりと法的根拠に従った主張を行う事 が重要になります。どのような主張が可能かも含め、早めに弁護士に相 談をしておくことが望ましいといえるでしょう。 《コラム》 婚姻費用はいつからいつまで請求できる? 始期は別居の時点から請求できるというのが原則です。もっとも、審判 等では、請求した時点(調停を申し立てた時点)から認められることが多く なっています。 例えば2月に別居を開始し、5月に婚姻費用の調停を申し立て、不成 立となって審判が9月に言い渡された場合、5月から9月分については 一括支払いが命じられる一方で、2月から4月分については支払を命じ られないことが多くなっています。 これに対し、終わる時期については、夫婦間の扶養義務は夫婦である 限り継続しますので、離婚するまでは支払義務が継続します。そのため、 調停調書や審判では、「離婚成立もしくは別居解消に至るまで」、毎月 ○円を支払え、という形で記載されることが通常です。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 23 4 離婚と子ども 4−1 親権 1 親権とは 親権とは、未成年の子が成人するまでの間、養育監護するとともに、 子の財産を管理する権限の総称です。父母が離婚した場合、未成年 の子はどちらか一方の親が親権者となり(単独親権)、双方で共同親 権者となることは認められていません。離婚にあたって未成年の子がいる 場合には必ず親権者を定める必要があります。 2 親権者の決め方 (1)協議による定め方 協議によってどちらが親権者になるのかの合意ができればその合意に 従って親権者が定められます。この際、子どもが複数いる場合にはそれ ぞれの子に従って親権者を定める必要がありますので、全員について同 じ親を親権者とすることもできますし、子どもごとに親権者が別とすることも できます。 (2)調停・訴訟での定め 離婚すること自体については夫婦で合意ができていても、親権につい て協議が整わなくて離婚が成立しないというケースも少なくありません。こ のような場合にも、家庭裁判所の調停手続きの利用が可能ですし、家 庭裁判所の審判手続きで親権者が定められることもあります。また、調 停で合意ができなかった場合には離婚訴訟の中では裁判所が親権者 を定めることになります。 このように、家庭裁判所が親権者について判断する場合の基準につ いては、法律上は「子の利益」とだけ規定されていますが、具体的には 次のような事情が考慮されます。親権を希望する場合にはこのような点に 配慮しつつ、証拠等を適宜提出する必要があります。 ●監護に向けた状況 経済状況、居住環境、家庭環境などが判断要素となります。この際 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 24 には仮に親権者となった場合に相手方から支払われる養育費なども 考慮されます。 ●子に対する愛情と監護の意思 双方親権を希望しているケースではこの点で差が生じることはそれほ ど多くはありません。立証に際しては子どもとの関係でできる限り具体 的な主張・立証を行う必要があります。 ●親権者となろうとする親の心身の健全性 子が安定した生活を送る上では保護者自身も安定していることが重 要です。すでに病気などを患っている場合には、その治療への意欲や 具体的取り組みを主張・立証していく必要があります。 ●子の年齢、心身の状況 一般的には特に子どもにとって母親の愛情はかけがえのないものと 言えます。そのため、特に年少の子どもであればあるほど母親を親権 者とすることが望ましいと考えられる傾向が強いと言えます。 ●環境の継続性 子どもにとっても環境がむやみに変わることは決して有益なこととは言 えません。特に別居中のようなケースでは現在子に対する監護がどの ように行われているかは重要な要素の一つと言えます。 ●子の意思 年少の子の場合には、自らの意思でどちらの親と暮らすかを決めさ せることは酷なケースが多いですが、ある程度年長の子どもについて は自主的な判断を行える状況にあると言えます。そのため、子の意思 も相当程度尊重されますし、15歳を超えた子については子の希望が 確認されます。この場合、意思確認は通常は家裁調査官による調査 (後述)の中で行われることになります。 (3)家裁調査官について 家庭裁判所の調査官とは、裁判所の職員の中で、専門職に分類 される職員の方ですが、社会学や心理学、教育学など、法学以外 の分野を専門にされている方になります。親権について争いがある ケースでは、裁判所が生活状況や監護状況などについて調査を行う ことになり、その場合には調査官が調査を担当します。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 25 3 親権と監護権 監護権とは子どもの身分上の養育保護を行う権利のことを言います。 これについては一般的には親権の一部と考えられますので、基本的 には親権者が行うことになりますが、事案によっては別個に定めることも できるとされています。 4−2 養育費 1 養育費とは 養育費とは、子どもが社会人として独立自活ができるまでに必要とさ れる費用のことを言います。具体的には、衣食住の費用や医療費、 学費など様々なものが含まれます。子どもの養育については両親とも に義務を負いますので、離婚後に子どもを監護する親は、相手方に 対して養育費の支払いを請求できます。 2 養育費の算定 法律相談では、「養育費の相場はどのくらいですか?」というご相談 を受けることがあります。養育費についても、当事者の間で合意があ ればその金額に従うことになりますが、合意が整わない場合も多いで す。最近は裁判官・調査官が中心となって作成された養育費算定表 が公開されており、一つの目安になります。 養育費算定表は裁判所ホームページでも公開されていますのでこち らをご覧下さい。 この表を利用するにあたって必要な情報は1)双方の収入状況、自 営業か給与所得者か、2)養育を必要とする子どもの人数と年齢で す。具体的には、子どもの人数と年齢によって、表1から9のいずれを 用いるかが決まり、その表に、夫婦それぞれの年収を当てはめて養育 費の目安が算定されます。 この表に従って、養育費の目安を算出すると次のような金額になりま す。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 26 (ケース1) 夫が給与所得者で年収600万円、妻がパート勤務で年収150万円 6歳の子一人がいて、妻が親権者として監護する。 ⇒ 月額4万円∼6万円 6歳の子1人ですから、算定表の表1を用います。 そして、養育費の支払義務がある夫の給与所得が600万円なので、 縦の軸の数値の給与所得600万、妻の給与所得が150万円なので、 横の軸の給与所得150万円とがぶつかったところである「4万円から6 万円」が目安となります。 (ケース2) 夫が自営業者で年収550万円、妻がパート勤務で年収100万円 16歳の子と12歳の子の二人がいて、二人とも妻が親権者として監護 する。 ⇒ 月額8万円∼10万円 第1子が16歳、第2子が12歳ですので、算定表の表4を用います。 そして、夫の自営所得が550万円なので、縦の軸の数値の自営550 万円、妻の給与所得が100万円なので、横の軸の給与所得100万 円とがぶつかったところである「8万円∼10万円」が目安となります。 3 養育費の終期 子どもがいくつになるまで養育費を支払うかについては、成人するまで 、大学を卒業する22歳まで、高校を卒業する18歳までのいずれかとす ることが多いです。基本的には合意によって決めることになりますが、最 近は22歳までとすることも多くなっています。 4−3 面接交渉 1 面接交渉権とは 離婚した後に、子どもを監護養育していない親が、その子どもと会ったり 連絡をとったりする権利のことをいいます。親としては子どもに会うことは © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 27 当然の権利と言えますが、他方で面接交渉によって子の福祉を害する (子どもにとって悪影響が及ぶ)と考えられるような場合には、面接交渉 権も制限されることがあり得ます。 2 具体的な定め方は 面接交渉については子どもが高校生や大学生など、年長の場合に は、面接交渉を行うのか否かについてやその方法などについて子ども 自身が自発的な判断・行動を行うことになります。そのため、細部にわ たって面接交渉の条件を定める必要性は低いと言えます。しかし、年少 の子どもの場合などでは、面接交渉を行うにあたっても、日程調整や当 日の送り迎えなどで、相手方の協力を必要とするケースもあります。その ようなときに、事前にトラブルを防止するためにも、できる限り面接交渉の 条件を具体的に定めておく必要があります。 具体的には、会える回数はどの程度にするのか、1回に会う時間はど の程度にするのか、子どもを宿泊させることは認めるのか、宿泊を認める 場合、何日までならかまわないのか、会う日程の調整についてどのよう に行うのか、面接日に子どもを引き渡すのはどうするのか、などについて 定めることが必要です。 3 面接交渉に関する合意の重要性 面接交渉については、未成年者の親権者を定める場合のように、離 婚に際して必ず合意しなければならないわけではありません。そのため、 離婚の協議にあたっても必ずしも条件が細かく定められないことが多い と言えます(特に協議離婚の場合はその傾向が顕著です)。しかし離婚 後、子どもと会えるか否かは親権や監護権を持たない親にとって非常 に重要な意味を持つことが多い一方で、親権や監護権を持つ親から は、悪影響を及ぼすなどとして面接交渉に消極的な意見が出されること もあります。面接交渉のトラブルが、場合によっては子どもの連れ去りな どのトラブルにつながってしまいかねませんので、可能な限り事前に条 件を定めておくことが重要です。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 28 5 離婚とお金 5−1 財産分与 1 財産分与とは 離婚に当たって、夫婦の財産を分けることを財産分与と言います。 財産分与には、夫婦が協力して築き上げてきた財産を清算するという 意味の他、離婚によって生活が困窮するおそれのある場合の扶養料とし ての意味合いや、夫婦関係における慰謝料としての意味合いも含まれ る場合があります(財産分与が慰謝料としての意味も含まない場合には、 財産分与とは別に慰謝料請求をすることも可能です。)。しかし、あくまで も中心となるのは結婚生活を通じて形成された財産の清算ということにな ります。 2 財産分与の対象となる財産 基本的には、夫婦が協力して作ってきた財産が分与の対象となります。 典型的には、自宅のマンションを共有名義としているような場合には、共 有財産として財産分与の対象となります。 もっとも、財産分与の対象となるか否かは単に名義だけで決まるもので はありません。例えば、貯蓄の一環として積み立てを行っていた場合に、 それが夫名義であれば夫の財産として財産分与の対象とならないという のは明らかに不公平です。預貯金や株式、投資信託、不動産、保険 などについては、名義が一方のものとなっていた場合でも実質的に見て 夫婦の共有財産と評価できる場合には、財産分与の対象となります (実質的共有財産といいます)。 3 財産分与の対象とならない財産 これに対して、例えば夫婦の一方が、相続により取得した不動産や、 結婚前から保持していた株式などは、夫婦の協力によって形成した財産 とは評価できません。そのため、特有財産として、原則として財産分与の 対象とはなりません。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 29 4 財産の範囲の確定時期 一般的には夫婦が別居状態になった場合には、協力関係が終了したも のと見られます。そのため、財産分与の対象となる財産の範囲は別居の 時点における資産が対象とされることが多くなっています。 5 清算割合 公平な財産分与という点からすると、夫婦の財産に対する貢献度に よって清算の割合を決めることが合理的となりそうです。 ただ、現実に働いて収入を得ているのが夫だったとしても、妻は家事に 専念することで夫が仕事に専念できるように協力しているケースも少なくあ りません。また、共働きであっても、子育てなどの関係で妻の方が短時間 の労働にならざるを得ないなど、家庭によってその環境は様々ですし、貢 献割合を決めることは決して容易ではありません。そこで、近時は、特段 の事情がない限り夫婦の貢献の割合は5対5とされることが多くなってい ます。 5−2 慰謝料 1 慰謝料とは 慰謝料とは、婚姻生活中や離婚に伴って生じた精神的苦痛に対する 損害賠償請求のことです。 2 どのような事情があれば慰謝料が認められるか 相手方の違法な行為により精神的苦痛を被った場合に慰謝料が認 められます。 典型的には、暴力や犯罪行為、配偶者の浮気、家庭にお金を入れ ないなど、婚姻生活の維持に協力しない、通常の性的交渉を拒否する などの事情がある場合には慰謝料が認められます。 これに対し、例えば単純に性格の不一致や価値観が違う、というだけで すと、慰謝料は認められません。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 30 3 慰謝料請求を行うために重要な証拠 慰謝料請求が認められる事情がある場合でも、相手方が事実を認め ない場合には、請求する側で証明しなければなりません。 具体的には次のようなものが証拠として重要です。 (暴力) ケガをした時の診断書 暴力を受けた日時、場所、具体的な様子などをメモしたもの 言葉の暴力などの場合には、様子を録音したものなど (浮気) 愛人からの手紙や愛人とのメールのやりとり 愛人と一緒の写真(ラブホテルからの出入りの写真など不貞行為を裏 付ける写真) 電話の通話明細 (その他) 可能な限り具体的な様子のメモや日記など 4 慰謝料の金額 いわゆる慰謝料の相場としては、平均すると200万円から300万円程 度となることが多く、残念ながら1000万円を越えるような慰謝料が認めら れることはほとんどありません。 具体的な金額を決めるに当たっては、次のような事情が考慮されます。 ・相手の行為の程度、割合、態様、悪質さ ・精神的苦痛の程度 ・結婚に至る経緯や、その後の破綻に至る経緯 ・結婚生活の状況 ・当事者の年齢や社会的地位 ・子の有無などの家庭環境 ・離婚後の生活状況等 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 31 5−3 年金分割 1 年金分割制度とは 離婚の際には、通常財産分与がなされます。財産分与のうち、夫が 在職中に給料から掛け金を支払った厚生年金や共済年金についても、 婚姻期間中に形成された財産ですから、妻の取り分が考えられます。 平成19年4月からは、いわゆる年金分割制度が導入され、離婚の際、 夫が受け取る厚生年金・共済年金について、当事者間の合意もしくは 判決等で定められた按分割合で分割した金額を、「妻自身の自己の権 利として」受け取ることができるようになりました。 2 年金分割制度を利用するためには ① 離婚することが前提です あくまでも離婚をする前提で、年金の分割を行うことになります。離婚に 伴わない場合は、分割できません。離婚協議の際、併行して協議する のが通常です(手続きの時間制限については、第3Q&A⑦参照)。なお、 年金分割制度の施行は平成19年4月1日であり、その後に離婚した場 合にのみ適用されます。 ② 按分額を知る(年金情報提供を受ける) 年金分割の条項を公正証書に盛り込むには,まず,日本年金機構 (旧社会保険庁)から年金分割のための情報の提供を受けておく必要 があります。 この情報に基づいて、分割の割合についての話し合いをスタートさせま す。 ③ 合意の形成と認証ないし公正証書化 1) 分割割合について合意が成立した場合 話し合いによって分割の内容が決まれば、あとは年金分割に関する合 意内容を公正証書として作成するか、もしくは合意を記載した書面(私文 書)に公証人の認証を受ける必要があります。離婚に伴う財産分与や 慰謝料支払について公正証書を作成する必要がなく、年金分割の合 意のみについて公証人の公証を受ける場合は、合意書に公証人の認 証(私文書の認証)を受ければ足ります。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 32 2) 合意が成立しない場合 残念ながら合意に至らない場合、どちらかが家庭裁判所に申し出て、 調停や判決といった法的手続きで分割割合を定めてもらわなければなり ません。この場合は、裁判所による判決文や調停調書により手続きを行 いますので、当然ながら公正証書を作成する必要はありません。 3 よくあるご質問∼年金分割Q&A ①事実婚(内縁夫婦)でも、年金分割を適用されますか? 正式な夫婦(法律婚)でなくとも、事実上の婚姻関係があった場合に も利用できます。ただし、分割の対象となるのは、事実婚の妻が、事実 婚の期間内に国民年金法上の被扶養配偶者(第3号被保険者)として 認定される期間に掛けた年金に限られます。また、通常の婚姻関係と 同様、平成19年4月1日以降の事実婚姻関係解消である必要がありま す。 ②分割の限度は? 分割の割合は最大限で50%です(表記上は0.5となります)。ですから、 妻がたとえば70%の年金分割を受けることはできません。また、分割する から常に「半分こ」というわけでもなく、半分を限度として分割を行うに過ぎ ません。 ③分割対象となる期間は? 婚姻してから、離婚までの期間です。 ④受給時期はいつから? 妻自身が(夫ではありません)年金受給開始年齢になった時点から、 受給開始となります。つまり、妻が年上であれば、夫より妻のほうが先に 受給開始となります。 ⑤受給前に、夫が死亡した場合でも、もらえますか? 分割決定後であれば、夫が先に死亡しても、妻の受給権は消滅しま せん。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 33 ⑥再婚した場合、受給権は消滅しますか? 消滅しません。 ⑦手続きに時間制限はありますか? 離婚成立後2年以内です。 ⑧主婦しか分割できないの? そんなことはありません。共稼ぎであっても、分割可能です。もっとも、妻 の方がお給料が高い場合には、逆に夫が妻から分割を受けることもあり ます。 ⑨夫が自営業なのですが、分割できますか? 分割対象となるのは、厚生年金と共済年金です。基礎年金は分割 対象となっていないので、できません。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 34 6 離婚塾サポートメニュー 6−1 離婚塾について みなさん、こんにちは。離婚塾塾長の弁護士の荒井里佳です。 ◎離婚「塾」 現在あらゆるメディアで離婚に関する情報が氾濫しています。にもかか わらず、本当に必要なことは分からないままだ、という声も聞こえます。 私たちは、ご相談いただいた方々には、単なる情報にとどまらず、夫婦 という関係への向き合い方、離婚の意味、離婚の戦略、ライフプランな ども含めて、お伝えしています。 みなさんとのコミュニケーションにおいては、マンツーマンでじっくりと向き 合いつつ、新しい人生に向かって共に歩んで行きたいという願いから、 「塾」と名付けました。 ◎なぜ炎? 次に炎。 これは、「しあわせになるための情熱」をあらわしています。結果的に離 婚をするにせよ、思いとどまるにせよ、ご自身が納得する結論に至るまで には難儀なプロセスが待ち受けています。だからこそ、弁護士に相談して 任せてみようと思われるのかもしれません。私たち弁護士は、みなさんの 真摯な思いを受け止め、一歩でも前進できるよう熱意を持って取り組んで いくつもりです。 ただ、問題解決への熱意は、弁護士だけに必要なのではありません。 みなさん自身にも、強く求められています。最後の一歩は、やはりご自身 のチカラで踏み出さなければなりません。弁護士にご依頼いただいても、 それは同じ事なのです。大変厳しいことかもしれませんが、弁護士が知ら ないうちに離婚というゴールへ運んでくれるというわけではないのです。そ こで、みなさん自身の「解決力」すなわち、解決への意思、意欲というも のを最大限に引き出すことも、我々がお手伝いできる重要な仕事だと考 えています。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 35 ですから、私たちはみなさんのご希望を伺いながらアドバイスをさせてい ただきますが、安易に調停や訴訟を推奨することはいたしません。後悔 のない人生を送りたい。普通の生活を送りたい。一見平凡に見える願い や希望が、とてつもなく遠いものに見えてしまっているあなた。本当に充実 した人生を送りたい。ハッピーになる。今一度、その気持ちに火を灯してみ ませんか。新しい人生を切り開くぞという、情熱の炎です。 ◎ぜひ私たちとお話を! 離婚に向けた戦いの中では、これまでの人生を振り返る作業を伴いま す。 これほど真剣に、人生と向き合う時間はないかもしれません。このプロ セスを経たあなたは、ずっと強くなっているはずです。離婚するにせよ、そう でないにせよ、この先には新しい人生が待っています。一生は思っている よりも長くはありません。一日も早く、新しい人生のスタートを切って欲しい。 そんな願いから、このサイトを立ち上げました。 心に情熱の炎を灯したい方、ぜひ私たちとお話してみませんか。私たち とお会いできた方々が、少しでも元気で前向きな気持ちになっていただけ たら、この上ない喜びです。 みなさんからのお問い合わせ、ご相談、ご依頼を心よりお待ち申し上げ ております。 法律相談のご予約は・・・ 電話 03−5425−7431 (受付 平日午前9時30分∼午後8時) ホライズンパートナーズ法律事務所 (港区西新橋2−17−2 HF虎ノ門ビルディング2F) 新橋駅(JR・東京メトロ銀座線)徒歩7分 虎ノ門駅(東京メトロ銀座線)徒歩5分 内幸町駅(都営三田線)徒歩6分 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 36 6−2 サポートメニュー・弁護士費用 《サポート料金一覧表》 ※費用は全て税別表示です。 ●法律相談 30分無料 以後15分毎に2500円 初回相談 2回目以降のご相談については15分単位で2500円となります。 ● バックアッププラン ご契約いただいている期間内は、メール、お電話、面談など、何度で も追加の費用のご負担なくご相談いただけます。 (1)離婚協議バックアッププラン 対象:協議離婚に向けた話合いを行っている、又は行おうとしている方 5万円/3ヶ月 延長は1万5000円/1ヶ月 標準コース 長期コース 10万円/1年間 延長は1万5000円/1ヶ月 (2)調停バックアッププラン 対象:調停手続での話し合いを行っている方、又は行おうとしている方 標準コース 5万円/5ヶ月 延長は1万円/1ヶ月 長期コース 10万円/1年間 延長は1万円/1ヶ月 (3)バックアップオプションプラン 調停申立書作成 3万円 ※バックアッププランお申込みの方のみ利用可 3万円 離婚協議書案作成 ※バックアッププランをお申込みでない方の場合 は5万円∼ 公正証書作成 サポート 5万円(※新橋・霞ヶ関公証役場の場合) ※協議書作成・交渉役場との調整を含む ※バックアッププランお申込みの方のみ利用可 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 37 ●代理人活動 代理人として活動する場合の弁護士費用には、着手金と報酬金があり ます。着手金とは事件を始める段階でいただく費用です。報酬金とは事 件の成果に応じていただく費用です。 その他、裁判所に納める収入印紙代などの実費がかかります。 ◎着手金 協議・調停の場合 夫婦のみ もしくは 子が全て中学生以上の場合 30万円 中学生以下の子がいる場合 40万円 特別案件 50万円以上 ※特別案件とは、離婚事件に関連し、暴行、脅迫、強要または「つきまとい 等」(ストーカー行為等の規制等に関する法律第2条)に該当する行為の主 張がなされる場合等、刑事事件に関与する可能性がある案件または財産 分与の対象件数が多数に及ぶ案件等、委任事務処理に特段の労力もしく は時間を要する特別の事情が認められる案件をいいます。 訴訟の場合 夫婦のみ もしくは 子が全て中学生以上の場合 40万円 中学生以下の子がいる場合 50万円 特別案件 60万円以上 ※特別案件の説明については協議・調停での説明をご覧下さい。 ※調停から引き続き訴訟を受任する場合、訴訟の着手金は適宜減 額いたします。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 38 NO!出廷日当 当事務所では裁判所で行われる期日に出席する都度費用をいただ くことはしておりません(裁判所まで往復2時間以上かかる遠方の場合 は除きます)。 弁護士として職務を行う上で依頼者の方の意向を最大限尊重すべ きは当然です。そして、多くの依頼者の方は可能な限りの早期解決を 希望されています。そうであるならば、弁護士費用についても、早期解 決こそが依頼者の方にとっても、弁護士にとっても利益になると感じられ る定め方がされるべきと考えています。 出廷する都度費用が発生するとした場合、この観点からは解決を遅 らせて期日を重ねる方が利益になるから、引き延ばしをしているかのよう な誤解を招きかねない弁護士費用の定め方と言わざるを得ません。 このような考え方から、当事務所では期日に出席する都度費用をい ただくことはしておりません。 ◎報酬金 着手金と同額 + 経済的利益に応じ、以下の割合で定める金額 300万円以下の場合 16% 300万円∼3000万円の場合 10%+18万円 3000万円∼3億円の場合 6%+138万円 3億円を超える場合 4%+738万円 経済的利益の算定方法は次ページをご参照ください。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 39 ▼経済的利益の算定方法 財産分与 受け取る場合 給付を受ける金額 (相手方の請求額が明示されている場合) 相手方が主張する請求額を減額した金額 支払う場合 (相手方の請求額が明示されていない場 合) 財産分与対象財産の5%を経済的利益とみ なす 慰謝料 受け取る場合 給付を受ける金額 支払う場合 相手方の請求額を減額した金額 養育費・婚姻費用 受け取る場合 過去分及び将来2年分(ただし、給付期限ま で2年未満の場合はその時点まで)に相当する 金額 (相手方の請求額が明示されている場合) 過去分及び将来2年分(ただし、給付期限が 2年未満の場合はその期限まで)に関し、相手 方の請求額から減額した金額 支払う場合 (相手方の請求額が明示されていない場合) 過去分及び将来2年分(ただし、給付期限が 2年未満の場合はその期限まで)の3分の1の 額を経済的利益とみなす。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 40 ご依頼いただく事件の着手金・報酬金のほか、以下の費用を ご負担いただく場合があります 1)実費(裁判所に納付する収入印紙や切手代、記録の謄写費用、 交通費、通信費等) 2)手数料(委任事務に付随して戸籍等の取り寄せを行なう場合) 3)出張日当(往復2時間以上の遠方に出頭する場合) ※近距離の裁判所での期日への出席では都度費用をいただくこ とはありません 4)別事件のための弁護士費用 受任は「事件」単位で行い、着手金・報酬金も事件ごとに発生しま す(関連事件の場合は減額となります)。次のような場合は別事件と なります。 ① 離婚事件とは別に婚姻費用請求や子の監護に関する事件が係 属した場合 ② 交渉から調停、調停から訴訟や審判に移行した場合 ③ 判決に控訴・上告をした(された)場合や審判に抗告した(された) 場合 ※下級審から引き続いて上級審を受任した場合の報酬金は、原 則として最終審のみ発生します。ただし、下級審で(全部もしくは一 部)勝訴し、上訴審を引き続いて受任しない場合は、報酬金が発 生します。 ④ 和解や判決後、強制執行を行う場合 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 41 6−3 担当弁護士プロフィール ◎弁護士荒井里佳 《経歴》 横浜市立青葉台中学校・神奈川県立川和高等 学校 卒業 平成12年 東京大学法学部卒業 平成16年 司法試験合格 平成17年 司法研修所入所 平成18年 弁護士登録(東京弁護士会) ◎弁護士坂東利国 《経歴》 平成元年 平成6年 平成13年 平成15年 千葉県立千葉高校卒業 慶應義塾大学法学部法律学科卒業 司法試験合格 弁護士登録(東京弁護士会) ◎弁護士髙井重憲 《経歴》 平成5年 高崎市立大類中学校卒業 平成8年 群馬県立高崎高校卒業 平成13年 東京外国語大学外国語学部(英語 専攻)卒業 平成14年 司法試験合格 平成15年∼平成16年 司法修習 平成16年 弁護士登録(東京弁護士会) 詳細は離婚塾ホームページをご覧ください。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 42 《コラム》 離婚相談は最初から弁護士にしておいた方が良い? 離婚について相談する場合、弁護士以外にもいろいろな相談先があ ります。どこに相談しようか、迷われてしまうかもしれませんが、基本的には 弁護士にご相談いただくことがベストと考えています。 その理由は次の様なものです。 ① 紛争の現場に直接タッチするからこそわかる専門知識 離婚問題は法律的に見て複雑な問題になることもしばしばです。 ただ、そのような複雑な問題点は、代理人として直接事件にタッチして いる弁護士だからこそ、より実践的な知識・経験として蓄積されていきま す。 たとえ本を読んだりしても、そのような実践的な知識は身につかず、現場 を知らない机上の空論に終始してしまうケースもあり得ます。やはり、弁護 士が離婚紛争の現場に直接代理人として関与するからこそ、より充実し た、実践的なアドバイスが実現できると考えています。 ② 代理人として関与できるのは弁護士だけです 離婚のトラブルについては、最終的に調停や訴訟などで、代理人を依 頼する必要に迫られることになるケースも少なくありません。 そんなとき代理人として活動をすることができるのは弁護士だけです(弁 護士以外が代理人として活動するのは弁護士法により違法とされていま す)。 実際に事件を依頼することになった場合、弁護士はこれまでの自分の アドバイスに責任を持って活動をすることになります。 いわば弁護士だけが自分の回答に責任を持てる立場にあると言えるで しょう。 ③ 費用が高いのでは? 弁護士というと非常に費用が高く、それ以外の相談先は安いと考えら れているケースは珍しくありません。ただ、本当にそうでしょうか? 相談だけで比べてみれば、例えば当事務所では離婚に関する初回のご 相談は30分無料で行っています。それ以降は15分単位で2500円です。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 43 弁護士以外でもっと高い相談料をとっているケースも散見されますし、 実際に事件を依頼する場合に、回答への責任をもった対応が期待でき るという点もあわせて考えれば、むしろ最初から弁護士に相談をしておい た方が合理的ではないでしょうか? 少なくとも、イメージにとらわれず、しっかり比較してみることが重要です。 ④ 事件を依頼しないといけないのでは? 弁護士に相談すると、依頼をする様強く言われて断れないのではない か、ということを懸念されている方もいらっしゃるようです。ただ、少なくとも当 事務所では依頼をするよう強要する様なことは絶対にありません。 弁護士をつけないで交渉をした方が良い解決がありうる場合には、率 直にその旨アドバイスさせていただいておりますし、場合によっては離婚をし たいとご希望の方に、条件面などを考え、離婚をしない方が良いので は?とアドバイスをさせていただくこともあり得ます。 もちろん、弁護士を選任して争うべきと考えるケースではそのようにアドバ イスをさせていただくことはありますが、それはそのようにすることが最善と考 えられる場合です(そうであっても依頼するかしないかは当然自由です)。 まずは気楽に相談し、本当に必要とご納得いただいた場合にご依頼を いただく、そういう事務所を目指しています。 © ホライズンパートナーズ法律事務所 All Rights Reserved 法律相談のご予約・お問合せは 電話 03−5425−7431 まで 44
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