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椎野 昌宏
横浜市在住。現在、日本花菖蒲協会会
長、横浜さくらそう会会長、横浜朝顔会
監事として、日本伝統花の普及保存に
努める。日本ベゴニア協会理事として、
世界のベゴニア原種に焦点をあて、
その
導入研究を進める。園芸をグローバルな
視点から捉えることを座右の銘とする。
共編著(分担執筆を含む)に『世界のア
イリス』
『世界のプリムラ』
『ベゴニア百
科』誠文堂新光社がある。
第3部
洋種園芸植物導入の軌跡−明治時代
そして牡丹、芍薬、花菖蒲等の在来種に加
です。
(括弧内原産地)
え、近郊農家の副業としてアネモネ、
スパニ
球根類
(横浜植木株式会社に焦点をあて)
ッシュアイリス、
イングリッシュアイリス、
イキシャ、
明治前期、洋種園芸に取り組んだ横浜の
た。このような洋種植物の普及に重要な役
アネモネ
(Anemone
日本人たち
割を果たしたのが明治23年(1890)、前述の
グラジオラス
(Gladiolus
横浜開港後、山手を中心に居住した外国
鈴木卯兵衛が代表者となって設立された横
中海沿岸)
人たちにより、洋種園芸は日本に根付きまし
浜植木株式会社でした。以下同社発行の
ダリア
たが、周辺の植木職たちが彼らより種苗を入
『百年史』及び販売カタログを資料として、洋
フリージア、グラジオラスの栽培が加わりまし
水仙
ゴールデン・スパー 、エンペラー 、
エンプレス(Narcissus
地中海沿岸)
地中海沿岸)
南アフリカ、地
カクタス、デコラ、ショー( D a h l i a
メキシコ、
グアテマラ)
花卉類
手し、自身で栽培したり、近郊の農家に作っ
種園芸植物導入の足跡を辿っていきます。
てもらったりして、徐々に日本人の間にも知
同社は横浜に後年設立された、坂田商会や、
ゼラニューム
(Geranium
られるようになりました。
横浜ガーデン、薫花園などともに、いずれも栽
ヘリオトロープ(Heliotrope
第1部でボーマー、
ジャーメインなど外国人
が温室を作って蘭などの洋種植物の栽培と
培よりは、直接顧客に卸しや小売りをするこ
アスパラガス
(Asparagus
とを目的としました。
ダツラ
(Datura
南アフリカ)
ペルー)
南アフリカ)
エクアドル、チリ、ペルー)
プリムローズ(Primrose
英国)
販売を始めた動きについて述べましたが、
そ
『横浜植木株式会社百年史』によると「輸
れに触発されて、明治10 年代に横浜市中
入については、各役員およびその子弟が欧
区の麦田(山手公園の入口付近)に脇金太
米には園芸業経営、栽培技術を習得するた
郎と佐藤米吉が、中村町(猿坂上)に鈴木
め渡航し、短い者で数年、長い者は7、8年を
積極的に新しい洋種植物の導入が行わ
卯兵衛が10〜30坪の温室を造り、
ベゴニア、
かけて同地の種苗商、農場に滞在させ、後
れ、明治末年頃には殆どの種類の植物が輸
入し終わりました。
ヒヤシンス、
ゼラニューム、ヘリオトロープ等の
日に期する状態であった。目先の営業にと
栽培を始めました。これが日本人の手によっ
らわれず、将来を見据えて着実にこうした布
て洋種植物が商業ベースで扱われるように
石を積み重ねたからこそ、横浜植木が輸入
なった始まりであると思われます。
(注:脇金太
面でも第一人者として西洋花卉のわが国へ
郎はその後4回にわたりメキシコに行き、たくさんの洋
の普及に大きく貢献することができたのであ
蘭やサボテン、
それに初めてゴクラクチョウカのストレリ
る」と書かれています。園芸専門会社として
チア レギネを日本に持ち帰ったとご子息が『横浜の
先駆けてサンフランシスコ、ニューヨーク、
ロン
花の歴史を語る』という座談会で話しています。昭和
ドンに支店を設けて海外情報の収集に努め
一方日本産の山百
た結果、洋種植物輸入のリーダーとして活躍
48年横浜市緑政局刊行)
合、椿、竹、桑などを入港する外国人船員を
バラ各種
●明治33年〜45年頃(1900-1912)
できました。
介して、輸出する者が続出し、特に山百合
は珍重され、笹下町(磯子区)の鈴木清吉
横浜植木が輸入した植物
などは山野を駆け巡って花つきのまま自然
●明治23年〜32年頃(1890-1899)
採取して彼らに売ったといわれています。か
当初、同社が手がけたのは、東京の上流
なり儲かったようです。これが後年の本格的
人士向けの洋蘭であり、マニラに社員を出
な百合根貿易の始まりでした。
4
張させ東南アジア産のデンドロビューム、
シン
明治28年(1895)頃、笹下町の荻窪徳四
ビジウムなどを直接導入しました。洋種球根
郎が東京興農園などからチューリップ、
ヒヤ
類については、先ずダリアを外国人商会か
シンスの球根を買って試作したのが横浜に
ら仕入れて、栽培し増殖しました。この期間
おける球根花卉栽培の始まりといわれます。
に輸入した其の他の洋種植物は次の通り
横浜植木株式会社の明治44/45年版定価表
横浜植木株式会社蔵・横浜開港資料館保管
特
集
球根類
カラー白(Calla
南アフリカ)
カンナ(Canna
熱帯アメリカ)
アマリリス
(Amarylis
メキシコ、
アルゼン
ネペンシス
(Nepenthes フィリッピン)
マドンナリリー(Madonna lily
モンステラ
(Monstera メキシコ、中米)
半島、西アジア)
ドラセナ(Dracaena
熱帯アフリカ)
オーニソガラム
(Ornithogalum
フィ
トニア(Fittonia
南アメリカ、
アンデス
沿岸)
シラー
(Scilla
山地)
チン)
モントブレチア
(Montbretia
ムスカリ
(Muscari
南アメリカ)
地中海沿岸)
オキザリス
(Oxalis
アルゼンチン、チリ、
ガーベラ
(Gerbera
シペラス
(Cyperus アフリカ)
沿岸、熱帯アジア、西アフリカ)
アラマンダ
(Allamanda
バロタ(Vallota
ホヤ(Hoya
パラグアイ)
熱帯アメリカ)
チグリジア
(Tigridia メキシコ、
グアテマラ)
クレロデンドルム(Clerodendrum
アガパンサス
(Agapanthus
フリカ)
イリス各種(Iris
南アフリカ)
西ア
地中海
南アフリカ)
ゼフィランサス(Zephyranthes
中国、オーストラリア)
地中海
南ヨーロッパ)
パンクラチューム(Pancratium
南アフリカ)
バルカン
中南米)
スノードロップ(Snowdrop ヨーロッパカ
フカス地方)
ヨーロッパ等)
花卉類
ベゴニア各種(Begonia
中南米、
東南アジア、
アフリカ)
アジアンタム
(Adiantum
熱帯、亜
熱帯)
パシフローラ
(Passiflora
ペルー、
ブラジル)
シネラリア(Cineraria
カナリー諸
島、
マディラ諸島、
アゾレス諸島)
ユッカ
(Yucca メキシコ)
マーガレット
(Marguerite カナリア
諸島)
フクシャ(Fuchsia メキシコ、
アルゼ
ンチン)
ハイビスカス
(Hibiscus
熱帯、亜
熱帯)
アブチロン( A b u t i l o n
熱 帯、亜
熱帯)
ランタナ(Lantana
北米南部、熱
帯アメリカ)
クリビア
(Clivia
南アフリカ)
セントポーリア(Saintpaulia タンザ
ニア)
プルンバゴ(Plumbago
南アフリ
カ、
アジア、オセアニア)
エリスリナ
(Erythrina
東南アジア)
ライラック
(Lilac ヨーロッパ南東部)
フェニックス・ロベレニー(Phoenix
roebelenii ラオス)
アンスリューム(Anthurium
グア
テマラ、
コロンビア、エクアドル)
ブーゲンビリア(Bougainvillea
ブ
ラジル)
クロトン
(Croton
東インド、オースト
ラリア)
マランタ
(Maranta
熱帯アメリカ)
パンダナス
(Pandanus
ポリネシア)
サンセビレア(Sansevieria
カ、南アジア)
アフリ
左上―シプリペディウム・カーティシー、右上―チューリップ、左下―ヒヤシンス、右下―グラジオラス
大正初期、横浜植木株式会社から刊行された『園芸植物図譜』より。 横浜植木株式会社蔵・横浜開港資料館保管
5
簡略化して4つの表にまとめました。原産地
が分ります。バラと横浜とは古くから縁があ
コルチカム(Colchicum ヨーロッパ、北
と備考欄は筆者がつけ加えたものです。
り、その歴 史が中 野 孝 夫 編 著 の『 明 治 薔
アフリカ、
アジア西部)
*洋種蘭科植物(Orchids)
薇 年 表』
( 2 0 0 5 年 刊 )に詳しく記 録されて
スパラキシス(Sparaxis
南アフリカ)
ラナンキュラス(Rananculus
中近東、
ヨ
ーロッパ東南部)
カラデューム(Caladium
南米アマゾン
川流域)
アリューム
(Allium
バビアナ(Babiana
中央アジア、
西アジア)
南アフリカ)
球根ベゴニア(Tuberous begonia
南
アメリカ)
います。
の種類を掲載しています。カトレア属として
明治5年5月13、14日に東京の芝増上寺
原種38種と交配種9種を、
シンビジューム属
境内で内山岩太郎が洋種バラを陳列し、
そ
として5種、
ファレノプシス属として16種、デン
れに横浜山手外国人居留地在住のジャー
ドロビューム属27種を、オンシヂューム属とし
メインが 砂金 、 紅玉 、 金波 と名づけた
て32種、パフィオペディルム属として96種を
バラ3種を出展し、稀世の絶品であったと郵
紹介しています。
(注:パフィオペディルムは当時日
便報知新聞は書いています 。居留地外国
本産の熊谷草や敦盛草の属するシプリぺヂューム属
人は熱心にバラの輸入につとめましたが、
そ
フリージア
(Freesia
南アフリカ)
に分類されていましたので、
カタログにはシプリペヂュ
の後の山手公会堂で開かれたフラワーショ
チューリップ(Tulip
中央アジア)
ームと記載されている。)
その他、
アキネタ、
アダ、
ウでもたくさんの美しいバラが出展され人気
ヒヤシンス(Hyacinth
トリトニア
(Tritonia
地中海沿岸)
南アフリカ)
エリデス、
アングレカム、
ビフレナリア、
ブラサボ
を呼んでいました。内山岩太郎は横浜植木
ラ、
ブラッシャ、
ブラソカトレア、
ブラソレリア、バ
株式会社設立の発起人になった人で、同社
喇叭水仙(Daffodil ヨーロッパ北部)
ーリントニア(ブロトニアか?)、
カランセー、
カタ
はバラの新種導入にも力をいれました。
(注:
鈴蘭(Lily of the Valley ヨーロッパ)
セタム、
キシス、
セロジネ、
コクリオダ、
コラクス、
山手公会堂は現在のゲーテ座。)
日本に続々と新しい洋種植物が輸入され
デンドロキラム、エピデンドラム、エピロニチス、
*球根塊茎植物類(Bulbs and Tubes)
るにあたって、いくら日本には江戸時代より
レプトテス、
レリア及びレリア交配種、
レリオカ
優れた園芸知識と経験をもつ人々がいたと
トレア、
リカステ、マスデバリア、マキシラリア、
・・・・表3参照
最も注目されるものはダリアです。ダリアの
はいえ、果たして日本の気候に順化するか、
ミルトニア、オドントグロッサム、
レナンセラ、サ
原産地はメキシコで、
ヨーロッパに渡って改
日本の土壌に生育するか、わからないままに
ッコラビューム、
ションバキア、
ソフロニチス、
ソ
良され、日本には長崎に天保13年(1843)
果 敢に取り組んだことに敬 意を表します 。
ブラリア、
スパソグロッチス、
ツニア、
スタンホペ
にオランダ人が持ってきました。ポンポン咲き
「当社には企業として利潤を追求するという
ア、バンダ、
ジゴペタラム、
クレソストマ・イオノ
が主で、天竺牡丹と名づけられましたが、当
目的のほかに、内外園芸文化を交流させる
スマム、ストロプシス・ファッシアタなどが掲載
初江戸では俗悪な花としてあまり人気が出
というもう一つの大きな目標があった。だか
されています。ほとんどが原種系で現在も残
ませんでした。明治になってダリアという西
らこそ失敗をただ単に失敗とみず、
フロンテ
って栽培されているものが多いようです。価
洋名で流通するようになってから、羽が生え
ィア精神を発揮できたのである。」と同社『百
格は4〜5 円が中心で、20〜30円のものもか
て飛ぶように売れ出し、
カクタス、
デコラティブ、
年史』に述べています。ひとつの記憶すべ
なりあり、
最高値は50円をつけられています。
ショー、ペオニーなど多様となり、明治末期に
き成果として明治45年(1912)米国のワシン
当時と現在の貨幣価値の変動は分りません
ブームとなりました。ハイカラな名前が客を呼
トンとニューヨーク向けに同社によりソメイヨ
が、仮に1000倍とすると、4000円〜5000円
ぶという風潮が文明開化時代にあったので
シノなど12種の桜の苗木6040本が輸出され
くらいで売られていたようです。現在の洋蘭
しょう。
たことが挙げられます。今日も日米友好のシ
類の市場価格は1000円から5000円位です
*新輸入草花種子(Flower Seeds)
ンボルとしてワシントンのポトマック河畔の桜
ので、ちょうど符合します。ただ一般人の購
・・・・表4参照
並木として残って有名な名所として人々に
買力は低かったでしょうから、限られた貴顕
カタログのこの部分の冒頭に次のように
親しまれています。本稿を執筆している私は
階級や金持ち階級が収集し栽培したのでし
洋種草花種子の試験的栽培を顧客に呼び
商社出身で、若い30代の頃10年あまり、東
ょう。
(注:レリオカトレアはレリアとカトレアの交配種な
かけています。「本邦に栽培せられつつある
南アジアと米国勤務をし、輸出入や新しいプ
ので当時の品種が現存するかどうか不明。)
草花の種類は古くして既に陳腐に属し殆ど
ロジェクトの開発に携わりましたので、当時の
*室内観賞植物類(Decorative Plants
見るべきものなし加うるに洋草の如き気候土
横浜植木株式会社の幹部や社員の皆さん
for Indoor)・・・・表1参照
質の関係により変化して小輪となり或は邪
の気概が伝わり共鳴できます。明治の創業
古典園芸植物など葉芸を楽しむ日本人
色を呈し栽培するの価値を失するもの多し
期における努力が次に紹介する横浜植木株
が早くから洋 種の観 葉 系 植 物のベゴニア
左に記載する種類は其研究に資せんと欲し
式 会 社 の 4 2 年 度( 1 8 8 9 )と4 3 / 4 4 年 度
や、羊歯植物のアジアンタムなどに親しんだ
輸 入 せり試 作して 其 実を知られ ん 事を」
(1890-1891)定価表(カタログ)
となって結
ことがうかがわれます。また鳥の舌に似た花
既に前述した植物は重複するので省略しま
弁を出すストレリチアや、牛の舌のような大き
すが、造園用、切花用植物の種子が多数含
な1枚葉を出すストレプトカーパス・ウエンドラ
まれているのに驚きます。
実し、一般に配布されました。
現代にも通じる豊潤なカタログ
ンディなどの奇態も珍重されたのかも知れま
カタログには別に洋種庭園樹と蔬菜種子
せん。
の部が設けられ、庭園樹としてライラックやア
す。全編で114ページに及ぶB5版のもので、
*花壇並に鉢植草木類(Bedding Flowers
カシア、蔬菜種子としてはトマトやレタスなど
次のように構成されています。洋種蘭科植
and Plants)・・・・表2参照
が紹介されていますが、本稿の主題に沿わ
明治43/44年度定価表をもとに紹介しま
物以外はカタログ面の記述量が多いため、
6
ラン科の植物には最も力をいれ、たくさん
バラを63種も掲載し力を入れていること
ぬため省略します。
特
集
表1.室内観賞植物類(Decorative Plants for Indoor)
種 名
アンスリューム 5種
スパティフィラム 1種
クロトン 各種
シペラス 5種
フィクス 3種
ケンチャ 2種
フェニックス 3種
マランター 各種
パンダヌス 1種
ペペロミア 1種
ミルタス・コムニス 各種
パシフローラ 2種
アブチロン 各種
ブーゲンビレア 4種
コリウス 各種
ポインセチア 3種
チランジア 1種
クリプタンサス 1種
モンステラ 1種
アカリファ 2種
エピスシア 1種
サンセヴィエリア 1種
ネペンテス 3種
ツンベルギア 3種
ベゴニア 18種
ストレリチア 1種
ストレプトカーパス・ウエンドランディ1種
ストレプトカーパス・レキシー 1種
プルメリア 2種
アジアンタム 12種
プテリス 2種
ネフロレピス 3種
英 名
Anthurium
Spa
t
h
i
phy
l
l
um
Crotons
Cyperus
Ficus
Kencha
Phoenix
Maranta
Pandanus
Peperomia
Myrtus communis
Passiflora
Abutilon
Bougainvillea
Coleus
Poinsettia
Tillandsia
Cryptanthus
Monstera
Acalypha
Episcia
Sansevieria
Nepenthes
Thunbergia
Begonia
Strelitzia
Streptocarpus wendlandii
Streptocarpus
Plumeria
Adiantum
Pteris
Nephrolepis
原産地
コロンビア・エクアドル
コロンビア
東インド〜オーストラリア
アフリカ
熱帯アジア
オーストラリア
ラオス
ブラジル
アジア、
アフリカ熱帯地方
ブラジル、
ベネズエラ
地中海沿岸、西アジア
中南米熱帯・亜熱帯地域
ブラジル
ブラジル
東南アジア
メキシコ
熱帯アメリカ
ブラジル
メキシコ、中米
西インド諸島
メキシコ、
ブラジル
亜熱帯アフリカ
フィリッピン
熱帯アフリカ
中国、
ヒマラヤ、東南アジア、中南米、
アフリカ
南アフリカ
南アフリカ
南アフリカケープタウン
メキシコ、
グアテマラ
アジア東部、
日本、熱帯アメリカ
日本、東南アジア、
オーストラリア
中米、
フロリダ
備
考
ゴムの木
椰子
シンノウヤシ
斑入りタコノキ
祝いの木
トケイソウ
ショウジョウボク
エアープランツ
ホウライショウ
ゴクラクチョウカ
牛の舌
注:種数には原種と名称付きの園芸種を含みます。又、英名は学名がそのまま英名になったものも含みます。
表2.花壇並に鉢植え花木類(Bedding Flowers and Plants)
室内観賞植物類 上―ストレプトカーパス・レキシー、
下―アンツリューム
種 名
カーネーション 20種
フクシャ 13種
ゼラニューム 44種
蔓性ゼラニューム 各種
麝香ゼラニューム 各種
斑入り葉ゼラニュム 各種
ヘリオトロープ 3種
ロベリア 1種
ダチュラ・アルバ 1種
マーガレット 3種
ワスレナ草 1種
メセンブリアンセマム 3種
プリムラ ポリアンサス 1種
プリムラ カシメリアーナ 1種
プリムラ ブルガリス 3種
プリムラ シネンシス 1種
プリムラ オーリキュラ 1種
プリムラ キューエンシス 1種
プリムラ オブコニカ 2種
プリムラ フォルベシー 1種
日本桜草 50種
サルビア 2種
ペラルゴニューム 1種
ペチュニア 2種
インパチェンス 1種
ペンステモン 1種
パンジー 1種
ハイビスカス 9種
蔓桔梗 1種
鶴頂蘭 1種
クリビア 2種
ランタナ 1種
テッセン 2種
セントポーリア 1種
デージー 2種
イレシネ 1種
ムラサキオモト 1種
夾竹桃 1種
ラベンダー 1種
サンタンカ 2種
ソラヌム 1種
洋種石南花 10種
ハイドランジア 1種
アザレア 1種
バラ 63種
英 名
Carnation
Fuchsia
Geranium
Ivy leaved Geranium
Oak leaf Geranium
Geranium variegated
Heliotropes
Lobelia
Datura alba
Marguerite
Myosotis
Messembryanthemum
Primula polyanthus
Primula cashimeriana
Primula vulgaris
Primula sinensis
Primula auricula
Primula kewensis
Primula obconica
Primula forbesii
Primulas sieboldii
Salvia
Pelargonium
Petunia
Impatiens
Penstemon
Pan
s
i
es
Hibiscus
Campanumaea
Pha
i
u
s
C
l
i
v
i
a
Lan
t
ana
C
l
ema
t
i
s
Sa
i
n
t
pa
u
l
i
a
Daisy
Iresine
Rhoes
Thevetia
Lavender
Ixora
Solanum
Rhododendron
Hydrangea
Azaleas
Roses
原産地
地中海沿岸
メキシコ〜アルゼンチン
南アフリカ
南アフリカ
南アフリカ
南アフリカ
ペルー
南アフリカ
熱帯アジア
カナリア諸島
ヨーロッパ、
アジア
南アフリカ
交雑種
カシミール、
ヒマラヤ
英国、
ヨーロッパ一帯
中国
ヨーロッパアルプス
交雑種
中国
中国、
ネパール、
ミャンマー
園芸品種
ブラジル
園芸品種
ブラジル
熱帯アフリカ
カリフォルニア
園芸品種
ハワイ
園芸品種
熱帯アジア
南アフリカ
熱帯アメリカ
世界全般
アフリカ
地中海沿岸
ブラジル
メキシコ、
グアテマラ
インド
地中海沿岸
中国、
マレーシア
コスタリカ、熱帯アメリカ
北半球、南半球一部
日本他
園芸品種
園芸品種
備
考
朝鮮あさがお
マツバギク
ブッソウゲ
クンシラン
シチヘンゲ
マルバビユ
アジサイ
注:種数に原種、名称付きの園芸種を含みます。又、英名は学名がそのまま英名になったものも含みます。
花壇植並に鉢植草木類
ニューム
上―フユーシャ、下―ゼラ
洋種園芸植物群のデビューから生産、購
一般家庭で、日本式生け花に使用されるか、
買、消費時代へ
仏事に使われたに過ぎなかった風習によりま
明治末年までに、横浜植木株式会社を先
す。明治時代に登場した洋種園芸植物が切
鋒とした企業により、ほとんどの輸入植物の
花として多く市場に現れるようになったのは
種類を輸入し終ったといっても過言ではない
大正時代になってからで、日本産の切花を使
でしょう。
しかし個人の趣味栽培を対象として
用する方式に洋種のものを混用するようにな
いた段階から、消費型の切花栽培にひろが
ったことによります。
さらに一般家庭でも花瓶
らないと洋種園芸の市場は確立しません。
に挿して室内の装飾としたり、祝事の贈物と
明治中頃までの『日本園藝會雑誌』に載せ
して送ったりする習慣が一般化したため、温
られている切花相場をみると、ハナショウブ、
室などによる量産の効く洋種花卉の重要が
エゾギク、小菊、夏菊、ナデシコ、
ケイトウ、
テッ
高まったからです。明治時代は横浜をスター
ポウユリ、
シャクヤク、ニチニチソウなど在来植
トラインとする試走段階であったといえます。
物で、洋種植物は見られません。当時切花は
(第4部へつづく)
7
特
集
表3.球根塊茎植物類(Bulbs and Tubes Plants)
種 名
ヒヤシンス 36種
チューリップ 40種
アネモネ 各種
クロッカス 各種
ラナンキュラス 各種
オキザリス 6種
カマシア 1種
スノードロップ 3種
サイクラメン 3種
アガパンサス 2種
アマリリス 4種
アキメネス 5種
バビアナ 6種
球根ベゴニア 各種
カラジューム 15種
カラー 2種
カンナ 16種
喇叭水仙 31種
枝咲き水仙 2種
支那水仙 1種
カクタスダリア 37種
デコラティブダリア 8種
ペオニーダリア 23種
ショーダリア 1種
フリージア 4種
グラジオラス 10種
グロキシニア 各種
ジンジャー 1種
イキシャ 1種
鈴蘭
ムスカリ 4種
モントブレチア 5種
シラー 6種
トリテリア 5種
チュベローズ 2種
ティデア 7種
パンクラチューム 2種
ティグリジャ 5種
トリ
トマ 5種
オーニソガラム 1種
バロータ 1種
コルチカム 4種
ワトソニア 1種
チオノドクサ 1種
スパラキシス 1種
イキシオリリオン 1種
プシキニア 1種
トリ
トニア 5種
フリチラリア 38種
リリウム・カンディダム 1種
リリウム・テヌイフォリウム 1種
英 名
Hyacinthus
Tulip
Anemone
Crocus
Ranunculus
Oxalis
Cammasia
Snowdrop
Cyclamen
Agapanthus
Amaryllis
Achimenes
Babiana
Tuberous Begonia
Caladium
Calla
Canna
Daffodils
Narcissus polyanthus
Chinese Sacred Lily
Cactus Dahlia
Decorative Dahlia
Peony Dahlia
Show Dahlia
Freesia
Gladiolus
Gloxinia
Ginger
Ixia
Lily of the Valley
Muscari
Montbretia
Scilla
Triteleia
Tube
r
o
s
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Tydea
Pa
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hog
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Va
l
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Co
l
ch
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cum
Wa
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on
i
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Ch
ionodox
a
Spa
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x
i
s
I
x
i
o
l
i
r
i
on
Puschkinia
T
r
i
t
on
i
a
Fritillaria
Lilium candidum
Lilium tenuifolium
原産地
地中海沿岸
園芸品種
地中海沿岸
ヨーロッパ山岳地帯
ヨーロッパ、中近東
南米
北アメリカ北東部
ヨーロッパ、
カフカフ地方
地中海東部地方
南アフリカ
メキシコ、
アルゼンチン
メキシコ、
パナマ、
コロンビア
南アフリカ
園芸品種
アマゾン川流域
南アフリカ
熱帯アメリカ
ヨーロッパ
ヨーロッパ
メキシコ、南アメリカ
(園芸品種)
メキシコ、
南アメリカ
(園芸品種)
メキシコ、
南アメリカ
(園芸品種)
メキシコ、
南アメリカ
(園芸品種)
南アフリカ
熱帯アフリカ、地中海沿岸
ブラジル
インド
南アフリカ
ヨーロッパ
ヨーロッパ〜コーカサス
南アフリカ
南ヨーロッパ
米国北東部
南アメリカ
園芸品種
地中海地方、西アフリカ
メキシコ〜チリ
南アフリカ
ヨーロッパ、
南アフリカ
南アフリカ
ヨーロッパ、
北アフリカ、
アジア西中部
南アフリカ
地中海沿岸
南アフリカ
中央アジア
アジア、
コーカサス地方
南アフリカ
ヨーロッパ、
中近東、
パキスタン
バルカン半島、
西アジア
シベリア、
モンゴル、
中国東北部
備
考
ヒメヒオウギスイセン
花にら
ゲッカコウ
ミニカトレア
クロボシオーアマナ
イヌサフラン
アカバナヒメアヤメ
英名は学名がそのまま英名になったものも含みます。
注:種数に原種、
名称付きの園芸種を含みます。又、
表4.新輸入草花種子類(Flower Seeds)
種 名
アクロクリニューム
アドニス
アゲラタム
アグロステマ
アリッサム
アマランサス
アンティリナム
アクイレギア
アスター
バルーン・バイン
バルサム
ブラキカム
ブロワリア
カルセオラリア
クレロデンドロン
サイネリア
マンモス・コスモス
アーリー・コスモス
カウスリップ
クリサンセマム
カレンデュラ
カンパヌラ
カンデタフト
セロシア
センタウレア
クラーキア
コベア
カラー・ハイブリダ
ダイアンサス
デルフィニューム
フォーゲッ
ト・ミ・ナッ
ト
ガザニア
ナファリューム
ガイラルディア
ギリヤ
ゴデチャ
ハンネマンニャ
リナム
ルピナス
ミニョネッ
ト
ミムラス
モモーディカ
ナスタチューム
ニコチアナ
ニゲラ
カリフォルニア・ポピー
パンジー
フロックス・
ドラモンディ
ポピー
ポーチュラカ
リシナス
シザンサス
スイートピース
スカビオサ
スマイラックス
サンビタリア
サポナリア
シレネ
スイート・ウィリアムス
ストック
タゲテス
ツンベルギア
バーベナ
バージニアン・ストック
ウオール・フラワー
ジニア
パパーバー・ハイブリダム
英 名
Acroclinium
Adonis
Ageratum
Agrostemma
Alyssum
Amaranthus
Antirrhinum
Aqu
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l
eg
i
a
As
t
e
r
Baloon Vine
Balsam
Brachycome
Browallia
Calceolaria
Clerodendron
Cineraria
Mammoth Cosmos
Early Cosmos
Cowslip
Chrysanthemum
Calendula
Campanula
Candytuft
Celosia
Centaurea
Clarkia
Cobaea
Calla hybrida
Dianthus
Delphinium
Forget- me- not
Gazania
Gnaphalium
Gaillardia
Gillia
Godetia
Hunnemannia
Linum
Lupinus
Mignonetto
Mimulus
Momordica
Nasturtium
Nicotiana
Nigella
California Poppy
Pansy
Phlox drammondii
Poppy
Portulaca
Ricinus
Schizanthus
Sweet Peas
Scabiosa
Smailax
Sanvitalia
Saponaria
Silene
Sweet William
Stock
Tagetes
Tunbergia
Verbena
Virginian Stock
Wallflower
Zinnia
Papaver hybridum
注:英名は学名がそのまま英名になったものも含みます。
球根塊茎植物類
原産地
オーストラリア
ヨーロッパ、
アジア
メキシコ、
グアテマラ
ヨーロッパ、
アジア
ヨーロッパ、
アジア、
北アメリカ
メキシコーアンデス、
インドー東南アジア
地中海沿岸
日本、
アジア、
ヨーロッパ
中国、
朝鮮、
西チベッ
ト
北米南部
インド
オーストラリア
コロンビア
チリ、
アンデス地方
ヒマラヤ、
アッサム地方
北アフリカ、
カナリー諸島
メキシコ
メキシコ
ヨーロッパ
北アフリカ、
南スペイン、
ポルトガル
南ヨーロッパ
北アメリカ、
ヨーロッパ
南ヨーロッパ、
北アフリカ、
西アジア
アジア、
アフリカ熱帯地方
地中海沿岸
カリフォルニア
メキシコ
南アフリカ、
交配種
東アジア、
ヨーロッパ
中国
ヨーロッパ、
アジア
南アフリカ
日本、
朝鮮、
中国、
インド
北アメリカ
カリフォルニア
北アメリカ
メキシコ
ヨーロッパ
中南米、
アフリカ、
北アメリカ
地中海沿岸〜北西インド
北米西部
インド東部、
東南アジア
ペルー、
コロンビア、
ブラジル
ブラジル
南ヨーロッパ、
北アフリカ、
南西アジア
カリフォルニア
園芸品種
北米テキサス
ヨーロッパ
ブラジル
熱帯アフリカ、
インド
チリ
地中海沿岸
ヨーロッパ西部
南アフリカ
メキシコ、
グアテマラ
アジア、
ヨーロッパ、
北アフリカ
北半球、
アフリカ
ヨーロッパ
南ヨーロッパ
メキシコ
南アフリカ
アメリカ大陸
園芸品種
南ヨーロッパ
メキシコ、
南北アメリカ
園芸品種
上―ラナンキュラス、下―イキシヤ
備 考
ハナカンザシ
オオカッコウアザミ
ムギセンノウ
ハゲイ
トウの仲間
キンギョソウ
オダマキ
フーセンカズラ
ホーセンカ
キンチャクソウ
フーキギク
プリムラ・ベリス
洋菊
キンセンカ
ケイ
トウ
ヤグルマギク
サンジソウ
ナデシコ
オオヒエンソウ
ワスレナグサ
クンショウギク
マツヨイクサ
ゴウヤ
キンレンカ
ハナタバコ
クロタネソウ
ハナビシソウ
マツバボタン
コチョウソウ
マツムシソウ
アスパラガス
シャボンソウ
ビジョナデシコ
アラセイ
トウ
アフリカン・マリーゴールド
ビジョザクラ
ヒャクニチソウ
ヒナゲシ
新輸入草花種子類
上―シネラリヤ、下―ミニョネット
※P7、8の線画イラストは横浜植木株式会社の明治43/44年度定価表より。
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