開発プログラムと援助モダリティ - FASID 財団法人国際開発機構

第
4章
開発プログラムと援助モダリティ
◆
評価の視点から
三好皓一
1.はじめに
開発協力の世界では、国際開発を効果的にするために、長らくプロジェク
ト・アプローチからプログラム・アプローチへの変換の必要性が言われ続
けてきた。しかし、変換の実態は期待するような結果には至っていない。
2005 年のパリ援助効果向上ハイレベル・フォーラムでは、「援助効果にか
かるパリ宣言」として、オーナーシップ、調和化、アラインメント、結果、
相互説明責任が強調され、プログラム・アプローチによる効果的な国際開
発の必要性が謳われた。具体的には、
・パートナー国の国家開発計画及びそれに付随する業務フレームワーク
(計画、予算、パフォーマンス測定フレームワーク)を強化する、
・パートナー国の優先度、制度、手続きへの援助のアラインメントを増進
させ、必要な場合には、そのような制度を強化する能力を支援する、
・開発政策・開発戦略及びパフォーマンスにかかる、ドナー及びパートナ
ー国の市民と議会に対する説明責任を強化する、
・費用効果を可能な限り増大させるため、開発努力の重複を避けるととも
に、ドナーの行動を合理化する、
76
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
・集団的行動及びパートナー国の優先度、制度、手続きへの発展的なアラ
インメントを促進するため、ドナーの政策と手続きを改革・簡素化する、
・幅広く合意を得た好事例とその迅速で広汎な適用に沿いつつ、公共財政
管理、調達、信用セーフガード、環境アセスメントに関するパートナー
国制度のパフォーマンスやアカウンタビリティの測定方法と標準につき
特定する、
1)
ことを合意し 、開発途上国の政策を基にした開発援助を行なっていくこ
とが確認された。本合意には、日本を含め 91 か国の政府、26 の国際開発
援助機関、12 の市民社会組織が参加し、署名を行っている。しかし、こ
のような宣言自体がプロジェクト・アプローチからプログラム・アプロー
チへの変換の難しさの状況を表しているとも言える。
開発途上国の政策体系を形成する開発プログラムに対する援助国や援助
機関の支援の仕方は、プロジェクト支援とプログラム支援に大きく区分す
ることができる。他方、実際多くの援助国や援助機関の援助活動は、それ
ぞれの法令、予算、慣行、慣習にもとづいて実施されており、このような
援助国や援助機関の法令、予算、慣行、慣習が、それぞれの援助活動のあ
り方自体を、特にその援助の実施手続きと方法、すなわち援助モダリティ
2)
を形作っている 。援助国と援助機関は、これらの援助モダリティを使用
するとともに、その特性を踏まえて開発途上国の開発プログラムに対する
支援の仕方、プロジェクト支援とプログラム支援を選択して援助を行う。
結果として、このような状況が、プロジェクト・アプローチからプログラ
ム・アプローチへの移行を規定することになる。これは、日本の援助にお
いても例外ではない。日本の援助においては、援助の効果の向上のために、
プロジェクト・アプローチからプログラム・アプローチへの変換を、国別
アプローチ・課題別アプローチの導入として促進している。しかし、この
ような変換は、援助の実施方法と手続きのあり方、この援助モダリティと
ともに、また、そこから派生する開発途上国の開発プログラムに対する支
★下線用12文字分ダミー★
1) http://www.oecd.org/dataoecd/12/48/36477834.pdf、2007/12/27、
http://www.oecd.org/dataoecd/11/41/34428351.pdf、2007/12/27。
2) 笹岡雄一・西村幹子(2006)において、援助モダリティの異質性について記載してお
り参考にされたい。
評価の視点から
77
援の仕方によって規定されることになる。
他方、評価のあり方については、プロジェクト・アプローチからプログ
ラム・アプローチへの変換の流れを受け、プログラム評価が試行され、プ
ロジェクト評価からプログラム評価への移行が模索されている。しかし、
このようなプログラム評価の試行自体は、プログラム・アプローチ自体が
援助国や援助機関の援助の実施方法と手続きのあり方、この援助モダリテ
ィとともに、開発途上国の開発プロジェクトに対する援助国や援助機関の
支援の仕方によって規定されている以上、その影響を受けざるを得ない。
3)
評価の枠組みは、評価対象、評価設問、調査技法で構成されるが 、この
ような援助モダリティの特性と開発途上国の開発プログラムに対する援助
国や援助機関の支援の仕方は、特に評価対象と評価設問に大きく影響を与
えることによって、その評価のあり方を規定することになる。
本論は、このような背景を踏まえ、開発途上国の開発プログラムと援助
国や援助機関の援助モダリティに焦点を当て、開発プログラムの支援の仕
方についての特性を明らかにするとともに、プログラム評価のあり方を考
察するものである。また、日本のプログラム評価を事例として考察し、日
本の援助におけるプログラム・アプローチへの変換、あわせて今後のプロ
グラム評価についての示唆を提示するものである。
以下、第 2 節では、開発途上国の開発援助プログラムに対する援助国や
援助機関の支援をプロジェクト支援とプログラム支援に区分するとともに、
開発途上国の開発プログラムに対する援助国や援助機関の支援と援助モダ
リティの関係をプログラム・アプローチの観点から整理する。第 3 節では、
開発途上国の開発プログラムに対する援助国や援助機関の支援に係る評価
項目を、DAC 評価項目、評価レベル、パリ宣言の合意事項の観点から整
理する。また、これを基に開発途上国の開発プログラムの文脈に中で実施
される援助国や援助機関のプロジェクト支援とプログラム支援に対する評
価の枠組みを考察する。第 4 節では、援助モダリティと開発途上国の開発
プログラムに対する日本の考え方を整理する。また、試行的に実施された
プログラム評価を事例として考察し、日本の援助における開発途上国の開
★下線用12文字分ダミー★
3) 評価の枠組みについては、三好(2008)を参照されたい。
78
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
発プログラムとの関わりとプログラム評価の特性を明らかにする。第 5 節
では結論として、開発途上国の開発プログラムの支援のあり方、援助モダ
リティ、評価の視点から日本のプログラム・アプローチへの転換にかかる
今後の課題を提示する。
2.プログラム・アプローチと援助モダリティ
(1)開発プログラムの視点
議論を始めるあたり、まず開発プログラムについて整理しておきたい。開
発プログラムの定義はさまざまであるが、一般的には期待する社会変化、
すなわち成果を達成するための各種活動ないしは事業の組み合わせとして
捉えることができる。開発プログラムの概念自体については、従来援助国
や援助機関の視点からの議論が大勢を占めてきたことにより混乱が見られ
る。これは国際協力や援助に関わる文献が、援助国、援助機関の開発協力
について論じたものが多いことに由来すると考えられる。また、援助国や
援助機関が実施する開発協力は、歴史的には援助国や援助機関がそれぞれ
の事業活動として実施してきた経緯があり、開発プログラムについても、
援助国や援助機関の援助の実施方法を論じるために使われてきたことによ
る。
このような状況は、例えば、構造調整改革プログラムの援助国間の援助
協調枠組みとして世界銀行を議長として 1987 年に設立された「サブサハ
ラ・アフリカ特別援助プログラム」(SPA:Special Program of Assistance
for Low-Income Debt-Distressed Countries in Sub-Saharan Africa)の議論の
経過にも現れている。SPA では、回を重ねるごとに、公共支出や経済管
理などのワーキング・グループの議論を通して、援助の質と効果向上のた
めの援助国の活動、また、開発課題に対するアプローチを議論するように
なっていった。また、1999 年 12 月からは呼称も Special Program of Assistance to Africa から Strategic Partnership with Africa へと変更し、開発途上
国を積極的に含めた議論を進めている。しかし、基本的には、SPA は、
世界銀行、IMF、援助国からなる国際援助フォーラムであり、議論自体は、
評価の視点から
79
援助国や援助機関のアプローチ方法として議論がなされてきた経緯がある。
しかし、最近では、セクター・ワイド・アプローチや貧困削減戦略におけ
る開発途上国の政策に対する支援が行なわれるとともに、従来ワシントン
とパリで開催していた会合をアフリカで開催するようになった。2001 年
11 月にアジスアベバで行われた Technical Meeting では Addis Ababa Principle が合意され、援助国や援助機関の援助は、被援助国である開発途上
国の政府システムをバイパスするのではなく、政府システムをできる限り
4)
使って行なうことが強調され 、援助国や援助機関の視点は変化してきた。
また、セクター・ワイド・アプローチや貧困削減戦略書の議論の進化と実
施を通して、今日開発プログラムを開発途上国の視点から捉えることが通
5)
例化してきた 。
CIDA(2003)によれば、開発プログラムとは、比較的整合的な方法で
関連する成果を達成するために計画された一連の統合された活動を示すも
のと定義している。また、プログラム・アプローチについては、それぞれ
の開発の現場で作成された開発プログラムをもとに調整を行った上で支援
内容を確定して支援するという原則の下に開発協力を行なうという実施方
6)
法として整理している 。アプローチ自体は、主要な構成要素として、開
発途上国の政府または機関によるリーダーシップ、単一のプログラムと予
算枠組み、援助国と機関の協調と手続きの調和化、プログラムの計画、実
施、財務管理、モニタリングと評価における継続的な現地の手続きの使用
に対する努力が強調される。また、政府の行政システムの使用が強調され
7)
る 。このような考え方は、開発プログラムを開発途上国の実施する政策
★下線用12文字分ダミー★
4) Addis Ababa Principle は、すべての援助国と援助機関は、やむ終えない理由がない限
り被援助国である開発途上国の政府システムを使うことを強調している。これは、政府シス
テムを邪魔にしたり、または、バイパスしたりすることは、財政支援などで求められる政府
能力を結果として弱めることになりかねないとのこと、また、これとは反対に援助を、政府
システムを経由して供与することにより、政府能力を開発、また、構築できるとの認識に基
づく(CIDA 2003)
。
5) 援助協調の枠組みについては、三好(2001)を参照されたい。なお、名称など詳細に
ついては http://www.spa-psa.org/main.html を参照されたい。
6) CIDA は、プログラム・アプローチという用語を使わず、プログラム・ベースド・ア
プローチの用語を使用しているが、本論でのプログラム・アプローチの用語は同じ内容を示
すものであり、相互に交換可能な用語として扱う。
80
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
体系として位置づけ、そのような文脈のなかで各援助国や援助機関の活動
を開発途上国の開発プログラムに対する支援活動と位置づけようとするも
のである。そのような意味では、プログラム・アプローチとは、開発途上
国の開発プログラムに対する援助国や援助機関の支援の仕方として議論す
ることができる。
このような背景を踏まえ、本論では、開発プログラムを開発途上国の政
策体系として扱うこととする。
(2)プログラム・アプローチの下でのプロジェクト支援とプログラム
支援
ここでもう少し開発プログラムの概念について、援助国や援助機関の支援
を開発途上国の政策体系である開発プログラムの観点から整理しておこう。
一般に、全てのポリシー、プログラム、プロジェクトは目的を有しており、
政策決定者や行政担当者、また、事業担当者はその目的を達成するために
8)
種々の手段を駆使して目的を達成しようと努力する 。それゆえに、ポリ
シー、プログラム、プロジェクトは、明示的であれ、暗黙的であれ、政策
決定者、行政担当者、事業担当者が想定する一連の目的と手段の連鎖関係
を基に実施されることになる。このような一連の目的と手段の連鎖関係、
言い換えれば、それぞれの事業活動には、事業活動に内在する原因を構成
する手段と結果を構成する目的との関係が存在する。このような関係が、
ポリシー、プログラム、プロジェクトを支えることになる。また、ポリシ
ー、プログラム、プロジェクトが構成する最終成果(ターゲット・グルー
プの変化による対象社会の変化として実現される効果)、中間成果(人や
組織を含むターゲット・グループの変化として実現される効果)、アウト
プット(活動によって生み出される財やサービス)、活動(投入を使って
アウトプットを生み出すための一連の行為)、投入(人材、資機材、運営
★下線用12文字分ダミー★
7) 基本的に、パリ宣言の合意事項と一致する。また、このような考え方を基にした議論
がパリ宣言を形作っている。
8) 本論では、政策体系に関連してポリシー、プログラム、プロジェクトの用語を使用し
ているが、政策、施策、事業と、これら 3 つの用語は、それぞれ交換可能な用語として使用
する。
81
評価の視点から
経費、施設、資金、専門技術、時間など)についての因果関係、すなわち
開発プログラムである政策体系を形作ることになる(三好 2006b、2008)
。
図 1 は、このような因果関係を基に、開発途上国の開発プログラムを、
マトリックスを用いて政策体系として、また、援助国や援助機関の援助や
介入を、プログラム支援とプロジェクト支援に区分して、概念化したもの
である。本論では、このマトリックスをプログラム・セオリー・マトリッ
クスと呼ぶこととする。矢印は、援助国や援助機関の援助や介入を、プロ
ジェクト支援とプログラム支援として、開発途上国の政策体系としての開
発プログラムに対する位置づけとして表す。前述のように国際開発では開
発途上国の政策、また、行政システムの下での援助国や援助機関としての
支援が求められている。すなわち、開発途上国の政策体系である開発プロ
グラムに対する援助国や援助機関の支援が求められている。プログラム支
援は、一義的に最終成果、中間成果の達成に対する支援であり、プロジェ
クト支援は、一義的にアウトプットの実現、また、そのための活動に対す
る支援である(三好 2006a)。ただし、プロジェクトに対する支援であっ
ても、開発途上国の政策体系たる開発プログラムに位置づけられる支援は、
単独のプロジェクト支援とは異なり、プログラム・アプローチを構成する
9)
ことになる 。では、プログラム支援とプロジェクト支援は、具体的には
どのようなものか、みてみたい。
図 1 政策体系の概念図におけるプログラム支援とプロジェクト支援の視点
最終成果
中間成果
結果
活動
投入
EOC
IOC1
OP1/1
A1/1
IP1/1
OP1//2
A1/2
IP1/2
OP2/1
A2/1
IP2/1
OP2/2
A2/1
IP2/2
IOC2
プログラム支援
プロジェクト支援
(注)EOC、IOC、OP、A、IP は、それぞれ政策体系における最終成果、中間成果、アウト
プット、活動、インプットを表わす。
(出所)三好(2008)を基に筆者作成
★下線用12文字分ダミー★
9) プログラム・アプローチにおけるプログラム支援とプロジェクト支援の関係について
は、三好皓一、坂本公美子、阿部亮子(2002)を参照されたい。
82
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
プログラム支援では、政策体系の適切な構築、政策体系を実施するため
のキャパシティ・ディベロップメント、そして、政策体系の実施とその実
績のモニタリングと評価が重視される。プログラム支援は、開発プログラ
ム総体に対する支援であり、最終成果と中間成果を実現するために、開発
プログラムのあり方を支援するものと考えると分かりやすい。プロジェク
ト支援のように、開発プログラムのコンポーネントとして開発プログラム
の中で位置を占めるのではなく、開発プログラムの外で開発プログラムの
策定、実施、評価を支援するものと位置づけられる。プログラム支援とし
ては、財政支援が一般的である。財政支援では、支援された資金自体は政
府予算に組み込まれて編成され、被援助国政府の行政活動として執行され
る。予算執行は被援助国政府の実施能力に依存することになるゆえに、援
助国や援助機関は、執行を確保するための体制整備を資金支援の条件とし
て開発途上国に対して求めることになる。また、このような考え方に基づ
けば、技術協力プロジェクトもプログラム支援になり得る。ポリシーやプ
ログラムへの技術協力は、最終成果や中間成果を達成するためにポリシー、
プログラムの策定とポリシー、プログラム、プロジェクトへの有効な資源
配分方法、すなわち、目標の設定、法制、組織、制度、プロジェクトの選
定などを扱うことにある。開発途上国の開発プログラムの形態を整えると
ともに、その実施や評価能力を向上させて、開発プログラムを総体的に支
えることになる。特に、支援対象として、対象国内にある既存の組織、既
存の技術の活用、選択、組み合わせによる開発途上国の行政の総体的な能
力の向上を重視する。
他方、プロジェクト支援では、開発途上国が提供するアウトプットとし
ての財とサービスを確保することが重視される。アウトプットの確保は、
一般には開発途上国の行政活動として実現されることが望ましいが、援助
国や援助機関からの直接的な関与、場合によれば、直接的な運営管理にお
いて行われることになり得る。このような状況では、援助国や援助機関は
直接的にプロジェクトの目的の達成に関与できるので説明責任の面からは
わかりやすい面を持っており、援助国や援助機関が直接的な管理を行うこ
とに対する誘引が常に存在することになる。資金協力では、施設や設備な
どの整備が主体になる。技術協力では、アウトプットの達成に重点が置か
評価の視点から
83
れ、ポリシーやプログラムの実施手段としてのプロジェクトの効率的実施
への支援、すなわちプロジェクトの計画、実施、評価が支援の主要な部分
を占める。
よって、援助国や援助機関は、このような援助枠組みの下で、開発途上
国の政策体系としての開発プログラムのどこに対して支援・介入するか、
その支援活動を明確にすることが問われることになる。
(3)アジア開発銀行の教育セクター開発プログラムと支援の視点
このような開発途上国の開発プログラムに対する援助国や援助機関のプロ
ジェクト支援とプログラム支援を、アジア開発銀行のカンボジアに対する
教育支援を事例として、アジア開発銀行のプロジェクト・ドキュメントを
10)
基に考察し、理解を深めたい 。アジア開発銀行は、プログラム・アプロ
ーチの傾向を踏まえ、2001 年にプロジェクト支援とプログラム支援を組
み合わせた教育支援のローンをカンボジアに供与している。このようなプ
ログラム支援は、アジア開発銀行が、カンボジアにおいてセクター・ワイ
ド・アプローチを強力に進めたいとの意図に基づくものであった。内訳は、
プログラム支援としてのポリシー・ローン 20 百万ドルとプロジェクト支
援としてのインベストメント・ローン 18.0 百万ドル、合計 38.0 百万ドル
の供与である。アジア開発銀行は、この支援を、カンボジアの教育戦略計
画(ESP:Education Strategic Plan)の下で教育セクター支援プログラム
(ESSP:Education Sector Support Program)の一環として策定された教育
セクター開発プログラム(ESDP:Education Sector Development Program)
に対して行っている。基本的な考え方は、セクター・ワイド・アプローチ
11)
に基づくものである 。このアジア開発銀行のローンは、アジア開発銀行
がプロジェクト・アプローチからプログラム・アプローチへの変換を目指
すものであり、プロジェクト要素を含んだプログラム支援となっている。
プログラム支援とプロジェクト支援の特性を見るには適当な事例である。
このローンでは、プロジェクト支援は、初等教育、中等教育、高等教育
★下線用12文字分ダミー★
10)Asia Development Bank(2001)
11)セクター・ワイド・アプローチについては、三好皓一、坂本公美子、阿部亮子(2002)
、
CIDA(2003)を参照されたい。
84
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
に対するアクセスの提供のための施設整備を主体とした支援である。カン
ボジアの教育セクターの教育施設計画に位置づけられており、開発プログ
ラムにおいて確保すべきアウトプットの一部である。プロジェクト・コン
ポーネントは、施設整備とインスティチューション強化に区分されている。
予備費を除いてそれぞれ 18.11 百万ドル、1.13 百万ドルが計上されている。
施設整備経費の割合は約 94 %とプロジェクト支援の大部分を占めている。
実態的には施設整備プロジェクトである。施設としては、初等教育で 735
クラスルーム、中等教育で 1,097 クラスルーム、教師用の宿舎で 100、教
師訓練学校の施設整備 21 か所、教師職業訓練施設 10 か所を対象としてい
る。支援自体は、貧困地域、地方、また、マイノリティを対象にしており、
プロ・プアー指向を打ち出している。ESP 及び ESSP から構成される開発
プログラムの一部を担うという考え方に強く立っている。プロジェクト自
体はプロジェクト・オフィスを設置して実施しているが、実施の分散化を
目指して県政府による実施をモデルとして組み込んであり、過渡期的プロ
ジェクトと位置づけている。
プログラム支援は、ESDP の実施を促進するためにポリシー・ベースの
ローンを供与している。98 百万ドルとの推計を基に、その一部を負担す
るポリシー・パケットとしての供与であり、開発プログラム総体としての
支援である。ESDP 自体は、対象期間を 2002 年から 2005 年として、教育
セクターへの資源配置の増加、教育サービスへのアクセスの促進、教育セ
クターの質と効率の改善、すべてのレベルでのマネジメント能力の強化と
サービス供与の分散化の促進を目標として教育セクターの開発を目指すも
のである。資金は 3 回に区分し、ローンが有効になった時点で 10 百万ド
ルを、15 か月以内に第 2 段として 5 百万ドルを、第 2 段後 12 か月以内に
5 百万ドルを、上記の目的の実施促進に対する取り決め事項を満たしたと
ころで提供する。実施に対しては、ポリシーを明確にすること、適切な資
金配分を行なうこと、実施の管理能力の確保と効率的な運営を行なうこと
といった、開発プログラム自体にかかわる事項が求められている。このロ
ーンは、セクター・ワイド・アプローチの一環として資金面を強化し、他
方、能力強化は UNICEF(United Nations Children’s Fund)などの他の援
助機関のプログラム支援に負う形になっており、技術協力と一体となって
評価の視点から
85
機能している。
(4)開発プログラムに対する支援と援助モダリティ
以上見てきたように、開発プログラムに対する支援、すなわちプログラ
ム・アプローチにおいては、最終成果、中間成果を対象に支援するプログ
ラム支援と、アウトプット、活動を対象に支援するプロジェクト支援の 2
つに区分できる。他方、実際多くの援助国や援助機関の援助活動は、それ
ぞれの法律、法令、予算、慣行、慣習にもとづいて実施されており、その
援助の実施手続きと方法は援助モダリティとして形作られている。援助モ
ダリティは、資金協力と技術協力に、さらに技術協力は、資金供与を主体
としたものと、現物供与方式のものとに大きく区分できる。表 1 は、開発
途上国の開発プログラムに対する援助国や援助機関の支援と援助モダリテ
ィの関係を示したものである。援助国と援助機関は、それぞれの援助モダ
リティを使用するとともに、その特性のもとで開発途上国の開発プログラ
ムに対する支援の仕方を選択することになる。
資金協力では、基本的に、プログラム支援とプロジェクト支援の選択は、
技術協力に比べ柔軟である。他方、プログラム支援とプロジェクト支援と
の選択は、援助国または援助機関の選好に大きく依存している。
実態的には、プログラム支援は、財政支援、または、政策実施資金のギ
ャプを埋めるための資金供与として扱われる場合が多い。提供される資金
は、政策体系を形成する開発プログラムを総体的に支援するものであり、
開発途上国の予算に組み込まれて編成され執行されることになる。それゆ
えに、開発途上国の政策策定、実施能力、モニタリング・評価能力が強く
問われることになる。また、資金供与に当たっては、開発プログラムの策
定、実施、評価が問題であり、その実効性が問われるので、キャパシテ
12)
ィ・ディベロップメントが重視さることになる 。
他方、プロジェクト支援では、インフラストラクチャーなどの施設整備
への支援が中心になる。特に、贈与による資金協力では、開発途上国の予
★下線用12文字分ダミー★
12)今日、世界銀行、アジア開発銀行のプロジェクト・デザイン・サマリーなどにおいて、
キャパシティ・ディベロップメントが、コンポーネントして特定されているものが多く見受
けられる。
86
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
表 1 開発プログラムに対する支援と援助モダリティ
援助モダリティ
支援の区分
資金協力
プログラム
支援
・財政支援
技術協力
・政策体系の適切な構築・策定
・政策実施資金のギャップを埋 ・政策体系の実施のためのキャパシテ
めるための資金供与(主にロ
ィ・ディベロプメント
ーンの供与)
・政策体系の実施とその実績のモニタ
リングと評価システムの構築
・ポリシー・プログラム・プロジェク
トへの有効な資源配分方法
・目標の設定、法制、組織、制度、プ
ロジェクトの選定など:改革など
・開発途上国の予算としての計 ・援助国や援助機関の協調重視
上と執行
・アンタイド化、開発途上国専門家の
・借款、贈与における柔軟性の
雇用などの柔軟性に対する要求
要求
・政策アドバイザーなどの政策への直
接的な関与
・ポリシー・フォーラム、ワークショ
ップ、ポリシー・スタディなど
プロジェクト ・インフラストラクチャーの建 ・プロジェクトの効率的実施への支援
支援
設に対する支援
・プロジェクトの計画、実施、評価な
・社会セクターの施設・設備資
金など
ど
・借款、贈与における開発途上 ・プロジェクト方式技術協力
国の予算への計上と執行はケ ・技術専門家の派遣
ース・バイ・ケース(援助国 ・援助国の専門家派遣志向
と援助機関の選好の強い影響)
(注)上段は支援内容を、下段は特質を表す。
(出所)筆者作成
算に計上し執行されない場合も多い。その場合には、援助国や援助機関の
管理下に置かれ実施されることになる。また、開発途上国の開発プログラ
ムにおける位置づけを明確にすることは難しくなる傾向がある。
技術協力では、プログラム支援とプロジェクト支援では大きな相違があ
る。プログラム支援は、まずは政策体系である開発プログラムの策定に向
けられる。政策アドバイザーや、ポリシー・フォーラム、ポリシー・スタ
ディなどの形態で実施される。開発途上国の開発プログラム全体に関わる
ことなので、援助国と援助機関の協調の下で実施することが求められる。
援助国や援助機関の援助モダリティに柔軟性が無いと実施に難しさが伴う
評価の視点から
87
ことになる。また、ポリシーの実施に伴う支援も重視される。政府のキャ
パシティの開発に対しての協力が求められる。最近においては、開発途上
国の専門家の雇用が求められるようにもなってきている。他方、プロジェ
クト支援では、プロジェクト方式、技術専門家の派遣などが一般的である。
特定のプロジェクトの計画、実施、評価が主体であり、効率性が重視され
る。
3.開発プログラムの評価:プログラム支援とプロジ
ェクト支援の観点から
評価を実施するためには、評価の対象とともに評価の設問、すなわち評価
項目を明確にしておくことが必要である。本節では、開発プログラムの評
価を行う枠組みを、プログラム支援とプロジェクト支援に焦点を当て整理
する。以下、プログラム支援とプロジェクト支援において、どのような違
いがあるのか、DAC 評価 5 原則の適用、評価のレベル、そしてパリ宣言
の合意事項の観点から考察する。
DAC 評価 5 項目は、国際協力の世界では従来から使われてきた評価項
目である。また、評価では一般的に 5 項目すべてを評価項目として採用し
評価を行うことが通例化している。しかし、政策体系としての開発プログ
ラムの文脈で見てみると、プログラム支援とプロジェクト支援の評価では
5 項目に対する意味づけは異なる。また、評価レベルについても、プログ
ラム支援とプロジェクト支援により、その特性を考慮する必要がある。他
方、パリ宣言の合意事項は、プログラム・アプローチ促進のための、特に
実施プロセスに関わる要素であり、これらの合意事項を、プログラム支援
とプロジェクト支援を対象に評価項目として整理することにより、プログ
ラム支援とプロジェクト支援の特質を見ることができる。
(1)DAC 評価 5 項目の適用
国際協力では、評価は一般的に DAC の評価 5 項目に基づいて実施される。
図 2 は、開発途上国の政策体系である開発プログラムと評価 5 原則の関係
88
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
をプログラム・セオリー・マトリックスによって表したものである。
DAC の評価 5 項目を、政策体系を表したプログラム・セオリー・マトリ
ックスに図示すると、その特性がよく分かる 13)。
プロジェクト支援では、その効果の評価は支援するプロジェクトを対象
としての評価になる。基本的にアウトプットに焦点を当て評価することに
なる。この場合、プロジェクトを対象とするので、効率性については、適
当な査定を行うことが可能である。インプットを基に活動しアウトプット
を達成するというプロセスの適否を査定することになる。しかし、プロジ
ェクトの結果であるアウトプットの想定される効果、すなわち中間成果は、
その中間成果を達成するために実施することとした他の関連するプロジェ
クトのアウトプットと一緒になってはじめて生み出すことができる。プロ
ジェクトのアウトプットの中間成果に対する効果、すなわち有効性は、他
のプロジェクトの実施を条件としての効果になる。また、プロジェクトの
最終成果に対する効果はインパクトとして捉えられるが、一般的に支援し
たプロジェクトのアウトプットの寄与は限定的である。それゆえプロジェ
クト支援においては、その効果の評価は限定的な評価にならざるを得ない。
その効果に対する寄与を明確に査定することには限界がある。
プログラム支援では、最終成果と中間成果に焦点を当て行うものであり、
図 2 政策体系である開発プログラムと DAC 評価 5 項目
最終成果
中間成果
結果
活動
投入
EOC
IOC1
OP1/1
A1/1
IP1/1
有効性OP1//2
インパクト
IOC2
妥
当
性
妥
当
性
プログラム支援
A1/2
IP1/2
OP2/1
A2/1
効率性
IP2/1
OP2/2
A2/1
IP2/2
プロジェクト支援
自立発展性
(注)EOC、IOC、OP、A、IP は、それぞれ政策体系における最終成果、中間成果、アウト
プット、活動、インプットを表す。
(出所)三好(2008)を基に筆者作成
★下線用12文字分ダミー★
13)DAC の評価 5 項目については、詳しくは、国際協力機構企画・評価部評価監理室
(2004)
、三好(2006b)を参照されたい。
評価の視点から
89
実態的には、開発途上国の開発プログラムの評価を行なうことが主体とな
る。インパクトと有効性についての包括的な評価が主体となる。開発プロ
グラムの成果の達成度を査定すること、ターゲット・グループの選択、ま
た、事業の選択の適否として、開発プログラムのインパクト、有効性を査
定することになる。また、妥当性と自立可能性についても、包括的な評価
が可能になる。しかし、個々のプロジェクトの効率性を前提とした評価に
なるという点については留意すべきである。
(2)ポリシー評価、プログラム評価、プロジェクト評価
評価では、どのレベルの評価を行うかによって、評価の考え方は異なる。
ポリシーに焦点を当てて評価を行うのか、プログラムに焦点を当てて評価
を行うのか、また、プロジェクトに焦点を当てて評価を行うのか、焦点の
当て方によって評価の考え方も評価の方法も異なる。ポリシー評価やプロ
グラム評価は、主として成果であるアウトカムを出発点として、アウトプ
ットの配分、組み合わせの適否を問うことが主体となる。他方、プロジェ
クト評価は、アウトプットを基点として、インプットからアウトプットま
での方法や経過の適否、また、成果であるアウトカムへの影響を問うこと
が主体となる。ポリシー評価とプログラム評価はプロジェクト評価とはそ
の認識と分析の構成要素を異にする。このような政策体系に基づくポリシ
ー評価やプログラム評価とプロジェクト評価の概念的区分が、プログラム
支援とプロジェクト支援の評価の展開のためには不可欠である。図 3 は、
政策体系を表したプログラム・セオリー・マトリックスに、ポリシー、プ
ログラム、プロジェクトの認識の範囲と評価の範囲とともに、プログラム
支援とプロジェクト支援の位置づけを示したものである。
ポリシー、プログラム、プロジェクトの認識範囲は、政策体系に対する
視点の違いであるとともに、階層の違いである。また、政策体系の最終成
果、中間成果、アウトプット、活動、インプットの操作可能性の違いにも
関連する。アウトプット、活動、インプットは行政活動として直接的に操
作が可能であるが、最終成果と中間成果は、それらのアウトプットとの因
果関係を基にアウトプットを操作することによってのみ操作が可能である。
他方、政策体系は、行政機関の意志を表すものであり、目的と手段の連鎖
90
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
図 3 プログラム支援・プロジェクト支援と評価のレベル
最終成果
中間成果
EOC
IOC1
ポリシー
結果
OP1/1
活動
IOC2
プログラム
プログラム支援
A1/1
IP1/1
A1/2
IP1/2
プロジェクト
OP1//2
投入
OP2/1
A2/1
IP2/1
OP2/2
A2/1
IP2/2
プロジェクト支援
(注)EOC、IOC、OP、A、IP は、それぞれ政策体系における最終成果、中間成果、アウト
プット、活動、インプットを表わす。
(出所)三好 2008 を基に筆者作成
として認識されることによって初めて具体化されるものである。
しかし、全ての行政活動、すなわち、政策体系を構成する最終成果、中
間成果、アウトプット、活動、インプットの連鎖が全て一同に明らかにさ
れるわけではない。政策体系は、ポリシー、プログラム、プロジェクトの
各レベルの範囲で認識され、それぞれの認識を重ね合わすことによって、
実態として機能する。その意味で、実際の組織や行政活動の場で、どのよ
うな仕組みで、ポリシー、プログラム、プロジェクトが認識されているか、
が重要となる。このような観点に立つと、プログラム支援とプロジェクト
支援が関与する認識範囲は、プログラム支援の認識範囲はポリシーとプロ
グラムの認識範囲であり、また、プロジェクト支援の認識範囲はプロジェ
クトの認識範囲になる。
他方、ポリシー評価、プログラム評価、プロジェクト評価は、このよう
なそれぞれの認識を基に行われる。ポリシー、プログラム、プロジェクト
の政策体系の文脈における認識の範囲の違い、また、評価の違いである。
それゆえに、プログラム支援とプロジェクト支援に係る評価もその認識の
違いの影響を受けることになる。ポリシー評価では、最終成果を目的とし
て手段としての中間成果との、また中間成果を目的として手段としての結
果との連鎖関係と、そしてそれぞれの配分を検討することになる。そこで
は最終成果の達成を確保するためにどのように中間成果を組み合わせられ
たかが検討される。プログラムとプロジェクトの評価についても同様であ
評価の視点から
91
り、それぞれの認識の範囲において目的と手段としての連鎖関係と、そし
てそれぞれの配分、すなわち手段の組み合わせが検討される。
具体的には、ポリシー評価は、社会の現状と期待される変化とともに、
その変化をもたらすためのターゲット・グループの選択と期待される変化
を評価する。すなわち、ターゲット・グループの選択の適否とともに、選
択されたターゲット・グループの変化によってもたらされる社会の変化、
時としては変革を計画し実現する意図とその実施を評価することになる。
プログラム評価は、ターゲット・グループの現状と期待される変化ととも
に、その変化をもたらすためのプロジェクトによって生みだされるアウト
プットの選択と期待される変化を評価する。すなわち、プロジェクトの選
択の適否とともに、選択したプロジェクトとその生み出すアウトプットに
よって、ターゲットの変化を計画し実現する意図とその実施を評価するこ
とになる。プロジェクト評価では、アウトプットを生み出すプロセスの適
否が評価対象として重視される。また、伝統的に、プロジェクトによって
生み出されたアウトプットのターゲット・グループの変化に対する効果に
ついて評価を行なっている。
概念的には、このような区分ができるが、他方実際の評価では、これら
の評価概念を組み合わせた形で行なわれている。しかし、成果に焦点を当
てるか、アウトプットに焦点を当てるかで、大きな違いがあることも事実
である。この点を議論することが重要である。このような点を踏まえると、
プログラム支援は、最終成果と中間成果に焦点を当て支援するものであり、
支援の効果の査定は、ポリシー評価、また、プログラム評価として実施さ
れる。他方、プロジェクト支援では、支援はアウトプットに焦点が当てら
れるので、その評価はプロジェクト評価として実施される。
(3)パリ合意に基づく評価視点(プロセス評価の視点)
ここでパリ合意の視点から開発プログラムに対する支援の評価を考察し
てみたい。表 2 は、パリ宣言の合意事項から見た評価の視点を示す。パリ
合意は、開発途上国自体による開発プログラムの推進の枠組みを提示する
ものである。開発プログラムの推進には、オーナーシップ、調和化、アラ
インメント、結果、相互説明責任が求められている。従来から、プロジェ
92
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
表 2 パリ合意に基づく評価視点
プログラム支援
プロジェクト支援
オーナーシップ ・国家開発計画・政策の状況
・業務フレームワーク(計画、予算、
パフォーマンス測定フレームワーク)
の状況
調和化
・開発努力の重複の回避
・ドナーの行動の合理化
アラインメント ・優先度、制度、手続きへの援助のア ・優先度、制度、手続きへの
援助のアラインメントの増
ラインメントの増進
・制度を強化する能力の支援
・ドナーの政策と手続きの改革・簡素
進:位置づけ
化の程度
・アウトプットの達成状況
結果
・最終成果、中間成果の達成状況
相互説明責任
・開発政策・開発戦略及びパフォーマ ・アウトプットの達成状況と
その寄与
ンスにかかる、ドナー及びパートナ
ー国の市民と議会に対する説明責任
の強化
・公共財政管理、調達、信用セーフガ
ード、環境アセスメントに関するパ
ートナー国制度のパフォーマンスや
アカウンタビリティの測定方法と標
準の特定化
(出所)筆者作成
クト・アプローチからプログラム・アプローチへの移行は、主に開発プロ
グラムの策定、実施、評価の一連のプロセスを如何に適切なものに変化し
得るかと言う観点から議論が行なわれてきており、開発プログラムの実施
の可否については開発プログラムの策定、実施、評価のプロセスが重視さ
れてきた。パリ合意はこのような流れの一環として捉えることが必要であ
り、概念的には、開発プログラムの策定、実施、評価にかかるプロセス的
な要素を多分に含んでいる。それゆえに、これらの事項は、開発プログラ
ムの策定、実施、評価のプロセスの適否を評価するときの視点、また、基
準として活用することができる。
このような視点に立つと、プログラム支援の評価においては、アウトカ
ムに焦点を当て、開発プログラムの策定、実施、評価のプロセスを、総体
的、包括的に検証することが重要になる。プログラム支援のためには、パ
評価の視点から
93
リ宣言の合意事項であるオーナーシップ、調和化、アラインメント、結果、
相互説明責任が必要条件であり、これらを評価事項として評価を実施する
ことによって、プログラム支援を実施プロセスの観点から評価することが
可能になる。
他方、プロジェクト支援では、プロジェクトは開発プログラムの一構成
要素であり、プロジェクト支援を取り上げて、開発プログラム全体の策定、
実施、評価のプロセスを総体的に評価することは、その責任範囲を超える
ものである。それゆえに、プロジェクト支援では、優先度、制度、手続き
への援助のアラインメントの増進、特に開発途上国の開発プログラムにお
ける支援プロジェクトの位置づけ、結果としてのアウトプットの達成状況、
また、説明責任としてのアウトプットの達成状況とその寄与に特化して評
価を行うことにならざるを得ない。
(4)開発プログラムの評価と援助モダリティ(まとめ)
表 3 は、以上の議論を踏まえ、評価レベル、DAC 評価項目、パリ宣言
の合意に基づく評価の視点に基づき、プログラム支援とプロジェクト支援
の評価の枠組みとして、それぞれ取りまとめたものである。開発途上国の
開発プログラムの文脈に中で行われるプロジェクト支援とプログラム支援
の評価の枠組みを提供する。また、プログラム支援とプロジェクト支援を
構成する各種のモダリティに対する評価の視点も明示的になる。
プログラム支援の評価は、プログラム支援として行われる財政支援、資
金のプール化、政策体系に係る計画・強化支援、政策体系の実施能力の強
化支援などを評価対象として評価を行なうことになる。評価のレベルは、
ポリシー評価とプログラム評価が主体となる。評価項目としては、社会の
変化である最終成果、ターゲット・グループの変化である中間成果の達成
度を重視し、インパクトと有効性に焦点を当てるとともに、また、開発プ
ログラムの策定、実施、評価のプロセスを査定するためにパリ宣言の合意
事項であるオーナーシップ、調和化、アラインメント、結果、相互説明責
任を直接的に検証することによって、政策体系である開発プログラムを包
括的、総合的に評価することになる。また、評価の実施自体は、援助国や
援助機関が単独で実施することは難しく、開発途上国が評価の実施主体に
94
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
表 3 開発プログラムの評価とモダリティ
評価レベル
プログラム支援
DAC 評価 5 項目
・ポリシー評価:タ ・インパクト
・財政支援
・資金のプール化
ーゲット・グルー ・有効性
プの選択・組み合 ・妥当性
・政策体系に係る計
わせの適切性
画・強化支援
・プログラム評価:
・政策体系の実施能
プロジェクトの選
力の強化支援
・プログラムとして
の持続可能性
択・組み合わせの
・プロジェクト方式
による支援
・技術専門家派遣
・研修・ワークショ
ップ
・プロジェクトの計
画策定支援
評価視点
・政策体系に対する
オーナーシップ
・援助国、機関の調
和化に対する合意
・結果:最終成果、
中間成果の到達度
・政策遂行に対する
適切性
プロジェクト支援
パリ合意に基づく
相互説明責任
・プロジェクト評価: ・効率性
・アラインメント:
事業の生産性、ア ・有効性
プロジェクトの位
ウトプットの直接 ・プロジェクトとし
的効果
ての持続可能性
置づけ
・結果:アウトプッ
ト、ターゲット・
グループへの影響
としての中間成果
(出所)筆者作成
なる事が求められる 14)。
他方、プロジェクト支援の評価は、プロジェクト支援であるプロジェク
ト方式による支援、技術専門家派遣、研修・ワークショップ、プロジェク
トの計画策定支援などを対象として評価を行なうことになる。評価のレベ
ルは、プロジェクト評価が主体となる。特に、プロジェクトのアウトプッ
トの確保に焦点が当てられ、プロジェクトの事業活動の適否に係る効率性
を重視する。当該プロジェクト支援は、開発途上国の開発プログラムの一
部としての構成要素であるので、この支援を持って開発プログラムの適否
を評価することには限界がある。プロジェクト支援の評価では、このよう
な点から、評価は事業活動に注力され、パリ宣言の合意事項を踏まえれば、
評価項目は、プロジェクト支援の開発途上国の開発プログラムに対する位
★下線用12文字分ダミー★
14)筆者は、援助国や援助機関が独自に実施した評価の総合評価(Evaluation Synthesis)
として開発途上国の開発プログラムを評価する可能性は存在すると考えている。立命館アジ
ア太平洋大学では、授業演習の一環としてフィリピンの結核政策についてこのような試みを
行った(Tuan et al. 2006)
。
評価の視点から
95
置づけとその効果の可能性についての限定的な検証を行なうことによって、
プロジェクトの開発プログラムへの貢献を検証することになる。
4.日本の援助モダリティとプログラム評価:事例
本節では、第 2 節と第 3 節の考察を踏まえ、日本の援助モダリティと開発
途上国の開発プログラムに対する考え方を整理する。また、試行的に実施
されたプログラム評価を事例として考察し、日本の援助におけるプログラ
ム評価の特性を明らかにする。
結論を先取りすれば、日本の開発途上国の開発プログラムに対する支援
は、基本的にプロジェクト支援の形態をとる傾向が見られる。また、これ
は、援助モダリティに内在するプロジェクト指向の形態、すなわちスキー
15)
ムの特性に由来するところが大きい 。また、このような下で行われる評
価は、プロジェクト支援に見られる特徴を色濃く示す。日本のプログラム
評価は、開発途上国の開発プログラムの文脈でみれば、基本的に、プロジ
ェクト・レベルの評価である。たとえ複数の援助プロジェクトを援助プロ
グラムとして整理編成しても、援助プログラム自体は、プロジェクト支援
の特徴を有しており、アウトプットに焦点が当てられ、援助の結果の評価
項目としては、プロジェクトの効率性が中心となっている。有効性につい
ては、プロジェクトとの位置づけ、アラインメントと位置づけを正当化す
るプロセスの適否に焦点が当てられる限定的な評価になっている。
(1)日本の援助と開発プログラム
日本の援助の第一の特徴として上げられてきたのは、協力形態、すなわち
スキームの存在である。どの援助機関もそれぞれ固有の協力形態を持って
いるが、日本の援助は、事業の実施方法を細かく規定して日本の国際開発
★下線用12文字分ダミー★
15)日本の援助では、援助モダリティーを、予算編成や援助手続きを精緻化することによ
って、援助形態、すなわちスキームとして発展させてきた経緯が在る。その意味では、本論
では、日本の援助においては、援助モダリティと形態、すなわち、スキームを交換可能な用
語として扱う。
96
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
協力を形づくってきた点で特徴的である。スキームの存在自体は、日本の
国際協力の成り立ちに大きく由来している 16)。
日本の援助は、技術協力、無償資金協力、有償資金協力に大きく区分さ
れ、援助スキームを形作り、日本の国際協力の実施アプローチを規定して
きた。まず端的な特徴としては、それぞれのスキームごとに実施機関の役
割が分担されていることである。技術協力は国際協力機構が、無償資金協
力は外務省が所管し実施の促進を国際協力機構が、そして有償資金協力は
17)
国際協力銀行が分担してきた 。また、技術協力と無償資金協力は贈与と
して行われ、無償資金の協力対象を国際開発協会(IDA)の融資対象国と
した。このことにより、資金協力は、IDA 融資対象国を国際協力機構が、
IDA 融資対象国以外、すなわち中進国に対しては有償資金協力として国
際協力銀行が主として行なっている 18)。以下それぞれの特徴を、開発途上
国の開発プログラムの支援の観点からみてみたい。
技術協力
技術協力は、国際協力機構が主要な援助機関であり、専門家派遣、研修員
の受け入れを主体としたプロジェクト方式の援助を実施しており、プロジ
ェクト支援の色彩を強く持っている。また、専門家派遣、研修員の受け入
れについても、技術指向のものが体勢を占めており、ポリシー指向のもの
は少ない。同様にプロジェクト支援の色彩を色濃く持っている。これは、
国際協力機構の支援が、その成り立ちにおいて、技術移転、特に、教育・
研究や事業の実施・運営の技術の移転を中心に行われてきたことによる。
また、このようなプロジェクトの対する支援の特質は、事業の実施方法、
スキームとして組織化されている。
JICA の技術協力は、JICA の前身であるアジア協会によるコロンボ計画
加盟時の 1954 年に開始された研修員の受け入れと 1955 年に始まった専門
家の派遣によって始められた。専門家と研修員は、日本の技術を開発途上
★下線用12文字分ダミー★
16)詳しくは、三好皓一(2006a)を参照されたい。
17)2008 年度にこれらの機能は国際協力機構に統合される。
18)このことにより、IDA 対象国への援助のアプローチと中進国への援助のアプローチ
においては、それぞれのスキームによる特徴が出ている。
評価の視点から
97
国に移転し、開発途上国の開発事業の実施運営に寄与することを目的とし
ていた。それ以降、JICA は、この専門家の派遣という形態を事業の骨組
みとして、研修員の受け入れ、さらにはこれらの支援方法に付随する機材
19)
の供与を組み込みスキームとして作り上げ技術協力を実施してきた 。ス
キームは、技術協力の日常的な実施方法、また、組織体制を規定してきた。
スキーム別の予算編成、相手国からの要請書の取り付け、案件決定の手順
に、また、スキーム別の事業組織体制などを形作るものとなった。また、
スキームは、専門家を派遣するという形態をとることによって、さらに、
これに伴う研修員の受け入れと機材の供与という形をとることによって、
支援対象に対して資金を提供する方法ではなく、現物供与方式を基本とす
20)
る事業としての特質を維持させた 。
このようなスキームは、予算要求書や説明資料とともに、種々の JICA
の事業手続きとして細部にわたって決められてきた 21)。また、スキーム自
体は、開発ニーズの変遷に基づき変化をしてきたものであるが、変化は既
存のスキームを基にして必要な変更を行い新しいスキームに再編成すると
いう方法がとられてきた。専門家の派遣と研修員の受け入れを核にした実
施方法が変わることは無かった。特に、新しいスキームは新規の予算とし
て要求され承認されており、予算と実施スキームが実質的に結びついてい
るところに特徴があった。
具体的には、JICA は開発協力のニーズに応えるために専門家の派遣、
研修員の受け入れのスキームを発展させ、JICA の主要な活動を占めるプ
ロジェクト方式技術協力や開発調査等という新たなスキームを生み出した
が、これらのスキームは、専門家の派遣、研究員の受け入れ、機材の供与
をスキームとして組み合わせたものであり、基本的に技術協力開始時の制
★下線用12文字分ダミー★
19)人と人が直接面談する face to face の場を作り技術を移転する方法に注力した。
20)他援助機関の技術協力は、日本と同じように専門家や研修が主体であるが資金供与型
の調達方法などでの実施が多い。また、最近の外国人の専門家の活用に対する批判を基に一
部の援助国では見直しが行なわれており、イギリスやオランダなどでは自国専門家の数を減
らしている。これは、技術協力のアンタイド化の動きと連動するものである。他方、カナダ、
アメリカ、フランスなどはプロジェクト指向の協力を重視している。世界銀行や地域開発銀
行などの技術協力は、融資事業の計画策定調査や政策策定などのアドバイザーの雇用などに
対する資金提供としての実施が多い。
21)詳しくは JICA の規定集や実施要領などを参照されたい。
98
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
度の拡張と言える。基本的に事業や教育・研究の実施運営技術の移転を目
指すものであり、プロジェクト支援の特徴を色濃く残している。
最近のプロジェクト技術協力においては政策指向のプログラム支援を目
指すものもあるが、一般的にはモデル・プロジェクトを重視することによ
り、プロジェクト支援の考え方から脱却しきれていない。開発調査におい
ても、政策指向を目指すものがあるが、実態的には、マスタープランの策
定などプロジェクトの形成・計画に主体を置いており、同様にプロジェク
22)
ト支援の特質を色濃く残している 。
資金協力
資金協力は、JICA が主に実施する無償資金協力と国際協力銀行が実施す
る借款に区分される。無償資金協力の主体はプロジェクト支援が主体であ
る。一般プロジェクト無償、水産無償、食糧増産援助などは施設の建設や
設備や機材の供与が中心である。一般プロジェクト無償では、保健・感染
症、水、教育、社会基盤整備、ガバナンスなどの焦点が当てられる。病院
や学校、道路の建設、公共の輸送用車両など幅広く対応するプロジェクト
型の協力が行われる。実施は、JICA による基本設計をもとに日本の建設
業者などによって行われている。プロジェクト自体は JICA の管理下で実
施される。草の根を対象とした無償資金協力も、同様にプロジェクト支援
に該当する。コミュニティ開発支援無償では、貧困、飢餓、疫病といった
人命や安全な生活への脅威に直面している開発途上国のコミュニティ開発
を目標に、学校、道路、給水、医療など複数の分野にわたる支援を、一つ
のプログラムとして一体的に実施されるが、基本的にプロジェクト支援で
ある。草の根・人間の安全保障無償は、開発途上国の地方公共団体、医
療・教育機関および開発途上国において活動する外国の NGO 等が実施す
る比較的小規模なプロジェクトに対して行われている。ノン・プロジェク
ト無償においては、商品の購入は日本国際協力システム(JICS)などの第
三者調達機関に委託して実施しており、実質的にはプロジェクト支援と言
い得る。
★下線用12文字分ダミー★
22)最近の技術協力の傾向については、三好(2006a)を参照されたい。
評価の視点から
99
プログラム支援の無償資金協力は、具体的にはセクター・プログラム無
償や貧困削減戦略支援無償が挙げられるが、まだまだ少ない。セクター・
プログラム無償は、ノン・プロジェクト無償として供与された資金を、開
発途上国政府が、経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払
いのために使用すると共に、現地通貨で積み立てられたその見返り資金を、
交通、灌漑および水供給といった地方の社会基盤整備を通じた貧困緩和を
目的とした開発計画に使用するものである。貧困削減戦略支援無償は、貧
困削減戦略で掲げられている目標達成に向け、農業、インフラ、教育、保
健等のセクターごとに中長期的な戦略・計画を策定し、財政支援を行うも
のである。共に政策体系である開発プログラムを包括的に支援するもので
あり、開発途上国の予算に計上されるとともに、開発途上国の行政活動と
23)
して実施される 。
借款は、プロジェクト・タイプとノン・プロジェクト・タイプに区分さ
れる。プロジェクト借款は、伝統的な供与形態であり、開発途上国の開発
プログラムの文脈で見ればプロジェクト支援である。円借款の主要な形態
であり、プロジェクトに必要な設備、機材、土木工事、コンサルティン
グ・サービスなどに必要な資金を融資する。対象としては、火力発電所建
設事業、都市鉄道建設事業、水環境改善事業などが挙げられる。プロジェ
クトの実施のためには、プロジェクト形成や入札の準備作業(エンジニア
リング・サービス)などコンサルタントを雇用して行う作業を対象にその
資金の融資が行われる。開発金融借款(ツーステップ・ローン)は、相手
国の中小企業や農業など民間部門への政策金融のための資金を融資する。
実施は、借入国側の政府金融機関を通して行われる。ノン・プロジェク
ト・タイプとしては、従来から商品借款がある。外貨準備不足に直面して
いる開発途上国が、借入国の経済安定をはかるために、物資を輸入するの
に必要な資金を供与すものである。特定の設備や機材の購入にあてられて
おり、開発プログラムの文脈で見ればプロジェクト支援の色彩が強い。
借款では、プログラム支援もそれなりの割合を占める。これは援助モダ
★下線用12文字分ダミー★
23)援助の供与に当たってアウトプットを特定化する場合には、プロジェクト支援の特性
を持つことになる。
100
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
リティとしての柔軟性によるところが大きい。全体の構造改革を要する開
発途上国の改革支援を促す目的で資金を供与されてきており、プログラム
支援の経験を従来から持っている。また、セクター・プログラム借款とし
て、商品借款から発生した見返り資金を、その国の重点セクターの開発計
画に投資する形態もとられてきた。また、最近では、経済成長・貧困削減
のための政策・制度改善のために、貧困削減戦略を支援するための貧困削
減支援借款が供与されている。このような取り組みは、世界銀行を中心と
した国際協調の下での支援であり、プログラム支援としての色彩を強く出
している。
(2)日本のプログラム評価の考え方:JICA インドネシア国別プログラ
ム評価を事例として
前節で見たように、開発途上国の開発プログラムに対する支援は、プログ
ラム支援の傾向が強い。これは、日本の援助モダリティが持つプロジェク
ト形態に由来するところが大きい。このような状況を踏まえて、JICA が
インドネシアで実施した国別プログラム評価を見てみたい。JICA では、
継続的にプログラム評価の試行が行われてきており 24)、インドネシアの国
別プログラム評価は現時点における JICA のひとつの到達点を示してい
る 25)。また、インドネシアの国別評価は、技術協力のみならず無償資金協
力、円借款の資金協力も対象にしており、日本の援助におけるプログラム
評価を見る上でよい事例と判断できる。以下、同評価報告書を基に考察を
する。
インドネシアの南スラウェシ州地域開発プログラムでは、日本の援助実
績(旧案件群)と現行の地域開発支援プログラム(現行プログラム)を評
価対象として評価を行っている。対象案件は、技術協力、無償資金協力、
円借款、すべての援助を含むものとしている。評価の設問は、旧案件群の、
また、現行プログラムの地域開発への貢献がどのようなものであったか、
また、どのようなものが見込まれるか、としている。具体的には、以下の
★下線用12文字分ダミー★
24)国際協力機構企画・調整部(2007b)
、
(2007c)
、
(2007d)
、
(2006)を参照されたい。
25)国際協力機構企画・調整部(2007)インドネシア共和国 「南スラウェシ州地域開発
プログラム」プログラム評価報告書
評価の視点から
101
4 点よりなっている。
・インドネシアの開発計画における位置づけの検証:旧案件群が、または、
現行プログラムが、対象地域(州)の開発戦略上どのような位置づけで
あったのか、または、あるのか。
・日本側政策における位置づけの検証:旧案件群が、または、現行プログ
ラムが、日本側の支援戦略上どのような位置づけにあったのか、または、
あるのか。
・プログラムとしての戦略性の検証:対象期間における旧案件群が、また
は、現行プログラムの戦略性(一貫性、成果、または、成果の見込み)
はどのようなものであったか、または、どのようなものか。
・貢献の概念に基づく成果の評価、また、事前評価:旧案件群が、または、
現行プログラムは、対象地域(州)の開発状況の変化(開発アウトカム)
にどのような貢献をしているか、または、貢献することが見込めるか。
実際の評価は、旧案件群では、まず、インドネシア南スラウェシ州の戦
略計画である地方 5 カ年開発計画において、
・住民生活の質の改善、
・地域経済の持久性の向上、
・共同体・社会・国家の生活の質の改善、
・地域社会と政府のエンパワーメント
の 4 つの基本政策方針の下にある 25 の開発プログラムに、日本の援助実
績を体系図に特定し区分して、位置づけの評価を試みている。さらに、こ
れらの開発プログラムでは適当な区分ができなかったとのことで、インフ
ラについては、社会インフラ、経済インフラ、制度インフラの区分を配置
して、インフラ案件を対応させて、地域インフラの充実・強化を通じての
地域の発展への貢献を評価している。また、実績、戦略性、貢献度につい
ては、都市開発サブ・セクター、地域経済振興サブ・セクター、社会開発
サブ・セクターに案件を分類して、評価を行っている。アウトカムに対す
る貢献を総合して評価することはできないが、事後的に案件を位置づける
ことで個別にではあるが、地域開発の促進に直接的・間接的に貢献してい
ることを確認している。
図 4 は、評価報告書を基に、体系図として評価対象として示された日本
102
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
の援助をインドネシア南スラウェシの開発プログラムに当てはめて、マト
リックスとして整理したものである。JICA では、プログラムを、途上国
の特定の中長期的な開発目標の達成を支援するための戦略的枠組み、と定
義して事業の効果的・効率的な実施に向けた取り組みとして位置づけてい
る。また、プログラムでは、
・途上国の特定の開発戦略や日本の援助戦略に沿った明確な協力目標の設
定、
・協力目標を達成するための適切な協力シナリオの作成、
・複数の事業の有機的な組み合わせや他開発主体との連携
を枠組みとしている。図 4 のマトリックスは、このような考え方を反映し
たものとなっている。また、このような考え方に立てば、評価対象である
日本の援助プログラムは、日本の個々のプロジェクト支援をその支援の対
象である南スラウェシ州の開発プログラムのアウトプットに焦点を当てて
整理したものである。日本の援助プログラム自体、プロジェクト指向の特
質を持っていることが分かる。
図 4 南スラウェシの開発プログラムにおける日本の援助実績(旧案件群)の
評価マトリックス
最終成果
ビジョン ミッション
(5 項目)
基本政策
中間成果
プログラム
(数)
アウトプット
日本の
援助実績
インフラ
インフラ分類 日本の実績
住民生活の
質の改善
10
4 項目:
社 会:学 校 、上
1 プログラム 下水道、
スポー
対応
ツ施設など
4 項目
地域経済の
自給の向上
8
11 項目:
12 項目
共同体・社会・国家
3
経 済:道 路 、港
4 プログラム 湾、
空港など
対応
制度:開発計画、
安全、
議会など
の生活の質の改善
地域社会と政府の
4 項目
4
エンパワーメント
プロジェクト支援
(注)太字網掛け箇所は、日本の援助対象を示す。
(出所)国際協力機構企画・調整部(2007a)を下に筆者作成
プロジェクト支援
評価の視点から
103
現行プログラムの評価では、2006 年 5 月に南スラウェシ州知事と現地
タスクフォース代表との間で合意された南スラウェシ州地域開発プログラ
ムを対象に評価を行っている。このプログラムは、次のサブ・プログラム
により構成されている。
①マミナサタ広域都市圏開発サブ・プログラム(5 項目の投入)
②バランスのとれた経済振興サブ・プログラム(7 項目の投入)
③社会開発サブ・プログラム(6 項目の投入)
また、プログラム全体に関係する項目として 2 つの投入を行っている。
①南スラウェシ州地域開発政策アドバイザー
②地域開発マネジメント研修
実際の評価は、旧案件群の評価と同様に、まず、インドネシア南スラウ
ェシ州の戦略計画である地方 5 カ年開発計画において住民生活の質の改善、
地域経済の持久性の向上、共同体・社会・国家の生活の質の改善、地域社
会と政府のエンパワーメントの 4 つの基本政策方針の下にある 25 の開発
プログラムに日本の援助実績を特定し区分して位置づけの評価を試みてい
る。しかし、現行プログラムでは、南スラウェシ州地域開発プログラムの
下に 3 つのサブ・プログラムが策定されており、社会開発サブ・プログラ
ムを住民生活の質の改善の基本方針の下でのプログラムと、また、地域経
済振興サブ・プログラムを地域経済の持久性の向上基本方針の下でのプロ
グラムとの対応を整理し、日本のプログラムの位置づけを評価している。
インフラについては都市開発サブ・プログラムを、地域経済の持久性の向
上基本方針の下でのプログラムと位置づけるともに、経済インフラに配し、
地域インフラの充実・強化を通じて、地域の発展へ貢献すると評価してい
る。実績、戦略性、貢献度については、重層的に積み上げられた計画であ
り、プログラムとしての枠組みは明確になっているが、サブ・プロジェク
トの目標設定が不明確なため、その達成手段となる具体的な位置づけがあ
いまいになっていると評価している。そのため、この評価を通して成果
(アウトカム)の設定を行いロジカルな体系図の作成に着手している。
現行プログラムについても、マトリックスを使って評価の視点を整理し
てみたい。図 5 は、図 4 と同様に、体系図として評価対象として示された
日本の現行の援助をインドネシア南スラウェシの開発プログラムに当ては
104
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
図 5 現行の地域開発支援プログラム(現行プログラム)の評価マトリックス
最終成果
ビジョン ミッション 基本政策
(5 項目)
中間成果
プログラム
(数)
住民生活の
質の改善
10
地域経済の
自給の向上
8
アウトプット
州地域開発
プログラム
7 項目 社会:学校、
社会開発
サブ・プログラム:
上下水道、
2 プログラム対応
スポーツ施
地域経済振興
3
経済:道路、 マミナサタ広域
港湾、
空港 都市圏:3項目
トランススラウェ
など
シ道路整備:
2項目
制度:開発
計画、
安全、
議会など
の質の改善
地域社会と
政府のエン
パワーメント
6 項目
サブ・プログラム:
2 プログラム対応
都市開発
サブ・プログラム
共同体・社会
・国家の生活
コンポー
インフラ
ネント インフラ分類 コンポーネント
4
プログラム支援
プロジェクト支援
プロジェクト支援
(注)太字網掛け箇所は、日本の援助対象を示す。
(出所)国際協力機構企画・調整部(2007a)を下に筆者作成
めて、マトリックスとして整理したものである。違いは、インドネシアの
南スラウェシ開発プロジェクトにプロジェクト支援として位置づけられる
日本の援助を計画の策定段階で、複数の事業の有機的な組み合わせとして
認識していることである。図では、プログラム支援として暫定的に図示し
ているが、成果を特定化しておらず、援助自体はプロジェクト支援の範疇
に入る。
5.結論:今後の課題
以上、開発プログラムと援助モダリティに焦点を当て、評価の視点から、
評価の視点から
105
プログラム・アプローチの特徴を明らかにするとともに、プログラム評価
のあり方を考察してきた。開発援助プログラムに対する支援は、プロジェ
クト支援とプログラム支援に大きく区分できる。しかし、これら二つの支
援の仕方には大きな相違が存在する。
プログラム支援は、開発途上国の開発プログラム総体に対する支援であ
り、開発プログラムの策定、実施、評価に全般に対して支援する。どちら
かといえば、開発プログラムの外側からの支援と考えると分かりやすい。
焦点は、成果に当てられ、社会の変化、ターゲット・グループの変化の達
成度、また、それらの変化をもたらすためのターゲット・グループやプロ
ジェクトの組み合わせの適否や選択が重視される。プロジェクト支援では、
アウトプットに焦点が当てられ、開発途上国の開発プログラムの構成要素
であるプロジェクトの計画、実施、運営に対する支援として行われる。プ
ロジェクトが適切に実施運営されたかが主要な関心事になる。
このような開発プログラムへの支援方法の選択は、援助国や援助機関の
選択によるところが大きい。しかし、それぞれの援助国や援助機関の援助
モダリティにその選択は制約される。どちらの支援においても、技術協力
による、また、資金協力よる実施は可能であるが、プログラム支援はプロ
ジェクト支援に比べてより柔軟性を求められる。それゆえに財政支援など
の柔軟な援助モダリティがプログラム支援には適している。他方、柔軟性
が乏しいプロジェクト支援では、たとえ開発プログラムの構成要素であっ
ても、援助国や援助機関の管理下でプロジェクト支援が行われる傾向が強
くなる。
他方、評価においてもこのようなプログラム支援とプロジェクト支援の
特質が現れる。本論では、開発途上国の開発プログラムに対する支援の評
価項目を、評価レベル、DAC 評価 5 項目、パリ宣言の合意事項の観点か
ら整理し、開発途上国の開発プログラムの文脈におけるプロジェクト支援
とプログラム支援に対する評価の枠組みを考察した。パリ宣言の合意事項
は、プログラム・アプローチの要である開発途上国の開発プログラムの策
定、実施、評価に係るプロセスについて、その適否を判断する材料を提供
する。
このような点を踏まえると、プログラム支援の評価は、ポリシー評価と
106
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
プログラム評価であり、社会の変化である最終成果、ターゲット・グルー
プの変化である中間成果の達成度を重視し、インパクトと有効性に焦点が
当てられる。また、パリ宣言の合意事項であるオーナーシップ、調和化、
アラインメント、結果、相互説明責任を直接的に検証することになる。ま
た、評価の実施自体は、援助国や援助機関が単独で実施することは難しく、
開発途上国が評価の実施主体になる事が求められる。
他方、プロジェクト支援の評価は、プロジェクト評価であり、プロジェ
クトのアウトプットの確保に焦点が当てられ、プロジェクトの事業活動の
適否に係る効率性が重視される。プロジェクト支援の評価では、当該プロ
ジェクト支援は、開発途上国の開発プログラムの一部としての構成要素で
あり、この支援を持って開発プログラムの適否を評価することには限界が
ある。プロジェクト支援の評価では、このような点から、評価は事業活動
に注力され、パリ宣言の合意事項を踏まえれば、評価項目は、プロジェク
ト支援の開発途上国の開発プログラムに対する位置づけとその効果の可能
性についての限定的な検証にならざるを得ない。
このような視点を踏まえて、日本の援助を見てみると、日本の援助は主
にプロジェクト支援として実施されていたと言い得る。これは、援助モダ
リティによるところが大きい。日本の援助では、技術協力と資金協力にお
いては、その援助の実施手続きと方法は、歴史的にプロジェクト支援に適
する形態でスキームとして形作られてきた。また、このようなプロジェク
ト支援の視点が、このようなスキームの実施を通して組織化されてきた。
このような点は、考察したインドネシアの南スラウェシ州地域開発プログ
ラムのプログラム評価にも現れている。南スラウェシ州地域開発プログラ
ムは、南スラウェシ州と日本側とで策定されたプログラムであるが、基本
的に日本の複数の援助プロジェクトによって構成されたものである。複数
のプロジェクトを組み合わせてインドネシアの開発目標の達成を支援する
戦略的枠組みとして策定されているが、基本的にインドネシアの南スラウ
ェシ州の開発プログラムに対する日本のプロジェクト支援として位置づけ
られる。確かに成果に配慮し協力シナリオの作成、複数のプロジェクトの
組み合わせを評価の枠組みとして検討されており、プログラム支援の特質
を含んでいるが、これらの点についてプログラム支援としての認識は弱い。
評価の視点から
107
このような状況で行った評価は、日本側政策及び相手国の開発戦略におけ
る位置づけ、JICA プログラムの戦略性(一貫性と結果)、相手国開発戦略
への貢献、の 3 つを評価項目としている。プロジェクト支援の評価の特質
を現すものである。
最後に、以上の考察結果を踏まえ、以下日本のプログラム・アプローチ
への転換にかかる今後の課題について、開発途上国の開発プログラムの支
援のあり方、援助モダリティ、評価の視点から提示しておきたい。
(1)プロジェクト支援思考の限界についての認識の必要性
日本の援助は、開発途上国の政策体系たる開発プログラムに対してプロジ
ェクト支援を中心に行われている。他方、このような状況の中で、プロジ
ェクト・アプローチからプログラム・アプローチへの転換を模索している。
模索は、プロジェクト支援として計画・実施される各種の援助モダリティ
を開発プログラムとして統合することによって行っている。しかし、この
ようなプログラムの評価の経験から分かるように、このようなアプローチ
は、日本の援助を開発途上国の開発プログラムに位置づけ、成果に対する
可能性を検証するに止まり、日本の援助に限界をもたらしている。このよ
うなアプローチに止まるのは、ひとつには日本の援助の組織化され、また、
構造化されたプロジェクト支援思考に依存していることが大きい。プログ
ラム・アプローチを促進するためには、プロジェクト支援は開発途上国の
開発プログラムに対する支援の一形態であること、また、開発プログラム
に対する支援方法として限界があることを認識することがまず必要である。
(2)プログラム支援思考の促進
開発途上国の開発プログラに対するプログラム支援について、その重要性
を認識することが必要である。上述のように日本の援助ではプログラム支
援思考がいまだ弱い。政策指向で実施される技術協力プロジェクトにおい
ても、プロジェクト支援思考でプロジェクトの枠組みが形作られているこ
とが多い。たとえば、政策指向のプロジェクトにおいてもプログラム支援
としての枠組みが形作られず、モデル・プロジェクトを支援の中心に据え
ることでプロジェクト支援になっているものが数多く見受けられる。プロ
108
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
ジェクトの枠組みの形成においては、その要素をプログラム支援とプロジ
ェクト支援に峻別し、プログラム支援思考を推進することが必要である。
(3)援助モダリティの柔軟性の向上
プログラム支援の実施には援助モダリティの柔軟性は不可欠である。日本
の援助においては、無償資金協力においては柔軟性が乏しいが、借款によ
る資金協力においては、その特質上柔軟性を持ち得ており、適切に対応す
ればプログラム支援を行うことが可能である。他方、技術協力においては、
専門家派遣や研修員の受け入れを構成要素とした現物供与方式を主体とし
た支援方法であり、柔軟性は乏しい。最近、技術協力予算の統合化などが
行われ、事業執行に従来に比べ柔軟性がもたれるようになってきている。
より一層の柔軟化が望まれる。また、資金協力におけるセクター・プログ
ラム無償やセクター・プログラム借款、また貧困削減支援無償や貧困削減
支援借款などの拡充も望まれる。
(4)相互説明責任の重視:開発途上国の評価能力の強化
開発途上国の開発プログラムに対するプログラム支援は、開発途上国の開
発プログラムの策定、実施、評価のプロセスに直接的に関わるものである。
評価項目として検討したパリ合意事項であるオーナーシップ、調和化、ア
ラインメント、結果が強調され、開発途上国の行政そのものに対する支援
となる。そのような状況では、援助としての支援、特にプログラム支援の
成果は、開発途上国の開発プログラムの成果の達成度になる。開発途上国
と援助国や援助機関は成果目標を共有化することになる。このような状況
での成果の検証は、相互説明責任に基づいて行うことにならざるを得ない。
開発プログラムに対するプログラム支援、すなわち一層のプログラム・ア
プローチの促進には、相互説明責任を確保する評価システムの整備・構築
が不可欠である。実態的には、開発途上国の評価能力の強化と評価結果の
共有化を促進することが重要である。
(5)開発プログラムの共有化
プログラム・アプローチは、開発途上国の開発プログラムをもとにプログ
評価の視点から
109
ラム支援とプロジェクト支援によって実施することが基本である。そのた
めには開発途上国と援助国や援助機関において開発プログラムの共有化が
不可欠である。開発プログラムを共有化することにより、期待される社会
の変化やターゲット・グループの変化が、また、プロジェクトのアウトプ
ットが明確になり、また、あわせて開発途上国の役割、援助国や機関の役
割も明確になる。開発プログラムの実施、また、評価についてもその責任
範囲が明確になる。
(6)地方分権化と開発プログラムの地域化(Localization)
開発途上国では、地方分権化を政策として推進している国が多い。また、
貧困削減戦略などの実施は、地域に根ざして初めて実現するものである。
中央政府のみならず、地方政府の政策策定、実施、評価能力が開発のため
には不可欠である。事例として考察した評価は、地域化されたインドネシ
アのスラウェシ州の政策体系である開発プログラムを対象としており、こ
のような地方政府の開発プログラムの重要性を認識し得た。このような状
況を踏まえれば、地方政府の開発プログラムに対する支援を促進すること
が重要であることが分かる。プログラム支援とプロジェクト支援を適切に
使い、地方政府の開発プログラムの適正化と実施、また、評価を支援して
いくことが重要である。
110
第 4 章 開発プログラムと援助モダリティ
参考文献
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