Quality of Life Vol. 23 summer 2009 白根敏光 のはトイレ休憩と給油のみ。アメリカドルがタイミング良く下がっていて、 (604) 961-1119 [email protected] www.times5.com 僕の愛車・サーフ(日本輸入車)をディーゼル満タン(70L)にしても$35、 カナダの半分ですむ。こちらのハイウェイは日本のようなサービスエリ アはないが、レストエリアと呼ばれるトイレと休める場所が 150 マイル位 毎にある。おにぎりを食べながら、広がる地平線にかかる一本道をた だひたすら走る時間が流れていく。 「今年の夏は西海岸を南に突っ走るってのはどう?」 ヨメ:「私、ロスに行きたい!」 こんな感じで『アメリカ西海岸の旅』が決まった。 ようやくカリフォルニア州へ入り、サクラメントを過ぎると標識にロスの名 前が出てきた。 インターステイト(州間高速道路)5号線 ロサンゼルス 今回の旅の計画は、南にロスまで一気に走り、少しずつ北上しながら バンクーバーまで戻ってくるという計画(って、おおざっぱな…)。出発日 である金曜の夜、仕事を夜 10 時に切り上げ家に戻り 3 時間ほど仮眠。 その間にヨメはおにぎりを 20 個とおかずを用意。午前 2 時半、ロスに向 け、いざ出発!これは渋滞を避けるためとロス・ロングビーチで毎月第 三日曜日の朝 6 時半にオープンするフリーマーケットに間に合わせるた めだ。最近のヨメはアンティークに凝っており、ファイヤーキングをはじ めオールドアメリカンの雑貨など(僕はガラクタと呼んでいる)を集めて いる。そのお宝探しもこの旅の目的のひとつである。 グーグルマップで見ると、バンクーバーからロスまでなんと 2,000km、 20 時間とある。・・・本当か?それ。そんな想像もできない距離に胸は 高まる。リッチモンドからハイウェイ 99 号線を南へ、国境を越えれば、I -5 と呼ばれるインターステイト(州間高速道路)5 号線に変わる。あとは この道をただひたすら走るのみ。ワシントン州・シアトルを通り、タコマ、 オレゴン州・ポートランド、セイラム、、、聞き覚えのある名前を標識でみ ながら自分の過去の記憶を連想する(勿論、オレゴンに入ったら古谷 一行を思い出した-笑)。僕らは 2~4 時間交代で運転し続け、止まる ロスに着いたのは翌日の夜中 2 時、、、なんと 2,000kmを 23 時間半で 走りきる(常時 120km走行)。特にサクラメントを過ぎてからの 8 時間が キツく異常に長く感じた。ふと気付くとリッチモンドからロスまで、給油を 除けば止まる必要すらなく、料金所もなく一本道でつながっているとい うことにアメリカの大きさを感じる。しかも無料。朝一番でマーケットに行 かないと意味がないということで、直接マーケットの駐車場に車を停め、 一瞬にして深い眠りにつく。 朝、目覚めると周りは車で埋め尽くされ、早速ヨメはマーケットに行って いた(写真)。このロングビーチ・フリーマーケットは入場料は$5。様々 なアンティークが売られ、金額は地元のスリフトストアよりはやや高めだ が一ヶ所にまとまっているため、時間のない旅行者や一気にまとめ買 いしたい人にはとても便利。おそらくアンティークショップのオーナーで あろう日本人が大きな家具を買いまくっていた。日本円が強く、日本の マーケットからすると格安なので良いビジネスであろう。ヨメはローカル としてのプライドか、多少の割高感をぬぐえず、いくつかの小物を買っ てマーケットを後にする。 Copyright (C) 2010 Times 5 Network. All Rights Reserved. I take pride in sharing my knowledge to help others become successful. I strive to create a "Win-Win-Win" situation all people around me. 10-FF 11-ML 15-BL Quality of Life Vol. 23 summer 2009 った。キリン・一番絞り 24 缶が$13!カナダではたった 6 缶の金額に相 当する。 ロス滞在中は、メジャーな観光スポットをまわる。ベニス・ビーチ、マン ハッタン・ビーチ、サンタモニカなどの海岸沿いから、ゲッティセンター、 UCLA、プレティ・ウーマンで舞台にもなった高級ブランドが立ち並ぶロ デオドライブ、ビバリーヒルズに立ち並ぶ豪邸、映画スターが赤絨毯の 上で撮影されるのを良く見るハリウッド、チャイニーズシアター、そして ダウタウンなどを見てまわりました。食事はローカルのファーストフード ロス滞在は初日の車中泊を入れると 4 泊、ホテルはホリデイ・インで朝 食付き$39 とリーズナブル。ロスはご存知の通り、人口 390 万人、全米 に始まり、イーストインディアンから地元の黒人系アメリカン行きつけの ソウルフードまで。すべて美味しかった。 で 2 番目の規模でハリウッド、ビバリーヒルズやアナハイムのディズニ ーランドが有名で野球はドジャースとエンジェルス、バスケットはレイカ やはりカリフォルニアのビーチと言えば、ヤシの木が連なる海岸線の歩 ーズの本拠地でもある。他にも色々とあるが、とにかく大きい。ここも移 道に金髪の女性が黄色のタンクトップにウォークマンを聞きながらロー 民が多く、メキシコをはじめとするヒスパニック系移民が人口の半分以 ラースケートというイメージがあったが(古い?)、そんな人は一人もい 上を占める。白人は 3 割、アジア系、黒人系と続き、日本人も多く住ん ない。僕らが気に入ったビーチのひとつはベニスビーチ。海岸線沿いに でいるという。街のつくりとしては、ダウンタウンはあるものの、特徴の 店が立ち並び、多くの人が散歩やスケボー(#1、#2)、サーフィンを楽 ある街同士が少し離れて全体的に大きくまとまっている感じで、街から しんでいる。海岸線に落ちる夕日がとても綺麗で、夕日が沈むまでパ 街への移動にはフリーウェイが必須。少なくとも 4、5 車線からなる高速 ーカッションを狂ったように叩くヒッピーなおじさんを発見(写真右下)。 道路だ。カナダに比べると皆スピードを出しているのだが、運転技術は 僕らは彼をミスター・パーカッションと名づけたが彼の背中にかかって 高くマナーは良い。クラクションを鳴らしている人は少なく、僕にとっては いるサインには、”What are you looking at ? Motherf○c△er!!”と書かれ 運転しやすく、特にフリーウェイの運転は楽しかった。ラッシュ時にはこ ていた(笑)。 の 6 車線がビッシリと車で埋まるサンディエゴ・フリーウェイ 405(写真左 下)。 来る前に多くの日本人の友人に薦められたのが、ロスの南にあるトー ランスという街。ここには日本のお店が集まるエリアが 3 ヶ所あり、そこ のひとつであるミツワ・マーケットプレイスに行く。やはり疲れた時には 日本食。中にある店舗は、とんかつ屋の「かつ華」(写真右上)、山頭火 らーめん、イタリアントマトなどがあり、本当の日本食を味わうことがで き、海外暮らしの日本人にはありがたい。マーケットでは日本酒、ビー ル、焼酎を僕らの燃料として買い込む(※ちなみにカナダへの持込み は一人につきボトル 1 本もしくはビール 24 缶でそれ以上は税金がかか る。アメリカ滞在時間が 24 時間以内の場合は不可)。これがまた安か Copyright (C) 2010 Times 5 Network. All Rights Reserved. I take pride in sharing my knowledge to help others become successful. I strive to create a "Win-Win-Win" situation all people around me. 10-FF 11-ML 15-BL Quality of Life Vol. 23 summer 2009 あっという間のロス滞在を楽しみ、海岸線を走るパシフィックコースト・ の街として知られている。もうひとつの橋・ゴールデンゲート・ブリッジ ハイウェイに乗り、第 2 の目的地・サンフランシスコへと向かう。 (写真左下)、特に北側のある小高い丘からの景色は絶景。霧が街を 覆っていたかと思うと 30 分も経てば、霧が晴れ、左手にはアル・カポネ サンフランシスコ が投獄されていたという監獄島(ツアーもある)と呼ばれるアルカトラズ 島、正面にはダウンタンが広がる。この橋はバンクーバーのライオンズ 時間があれば、ロスからサンフランシスコ(以下、サンフラン)までの移 ゲート・ブリッジと設計者が同じ人だという。 動は海岸線のパシフィックコースト・ハイウェイがお薦め(移動:約 8 時 間、距離:約 700km)。ロスよりも波が高いのか多くのサーファーが集 まっており、中でもサンタ・クルーズはとても綺麗な町で、サーファーに とっては住みたい街のひとつだろう。 ここでは、テレグラフヒルの頂上にあるコイトタワー、勾配 40 度の曲が りくねった坂道・ロンバードストリート、北米最大のチャイナタウン、フィッ シャーマンズ・ワーフ、ユニオン・スクエア、ジャパンタウン、ダウンタウ ダウンタウンより西のウォールナット・クリークという町に宿泊。朝の異 常なまでの渋滞を避けるため、ゆっくりと朝 10 時にダウンタウンへ向け 出発。サンフラン周辺もロス同様フリーウェイがいくつもある。たまに分 かりづらいサインがあり、急な 5 車線変更を強いられたりと、地理に不 慣れな旅行者にはカーナビがあると助かる。サンフランのダウンタウン ンなどの観光スポットをまわりました。サンフランは交通手段が行き届 いておりバス、ケーブルカー、電車など車がなくても移動ができる。なか でもサンフランといったら良く飛び乗るシーンを見かけるケーブルカー (1 日券$11)。坂の多いこの街で気軽に乗り降りできるケーブルカー はとても便利でした(写真下)。 に入るにはベイブリッジもしくはゴールデンゲート・ブリッジのいずれか の橋を渡らならなければならず、通行料は有料(片道のみ$4~6)にな る。 運転手は皆きさくな人達ばかりで、常に何かしらジョークを飛ばしてい る。このケーブルカーはなんと築 180 年! ベイブリッジを走ると例外にもれず霧がかかっており(写真左上)、橋を 降りると同時に目の前に青空とサンフランの街が広がる(写真右上)。 町並みは建物が白ベースで古く歴史を感じさせる。人口は約 78 万人、 野球はジャイアンツ、アメフトはフォーティナイナーズの本拠地で霧と坂 Copyright (C) 2010 Times 5 Network. 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