TKK 140304_01_02 企業支援者の皆様へのアドバイス版 製品含有化学物質管理ガイド ~企業担当者向け~ 一部未舗装 草稿注意 監修 一般社団法人 東京環境経営研究所 5. 目 5.1. 次 6. 1. 2. 1.1. 目的 1.2. 管理状態と非含有情報伝達 1.3. 効果 1.4. 導入すべき管理項目 7. サプライヤー評価実施例 顧客との情報交換 6.1. 化学物質管理の概要 JAMP/AIS、 JAMP/MSDS Plus 変更管理 7.1.自社製品の製品含有化学物質に影響する可能性のある要素を洗 い出す。 7.2.変更を行う場合の手順を定め、手順に従って変更を管理する 設計・開発における製品含有化学物質管理 2.1. 外部委託先における製品含有化学物質の管理状況の確認 設計・開発段階における管理 方法、管理手順の例 3. 購買における製品含有化学物質管理 8. 7.2.1 変更を行う場合の留意事項 7.2.2 変更管理の手順例 よく使う化学物質管理用語の説明 3.1. 調査すべき部品・材料のサプライヤーを特定する 8.1. JIS Z 7201 で定義されている用語 3.2. サプライヤーに化学物質データの提出を要求する(化学物質 8.2. 化学物質管理でよく使われる用語 9. 管理責任者と協業) 3.3. 参考文献 サプライヤーが調査要求に対応できない場合は理由を明確に する(化学物質管理責任者と協業) 4. あんちょこ 製造工程における製品含有化学物質管理 4.1. 製造工程における製品含有化学物質管理一般 4.1.1 重点管理点設定方法(例) 4.1.2 重点管理の実施例 4.2. 誤使用・混入汚染の防止 4.2.1 重点的な管理工程とその他の工程の分離が可能な場合 4.2.2 物理的な分離が困難な場合 4.2.3 重点管理の具体例 Copyright © TKK 2014 All right reserved 1 項番 企業担当者向けガイド 支援者向けワンポイントアドバイス 1. 化学物質管理の概要 1.1. EU に輸出するテレビ、パソコンや携帯電話などの電気電子製品、玩具や自動車 ★EU の加盟国 28 ヶ国 などに含有されている化学物質の規制法が強化されています。これらを製造してい 目的 2014.3.22 現在 ベルギー・ブルガリア・チェコ・デンマーク・ドイツ・エストニア・アイルランド・ギリ る企業(通称セットメーカー)では、化学物質を含有させる作業は行っていません。 シャ・スペイン・フランス・クロアチア・イタリア・キプロス・ラトビア・リトアニア・ルク このため購入している部品や材料を製造している企業に、含有させた化学物質を確 センブルク・ハンガリー・マルタ・オランダ・オーストリア・ポーランド・ポルトガル・ 認しなくては順法確認ができません。 ルーマニア・スロベニア・スロバキア・フィンランド・スウェーデン・英国 電気電子製品の含有化学物質の規制法の代表が EU の RoHS 指令です。この順 ★EU のデータ 2013.7 の統計 「多くの部品や材料で構成されている複雑な 法性の確認は EU 標準 EN50581 で、 人口:EU 507 百万人 製品の製造者にとっては、最終組み立て製品に含まれる全ての材料に独自の試験を GDP (国内総生産 2012 年、ユーロ) :12 兆 9,450 億 ユーロ 実施することは非現実的である。代替手段として、製造者はサプライヤーと連携し 参考:日本 4 兆 6,398 億 ユーロ 中国 8 兆 2,270 億ユーロ 法令を順守していることを管理し、法令順守の証拠として技術文書を集めるのであ る。 」としています。 参考 USA 310 百万人 USA 12 兆 2,080 億 1ユーロ=141 円 (2014.3.22) ★RoHS(ローズ)指令 EU の RoHS 指令以外に REACH 規則で、半年毎に対象物質が増える SVHC RoHS(Restriction of the use of certain hazardous substances in (Substances of Very High Concern (高懸念物質) )についても、含有情報が求 electrical and electronic equipment)指令は、2011 年 7 月 1 日に修正 められることが増えています。 法が公布され 2013 年 1 月 2 日から施行されました。対象製品は、直流 このような法規制を背景に、EU に輸出している電気電子製品などのセットメー 1,500v、交流 1,000v 以下のすべての電気電子機器と定格 250v 以下の カーから、サプライチェーンの上流に遡って「管理状態」の確認や「証拠書類」の 単体販売するケーブル並びにスペアパーツです。これら製品は 11 製品群に 収集あるいは情報伝達要請が行われています。 区分され適用時期が若干異なります。(最遅第 11 製品群で 2019 年 7 月 22 日) EU 輸出する企業の主要義務は、特定有害物質の「鉛、水銀、カドミウム、 六価クロム、PBB(樹脂の難燃材)、PBDE(樹 脂の難燃材)」を非含有(カドミウム 0.01 重量 (wt)%(100ppm) 、 そ の他は 0.1 重量(wt)% (1,000ppm))とし、CE マークを貼付することで す。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 1 特定有害化学物質は随時追加が見込まれています。 EU RoHS 指令は EU 域内の法律ですが、中国、韓国やアジア諸国で、 EU RoHS 指令に準拠した同一内容の規制があります。 ★EN50581 “EN”は日本の JIS に相当する EU の標準規格です。EN50581 は EU の官報(Official Journal of the European Union)で、RoHS 指令が要 求する特定有害化学物質の非含有を確認するための手順が定められていま す。RoHS 指令の適合確認は EN50581 で定められた手順で行うのが原則 です。 適合確認は、「サプライヤーの信頼性」と「調達する部品、材料やユニットな どに特定有害化学物質が含有する可能性」からリスク評価を行い、「サプライ ヤーの自己宣言」「非含有契約」「材料宣言」「分析結果」を選択して集めま す。これらが CE マーキング制度の技術文書(複数)に構成されます。 ★REACH(リーチ)規則 REACH 規 則 は Registration ( 登 録 ) 、 Evaluation ( 評 価 ) 、 Authorisation(認可)、Chemical(化学物質)の頭文字を取った EU の 法律です。 REACH 規則 の主要義務を整理すると次に要約できます。 登録は1物質1企業1年間1トン以上 EU 域内で製造している製造者や輸 入者に義務があります。EU 域内では登録されていなければ販売できなく、 「No Data- No Market :データのない物質は市場から淘汰する」といって います。 認可対象物質は有害物質です。この有害物質について社会的便益と 「人」「環境」に対する負荷を考慮して、用途などからリスク評価して認可が決 定されます。この認可申請は大変で、事実上は使用禁止物質です。 制限は、条件による販売制限であす。制限の事例では、カドミウムを樹脂 の着色剤として 0.01 重量%以上含有させてはならないなどです。制限は Copyright © TKK 2014 All right reserved 2 RoHS 指令などの義務と同じです。認可との違いは、記載されている使用条 件以外では利用できます。 REACH 規則 には情報提供義務があり、企業間取引での SDS(Safety Data Sheet 化学物質等安全データシート)を使って、情報提供をしています が、REACH は、消費者にも求めに応じて情報提供義務(知らせる義務)が あります。 ★SVHC SVHC ( Substances of Very High Concern ( 高 懸 念 物 質 ) は 、 REACH 規則の関連用語ですが、用語の定義はされていません。「認可物 質」を特定するために、定期的(年 2 回)に EU 委員会(日本の内閣のイメー ジで、EU の行政組織で環境総局(省)などから構成されている)が、「候補 物質」を追加していきます。候補物質リスト(Candidate List)を日本では一 般的に SVHC と呼称しています。 2014 年 3 月 22 日現在で 151 物質が特定されています。 Candidate List 収載物質(SVHC)がパソコンやテレビなどの電気電子製 品の部品や材料に含有していれば、非含有情報を含めて消費者にも求めに 応じて情報伝達しなくてはなりません。 なお、SVHC の対象は「発がん性物質、変異原性物質、生殖毒性物質や 難分解性・生物蓄積性物質・有害性物質」などです。 情報伝達がサプライチェーンを遡って要求される所以です。 1.2 セットメーカーは伝達された情報を信頼するには、伝達した企業の信頼がなくて はなりません。企業の信頼性は法規制に関する管理レベルに依存します。 管理 信頼される管理レベルの構築は、セットメーカーの内部と多段階に及ぶサプライ 状態 チェーン全体で行うことが求められます。一方で、川中のサプライヤーは複数のセ と非 ットメーカーにつながっていますので、情報伝達の仕組みの統一は難しさを伴いま Copyright © TKK 2014 All right reserved 3 ★化学物質規制と我が国企業のアジア展開に関する研究会 2013 年 5 月に経済産業省製造産業局 化学物質管理課が主管する RoHS 指令や REACH 規則によるサプライチェーン内の情報伝達を標準化 するための検討会が設置されました。 研究会設置の背景は第1回研究会の配布資料によれば、「ルール・標準 含有 情報 伝達 す。 が確立されていないため、川上、川中企業は、顧客毎に異なる方法で情報 経済産業省では「化学物質規制と我が国企業のアジア展開に関する研究会」で、 を要求され不効率(知識不足が原因の過剰な要求も多い)。加えて、サプラ その仕組みが検討されています。この研究会では、情報伝達のスキームと伝達対象 イチェーンの中途で情報が途切れる場合には、その下流側企業が高額な分 物質の統一が検討されています。 析を要求されることも多い。」となっています。 情報伝達の仕組みの統一ができても、情報提供者の信頼性、管理レベルが問われ 2014 年 3 月 19 日の研究会(最終回)では、情報伝達のスキームは ることになります。管理レベルの要求として、JIS Z 7201:2012(製品含有化学物 JAMP をベースとし機能強化した組織で運営して、業界標準ツールを開発し 質管理-原則及び指針)があります。基本的な内容は ISO9001(品質マネジメン て、2018 年 4 月から全面的に運用するとされました。情報伝達のスキームで トシステム)に、EU の RoHS 指令や REACH 規則などの内容を含めて,製品含有 は、伝達すべき物質についても標準化する方向が決まりました。強制化は馴 化学物質管理の原則及び指針を示すものです。その中には,設計・開発、購買、製 染まないのである程度の柔軟性のある標準化となります。 造、引渡しに関連するサプライチェーン全体の内容が含まれます。 ★JAMP 日本企業の多くは、第三者認証の有無はありますが、ISO9001 の仕組みは導入さ ア ー テ ィ ク ル マ ネ ジ メ ン ト 推 進 協 議 会 ( JAMP : Joint Article れています。この仕組みに RoHS 指令や REACH 規則の要求事項を JIS Z 7201 を Management Promotion-consortium)は、アーティクル(部品や成形品 頼りに組み込むことになります。 等の別称)が含有する化学物質等の情報を適切に管理し、サプライチェーン 川中企業の多くは、セットメーカーの要求による部分的な工程(例えば、めっき や機械加工)しか担当していません。従って、ISO9001 の仕組みすべてを組み込 むのではなく、担当工程に関連した部分だけ追加することで済ませることもできま の中で円滑に開示・伝達するための具体的な仕組みです。化学物質と混合 物は MSDSplus、成形品は AIS の仕組みで情報伝達をします。 JAMP の普及率は 20%程度です。 ★JIS Z 7201 す。 留意点は、製品含有化学物質に関して順法上で特に考慮すべき工程と通常の注意 適用範囲は、「この規格は,製品含有化学物質管理に取り組む全ての組 義務で済ませる工程を見極めることです。この工程をサプライヤーに委託していれ 織が,その規模,種類,成熟度を問わず,適切かつ効率的に実施できるよう ば、発注側は管理レベルを変えることになります。 に,サプライチェーン全体で共有されるべき,設計・開発,購買,製造,引渡し このポイントは次章で説明します。 の各段階における製品含有化学物質管理の原則及び指針を示す。」とされ ています。 内容は、「4 製品含有化学物質管理の指針」に 4.1 項から 4.6 項として、 ISO9001 の要求事項をベーストして、製品含有化学物質管理の要点が記 述されています。 JIS Z 7201 の取組みの解説として、全国中小企業団体中央会から「中小 Copyright © TKK 2014 All right reserved 4 企業のための製品含有化学物質管理実践マニュアル【入門編】」が公開さ れています。 http://www2.chuokai.or.jp/hotinfo/chemical-manual-v2.pdf ISO9001 に RoHS 指令、REACH 規則や中国 RoHS 管理規則など の要求事項を取り込み、さらに、解説を加えた「中小企業向け製品含有化学 物質管理ガイド」が経済産業のホームページにアップされています。 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H24_sc_tyousa1.pdf ★考慮すべき工程(重点管理工程) すべての工程、作業やサプライヤーを厳重に管理することは、一見順法確 認には必要と思われがちです。他方、全ての作業を一律に管理するよりメリハ リを付けて、管理項目を絞る方法があります。重点管理項目の絞り方が適切 でないとモレが生じますが、適切に絞込めば管理のヌケが無くなります。 重点管理工程やサプライヤーの絞り込みの手法としては、食品業界で多用 している「HACCP(ハセップ Hazard Analysis and Critical Control Point 危害分析重要管理点)は食品の製造過程の管理の高度化が目的 で、重点的に管理すべき事項を抽出する手順が示されています。HACCP の解説本は数多く市販されていますので、参考になると思います。4.1.1 項で 解説されています。 1.3 効果 マネジメントシステムで製品含有化学物質管理(RoHS 指令では非含有)をすれ ば、必ずしも毎回含有化学物質の分析データを提出することが求められなくなりま す。仕組み作りは面倒ですが、出来上がれば運用コストは下がります。 ★分析データを提出 EN50581 では適合性確認(順法確認・非含有確認)は、「サプライヤーの 自己宣言」「非含有契約」「材料宣言」「分析結果」を選択して行うことができ ます。 分析データの多くは分析試験機関などに委託しますが、分析には費用が かかります。蛍光 X 線分析では 1 検体 4,500 円程度または 1 時間 2,000 円前後の利用料などが必要となります。ICP 分析や GC-MS 分析となります と1桁上の費用となり、年間で数十万円から数百万円となる例もあります。 EN50581 は、サプライヤの信頼性を重視しています。この場合の信頼性 Copyright © TKK 2014 All right reserved 5 は「化学物質管理」に関する事項で、管理方法、管理レベルや実績が問わ れます。「化学物質管理」の用語を「品質管理」に置き換えると、国際的に認 められているツールの ISO9001 になります。 ISO9001 に準じた「化学物質管理」をすることが、信頼性を得る一つの方 法であり、日本企業にとって馴染みやすい方法となります。 ★測定標準 測定方法は IEC62321(EN62321):2008 が国際標準になっていて、カ ドミウム 100ppm などの測定は IEC62321 の方法で確認する必要がありま す。 IEC62321:2008 は 2013 年から測定方法毎に順次改定が行われていま す。IEC62321 の測定法の概要は、蛍光 X 線分析でスクリーニングして、白 黒つけがたい場合は ICP 分析や GC-MS 分析による湿式分解試験を行うこ とになります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 6 1.4 ISO9001 の要求項目と導入が推奨される項目を例示します。 ★導入が推奨される項目 大手企業の ISO9001 によるマネジメントシステムは、組織が多い、業務が 項目番号 項目名 導入の考え方 5 経営者の責任 製品含有化学物質管理は分かりにくいとして、担当者 すべ 6 資源の運用管理 ることが重要です。 は負担が大きくなります。また、マネジメントシステムが複雑となり、組織により現 き管 7.1 製品実現の計画 具体的な管理の仕組みを明確にします。 実と離れた仕組みとなり、建前(外部監査向け)と本音(実際の作業)が異な 7.2 顧客関連のプロセス 顧客との契約内容は明確にします。委託加工の場合で 導入 理項 多い、社員が多い、サプライヤーが多いことなどで、大きな仕組みとなり導入 まかせになりがちです。経営者として方針を明確にす る二重管理がされている例がままあります。この二重管理を理由として、 は対応は簡便になります。 目 7.3 設計・開発 委託加工の場合では対応は不要です。 ISO9001 マネジメントシステムの有効性を批判する、無効性を主張する意見 7.4 購買 購入材料やサプライヤーに求める手順を明確にしま を多く聞きます。 す。 7.5 製造及びサービス提供 7.6 監視機器及び測定機器 日本文化は「恥の文化」であり、二重管理をしがちですが、川中の中小企 自社工程内の重要な工程について管理手順を明確にし ます。 業の業務や組織は小さいので、管理は単純化できます。7 項を中心にして、 一般的な管理で済ませることができます。 めっきのサプライヤーはめっきに関する事項、金属切削加工のサプライヤーは の管理 8 測定、分析及び改善 切削に関する事項に絞り込めますので小さな仕組みになります。 一般的な管理で済ませることができます。 ISO9001 によるマネジメントシステムの導入は、第三者認証は必要でなく、 自主的な運営で構いません。 2. 2.1 設計・開発における製品含有化学物質管理 サプライヤーから入手する製品含有化学物質のデータをもとに管理すること ★プライヤーから入手する製品含有化学物質のデータ 設 も有効です。 計・ • 開発 最終製品の製造企業の製品設計あるいは OEM で設計を含めて委託製 ex.SDS 、MIL シート 造を行う場合の管理ポイントです。川中のサプライヤーは直接関係ないのです など が、顧客の対応を知っておくことで、効果的な信頼性の高いビジネスができま 段階 鉄鋼メーカーが鋼材の品質 にお を証明する添付書類が「ミ ける ルシート」であり、鋼材メ 用語や手順や順番が若干異なります。 管理 ーカーは受注先企業(卸業 ①中期製品開発計画の策定 方 者)に対して、 「ミルシート」 ②単年度開発計画の策定とローリング 法、 の提出義務が生じます。卸 ③新製品構想設計 す。 新製品開発は一般的に次のステップで行われます。製品や企業によって、 管理 Copyright © ④デザインレビュー TKK 2014 All right reserved 7 手順 業者はこの MIL シートを受け取っているはずなので,鋼材購入時に要求して入 ⑤商品設計、部分試作 の例 手します。 ⑥デザインレビュー 特定有害物質が含まれていないと考えられる JIS 規格材料(機械構造用炭素鋼 ⑦試作 鋼材(JISG 4051)、機械構造用合金鋼鋼材(JIS G 4053)など)を、標準材料とし ⑧デザインレビュー て設計手順書等で使用推奨リスト化しておくことは有効な管理方法となりま ⑨量産設計 す。 • ⑩デザインレビュー 必要に応じ、図中の記事欄や部品構成欄に加工仕様、製品仕様を注記しま ⑪生産 す。 ⑫製造管理(含むサプライヤー管理) • 記事欄記入例 表面処理: 工業用クロムめっき(耐食用) RoHS 適合 ⑬検査 のこと ⑭設計変更管理(含むデザインレビュー) 部品構成欄記入例 この手順のなかで、法規制の適合性の視点では「③新製品構想設計」と 「④デザインレビュー」が重要な手順となります。 ④デザインレビュー会議で EU の輸出するのか などを検討します。 Yes であれば CE マーキング対応のための技術文書の特定 製品カテゴリーの決定 記事欄や部品構成欄に注記する場合は、別途、サプライヤー宣言書や取引契約 書などにより、技術的評価を行っておきます。 などを行います。 ④デザインレビューは商品としては具体化まではできていないのですが、構想 リスクの高い部品や自社設計部品に関しては、標題欄の責任者チェック欄に化 設計で骨格決まりますので、法規制への適合性(順法)の重要なプロセスで す。 学物質管理の項目を追記するとよい確認手順となります。 「⑤商品設計、部分試作」「⑥デザインレビュー」で、新製品の具体的な設 計が行われて、部品図面などが作成されます。 各図面について、設計者の技術的知見に基づいて、各図面の構成部品に 特定有害物質が含有するリスクを評価して、リスクが高いと評価した場合は、 管理ポイントを明確にします。 IEC/PAS62596 の含有の可能性などを参考にして、設計者の技術的知 見で独自の判断を EN50581 では認めています。設計者の技術的知見は、 基準がないのですが、「⑥デザインレビュー」の参加資格(例、設計経験 5 年) Copyright © TKK 2014 All right reserved 8 でもよいと思います。 「⑨量産設計」「⑩デザインレビュー」により、生産準備が開始されます。 生産準備としては、設計情報を受けて「生産技術」部門による作業展開、 「購買部門」によるサプライヤー選択などが行われます。 「生産技術」部門や「品質保証」部門で、作業要領書や検査基準書が作 成されます。これら文書に、法規制への適合性(順法)事項を含めます。 これら一連の事項をとりまとめたのが BOM(3.1 項参照)となります。 BOM により、収集すべき情報を整理して、非含有保証書などを集めます。 サプライヤー宣言書の例 非含有保証書などは、適用範囲や発行責任者の押印などの「責任ある情 報提供」が必要となります。 なお 新規サプライヤーには、法規制への適合性(順法)事項への合意(契約)を 求める必要があります。このとき、要求事項は明確にしておくことが重要になりま す。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 9 3. 3.1. 購買における製品含有化学物質管理 • 調査対象の自社製品(PN2341000-00)の部品構成表から、その製品に使用され ている部品や材料を特定します。 調査 • それらの部品や材料の購入先であるサプライヤーを特定します。 すべ き部 品・ 材料 のサ プラ イヤ ーを 特定 する 製品構成表から部品展開をして BOM(Bill of Materials 部品・材料構 成表)を作成します。 最終製品は複数の多段で構成されたユニットや部品などで構成されていま す。 • • サプライヤーに対して含有されている化学物質の情報提供を要求します。通常 はサプライヤーの営業部門が窓口になります。 ポーネント・ASSY(アッシー)」の表示 ASSY と入力ボード ASSY が適合して 重要な事項はサプライヤーへの注文書などの購買文書に記載する必要があり いなくてはなりません。 表示 ASSY が適合しているためには、プリント基板(P/N2341000-00)が適 ます。 • • 最終製品 AB8800 が適合するためには、構成している「サブシステム/コン なぜ化学物質の情報提供が必要なのか、最終的な完成品が販売される国の法規 合していなくてはなりません。例えば、プリント基板(P/N2341000-00)の適合 制など妥当性がある理由をサプライヤーに説明します。 確認は、BOM を作成して構成部品について「非含有」の確証データを整理し サプライヤーへの要求は購買担当者が行いますが、化学物質に関する法規制な ます。 ど専門的な説明は必要に応じて化学物質管理責任者が行います。 ①設計情報(システム)から No・名称・型式・メーカー・図番(図面番号)/仕 様書・PN(P/N Parts No)・LL(Low Level(下位に構成ユニットの有 Copyright © TKK 2014 All right reserved 10 無)・重量(g) ・使用数などを BOM 取り込みます。 ②①の PN から図面を特定し緒元(材料や処理工程など)を BOM に取り込 みます。この情報から特定有害物質の含有の可能性を評価して BOM に入 れます。 同時に、RoHS 指令の適合性評価の場合は、除外の適用の有無を確認し ます。 ③①の BOM の情報から PN をキーとして資材情報としてサプライヤーを選択 し BOM に入れます。(価格やリードタイムなども設定しますがこの解説では省 略します。) 社内での処理工程を特定し、管理手順書を作成し、BOM に登録します。 ④③のサプライヤー情報からサプライヤーの格付け(信頼性)を評価し BOM に入れます。 ⑤サプライヤーの格付けと特定有害物質の含有の可能性から、収集する確 証データを決めて BOM に記載します。この基準は別に定めておくことが必要 になります。 ⑥収集した確証データにより、含有評価をします。 確証データはカタログでもよいのですが、トレースできる必要があります。 最終的に BOM は商品構成単位での適合性確証の台帳的なインデックス になります。情報システムで管理している場合は、イメージ的 BOM を作成し情 報システムの相互関係の説明を技術文書に入れる必要があります。 BOM は上記のように、設計部署、生産技術部署、生産管理部署や購買 部署などの部署毎に、担当する情報を追加し、業務に利用します。BOM に 関する解説本やネット情報は多くあります。これらの情報を利用するとよいと思 います。 一般的な BOM と RoHS 指令対応の BOM の違いは、EN50581 が求め る「サプライヤーの信頼性」と「調達する部品材料等に特定有害物質の含有 Copyright © TKK 2014 All right reserved 11 する可能性」及び確証データと適合性確認の項目があることです。 「サプライヤーの信頼性」と「調達する部品材料等に特定有害物質の含有 する可能性」から確証データの種類を決めますが、この手順や基準は別に定 めておくことが必要です。 適合の確証データは多くの場合は顧客側から提出要請をします。このとき、 企業により提出様式が異なる場合があり、標準化が検討されています。 3.2. • サプライヤーに化学物質情報を要求しても提供されないことがあります。その サプライヤーに情報提供を依頼するときに、必要な情報の内容をきちんと伝 場合は、その理由をサプライヤーから説明してもらう必要があります。説明を えておくことが必要です。このときに、なぜ必要なのか、例えば RoHS 指令や 受けるに際しては、発注側としても支援する旨を伝えます。 REAH 規則の要求事項や自社の方針などを説明しておくと、規制内容が変 法規制で要求している使用制限や届出に関わる化学物質の場合、情報提供され わり、再度情報提供を依頼しなければならないときに、協力を得やすくなりま ヤー ないと使用が困難になり購入できなくなることをサプライヤーに理解いただ す。 に化 く必要があります。 サプ ライ 学物 • • 基本は無理な要求をしないことです。発注時に材料を指定している場合など 法規制で要求されておらず、顧客企業の自主管理として情報提供が求められて は、発注者が材料指定時に情報収集していますので、その時点で自ら 質デ いる場合、企業秘密上の理由で情報提供できない場合もあります。サプライヤ RoHS 指令や REACH 規則に関連する情報を含めておくと、サプライヤーか ータ ー自身、あるいは、その川上の企業での情報非開示の場合もあります。 らの情報は不要となります。同様に、汎用材(例 IC やコンデンサーなど)に の提 ついても、その汎用材のメーカーから直接カタログなどの情報を収集すること 出を で、伝達情報の種類を少なくすることができます。 要求 ただ、指定材や汎用材について、情報伝達を省略するには、サプライヤー する が確かに指定材を使用した、あるいは正規の汎用材(リサイクル材を使用しな (化 いなど)に関するサプライヤーの信頼度が重要な要素となります。 学物 特に、真鍮材(銅と亜鉛の合金)の加工品は、素材の真鍮はカドミウムが不 質管 純物として含有する可能性が高い材料です。このような材料の場合は、慎重 理責 に考える必要があります。 任者 これが、EN50581 がサプライヤーの信頼度と材料に特定化学物質が含 と協 有する可能性から、確証データを選択することを求める意味です。 業) Copyright © TKK 2014 All right reserved 12 4. 4.1. 製造工程における製品含有化学物質管理 4.1.1 重点管理点設定方法(例) ★製造工程では、設計部署や生産技術部署の指定による作業を行います。 重点的な管理が必要な工程を特定し、適切な管理を行いますが、例えば以下のよ 製造 うな設定方法で特定することができます(CCP: Critical Control Point(重要管理 工程 点) ) 。 にお 製品の付加価値を生ませる作業ですから様々な作業を行っています。 すべての作業の化学物質管理を厳重に行うと管理倒れになり、反って大事 なところが抜けたりします。厳重に管理する作業、工程あるいはサプライヤーと このような工程は、製品含有化学物質に関する不適合が発生する可能性のある工 ける 程であって、 製品 ⅰ)化学物質の組成変化(酸化・還元反応)や濃度変化が発生する工程 含有 および 化学 ⅱ)規制物質が製品に混入される可能性のある工程 物質 などが考えられますが、ⅱ)については 4. 2 で説明します。 一般的な管理で済ませる作業、工程あるいはサプライヤーを区分けすること が、結果としては管理レベルが向上します。 この見極めが重要ですが、この判断はリスクを考慮しての判断ですので、迷 いが生じます。ついつい、厳重な管理をしがちです。 メリハリをつけた管理をする手法として、食品製造業界で多用されている HACCP(ハセップまたはハサップ)があります。HACCP に関する解説本は、 管理 一般的な書店でも多数販売(漫画風も)されており、インターネットでも情報が 一般 多数あります。 詳細は成書に譲りますが、一般管理作業(工程)と厳重に管理する重点管 理作業(CCP)を客観的、論理的に区分けする手法です。 この手法は 12 手順・7 原則でまとめられています。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 13 ① HACCP チームの編成 ② 製品の記述 ③ 意図される使用方法の確認 ④ 製造工程一覧図・施設の図面・標準作業手順書の作成 ⑤ 手順4の文書等の現場での確認 ⑥ 危害分析 :原則1 ⑦ 重要管理点の設定 :原則2 ⑧ 管理基準の設定 :原則3 ⑨ モニタリング方法設定 :原則4 ⑩ 改善措置の設定 :原則5 ⑪ 検証方法の設定 :原則6 ⑫ 記録の維持・管理方法の設定 :原則7 ★重点管理工程・作業(CCP)の管理は、意識的に管理することが必要とな ります。ISO9001 マネジメントシステムが広く普及してきて、日本の製造業の意 識に変化が出てきましたが、「有言実行」が新しい管理の基本です。 「有 言」は、手順書などの管理の仕組みです。「実行」は作業記録で確認します。 手順書で管理ポイントを具体化しますが、方法は現状で行っている管理方 法をベースとして新たに化学物質管理の仕組み作りをしない方が、運用が徹 底します。 化学物質管理も作業管理の一つと考えて、例えば QC 工程図(表)などに 組み込むのが良いと思います。管理項目を何処まで拾い上げるかが悩ましい ところですが、見極めは HACCP の CCP になりますが、12 手順・7 原則を化 学物質管理に置き換えると(多少強引ですが)次のようになります。 Step1 プロジェクト編成 リスクマネジメントの視点 経営資源(権限)配賦 Step2 製品構成整理 開発:開発仕様書 技術:Parts Master(部品特性表) HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point: ハセップまたはハサップ。1960 年代に米国で宇宙 製造:BOM・サプライヤー Step3 顧客の使用想定 食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の手法)の内容を一部変更 廃棄・リサクルまでの想定 4.1.2 重点管理の実施例 用途は B2B(産業用)/B2C(消費者用) 管理されている状態をご参考としていくつか例示します。 リサイクルの要点 ①法規制や業界標準にしたがって、自社製品の「含有禁止や管理の必要な物質」 を製品含有化学物質の管理基準の中で明確化している。 組織別 機能 ②それらの明確化した管理基準を、製造工程においても容易に参照できるように Copyright © TKK 2014 All right reserved Step4 製品別業務フロー 14 QC 工程表・SOP(標準作業要領書) している。⇒現場に紙ファイルで保管したり、利用端末で電子データを参照し たりできる形にしておく方法が考えられます。 Step5 作業場の特定 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾または習慣化)・作業場所と作業の特定 ③同管理基準を製造工程における QC 工程図(管理工程図) 、管理フロー図、作業 手順などに反映している。 Step6 ハザード分析 業務フローの各要素及び物流、使用、廃棄のハザード(法的要求事項や 危険性)の特定 要因、重要性評価と対策 Step7 管理工程設定 重要管理工程の特定 Step8 管理レベル設定 重要管理工程の管理基準 Step9 モニタリング方法 重要管理工程の監視 Step10 緊急・異常事態の対応 管理工程図の例 重要管理工程での異常事態の想定と対応準備 Step11 検証方法の設定 ④ 化学物質等の生成又は混入のリスクが高いプロセスその他の実作業工程で使 用する適切な機器(事項 4.2 で例示)を使用している。 ⑤ 対応計画と実施状況の検証 Step12 記録管理 化学物質等の生成又は混入のリスクが高いプロセスその他の実作業工程で、モ 管理の範囲は、様々な材料取り違え、汚染などの可能性のある出来事を ニタリング および計測・測定用の装置が利用できる状態にあり、それらを用 想定します。想定する範囲は「当然想定すること」で、あり得ないような出来事 いて計測・測定を実施している。 は「想定外」となります。「想定外」は EU ではデューディリジェンス(Due diligence)で判定することになります。デューディリジェンスとは、「ある行為者の 行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する 際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及 び努力のこと(引用 ウィキペディア:デューディリジェンス 2014 年 3 月 28 日 (金))」です。 想定する範囲は企業の規模、扱う製品などで異なり、一様ではありません。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 15 4.2. 生産者は、製品の取り扱い、製造および/または組み立て作業において、製品の 汚染が発生する可能性のある工程を特定する必要があります。 誤使 用・ 混入 汚染 の防 止 サプライヤーからの納入品に特定有害化学物質が含有している事例や、 作業工程で特定有害化学物質組み込むことの可能性は低くなっています。 特定に際しては、例えば以下のような結果をもとにして特定します。 • サプライヤーから提供される材料、部品または半組み立て品が、生産者の仕様 に準拠していない 多くの場合は、納入品では汚染(コンタミ)、作業では不良品手直しなどの非 定常作業で問題を起こしています。 • 化成皮膜処理(クロメート処理)で、三価クロム処理をしていりが、製品を • 同じ工場内で異なる物質制限の要件が適用される製造・組み立て作業が存在す る 入れて処理する治具が、前の作業で他社製品を六価クロム処理行いそ の治具を洗浄しないまま使ってコンタミを起こした。 • 誤使用・混入汚染防止の対策は、誤使用・混入汚染の恐れのある化学物質の管 理レベル(使用禁止、含有管理など)に応じた内容で設定するようにします。 例えば、製品含有化学物質管理基準で「使用禁止」としている化学物質の誤使 用・混入汚染の恐れがない場合は、一般的な工程管理を実施していればよいで しょう。 • 吹付け塗装で、有鉛塗料を使ったあとでスプレーガンの洗浄をしないま ま、無鉛塗料を入れて塗装したら最初の塗装部分に鉛が入っていた。 サプライヤーの作業管理がしっかり行われていればこのようなコンタミは起こ しません。自社の作業工程も同様に管理しなくてはなりません。 ただ、コンタミの可能性は無限にありますので、デューディリジェンスによる当 然想定すべきコンタミは想定しなくてはなりません。ときおり、ネジを締め付けるド ライバーは、三価クロム処理ネジ用と六価クロム処理ネジ用に分けるようにとの 要求があるようです。 六価クロム処理ネジを締め付ければドライバーに六価クロムが付着し、三価ク ロム処理ネジを締め付ければ六価クロムが三価クロム処理ネジに移る(コンタ ミ)が無いとはいえませんが一般機器では無視できるレベルです。 4.2.1 重点的な管理工程とその他の工程 ★一般的に有鉛・無鉛はんだと呼称しますが、正確には無鉛はんだではなく の分離が可能な場合 「鉛フリーはんだ」といいます。「はんだ」は鉛と錫が主成分の合金で、鉛と錫 有鉛・無鉛はんだ付け作業が混在するよう の割合で融点が違い用途により割合が違います。プリント基板用のはんだは な場合は、作業場所を分離することが望まし 錫が 60%、融点が 184℃で最も低く扱いやすい「共晶はんだ」は錫が 63% いのですが、無理な場合は識別を明確にしま です。 す。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 16 手直しや修理作業などの非定常作業では、管理の抜けが生じやすいので注意が必 要です。 有鉛はんだで作業をして、その後無鉛はんだを使う場合に、こてさきからのコン タミの可能性はゼロではないですが、一般的には気にするレベルでのコンタミは生 じません。 「鉛フリーはんだ 」には、合金成分の不純物として鉛が入っています。多くの 「鉛フリーはん だ 」は 500ppm 400.0 以下を保証して 350.0 300.0 います。 下図は「鉛フリ 作業者に有鉛はんだと無鉛はんだの違いや法規制について教育することが重要 ーはんだ 」を蛍 光 X 線で分析し です。 た 4.2.2 物理的な分離が困難な場合 塗装用ガンや射出成形機のような使用材料が残っている器具や装置は、段取り替 え時の清掃・洗浄を徹底するとともに供給材料、作業掲示等が正しく段取り替えさ も の CPS[x1.E-3] 例えば、有鉛はんだには誤使用しないように赤色のカラー識別をします。 250.0 200.0 Pb Pb 150.0 100.0 で 50.0 250ppm ( 目 盛 0.0 10.00 11.00 の強度から検量 線で換算)程度でした。 12.00 keV 13.00 14.00 15.00 (資料提供 日本電子㈱) れたことをチェックシート 等を用いて確認するとよいでしょう。 化学物質管理として清掃・洗浄を徹底すると考えると難しく思えます。しかし、 塗装用ガンに前の塗料が残っていれば、鉛の含有もありますが、色の違いを 生じることに繋がります。品質問題です。 作業要領書、チェックシートなどを用意することが重要となります。 ただ、コンタミを恐れるあまり詳細な手順の記述や考えられる想定を広げ過ぎ ると日常的な作業では面倒となり、反って使われなくなります。 現場の作業者と一緒に無理のない守れる手順を確定するのが鉄則です。 塗装や射出成形はサプライヤーに委託加工することが多い工程です。サッ プライヤーの中には、小規模企業(社員 20 名以下)が多く、中には社員が数 名の企業も少なくありません。 その他、誤使用・混入汚染の防止としては、以下のような対応が考えられるので、 参考例として示します。 Copyright © TKK 2014 数名の企業には管理は負担になりますので、発注者側が次を行うとよいと 思います。 All right reserved 17 • RoHS 対応部品在庫は各部品保管箱に「RoHS」と明記し、適合品であることを ・受入時自ら測定・検査する はっきり識別できるようにし保管する。在庫数量は毎月末棚卸しを行い、生産 ・QC 工程図(表)を作成し、QC 工程図(表)通り実施したのかチェックを入れ 数量と比較して異常発生の有無等を管理・確認する。 る • 同一部品で RoHS 対応品とそうでないものがある場合は、部品番号を変えて別 ・納品書に主工程の実施確認としてチェックを入れる ・監査して実施状況を確認する の部品として管理する。 • なお、構造化した部品表に RoHS 適否がわかる列を追加して一目でわかりやす 在庫している材料を取り出すときに異品を取り出すことが無いように工夫する くすることは、誤使用の対策として効果的です ことが求められます。基本は、物理的分離、明確な表示と作業者の訓練で す。 ★電気電子機器はモデル変更が少なく長期間生産されるものがあります。中 には、年間の生産量は少なく、時折注文がくる例もあります。一方、これらの製 品の構成部品はモデルチェンジされ、生産中止になる場合があります。 このため、生産中止前に多量に購入し在庫している場合もあります。生産中 止品の在庫の適合性確認は、購入時と現時点で規制内容が異なり、メーカ ーも情報がないとして困惑する事例があります。 長期在庫品を使用する場合は確認が必要となります。 4.2.3 重点管理の具体例 ① フロー方式はんだ作業 棚の在庫品にマーキングするときに BOM の表示を見るのも一つの手法で RoHS 対応部品とそれ以外の部品とでそれぞれのパレットを専用化し、誤 部品の積載時にすぐ気づくようにする。 す。 情報システムで BOM を管理している場合は、BOM の1行が PN(Parts 同一加工設備で有鉛・無鉛はんだの両方を使わざるを得ないような場合 No)などで管理され PM(Pars Master)となります。PM には型式、メーカ は、はんだ釜や装置の基板ガイド等は別になる様にし、生産品目切り替え ー名などや RoHS 適合フラグを入れます。この場合は、PM に棚番号まで入 時には混入リスクが極小になるように清掃を徹底するとともに、定期的に れて、庫出し(ピッキング)は PM 情報として棚番号や RoHS 適合確認などを 無鉛はんだ槽内のはんだの成分分析を実施し、結果を記録する。 入れるとミスが少なくなります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 18 ★フロー方式はんだ槽は、はんだ槽に溶かした「はんだ」の表層にプリント基板 の下面を浸すことによって、はんだ付けを行う方法です。 「はんだ」は合金で、鉛が主成分の「はんだ」と鉛を意図的に入れていない 「鉛フリーはんだ」があります。「鉛フリーはんだ」は鉛を性能改善などのために PCB : Print Circuit Board(プリント基板) 意図して入れていないだけで不純物として鉛は含有しています。 鉛が主成分の「はんだ」は、融点が 184℃の「共晶はんだ」は鉛が約 40%、錫が約 60%の割合です。「鉛フリーはんだ」は鉛が不純物として仕様 フローはんだ付け イメージ図 値で 500ppm 以下です。 RoHS 指令対応が要求される前の電子部品の端子には、共晶はんだを使 った予備はんだをしているものが多くありました。予備はんだですから、量は少な いのですが、鉛の濃度が高いので、「鉛フリーはんだ」を使っても規制値の 1,000ppm を超える可能性が高くなります。 フロー方式はんだ槽の「鉛フリーはんだ」は数百 kg 入っていますが、共晶は んだによる使った予備はんだをしている電子部品をはんだ付けしているとコンタミ で濃度が上がっていきます。 管理ポイント ①はんだの組成確認 共晶はんだとの取り違えは別として、鉛フリーはんだの市販製品にはグ レードがある場合があります。0.1wt%(重量%)(1,000ppm)ギリギリの 仕様ですと購入価格は安くなりますが、作業管理に気を付ける必要があ ります。 ②設備、工具、治具類のコンタミ 共晶はんだを使っている製品が作業場近くにある場合は、治具や工具 からの汚染(コンタミ)に注意する必要があります。はんだ鏝などからコン タミの可能性はありますが、通常はこて先はぬぐって使用しますので、あま り神経質にならないようにすることが肝要です。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 19 参考; 鉛フリーはんだの組成例 錫(Sn)96.5% 銀 3% 銅 0.5% 溶融温度 217~219℃ 錫(Sn)99.0% 銀 0.3% 銅 0.7% 溶融温度 217~226℃ (安い) JIS Z 3282・ ISO9453 鉛フリーはんだに関する規格 鉛 0.05%(500ppm)max カドミウム 0.002%(20ppm)max 鉛などは錫の不純物、再生材料使用時の混入 参考:ウィスカ:スズの表面層からウィスカと呼ばれる髭が成長します。電気回 路がショートします、鉛があると抑えられていました。鉛無しでウィスカ対策が開 発競争でした。 ② 射出成形 ★射出成形は「人形焼き」を作る要領で製品加工を行います。 射出成形工程における材料替えの際は、切り替え後の材料もしくは十 分な量のクリーニング剤を用いて材料切り替えを行う。捨て打ち(材 料を金型内に射出せずにノズルの先から排出すること)のショット 数、射出条件(シリンダー温度、混練速度等)などは重点管理プロセス TKK 2014 All right reserved の水で混ぜ合わせ、型に流し込み焼き上げて取り出します。 射出成形は小麦粉などの代りにプラスチックの粉を使います。液状にするに は水ではなく、温度を上げて溶融します。 射出成型機は連続的に生産できるようになっています。 としてチェックリストに基づき、手順を記録する。 Copyright © 「人形焼き」は人形の形をした金型に小麦粉、卵、砂糖、ベーキングパウダ 20 射出成形のプロセスは次図のようになります。 射出成形の例 CCPはどこか? 受注 材料発注 原材料受入 SDS 倉庫に移動 指定材料取出し 保管 装置洗浄 成形 完成検査 AIS 非含有証明 ★管理ポイント プラスチックの粉はメーカーまたは卸業者に発注して、受け入れてか、倉庫 に保管して、作業時に取り出してセットします。 この材料に特定有害化学物質が含有していなければ、射出成形後の製 射出成形加工プロセス1 品に特定有害化学物質が含有することはありません。 発注時:材料指定(商品コードや名称など)の誤記 受入時:発注伝票と納品書の整合確認、SDS の確認、製品の表示確認 倉庫格納時:指定場所への格納、表示の確認 ピッキング時:指定材の取り出し 1 射出成形加工の周辺機器 選び方・使い方(両図とも) Copyright © TKK 2014 All right reserved 21 作業時:前のワークに使った樹脂の残渣の処理 離型剤も確認し、残渣状況も確認します。 射出成形品の例 材料供給装置(吸引方式)概略図 射出成形の IPO(Input Process Output)の調査 射出成 形工程に おける IPO 調査の例を以下に記します。 Input 東新プラスチック株式会社ホームページ 樹脂ペレット http://www.toshin-plastic.co.jp/index.html 材料違い サプライヤーへの発注時に材料指定を間違える 材料倉庫から射出成形機へ材料を運ぶ際(材料袋、フレコン1)に間 違える 樹脂ペレットの例 1 布等でできた樹脂材料搬送用の大形の袋状コンテナ Copyright © TKK 2014 All right reserved 22 Process 樹脂の溶融 直前の材料の残渣 直前の成形材料の射出シリンダー内残渣のパージ1不足 型締め 射出 保圧 化学物質は混入しない 冷却 型開き Out 製品 取り出し時にロボットハンド、製品回収バケットな どから混入する ⇒可能性はどのくらいか? 調査を踏まえての管理対応例 製品の検査 購買管理(発注・受入)の強化 材料替え時の工程(捨て打ちのショット数、射出条件)管理の強化 1 シリンダー内に残っている不要材料を排出すること Copyright © TKK 2014 All right reserved 23 5. 外部委託先における製品含有化学物質の管理状況の確認 川中企業も部品や材料の購入やめっきなどの加工を委託しています。購入先や委 ★サプライチェーン間での情報収集と伝達が求められています。サプライヤー 託先に自社同様に要求仕様の順守を依頼しなくてはなりません。 には、SDS の提供など使用制限物質に関する情報の提供を求めるとともに、 調達品の含有化学物質情報が信頼できるものかどうかは、サプライヤーにおける製 自社の製品段階での影響は、危険度と暴露量を考慮してリスク分析を行い、 品含有化学物質の管理状況により、確認することができます。 管理する必要があります。購入品の化学物質情報の入手に関しては部材を サプライヤーの評価では、次のような点を考慮するとよいでしょう。 購入する場合と製造を外注する場合で対応が異なります。 化学物質等に適用する法規制を把握しているか 要求している指定材料の使用や指定作業を実施できるか 部材を購入する場合には購入品の化学物質等に関する情報を購入した部 化学物質等の管理基準が社内にあるか 材の SDS や非含有証明書等の使用制限物質に関する情報をサプライヤー 自社製品の設計・開発段階で化学物質等の含有量に配慮しているか から入手することで収集します。 製造中に化学物質等の製品含有量を管理しているか 変更管理は化学物質等の製品含有量への影響を考慮しているか 製品の製造を外注委託する場合には、製品の構成部材の SDS と外注先の 自社製品の化学物質等の情報は開示できるようにしているか 製造プロセスの妥当性確認を行った結果を入手することにより、外注委託品 評価に際しては、社内の工程管理と同程度の管理を徹底することが重要となりま の化学物質等に関する情報を収集します。外注先の製造プロセスの妥当性 す。委託先の管理レベルを知るには、基準書、作業手順書、QC 工程表などが利用 は QC 工程図等の工程管理表を双方合意で作成し、重点管理項目を特定 できます。これらの工程管理表を双方合意で作成し、重点管理項目を特定して外部 し、外注先の管理責任部門がチェックした結果をもって確認します。 委託先の管理責任部門がチェックすれば、有効な確認方法となります。 管理レベルに不安のある場合は、QC 工程表などを提供することも有効です。さ 【対応事例】 らに外部委託先の調達管理能力を考慮して、材料、治工具、副資材などを必要に応 ★電気部品組立業 じて支給してもかまいません。 サプライチェーン間の化学物質等の情報伝達フォーマットが統一されていない 取引先審査報告書を用いてサプライヤー評価を行っている例を以下に示します。 と、情報の把握およびフォーマットの変換等に多大な労力と費用が発生しま す。それを防ぐ為に AIS を用いたサプライヤーへの製品含有化学物質の試 行調査を実施します。その結果を踏まえて今後の得意先からの調査要請に 対する対応可否や必要期間等を把握し、情報伝達フォーマットの統一を模索 します。AIS を用いたサプライヤーへの製品含有化学物質伝達フォーマットの 共通化を行うことで情報の把握およびフォーマットの変換等に要した労力と費 Copyright © TKK 2014 All right reserved 24 用を削減することができます。 購入品の評価と供給業者の評価・選定についての要求事項です。購入 品の評価は、購入品が最終製品に及ぼすリスクを考慮して予め管理方法を 定めておく必要があります。供給業者の評価・選定は、化学物質管理の経 験、能力、実績なども考慮して行う必要があります。一旦選定した後も、定期 的に評価し、供給業者の見直しを行います。 【対応事例】 ★金属製品製造業 サプライチェーン内の各企業が各々単独で有害化学物質の含有量調査を 行うとすると各企業は多大な労力と費用を負担しなければなりません。意識の 低いメインの供給業者に対して化学物質管理に関するコミュニケーションを良く し、化学物質に関する意識を高めると共に、情報共有を行うことでサプライチェ ーン内の各企業の調査コストの低減を図ります。 ★電気機械器具製造業 製品中の部品全てに対して有害化学物質の含有量調査を行うと多大な労 力と費用が発生します。それを防ぐ為にサプライヤーを評価して、評価が低い 場合には納入品の化学物資含有量の調査およびサプライヤーの工程診断を 行い、評価が高い場合には非含有証明書の確認のみで済ます等評価に基 づいた対応を行うことで、調査コストの軽減を図っています。(BOMcheck の 応用) ★プラスチック製品製造業 製品中の部品全てに対して有害化学物質の含有量調査を行うと多大な労 力と費用が発生します。それを防ぐ為に外注評価に EN50581 のリスクを考 Copyright © TKK 2014 All right reserved 25 慮したシステムを導入します。外注評価に有害化学物質含有量のリスク対策 等の化学物質管理に関する項目を追加して、その評価に応じた納入品の有 害化学物質含有量調査を行うと共に納入業者選定の一手段とすることで調 査コストの軽減を図っています。 5.1. サプライヤー評価例 ★サプライヤーの評価は ISO9001 など仕組みで定期的に評価をしていま サプライヤー評価は購買管理規定(IS740701-01)で、全構成部品のサプライヤ す。 サプ ーの評価をしています。個々の部品については、 (特定)化学物質の混入リスクと ライ サプライヤーの管理体制評価により確証データの種類を決めています。 ヤー 審査表を例示します 例えば次のように項目を細分化し A ランクから D ランクまで付けています。 調査項目 回答欄 品質方針 評価 品質システム 実施 配点 設計管理/技術力 例 工程管理・検査管理 A B C D 5 3 2 0 5 3 2 0 5 3 2 0 5 3 2 0 企業によっては、評価者基準を定めている場合があります。 取引先評価者は、係長以上の職位であって、資材調達経験が 3 年以上 または資材調達部署の長が指名した係長相当職以上のものとする。(例) 配点合計 85~100 50~84 30~49 0~29 品質管理実施状況 調査票の評価 Aランク Bランク Cランク Dランク 項目毎の評価を点数化し合計値による評価をします。 化学物質管理は品質システムの要素として同様に行います。 ISO9001 品質マネジメントシステムを構築している場合などでは、新規取引 開始時や取引開始後は定期的に品質管理の状況監査をします。この要素 にしますが、項目を改めて出すこともあります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 26 ★評価基準は次のような方法もあります。 下記項目について、取引主要品目の品質管理実施状況を回答願います 貴社名 回答はA~Dの記号で右欄に記入下さい。(解答欄に斜線を入れた項目への回答は不要です) 調査項目 A B C D 方針・目標 品 質方針 や目標 を具 体 品 質方針 や目標 を具 体 経 営の 品質方 針や目 標 品 質方 針や 目標 は特 的に示し、組織階層別に 的に示し、全社一律で実 は ない が各組 織で運 用 に定めていない している 施している 展開、実施している 方 品質組織と 針 責任者 品 質責任 者は専 任で 他 品質責任者及び責任・権 品 質責 任者は 明確で あ 品 質 責 任 者 及 び 責 るが責任・権限は不明確 任・権限が不明確 と 独立し 責任と 権限 も 限は明確である 明確 組織運営 品 質 シ 図面管理 ス テ ム 品 質に関 する適 切な 組 品質に関する組織、職務 品質に関する組織・職務 品 質に 関す る組 織は 織、職務分掌がありルール 分掌があり、運用してい 分 掌は ないが 運用上 大 なく、時々問題が発生 している きな問題もなく機能 る 通り運用している 教育訓練 定 期的に 全社的 な品 質 必 要部署 で定期 的に 教 必 要部 署で適 宜品質 教 教 育訓 練の 計画 はな 教 育訓練 計画を たて 実 育 訓練計 画をた て実 施 育 訓練 計画を たて実 施 い が必 要に 応じ 実施 している している している 施している 設 設計管理 計 管 理 設計標準があり、設計の 設計標準及び チェック体制 設計標準、手順は各人が 設計は設計者任せ。管 手順チェック体制が明確で は一部ある。手順はない 整理実施。管理者がチェック 理者が主要部のみをチ ェック が設計者の技術力でカバ ある ーし管理者がチェック 品 質 回答欄 確認欄 ル ー ル 及 び 図 面 台 帳 が あ ルール及び管理責任者があ ルールはないが、管理責任 ルールはなく、都度個人 り、管理責任者により授 り、差替えは現場管理で 者がおり、一応整理でき で対応している ている 受は確実、差替えも徹底 徹底している している 工 作 業 管 理 ( 作 管 理体制 は明確 であ り 管 理体制 は明確 であ る 一 部の 重要な ものに 作 作業標準書なし 基準書で指示し、実施し が 実施は 主要部 品や 特 業標準書がある 程 業) 定部品 ている 管 理 検査員 化 学 物 質 管 理 独 立検査 部門と 教育 訓 検 査の所 轄部門 が明 確 他 の業 務を兼 ねた検 査 検 査は 実務 者が 代行 練した検査員がいる で専任検査員がいる 員がいる している 納 入製品 毎に特 定化 学 物 質を特 定して 含有 の 可能性を評価している。 作 業工程 も購入 材料 も 含 有の可 能性は 極め て 少ない。 化学物質の管 ISO9001 マネジメント 理 シ ス テ ム シ ステム に化学 物質 の 管 理シス テムを 統合 し (仕組み 運用している。 納入製品への 特定化学物質 の含有の可能 性 特 定化学 物質を 特定 し て 購入材 料に含 有す る 可能性を評価している。 作 業工程 は含有 の可 能 性 がある が管理 して い る。 RoHS/REACH を専用シ ステム(化学物質管理)と して、別システムとは独 立し導入している。 サ プラ イヤか ら不使 用 含 有の 可能 性は 評価 証明書を受領している。 していない。恐らく含 社 内工 程は特 段の管 理 有 して いな いと 評価 している。 は行っていない。 都度、不使用証明書を集 顧 客か ら要 求の 都度 めている。 サ プラ イヤ に顧 客要 求を伝達している。 例示の基準は、サプライヤーに事前に調査票を渡して、自己評価を依頼し ています。この自己評価を基準として訪問ヒアリングやメールでの確認をしてい ます。例示基準の企業は、「評価は発注者と受注者の情報共有の場で、点 数付けが目的ではない」として、C ランクや D ランク項目については改善の相 談に応じています。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 27 また、上記の評価を行う手法の一例として下記の共通のガイドラインを用い ★製品含有化学物質管理ガイドライン第 3.0 版 製品含有化学物質の管理に取り組む組織の支援を目的として作成された ることもできます。管理状況を評価するためのチェックシートも提供されてい るため、ガイドラインとチェックシートをサプライヤーに紹介し、自己評価の います。 結果をチェックシートで確認することができます。 対象 ★製品含有化学物質管理ガイドライン第 3.0 版に基づく自己適合宣言書(様 共通化されたガイドライン サプライチェーン全体 (川上・川中・川下の企業、商社等) 製品含有化学物質管理ガイドライン もので「製品含有化学物質管理-原則と指針(JIS Z 7201)」にも準拠して 作成者 JGPSSI・JAMP 共同発行 式例) 「自己適合宣言書(様式例)」(word 版)です。 この適合宣言書は何を宣言しているかが別文書(製品含有化学物質管理 外部委託先に重点管理工程がある場合、定期的に監査を行い、管理された状 ガイドライン)を引用していますので JGPSSI・JAMP 関係者以外は分かり難 い様式です。JGPSSI・JAMP 関係者以外への回答、調査依頼様式にす 態にあることを相互に確認して承認することが望ましいです。 取引可能となった供給業者は、例えば「認定購入先一覧表」として台帳管理 するとよいですが、一旦選定した後も、定期的に評価し、供給業者の見直しを 行うことが重要です。 ることが求められる場合があります。 これらは下記からダウンロードできます。 http://www.jamp-info.com/dl ★「供給業者の見直し」は目的ではなく手段ですから、取り組みが十分でない と評価した場合は、支援をします。この支援策は第三者機関の利用を含め て、事前に検討しておくことが重要です。 ★定期的な評価の期間の設定は ・サプライヤーの信頼度 ・調達している品目の重要度・含有の可能性 ・不適合の事例 などから決めます。一律に決めないで実態に合わせて調査するようにしま す。 必ずしも、訪問監査の必要はありませんので、運用に負担のない方法を工夫 することが望まれます。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 28 6. 顧客との情報交換 6.1 納入製品への化学物質の含有情報(非含有情報)の伝達は、顧客指定材料、 JA 部品の場合は要求されなくなってきています。サプライヤーの工程で、例えば MP 塗装などで塗料指定がなく含有化学物質が特定されていない場合や,サプライ 等 ヤーが独自の材料、部品を調達している場合などに情報伝達が要求されます。 ★情報伝達ツール 情報伝達の方法、様式やツールは幾つもあります。順法が背景にあります ので、各社は工夫をしています。 代表的な様式の調査結果をお示しします。 伝達する情報は、 「サプライヤーによる自己宣言」 「契約上の合意」 「材料宣言」 「分析試験結果」のすべてではなく、顧客との協議により組合せて提供します。 伝達ツールとして国内では JAMP があります。 我が国における含有製品化学物質管理の業界横断団体であるアーティクル マネジメント推進協議会(JAMP)が提唱している化学物質管理ツールです。 主に電子電機業界や化学業界で多く使用されています。基本的に EXCEL を使 って作成した xml で受け渡しします。 出典:平成23年度経済産業省委託事業 平成23年度環境対応技術開発等(製品含有化学物質の情報伝達の実態に関する調査) 社団法人 産業環境管理協会 画像データ出展: JAMP ホームページ ★海外の事例 AIS(Article Information Sheet)は完成品や部品など成形品に含まれる 制限物質や管理対象物質を伝達するデータシートです。 MSDS-Plus(Material Safety Data Sheet-Plus)は樹脂ペレットや塗料 など混合物に含まれる制限物質や管理対象物質を伝達するデータシート です。 日本では JAMP が採用率では 13%と低いながら、トップです。ただ、 JAMP は国内中心で、海外調達では使えない場合が多々あります。 EU 域内では情報伝達ツールとして BOM チェックが有名です。 株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンのホームページでは調達基準 で次を示しています。 日本語・英語・中国語の 3 か国言語対応可能 運営窓口はアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP) フィリップスに納入される梱包材料、部品および本製品は、 http://www.philips.com/shared/global/assets/Sustainability/rsl.pdf JAMP は日本国内では比較的多く利用されていますが、サプライチェーンの上流 はアジアなどの海外企業となるため、利用されていません。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 29 に掲載されている規制物質一覧(Regulated Substances List/RSL)に 経済産業省では、JAMP/MSDS Plus や AIS をコアとしつつも、アジア、さらに は国際標準となる仕組みを検討しています。 従っていること。RSL の写しは、サプライヤーの書面による請求があれば速や かに送付される。サプライヤーは、本製品および本サービスの利用に関連する 法令、規制および規則を遵守するために必要なすべての情報をフィリップスに 対し提供しなければならない。サプライヤーは、フィリップスとの間で別段の合 意 が な い か ぎ り 、 フ ィ リ ッ プ ス の 要 求 に 応 じ て 、 BOM チ ェ ッ ク ( www.bomcheck.net) に 加入し 、BOM チ ェ ッ ク 上で ROHS 規則、 REACH 要求およびその他の規制に準拠し、物質のデクラレーション(情報伝 達)を行うことによりフィリップスの RSL を遵守すること。(株式会社フィリップスエ レクトロニクスジャパン) ★AIS JAMP AIS は有識者や情報伝達経験者が英知を集めて開発したツール です。漏れの無い標準的なツールとして完成度が高いものです。 ただ、開発者の多くは、川中の中小企業の実態を知らないまま開発したきら いはあります、 ツールは使い方ですから、川中の中小企業の支援者が AIS を理解し企業 支援をすることが望まれます。 7. 変更管理 4M 等の変更は、その変更を実施しても、自社製品が引きつづき製品含有化学物質の管 理基準を満たせることをあらかじめ確認してから行います。なお、変更には設計も含まれ ★4M 生産の 4 要素「人 (Man)、機械 (Machine)、材料 (Material)、方法 (Method)」 ます。 4M が変化すれば、結果としての製品の品質あるいは化学物質の含有量 が変化する可能性があります。4M のどれが、どれだけ変わると影響がでるか は想定しておくことが肝要です。 作業者の A さんが B さんに代わった場合に 影響がでるかなどを考えます。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 30 7.1 自社製品の製品含有化学物質に影響する可能性のある要素を洗い出す ★作業手順の確認 作業の基本は、材料購入→製造→納品となります。業種により、材料に購 自社製品の製品含有化学物質に影響する可能性のある変更を抽出し、変更管理の 対象とすべきかどうか、製品含有化学物質への影響の観点から検討します。 製品含有化学物質に影響をおよぼす可能性のある変更要素の例 入の前に設計作業や営業作業が入ります。 この基本作業を細分化すれば、材料購入は「材料仕様確定」「価格交渉」 「サプライヤー決定」「発注書発行」などの作業が入ります。初めて採用する サプライヤーであれば「与信」もあります。 製造もサプライヤーの委託する場合もあり、社内であれば「組織」「作業者」 「設備」「作業手順書」「検査基準」なども確認しなくてはなりません。 業務フローの確認、明確化です。 業務フロー分析 仕事(業務) 次工程 インターフェース 入 力 仕事の定義 インターフェース 前工程 ~4M確認~ 出 力 出 力 責任権限 処理基準 手順 仕事は階層化・並列・直列している 次工程 ★要点は、複数の前工程(Input)があり、複数の後工程(Output)がある 場合は、そのインターフェース部分が重要な点となります。 自工程(Process)の内容は 5W1H でまとめますが、目的により細分化しま す。量産工程では「部品を右手で取って左手に移して保持する」のような詳細 化をすることもあります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 31 作業の詳細化の作業の種類というもう一つの視点があります。 • 主作業(定常作業) • 付随作業 • 臨時作業(非定常作業) • 突発的作業(トラブル時作業) 細かさは 4.1.1 項の重点管理点設定方法の HACCP などで決めるといと 思います。 HACCP のよる CCP 設定は「リスク」で決定することになります。 リスクは別項で補足説明します。 7.2. 変更を行う場合の手順を定め、手順に従って変更を管理する 7.2.1 ★QC 工程表 QC 工程表の標準様式はありません。各社が工夫をして作成しています。 変更を行う場合の留意事項 4M 等の変更は,QC 工程表に反映します。QC 工程表を使う上での留意事項を以 下に記します。 ① QC工程表 QC 工程表が変更になった場合は、必ず、作業者への教育を行います。 • 教育に先立っては、QC 工程表の使用目的を作業者に十分説明してから実施し ます。 No 作業名 製品名 後工程 文書番号_版番 発行日 図番 PartsNo 前工程 適用LotNo 適用日 作業部署 作業者要件 設備 管理ポイント 管理特性 管理基準 使用材料 管理材料 測定・検査ポイント 測定頻度 測定器 基準値 記録 承認 異常時の処置 手順書No QC部 作成 備考 1 2 3 4 • QC 工程表と作業標準書はセットで使うものであることを説明します。 5 6 • 教育終了後は、作業者の力量が確保されていることを確認します。 ② QC 工程表は保管時に整理しておき、すぐ取り出せるようにしておきます。 ③ QC 工程表の変更管理は遅滞なく行い、常に最新版にしておきます。 ④ 現場監督者は定期的に QC 工程表が活用されているかチェックします。 ⑤ QC 工程表の内容に不備があった場合は、速やかに訂正します。 7 8 9 10 特記事項 参考:http://quality-labo.sblo.jp/category/957107-1.html 基本は、業務手順(フロー)を作成し、作業要素毎に作業者、設備などを 記述します。重要作業要素(工程)では 4M を具体化しておきます。 工程手配して使用する材料などは型番や仕様を明確にしておくことが肝要で す。QC 工程表には使用する作業要領書なども明確に記載します。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 32 7.2.2 変更管理の手順例 変更管理の手順の一例を下記に示します。 ★変更の評価 従来の品質管理では問題とならない変更でも、自社製品の含有化学物質には大 供給者適合宣言は ISO/IEC17050-1(適合性評価-供給者適合宣言 きな影響を生じる可能性があるため、変更を行う場合は、その要素を抽出して 第 1 部:一般的要求事項)、ISO/IEC17050-2(適合性評価-供給者適合 宣言 第 2 部:支援文書)が参考になります。 変更時の手順を定め、必ずその手順に従って変更管理を行う。 必要に応じてサプライヤーと協議を行い、上記と同様の手順を定めてサプライ ISO/IEC17050-1 の 10 項(適合性の継続的妥当性)の 2 で「適合宣言 ヤー(2 次、3 次以降も含む)へ周知する。これらの手順に基づき、サプライ で、適合宣言の妥当性の再評価の手順(書)を要求し、再評価する要件を示 ヤーにおける変更情報を事前に確実に入手する。 しています。 自社製品の製品含有化学物質情報に変化が生じるような変更を行う場合は、事 ・製品の設計または仕様に著しく影響を及ぼす変更 前に顧客に連絡する。必要に応じて、製品のロット情報や識別情報も提供する。 ・製品の適合評価規格の変更 自社製品の含有化学物質情報を作成する際の根拠として、また、トレーサビリ ・供給者の所有権や経営構造の変化(関係があれば) ティ情報として活用するため、変更管理の結果は、これを記録する。 ・製品の不適合を示す情報がある場合 事前通知の困難さから、不特定多数の顧客に納入される製品(カタログ品、市 ★ISO9001 品質マネジメントシステムがあれば、7.3.7 項(設計・開発の変更 販品など)の含有化学物質が変更になる場合は、別製品として扱うなどの方法 管理)の手順に上記を組み込むようにします。7.3.7 項には変更のレビューを要 により識別できるようにする。 求していますが、多くの企業ではおざなりな管理になっています。 抜けがちなのが、コンパチ製品(サードパーティ製品)への変更です。購入 していた部品が生産中止になり、同等品n変更する、あるいは価格や納期で 変更することがあります。性能に関連する品質仕様は確認しますが、含有化 学物質は2の次になっている場合が多いようです。さらに、コンパチ製品の変 更の場合に、部品の識別番号(Pars No)を変えないで、その中身だけ変える 処理がされることがあります。 この場合は、手続きが設計変更にならなく手配変更だけになり簡便になると 意ことで採用されますが、トレサビリティ(どの号機にどの部品を使ったか)が取 れなくなります。“configuration control”といわれる構成管理が従来と違っ た意味で重要になります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 33 補足 ★ハザードとリスク管理 自社の製品の化学品(物質)あるいは製品に含有する化学物質の半致死量(LD50)などがハザードで化学物質のハザードです。作業者や消費者への影響は、ハザード の大きさだけでなく、使い方によるばく露(吸入量や摂取量など)により変わります。製品とその含有化学物質による人に対する影響がリスクであり、典型的な製品の使い方と典 型的な物質のハザードからリスクを考慮しての規制が RoHS 指令や ELV 指令(製品)や REACH 規則の物質使用制限や SVHC(物質)となります。 ★ハザード管理からリスク管理へ 一般的に、リスクは次で表されます。 リスク=ハザード × ばく露量 典型的な製品や化学物質以外を扱う企業は、自らの情報により許容されるリスクレベルになるように、化学 物質の分類結果による選択と含有量の管理などの使い方を工夫することになります。 有害な化学物質(ハザードが高い化学物質)を有害性の低い化学物質(ハザードが低いい化学物質)に代 替すれば、同じ使い方(ばく露量)をするのであれば、健康被害などのリスクは下がります。 ハザードが高い化学物質でもばく露しなければ人体に対する影響はありません。人体への影響を考えるとハザ ードよりリスクが重要になります。 有害性の低い化学物質に代替する、ばく露量を削減して、リスクを低減するのが ★もう一つのリスク管理 化学物質以外でもハザードとリスクという用語は使われます。 例えば、川をロープを伝わって渡るとします。バランスを失い川に落ちることがハザードです。川の中にいる魚なグッピーなのかピラニアなのか、命への影響のハザードです。 ロープ上でバランスを失わないように長い棒を持つ、落ちた時に救命道具を用意しておくのがリスクマネマネジメントになります。 川に落ちる可能性・起こりやすさが命に係わります。 リスク = ハザード × 起こりやすさ リスクをこのように書き換えることができます。 工場などでの化学物質が製品に含有するハザードは、作業のなかで考えます。この対象とする作業は、主作業や付随作業だけでなく、臨時作業や突発的作業にも目を向 けます。 ハザードはゼロにはできないのですが、リスクは小さくすることができます。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 34 ★リスク計算 単純な例 A シナリオ ハザード :100 B シナリオ ハザード : 10 許容できるリスク(十分低いと言えるリスク):0.1 とする。 A シナリオ ハザード:100 × 起こりやすさ:0.001 = リスク:0.1 起こりやすさは 0.001 以下に管理しなくてはならない B シナリオ ハザード:10 × 起こりやすさ:0.01 = リスク:0.1 起こりやすさは 0.01 以下に管理しなくてはならない ハザードによって、起こりやすさ(管理レベル)の管理が違ってくることになります。一律に厳重に管理するのではなく、メリハリを付けた管理が必要となります。 数式でリスクが計算できれば管理レベルも明確になりますが、リスクは数値ではないので、ついつい一律に厳重に管理をしがちです。 これは、担当者は経営者への叱責を恐れて、万が一、万万が一を考えて厳重な管理をすることによるものです。 ★経営者の関与 ISO31000-2009 (リスクマネジメント(risk management)解説と適用ガイド)4.2 指令及びコミットメント(Mandate and commitment)では、 「リスクマネジメントを 導入し、常にその有効性を確実にするためには、組織の経営者の強力かつ持続的なコミットメントとともに、そのコミットメントをすべての階層で達成するため、の、戦略的でかつ 綿密な計画策定が要求される。」 と、 リスクマネジメントは経営トップが関与すべきと示しています。 ★自律的マネジメントシステムの推奨 10 万とも言われる化学物質が存在し、化学物質なしでは、企業活動は継続できません。多くの企業にとって理解が乏しい化学物質について、何をすべきかの情報を求めて います。この情報が法規制情報で、化学物質は「使用廃止」ではなく「許容された使い方」で利用するものです。 レイチェル・カーソンがいう「正確な判断を下す」には、法規規制で示される化学物質とその「許容された使い方」(逆には「禁止された使用方法」)は、その一部にすぎません。 法規制による情報開示・提供は本質的な要求の一つの手段と考えることができます。 「消費者の知る権利」は企業にとっては「知らせる義務」になります。ただ、知らせる義務=法規制の順守ではなくもっと幅広になります。この企業の義務を「当社の製品を購入 して頂いたお客さまが、含有する化学物質で被害を与えてはならない」と考えると対応が具体的になります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 35 「自社製品のなかに何が入っているのか」、「その物質はお客さまに害を与えないのか」などは、顧客満足あるいは CSR(corporate social responsibility)活動の一つとす ることになります。 欧米の罪の文化の絶対基準は宗教観の違いもあるとは思いますが、欧米の法規制に対応するには、欧米の考え方や価値観を理解する必要があります。絶対基準を「お客 様の安全安心=お客様満足」とすると日本企業は柔軟な対応ができるようになります。 法的要求事項対応から顧客満足を目指す自律的マネジメントが、仕組み作りが大変ですが、法規制の変化に振り回されることが無くなり、長い目で見ると効率的な経営と なります。 Copyright © TKK 2014 All right reserved 36 8 よく使う化学物質管理用語の説明 1.2. JIS Z 7201 で定義されている用語 ① 化学物質(chemical substance) 天然に存在するか、生産工程から得られる元素および化合物。 例)酸化鉛、塩化ニッケル、ベンゼン等。 ② 混合物(mixture) 二つ以上の化学物質を混合したもの。 例)樹脂ペレット、塗料、合金等。 ③ 成形品(article) 製造中に与えられた特定の形状,外見又はデザインが,その化学組成の果たす機能より も,最終使用の機能を大きく決定づけているもの。 例)歯車、集積回路、電気製品など。 ④ 化学品(chemical product) 化学物質または混合物。 例)酸化鉛、ベンゼン、塗料、合金等 ⑤ 部品(part) 完成品に至るまでの成形品 化学品から初めて成形品へ変換された部品 例)電話機用樹脂製ケース、キーボードの 1 つのキー、 部品を組み合わせて製造された部品 例)電話機用受話器、パソコンのキーボード ⑥ 完成品(end product) 化学品および/または部品を組み合わせたり、加工したりして製造した最終の成形品。 例) 電子機器の例:電話機 輸送機器の例:自動車 ⑦ 製品(product) 組織が、その活動の結果として、顧客に引き渡す化学品、部品および完成品。 ⑧ 組織(organization) 責任、権限及び相互関係が取り決められている人々および施設の集まり。 Copyright © TKK 2014 i All right reserved ⑨ 供給者(supplier) 製品を川下側に引き渡す組織。 ⑩ 顧客(customer) 製品を川上側から受け取る組織。 ⑪ 引き渡し(delivery) 製品を顧客に送り出すこと。 ⑫ サプライチェーン(supply chain) 供給者および顧客の連鎖。 ⑬ 製品含有化学物質(chemical substances in products) 製品中に含有されることが把握される化学物質。 ⑭ 製品含有化学物質管理基準(management criteria for chemical substances in products) 製品含有化学物質に関係する法規制および業界基準に基づいて、組織が定めた基準。 ⑮ トレーサビリティ(traceability) 製品に関わる購買、製造及び引渡しに関わる履歴が把握できること。 注記)引き渡しの履歴には、消費者は含まない。 ⑯ 不適合(noncomformity) 製品含有化学物質管理基準を満たしていないこと。 1.3. 化学物質管理でよく使われる用語 ① CAS 番号 化学物質を特定するために割りあてられる番号。一つの物質に一つの番号が付与。 ② REACH 規制 欧州(EU)の化学物質規制。化学品だけでなく成形品も対象としている。 ③ SVHC 認可対象候補物質:REACH 規則の認可対象候補物質リストに収載された物質。現在、 151 物質が収載されている(2014. 3. 5 現在) ④ RoHS 指令 欧州(EU)の電子・電気機器における特定有害物質の使用制限。 Copyright © TKK 2014 ii All right reserved ⑤ ELV 指令 欧州(EU)の自動車に関するリサイクル要求と特定有害物質の含有制限。 ⑥ デューディリジェンス(due diligence) ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定す る際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のこ と(引用 Copyright © ウィキペディア) TKK 2014 iii All right reserved 9 参考文献 製品含有化学物質管理─原則及び指針 JIS Z 7201: 2012 IEC 62476 電気電子機器における物質の使用制限に対する製品の評価のためのガイダ ンス 製品含有化学物質管理ガイドライン(第 2 版) グリーン調達調査共通化協議会 製品含有化学物質管理ガイドライン 第 3.0 版 アーティクルマネジメント推進協議会 中小企業のための製品含有化学物質管理実践マニュアル【入門編】 全国中小企業団体中央会 中小企業向け製品含有化学物質管理の手引き 中小企業の製品含有化学物質管理支援推進委員会 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H24_sc_tyousa1.pdf 現場長の QC 必携 朝香鐵一、小関和夫 他 日本規格協会 射出成形加工の周辺機器 選び方・使い方 内田守彦 日刊工業新聞社 工場長のための生産現場改革 西沢和夫 同文館出版 現場長の QC 必携 朝香鐵一、小関和夫 他 日本規格協会 REACH 及び RoHS に関する Q&A 中小企業基盤整備機構が運用する J-Net21 に掲載 ① ここが知りたい RoHS 指令 http://j-net21.smrj.go.jp/well/rohs/index.html ② ここが知りたい REACH 規則 http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/index.html Copyright © TKK 2014 iv All right reserved 発行日:平成 26(2014)年 4 月 20 日 発行者:一般社団法人 東京環境経営研究所 監 修:一般社団法人 東京環境経営研究所 著 者:一般社団法人 東京環境経営研究所 中小企業診断士 橋口 松浦徹也 政弘・長谷川 祐・松浦 徹也 当説明内容は著者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を 代弁するものではありません。法規制の解釈は必ず原文を参照してください。 Copyright © TKK 2014 v All right reserved
© Copyright 2026 Paperzz