To p i c V o l . 2 2 J u l y / 2 0 0 9 1 若者の“ビール離れ”の検証 近 年 至るところで「 若 者 のビール 離 れ」について論じられている。今 回 、M 1・F 1 総 研 ®では、M 1( 2 0 ∼ 3 4 歳 男 性 )にフォーカスし、 ビール 離 れの 実 態とその 理 由について検 証 するとともに、今 後 の 打ち手について考 察した。 ※調査仕様 実施時期:2009年7月 調査手法:インターネット調査 調査対象:1都3県在住のM1(20∼34歳男性)1,000人 1都3県在住のM2(35∼49歳男性)200人 ビー ル離れの実態 若 い 層 ほどビー ル を 好 んで 飲 む 割 合 は 減 少しており、今 後 もその 傾 向 は 強まると考 えられる。 ( 図 1 - ① 参 照 ) また 一 方 で 、 「 チューハイ・サワー 」や 「 カクテ ル 」 「 果 実 酒 」など の 甘 い お 酒 に 関しては 、若 い 層 ほど 飲 用 割 合 が 高まる。 (図1-②,③,④参照) 若 い 層 でビー ル 離 れが 起こり、逆 に 甘 い お 酒 を 好 み 始 めている背 景 に つ いて 、次 項 以 降 で 検 証した 。 図1 自宅・自宅外で好んで飲むお酒 ① <好んで 「ビール」 を飲む割合(発泡酒・第3のビール・プレミアムビール含む)> 0 20 40 20∼24 歳男性 (N=290) 60 80 25∼29 歳男性 (N=325) 0 (%) 63.8 78.9 35∼39 歳男性 (N=76) 40∼44 歳男性 (N=67) 77.6 40∼44 歳男性 (N=67) ③ <好んで 「カクテル」 を飲む割合(甘いもの)> 0 40 37.6 25∼29 歳男性 (N=325) 10 20 20∼24 歳男性 (N=290) 26.0 35∼39 歳男性 (N=76) 24.6 0 (%) 36.0 30∼34 歳男性 (N=385) 31.6 16.4 ④ <好んで 「果実酒」 ( 梅酒など) を飲む割合 ※ワインを除く> 20 20∼24 歳男性 (N=290) 34.3 45∼49 歳男性 (N=57) 86.0 (%) 39.4 30∼34 歳男性 (N=385) 35∼39 歳男性 (N=76) 40 45.5 25∼29 歳男性 (N=325) 74.8 45∼49 歳男性 (N=57) 20 20∼24 歳男性 (N=290) 70.8 30∼34 歳男性 (N=385) ② <好んで 「チューハイ・サワー」 ( 甘いもの) を飲む割合> 25∼29 歳男性 (N=325) 23.1 30∼34 歳男性 (N=385) 22.9 35∼39 歳男性 (N=76) 19.7 40∼44 歳男性 (N=67) 10.4 40∼44 歳男性 (N=67) 45∼49 歳男性 (N=57) 10.5 45∼49 歳男性 (N=57) 30 29.0 (%) 15.8 7.5 10.5 理 由 ① 無理をしなくなったから M 1でビール 嫌いな人 の「ビールが 嫌いな理 由 」 ( 下 図 2 参 照 )を見ると、 「 苦いから」 「 美 味しさ 図3 ビールが好きな人の「ビールが好きになったタイミング」 が 分からないから」 「 他にも美 味しいお酒がたくさんあるから」が 圧 倒 的に高く、ビールの 味そのも のを苦 手としていることが窺える。 初めは苦手だったが、 飲むうちに好きになった 一 方 、現 在ビールが好きな人も、約 6 割は「 初めは苦 手だったが、飲むうちに好きになった」 として 0 いる。 ( 右 図 3 参 照 )このことから、ビールを美 味しく感じるようになるまでには、ある程 度 辛 抱して 飲み続けることが必要と考えられる。若者層でビール離れが起こっているのは、この辛抱を経験せず 多少の無理をしてでもビールを飲もうとする意識が若者の中で薄れていることが一因として考えられる。 20 M1 ビール好き (N=703) 40 初めから好きだった 60 80 59.3 100 (%) 40.7 図2 ビールが嫌いな人の「ビールが嫌いな理由」 60 (%) 54.4 M1ビール嫌い(N=182) 46.2 40 ※欠損値あり 20.9 20 10.4 10.4 13.2 その他 炭酸が 嫌いだから いろんな味を 楽しみたいから 3.3 他にもおいしい お酒がたくさん あるから 2.2 カロリーが 高いから 4.4 アルコール度数が 高いから 8.2 金額が高いから おじさんっぽい から お腹いっぱいに なるから 3.8 6.6 料理に 合わないから 1.6 飲みすぎて しまうから 7.7 体に良く ないから 太るから 美味しさが 分からないから 苦いから 0 4.4 Copyright ( C ) 2009 Media Shakers Inc. All Right Reserved. 2 To p i c V o l . 2 2 J u l y / 2 0 0 9 理 由 ② “修行の場”が減ったから 自分より上の世代と飲みに行く機会は、 ビール好きな人に比べるとビール嫌いな人では極端に少ない。 ( 図4参照)また、 「お酒を飲みに行った人とはより深い絆ができる と思う」 とする人も、 ビール好きな人に比べるとビール嫌いの人では約4割と少ない。 ( 図5参照) ビール嫌いの人は “飲みに行くこと=コミュニケーションを深める場” とは 考えておらず、 そのことでおのずと上の世代と飲みに行く頻度も増えないものと思われる。 更に、 ビール嫌いの人で「会社の人と飲みに行くことは苦じゃない」 と考える人は少ないことからも (図6参照)、 ビール離れの背景として、会社の上司などとの付き合いの 中でビールを飲むうちに次第に自分もビールの美味しさを覚えていくような機会が減ってきていることも推察される。 図4 自分よりも上の世代と飲みに行く頻度 週1日以上 2∼3ヶ月に1日程度 月に2∼3日程度 半年に1日以下 M1 ビール好き (N=587) 11.6 14.1 M1 ビール嫌い 4.3 12.9 (N=140) 4.3 図5「お酒を飲みに行った人とはより深い絆ができると思う」 0 月に1日程度 まったく飲まない 21.8 20.7 20.4 46.4 40 M1 ビール好き (N=587) (%) 26.2 20 0 (%) 20 40 M1 ビール好き (N=587) 64.9 M1 ビール嫌い (N=140) 5.8 60 図6 「会社の人と飲みに行くのは苦じゃない」 11.4 39.3 ※学生除く ※学生除く (%) 65.9 M1 ビール嫌い (N=140) 37.1 60 ※学生除く 理 由 ③ 子供の頃に甘いものが 周りにあふ れ て い た から ビール嫌いな人の方が、 「 子供の頃はいつも甘い 図7「子供の頃はいつも甘いお菓子や飲み物を口にしていた」 お菓子や飲みものを口にしていた」や「ついつい甘い 0 ものを買ってしまう」割合が高い。 ( 図7、図8参照) つまり、幼少期に甘いものに囲まれて育ち、甘いもの 20 M1 ビール好き (N=703) を好む嗜好になったことで、苦味を味わうビールより も、甘いお酒を好むようになったことが考えられる。 40 図8 「ついつい甘いものを買ってしまう」 0 (%) M1 ビール好き (N=703) 39.7 M1 ビール嫌い (N=183) 20 60 (%) 53.9 M1 ビール嫌い (N=183) 43.7 40 59.0 若 者 に対する有 効な訴求方法とは 図9より、M1は、 ビールの広告で 使われる用語がM2ほど理解できて いない様子が分かる。よってM1に 対してはビールの広告メッセージが うまく届いていない可能性もある。 また図10より、M2が魅力と感じ ている「コク」 「キレ」 「 辛口」 「麦芽 図9 ビールの広告でよく使われる言葉の中で「意味を理解できるもの」 60 40 56.5 50.0 47.5 43.1 42.7 35.0 33.6 30.5 24.2 34.1 26.3 20 45.0 42.0 37.7 17.0 26.8 25.5 23.0 47.8 41.5 (%) 51.0 M1(N=1000) 33.2 30.5 37.5 32.1 32.1 32.0 31.0 14.0 あてはまる ものはない 飲みごたえ 爽快感 ドラフト モルト ホップ ドライ クール 喉ごし キレ コク 深み 生 反応は高い。若者層へのビールの まろやか 100 など苦味を連想させない表現への 図10 ビールの広告でよく使われる言葉の中で「魅力に感じるもの」 訴求は、上の年代とは分けて考える 必要があるといえる。 本格 辛口 鮮度 苦味 「まろやか」 「 生」 「 喉ごし」 「 爽快感」 麦芽 % 0 16.0 10.7 12.5 100%」など、味の本質を表した表 現はM 1では反 応が 薄い一 方で、 26.7 25.5 22.8 19.5 20.2 15.7 M2(N=200) 40 36.4 M1(N=1000) M2(N=200) 25.0 19.6 20 17.9 14.0 14.0 11.0 12.0 9.8 9.6 8.3 8.0 7.8 4.0 13.5 18.8 24.0 27.9 26.5 26.0 17.8 11.5 9.5 4.5 3.0 5.2 8.0 14.9 16.3 11.5 4.6 6.5 3.7 17.5 6.0 1.8 1.5 あてはまる ものはない 飲みごたえ 爽快感 ドラフト モルト ホップ ドライ クール 喉ごし キレ コク 深み 生 まろやか 本格 辛口 鮮度 100 苦味 麦芽 % 0 24.0 (%) ■結論 ビ ー ル の 美 味しさは 、何 度も飲む中 で 覚えて いくもの で ある。しかし、若 者 は 様 々 な 要 因を背 景 に 、そ の 美 味しさを感じる前 に、 “ 苦 味 ”からビ ー ルを敬 遠してしまって いる。だ からこそ 、若 者 対 策 に は 、苦 味 の 向こう側 に 本 来 の“ 味 わ い ”が あること知ら せるような啓 蒙 型 の ア プロー チ や 、苦 味を連 想させないような広 告 表 現 が 重 要と考えられる。また 、苦 味レベ ルを指 標として 明 示し、消 費 者 に 選 択 権を与える“トライ ア ルビ ー ル ”を開 発し苦 味 に 慣 れ る プロセスを用 意して あ げ ることなども効 果 的 で は ないだろうか 。そうしたコミュニケーションと商品開発による“ 入 口 づくり”がますます 必 要 になるかもしれない 。 Copyright ( C ) 2009 Media Shakers Inc. All Right Reserved.
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